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赤木 洋介*; 加藤 博康*; 舘 幸男; 坂本 浩幸*
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 5, p.233 - 236, 2018/11
福島第一原子力発電所の廃止措置によって放射性物質によって汚染されたコンクリートが多量に発生することが想定される。廃止措置や放射性廃棄物管理(除染や処分等)のための計画を策定するうえでは、コンクリート材料中の放射能インベントリや分布を推定することが重要となる。本研究では、OPCモルタル中のHTO, Cs, I, Uの実効拡散係数(De)及び分配係数(Kd)を、透過拡散試験及びバッチ収着試験によって実測した。取得されたDeはHTO, I, Cs, Uの序列となり、陽イオン排除効果がOPCモルタルにおいて重要なメカニズムであることが確認された。バッチ試験で得られたKdは、拡散試験で得られたKdより1桁以上高い値となり、試料の粉砕が収着に対して影響を及ぼすことが確認された。OPCモルタル中の拡散・拡散メカニズム理解は、放射性核種のコンクリートへの浸透挙動の予測するうえで重要である。
坂本 浩幸*; 赤木 洋介*; 山田 一夫*; 舘 幸男; 福田 大祐*; 石松 宏一*; 松田 樹也*; 齋藤 希*; 上村 実也*; 浪平 隆男*; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 17(2), p.57 - 66, 2018/05
福島第一原子力発電所の事故によって放射性セシウムによって汚染されたコンクリート瓦礫が発生しており、さらに、将来の原子炉の廃止措置に伴って多量の放射性コンクリート廃棄物が生じることが想定される。床や壁等のフラットな表面の除染には既存技術が有効であるが、コンクリート瓦礫に対する除染技術の適用性については課題がある。本研究では、パルスパワー放電技術の適用性可能性に着目して、汚染コンクリートの骨材とセメントペーストへの分離と、それぞれの放射能測定による基礎的な試験と評価を実施した。試験結果より、汚染コンクリートの骨材とセメントペーストへの分離によって、放射性コンクリートの除染と減容が達成される可能性が示された。
Arifi, E.*; 石松 宏一*; 飯笹 真也*; 浪平 隆男*; 坂本 浩幸*; 舘 幸男; 加藤 博康*; 重石 光弘*
Construction and Building Materials, 67(Part B), p.192 - 196, 2014/09
被引用回数:4 パーセンタイル:26.11(Construction & Building Technology)福島第一原子力発電所の事故によって多量の放射性汚染コンクリートが発生している。放射性廃棄物としての汚染コンクリートの減容化に対するパルスパワー放電の適用可能性が調査された。汚染コンクリートは、パルスパワー放電過程で、非汚染粗骨材を汚染マトリクスから分離することにより除染される。本研究では、放射性汚染コンクリートを模擬するために、Csの安定同位体を用いた。試験の結果、汚染コンクリートから回収された骨材の体積は最大で60%であり、一方で、回収骨材中のCsはおおよそ3%であった。大部分のCsは、放電過程で水中に移行した。これらの結果より、パルスパワー法によって、骨材の再利用による汚染コンクリートの減容できる可能性が示された。本手法の実際の廃棄物への適用性を評価していくため、より実際の廃棄物に近い条件で試験を実施する必要がある。
川戸 喜実; 富岡 修; 高橋 邦明; 目黒 義弘; 坂本 浩幸*; 芳賀 和子*
JAEA-Technology 2010-013, 38 Pages, 2010/07
原子力機構の各拠点から放射性廃棄物として発生する可燃物や難燃物の焼却灰を固型化するために、セメント系固型化材を用いて模擬焼却灰(飛灰)の基本的な固化特性を調べた。固型化材の種類,焼却灰の充填率,固化遅延物質の含有量などの固化条件をパラメータに固化体の一軸圧縮強度を調べるとともに、不溶化剤を添加して固化体からの焼却灰中の重金属成分の溶出率を調べた。普通ポルトランドセメント(OPC),高炉セメント(BB),低アルカリ性セメント(LAC)は、評価の目安とした一軸圧縮強度1.47N/mmを超えることを確認した。一軸圧縮強度は、BBは焼却灰の充填率を40%にすると1.47N/mmを超えなかったが、LACは40%でも1.47N/mmを超えた。BBとLACについて、セメントの硬化遅延物質である鉛と亜鉛の含有量を増加させた固化体を作製し、硬化性への影響を調べた。両固化体ともすべての含有率で1.47N/mmを超える固化体が得られた。重金属の不溶化剤として、硫酸鉄,硫化ナトリウムはクロムに対する抑制効果が認められたが、ゼオライトとベントナイトは顕著な溶出抑制効果が見られなかった。
千代 悦司; 小林 鉄也; 山崎 正義*; 鈴木 浩幸*; 堀 利彦*; 坂本 光徳*; 浦方 弘人*; 三宅 節雄*; 福田 茂樹*; 穴見 昌三*
Proceedings of 21st International Linac Conference, p.455 - 457, 2003/00
大強度陽子加速器施設の線形加速器において、190MeVから400MeVまでの加速器の高周波源として972MHzのクライストロンが使用される。このクライストロンはACS加速器を駆動するために最大2.5MWのRF電力が必要である。プロトタイプのクライストロンが製造され、原研のテストスタンドでその高周波特性が評価された。最初の実験では、カソード電圧104kVで2.1MWの飽和出力が得られ、また、ガン発振による出力の不安定性が観測された
田中 知*; 長崎 晋也*; 大江 俊昭*; 廣永 道彦*; 村岡 進; 油井 三和*; 妹尾 宗明*; 藤原 愛*; 芳賀 和子*; 坂本 浩幸*; et al.
日本原子力学会誌, 39(12), p.1008 - 1018, 1997/00
被引用回数:3 パーセンタイル:30.38(Nuclear Science & Technology)セメント系材料は、既に実施されている低レベル廃棄物処分ばかりではなく、高レベル廃棄物やTRU廃棄物の処分システムの成立性を考える上でも重要な人工バリア要素である。しかしながら、それらの放射性核種の閉じ込め性や長期的な処分環境下での安定性、他材料との両立性など更に明らかにすべき課題が残されている。本稿は原子力産業界及びセメント産業界において、放射性廃棄物の処理処分分野に携わっている人々や関心を有している人の共通認識を醸成するためにその現状と今後の課題を整理したものである。
富岡 修; 川戸 喜実; 目黒 義弘; 芳賀 和子*; 坂本 浩幸*
no journal, ,
放射性廃棄物の処理においてセメント系材料は処分容器に放射性廃棄物を固型化する材料として使用されている。原子力機構の各拠点から発生する焼却灰についてもセメント系材料を用いて固型化し処分する計画である。そこで、焼却灰のセメント固化設備の設計等に向けて固化条件の設定及び固化体性能の把握等に資する基礎データの取得を開始した。本報では、重金属を含む焼却灰を想定し、種々のセメント材及び重金属不溶化剤を使用してセメント固化体を製作し、圧縮強度及び重金属の溶出の観点から、最適な固型化材を検討した。「重金属等にかかわる土壌汚染調査・対策指針」に定められる溶出量基準値からPb, Cdの溶出濃度は0.3mg/L以下、Cr(VI)は1.5mg/L以下、圧縮強度は廃棄体基準(1.47N/mm)を評価基準としたところ、本試験条件では、高炉セメントは不溶化剤によらず目標とした基準値を満足した。低アルカリ性セメントは不溶化剤として硫酸鉄を添加した場合で基準値を満足した。普通ポルトランドセメントはPbの溶出を抑えることができなかった。高炉セメントもしくは硫酸鉄を添加した低アルカリ性セメントが固型化材料として適していることがわかった。
芳賀 和子*; 坂本 浩幸*; 富岡 修; 川戸 喜実; 目黒 義弘
no journal, ,
放射性廃棄物である焼却灰をセメント系材料を用いて固型化し処分する技術の開発を進めている。本報では、セメント固化体からの重金属溶出機構検討のために、重金属溶出濃度と圧縮強度及び溶出液組成の相関を検討した。焼却灰セメント固化体からのPbの溶出試験の結果、低アルカリ性セメント固化体はすべての試料でPbの溶出は低く抑えられた。高炉セメント固化体は圧縮強度が高い試料ほどPbの溶出濃度が低くなった。圧縮強度は水和の進行や配合により異なり、水和が進み固化体の組織が緻密化することによって物質移動しにくくなりPbの溶出が抑えられたと考えた。また、灰量が多い場合は圧縮強度が低く、溶出したPbの濃度が高かった。これはセメント成分の相対的な減少によりPbの固定化能が低下したためと考えられる。さらに、固化体の溶出液のpHとPb溶出濃度の関係を調べた結果、pHが低い固化体で溶出濃度が低かった。Cdは高アルカリ性環境で溶出濃度が低くなり、Cr(VI)は還元剤である硫酸鉄の添加により溶出濃度が低くなることがわかった。
赤木 洋介*; 下田 紗音子*; 加藤 博康*; 舘 幸男; 坂本 浩幸*
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故に伴い発生したコンクリート廃棄物の処理・処分検討に資するため、コンクリート中の核種の存在形態と移行挙動に関する基礎データ調査として、トリチウム水, Cs, I, Uを対象に拡散・収着データを取得し、コンクリートの種類や海水による収着・拡散特性への影響を評価した。
坂本 浩幸*; 下田 紗音子*; 山田 一夫*; 浪平 隆男*; 重石 光弘*; 舘 幸男
no journal, ,
福島第一原子力発電所の事故に伴い発生した放射性セシウムで汚染している瓦礫状のコンクリートの除染方法としてパルスパワーを用いた骨材再生技術の適用性を検討した。パルスパワー放電により、瓦礫状コンクリートの骨材とセメントペーストを分離する基礎試験を実施し、汚染コンクリートの除染、減容処理への適用可能性について検討を実施した。