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中井 啓*; 山本 陽平*; 山本 哲哉*; 吉田 文代*; 松村 明*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; et al.
no journal, ,
加速器中性子源中性子捕捉療法は、予め生体に投与したホウ素化合物に熱中性子を照射し、核反応で生じるアルファ線やリチウム原子核を治療に用いる方法で、細胞の直径程度の極めて短い飛程と、粒子線による高い線エネルギー付与が特長である。ホウ素を悪性腫瘍のみに集積することで、細胞選択的に抗腫瘍効果をもたらすと期待されており、効果の検証には細胞大の分解能のホウ素濃度分布測定が要求される。そこで、高感度と高空間分解能を併せ持つTIARAの大気マイクロPIXE/PIGE(Particle Induced X/Gamma-ray Emission)分析システムを用いた細胞中のホウ素分布分析を行った。細胞培養培地にホウ素化合物を濃度0300g/mLで添加した6種類の試料を用いてホウ素の検出限界を調べたところ、20g/mLの濃度で検出が可能であることがわかった。この培地で細胞を培養し培養液を吸引除去後凍結乾燥した試料では、生体細胞の主要構成元素であるリンやカリウムとホウ素の分布が一致しており、細胞に取り込まれたホウ素が可視化できたと考えられる。このように、TIARAの大気マイクロPIXE/PIGEが加速器中性子源中性子捕捉療法の効果を知る上で重要となるホウ素分布測定に応用可能であることがわかった。
小松 哲也; 末岡 茂; 日浦 祐樹; 喜多村 陽*; 三箇 智二*
no journal, ,
本研究では、日本列島において様々な時間スケールで生じる削剥速度とその特徴の把握に資するデータベースの構築を目的として、ダムの堆砂速度、宇宙線生成核種法, 熱年代法による削剥速度データの収集・編集を行った。作成した削剥速度データベースを利用し、削剥速度と相関の良い地形量の検討と時間スケールによる削剥速度の違いについての検討を行った。
日浦 祐樹; 小松 哲也; 末岡 茂; 喜多村 陽*; 三箇 智二*
no journal, ,
地質環境の長期安定性評価においては、地形・地質学的時間スケールで生じる侵食速度の分布図が必要となる。我が国において一般的な侵食速度の分布図は、数十年程度の期間のダム堆砂量を用いて算出された流域の平均侵食速度に基づいたものである。しかし、近年、宇宙線生成核種(TCN)法を用いて、数百年一万年程度の期間の流域の平均侵食速度を算出した研究が我が国においても行われるようになった。そこで、本研究では、地質環境の長期安定性評価に資するため、TCN法を用いて算出された侵食速度データならびにそれらと地形量(流域の平均斜面傾斜)との関係に基づき、従来よりも長期間の侵食速度の分布図を作成した。発表では、侵食速度分布図の作成方法、既往のダム堆砂速度に基づいた侵食速度分布図との比較の結果、について説明する。