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報告書

温度成層化現象に対する解析的評価手法の確立; 単相多次元コードAQUAによる40%出力試験定常時および過渡時フローホール通過流量の評価

土井 禎浩; 村松 壽晴

PNC TN9410 97-083, 106 Pages, 1997/08

PNC-TN9410-97-083.pdf:12.18MB

高速炉のスクラム過渡時に発生する温度成層化現象は、構造材に熱応力を与えるため、温度成層化挙動の特徴を評価することは機器の構造健全性および安全性の観点から重要である。本報告では単相多次元コードAQUAにより、高速増殖原型炉「もんじゅ」における40%出力試験定常時および40%出力定常時からのスクラム過渡時の上部プレナム内流速分布と温度分布を解析した。測定結果と解析結果の比較から上部プレナム内で生じる温度成層の形成過程と内筒に設けられたフローホール部の冷却材通過流量を解析的に評価した。測定結果の軸方向温度分布、上部および下部フローホール部冷却材温度ならびに原子炉容器出力温度の時間変化を模擬する解析条件を選定し、同条件による解析結果から実機の上部プレナム内で生じる温度成層の形成過程を評価した。解析は原子炉スクラムから300秒間について実施した。原子炉スクラム後には低温冷却材が上部プレナム下部に流入し、スクラム後約120秒で上部フローホール高さに温度成層が形成される。炉心からの低温冷却材は、その後も上部プレナム下部に滞留し、低温冷却材の領域が高さ方向に拡大することによって温度成層が上部プレナム上方に移動している。原子炉スクラムから300秒間では、炉心出口から整流筒を通過して炉心上部機構下面に衝突した流れは水平方向に向かい、温度成層の上昇に寄与していない。上部および下部フローホール部とアニュラス部の通過流量を測定結果より求めた。原子炉スクラムから約30秒後の下部フローホール部通過流量比は全流量の約7%、原子炉スクラムから約360秒後のアニュラス部通過流量比は全流量の約30%と評価された。一方、解析結果から求められる流量比は、定常時に上部および下部フローホール部を通過する流量が全流量の約17%から約31%であり、定常時においては内筒頂部からアニュラス部を通過する流れが支配的であると考えられる。また、過渡時には上部フローホールおよび下部フローホール部を通過する流量の比率は時間と共に増加し、原子炉スクラムから約300秒後には上部フローホール部、下部フローホール部およびアニュラス部を通過する冷却材の全流量に対する比率がほぼ等しくなるものと考えられる。

報告書

温度成層流における乱流混合の直接シミュレーション; 非等温場における乱流混合

土井 禎浩; 村松 壽晴

PNC TN9410 97-072, 56 Pages, 1997/07

PNC-TN9410-97-072.pdf:3.05MB

高速炉のスクラム過渡時に発生する温度成層化現象は、構造材に熱応力を与えるため、温度成層化挙動の特徴を評価することは機器の構造健全性および安全性を確認する観点から重要である。この温度成層流は、上部の密度が上部よりも小さい安定成層流であり、上部と下部の流速が異なるために流れは境界面付近で強い剪断を持ち、二次元的な大規模渦構造による乱れが流体の混合に関与することが実験的、解析的に示されている。本研究は成層流の乱流特性を表現する数値解析モデルの検討を目的として、流体に水を用いた矩形流路内成層乱流実験について密度差のある非等温場を差分法による直接シミュレーションコードによって解析し、乱流量の評価を行ったものである。流路の上層と下層の温度差をパラメータとし、Ri数を変化させて2次元解析を実施した。非等温場においても等温場の場合と同様に、低速側流体と高速側流体の境界面で乱れを生じ、下流側に向かうに従い渦の合体と成長によって剪断層が発達する様子が見られた。主流方向の下流側で時間平均した流速分布、速度変動分布、レイノルズ応力分布、温度分布および温度変動分布を求め測定結果と比較した。その結果、主流方向流速は、Ri数による差異が小さく、この傾向は測定結果と解析結果で一致した。しかしながら、高さ方向流速は、測定結果ではRi数が0の場合にのみ見られるのに対し、解析結果ではRi数が大きくなるに従い大きくなる傾向を示した。解析による速度変動およびレイノルズ応力は、Ri数が大きくなるに従い小さくなり、測定による傾向と一致した。温度分布は、解析結果では温度の軸方向勾配が3段階に変化しているが、測定結果ではそのような明確な勾配の変化は見られない。また、温度変動分布に関しても解析結果では二つの極大値が見られるが、測定結果では明確な温度変動の極大値は見られない。また、渦の合体に関しては、本結果は測定で得られた渦の合体が起きるRi数の範囲を模擬していること、渦の合体が起きる場合には渦の合体が起きない場合に比べて大きなレイノルズ応力を生じることがわかった。

報告書

温度成層流における乱流混合の直接シミュレーション; 等温場における乱流混合

土井 禎浩; 村松 壽晴

PNC TN9410 97-033, 66 Pages, 1997/04

PNC-TN9410-97-033.pdf:3.09MB

高速炉のスクラム過渡時に発生する温度成層化現象は、構造材に熱応力を与えるため、温度成層化挙動の特徴を評価することは機器の構造健全性および安全性の観点から重要である。この温度成層流は、上部の密度が下部よりも小さい安定成層流であり上部と下部の流速が異なるために流れは境界面付近で強い剪断を持ち、二次元的な大規模渦構造が存在し、これによる乱れが流体の混合に関与することが実験的、解析的に示されている。本研究では成層流の乱流特性を表現する表示式や数値解析モデルの検証を目的として、流体に水を用いた成層乱流実験について密度差のない等温場を差分法による直接シミュレーションによって解析し、乱流量の評価を行った。解析結果から、低速側流体と高速側流体の境界面で乱れを生じ、下流側に向かうに従い渦の合体と成長によって剪断層が発達する様子が見られた。解析メッシュ幅と流入流速分布を変更し、2次元解析と3次元解析を実施し、主流方向の上流側と下流側で流速分布、速度変動分布およびレイノルズ応力分布を求めた。解析結果に時間平均操作を施した流速、速度変動およびレイノルズ応力を測定結果と比較した。その結果、解析メッシュ幅を詳細化した場合にも下流側では速度変動量やレイノルズ応力に相違は生じず、不均一な流入流速分布は乱れを上流側で発達させ、上流側の位置での速度変動量やレイノルズ応力に影響を与えるが、下流側の位置においては、速度変動量やレイノルズ応力は流入流速分布に影響されないことがわかった。また、設定した3次元解析体系では、奥行き方向の変動が主流方向や高さ方向の変動に比べて非常に小さく、流速分布、速度変動およびレイノルズ応力について、2次元解析と3次元解析でほとんど差異を生じないこと示された。また、解析結果と測定結果の比較から、高さ方向の流速分布および速度変動は測定結果と相違するものの、主流方向については流速分布、速度変動とも測定結果と良く一致しており、二成層流における二次元的な大規模渦構造が解析的に模擬されている。

論文

Numerical analysis of thermal stratification phenomean in upper Plenum of fast breeder reactor

土井 禎浩; 村松 壽晴

Proceedings of 8th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal-Hydraulics (NURETH-8), Vo.3, 0 Pages, 1997/00

高速増殖炉のスクラム過渡時に発生する温度成層化現象について、原型炉「もんじゅ」における40%出力定常時、および40%出力定常時からのスクラム過渡時の上部プレナム内軸方向温度分布を単相多次元解析コードAQUAにより解析した。測定結果と解析結果の比較から、定常時の温度分布は測定結果と解析結果で良く一致することを示した。また、過渡期の解析ではフローホール部の流量と内筒を超える流量を精度よく予測することが界面の挙動を評価するうえで重要であることを示した。

報告書

温度成層化現象に対する解析的評価手法の確立,1; 単相多次元コードAQUAによる40%出力試験定常時および過渡時解析結果

土井 禎浩; 村松 壽晴

PNC TN9410 96-284, 61 Pages, 1996/10

PNC-TN9410-96-284.pdf:2.48MB

高速炉のスクラム過渡時に発生する温度成層化現象は、構造材に熱応力を与えるため、温度成層化挙動の特徴を評価することは機器の構造健全性および安全性の観点から重要である。本報告は、高速増殖原型炉「もんじゅ」における40%出力定常時、および40%出力定常時からのスクラム過渡時の上部プレナム内温度分布を単相多次元コードAQUAにより解析し、解析に用いる乱流モデルの同現象評価に対する適用性を検討した。軸方向温度分布について測定結果と解析結果を比較した。定常時における下部フローホールより上方の温度分布について測定値と解析結果の一致は良好であった。下部フローホールより下側では、解析結果は測定結果よりも高い温度を示した。これは、実機において下部フローホールよりも下側に低温の冷却材が停滞しているためと考えられる。一方、過渡時については、原子炉スクラムから約120秒後には、測定結果、解析結果とも上部フローホール近傍の高さで温度成層を生じる。測定結果と解析結果の成層界面位置はほぼ一致するものの、温度成層界面の温度勾配は解析結果の方がより早く緩やかになる傾向が見られた。これは上部プレナム下部の低温冷却材の流れが、過渡時の軸方向温度分布に影響を及ぼしているためと考えられる。このことから測定結果の温度成層化現象を精度良く予測するためには、定常時および原子炉スクラム初期に上部プレナム下部に停滞する低温の冷却材を適切にモデル化することが重要である。

報告書

CIP法による熱流動解析に関する調査

土井 禎浩

PNC TN9420 96-057, 48 Pages, 1996/09

PNC-TN9420-96-057.pdf:1.24MB

双曲型微分方程式の解法として提案されたCIP(Cubic Interpolated Pseudo-particle)法は,移流方程式に対する数値拡散が少ない解法として近年注目されている。また,CIP法を用いた解析手法C-CUP(CIP and Combined,Unified Procedure)法は,圧縮・非圧縮を同時に解析できること,相変化および混合問題等を解析できることから従来は解析が困難であるとされてきた問題,例えば,非圧縮性流れから圧縮性流れまでの連続解法や溶融などの相変化を伴う解析に適用されはじめている。本報告はCIP法の高速炉分野における熱流動解析への適用性を検討するため,非圧縮性および圧縮性流体の支配方程式を整理し,CIP法の特徴,C-CUP法の計算手順および解析例について調査したものである。CIP法およびC-CUP法を調査した結果,CIP法は,1階線形の双曲型微分方程式の解法で,熱流体の支配方程式における移流方程式を解くために格子点間の変数を3次関数で補間し,変数と変数の3次補間式の微分値を移流させる手法であることがわかった。この方法は状態の急激な変化を捕らえることが可能であり,数値拡散による解の劣化を抑制できる。また,C-CUP法は,熱流体の支配方程式を非移流項と移流項に分離し,移流項の計算にCIP法を適用し,非移流項の計算には差分法を用いて解を求める計算手法である。この方法はCIP法を用いることにより解の急激な変化に対して安定な計算が行えるという長所を持つが,非保存形表示の支配方程式を用いるため,質量保存は必ずしも保証されないという欠点を持つ。解析への適用例としては,CIP法とC-CUP法が,急激な密度変化に対して計算が安定であること,物体表面の記述性に優れている等の特徴から,相変化(溶融,凝固,蒸発など)を伴う現象や密度の異なる流体が混合する現象,個体壁の移動を扱う問題などが解析されており,これらの概要についてまとめた。

報告書

単相多次元コードAQUAによる配管内の流れ解析

土井 禎浩; 村松 壽晴

PNC TN9410 96-276, 49 Pages, 1996/09

PNC-TN9410-96-276.pdf:1.82MB

配管内の流れは,様々な伝熱流動の中で最も基本的なものの一つであり,層流から乱流までの広い範囲で様々な実験や解析が行われて来ている。しかしながら,実際のプラントで見られる配管には,断面変化や曲り,分岐あるいは合流等が存在する。このため,個々に実験され,評価された解析手法を実際の配管の評価に適用するには,計算格子や計算時間等の解析に対する負荷が大きく,その評価は実験式に依存している場合が少なくない。本報告は,単相多次元コードAQUAにより実際の配管設計で見られる形状を模擬した解析を行い,同コードの配管内流れへの適用性を検討したものである。解析対象として,配管中に置かれた円柱に対する抗力,曲り管で生じる二次流れ,および縮流の円柱抗力に対する影響を取り上げ,既往研究との比較によりAQUAによる解析結果を評価した。配管中に置かれた円柱に対する抗力の計算では,流れに垂直に置かれた円柱の抗力をAQUAの圧力分布から求め,抗力係数を用いた計算式により求めらる抗力と比較した。その結果,円柱の摩擦抗力が小さく,円柱の後流領域の乱れが小さいような場合には,計算式から得られる抗力とAQUAによる結果は良い一致を示すことがわかった。曲り管を対象とした解析では,3回の曲りを有す る配管について二次流れの主流に及ぼす範囲をAQUAにより解析した。その結果曲り管から30d(d:管内径)の位置における二次流れの流速の主流流速に対する比は約4%と小さく,同位置では二次流れの影響はほとんど見られなかった。また縮流の計算では,容器底部に接続された配管内の流速分布と縮流が円柱抗力に及ぼす影響を検討した。容器と配管の直径の比が約0.2の本解析結果では, 容器と配管の接続部から2d(2d:管内径)の位置で縮流の影響は小さかった。

報告書

原子炉容器上部プレナム温度評価試験,1; 40%出力試験定常時および過渡時温度測定結果

土井 禎浩; 村松 壽晴; 桾木 孝介

PNC TN9410 96-117, 60 Pages, 1996/05

PNC-TN9410-96-117.pdf:1.94MB

高速炉のスクラム過渡時に発生する温度成層化現象は、構造材に熱応力を与えるため、温度成層界面の特徴を評価することは機器の構造健全性および安全性の観点から重要である。本報告は、高速増殖原型炉「もんじゅ」における40%出力定常時、および40%出力定常時からのスクラム過渡時の上部プレナム内軸方向温度測定結果により、成層界面の特徴を評価したものである。定常時の測定結果からは、上部プレナム内の軸方向温度分布および温度変動を評価した。軸方向各位置の温度は、内筒取付台と炉心頂部間では約410$$^{circ}$$Cと温度が低く、下部および上部フローホール間付近では約480$$^{circ}$$C、上部フローホールより上方では約490$$^{circ}$$Cで、定常時に温度成層界面が形成されている。また、下部および上部フローホール付近の温度変動(RMS値)はそれぞれ約1.6$$^{circ}$$C、2.0$$^{circ}$$ Cである。この温度変動の原因は、温度の異なる冷却材が混合することにより発生すると考えられる。過渡時の測定結果からは各時刻の上部プレナム内軸方向位置における温度降下率、温度勾配および成層界面上昇速度を評価した。原子炉スクラム後の温度降下率は、炉心出口付近では約5.0$$^{circ}$$C/sec、フローホール付近では約1.5$$^{circ}$$C/secであり、上部フローホールより上方の領域の温度降下率は最大約0.3から0.4$$^{circ}$$C/secである。温度勾配は原子炉スクラムから約120秒後の成層界面形成初期で約160$$^{circ}$$ C/m、原子炉スクラムから約180秒後の温度勾配は約90$$^{circ}$$C/mである。また、原子炉スクラムから600秒後の温度勾配は約45$$^{circ}$$C/mである。原子炉スクラムから約1800秒以降の内筒頂部付近の温度勾配は、原子炉スクラム後約4800秒で約170$$^{circ}$$C/mである。成層界面上昇速度は、原子炉スクラム後120秒から600秒の間では約1.0m/h、原子炉スクラム後600秒以降では約0.6m/hであった。また、内筒頂部付近の成層界面位置の変化量は、原子炉スクラムから4800秒後と7800秒後で約150mmあり、成層界面上昇速度は約0.2m/hである。

報告書

熱的流体-構造連成解析によるしゃへいプラグ温度評価,1; FINASおよびAQUAによる予備解析

土井 禎浩; 大平 博昭

PNC TN9410 95-282, 68 Pages, 1995/11

PNC-TN9410-95-282.pdf:2.38MB

高速炉のしゃへいプラグの温度分布を評価するため、熱的流体-構造連成解析コード「FLUSH」の開発が実施されている。本報告書は、「FLUSH」によるしゃへいプラグの温度評価に先立ち、しゃへいプラグとカバーガス空間それぞれの熱的特性を個別に解析評価した結果について示すものである。しゃへいプラグの構造温度分布の評価には汎用非線形構造解析システムコード「FINAS」を、カバーガス空間のアルゴンガス温度および流速分布の評価には多次元熱流動解析コード「AQUA」をそれぞれ使用した。「FINAS」の解析結果から、Na液面としゃへいプラグ下面間に放射伝熱を考慮しない場合には、しゃへいプラグ下面温度は測定結果よりも約150$$^{circ}$$Cから200$$^{circ}$$C低い温度となり、放射伝熱を考慮すると、測定結果との差は約60度以下に改善された。さらに、「AQUA」の解析結果からは、カバーガス空間内の自然対流により回転プラグ下面位置のカバーガス温度には約40$$^{circ}$$Cの周方向温度差を生じ、固定プラグと回転プラグ間のアニュラス部に周方向自然対流によって誘起される温度差約20$$^{circ}$$Cが生じた。「もんじゅ」の予備試験で測定された回転プラグの周方向温度差は最大約100$$^{circ}$$Cであり、「FINAS」、「AQUA」のそれぞれの解析で得られた温度差よりも大きいものであった。このことから、しゃへいプラグの温度評価では、しゃへいプラグの熱伝導、カバーガス空間の自然対流および放射伝熱を考慮した熱的流体-構造連成解析が必要であることがわかった。

報告書

高速炉実用化のための大規模ナトリウム試験

家田 芳明; 村松 壽晴; 土井 禎浩; 児玉 徹彦; 仲井 悟; 山下 卓哉; 井上 正明

PNC TN9410 95-265, 171 Pages, 1995/10

PNC-TN9410-95-265.pdf:8.91MB

実験炉段階で採用される配管短縮化、原子炉容器を含む機器のコンパクト化、自然循環を重視のした崩壊熱除去など、原子炉冷却系に係る新概念技術の確率を目的とする大規模ナトリウム試験への要求条件を摘出し、試験施設の基本仕様を検討した。大規模ナトリウム試験では、系統熱過渡試験、自然循環崩壊熱除去試験、炉壁保護構造試験及び水蒸気系熱流動試験の4項目の熱流動及び機器構造に係る原子炉理冷却系統総合試験が実施され予定である。本報告書ではそれらの試験計画として、主に熱流動に関する課題、試験目的、期待される成果、試験項目及び試験の特徴をまとめた。ここで検討した試験施設は、実証炉に関する「国への要望」に応えるのはもちろんのこと、「FBR固有の技術」を確率する観点から、今後の長期に亘り高速炉の実用化に必要な技術開発に活用する総合的な大規模ナトリウム試験施設として位置付けられる。

報告書

単相多次元コードAQUAによる原子炉冷却系総合試験装置熱流動解析(I)-温度成層化および炉壁保護構造の熱流動解析-

土井 禎浩; 村松 壽晴

PNC TN9410 95-241, 102 Pages, 1995/10

PNC-TN9410-95-241.pdf:6.62MB

実証炉設計の妥当性確認ならびに実用化のための基盤技術検討に必要な熱流動に関する知見とこれに係わるデータの取得を目的として、原子炉冷却系総合試験の実施が計画されている。本報告書は原子炉冷却系総合試験装置の概念構築のため、原子炉容器モデルに関し、フル(360$$^{circ}$$)セクタと1/3(120$$^{circ}$$)セクタの温度成層化現象を単相多次元コードAQUAにより解析し、1/3セクタモデルのフルセクタにおける熱流動特性の模擬性について検討したものである。また、炉壁保護構造の中間アニュラス部内熱流動挙動を同コードにより解析し、周方向渦の発生について評価を行い、当核構造部位を対象とした試験の必要性を含む試験計画の検討に反映した。温度成層化および炉壁保護構造の検討から得られた成果をそれぞれ以下に示す。〔上部プレナム内温度成層化現象の熱流動特性〕(1)フルセクタモデルと1/3セレタモデルの比較では、手動トッリプ時および自然循環移行時ともに、定格運転状態から約40秒後まではUCS底面から上方のプレナム内において流況の相違が見られる。一方、炉心出口流速が低下したポニーモータ運転および自然循環状態では速度分布、温度分布ともに顕著な相違はない。(2)ポニーモータ運転あるいは自然循環状態に移行し、炉心出口流速が低下した後のホットレグ配管吸い込み部近傍の流況は、ホットレグ配管のない周方向領域での結果と大きな差はない。(3)(1)および(2)から、手動トリップ時および自然循環時の試験は、1/3セクタモデルによりフルセクタでの熱流動挙動の模擬が可能と判断できる。〔炉壁保護構造の熱流動特性〕(1)堰を越えて中間アニュラス内へ落下する流入流速(越流流速)に関し、定格流速から定格流速の1%(1.53m/s、0.153m/sおよび0.0153m/sec)までの範囲では、中間アニュラス内に周方向自然対流は発生しない。(2)越流流速が周方向に不均一な場合(最大流速1.53m/s、最小流速0.765m/sとして、最大最小間を線形補完)にも周方向自然対流は発生せず、実機の運転条件において周方向自然対流による温度分布が問題となる可能性は小さいことが確認できた。

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