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中嶋 徹; 末岡 茂; 長田 充弘; Kohn, B. P.*; Ramos, N. T.*; 堤 浩之*; 田上 高広*
Earth, Planets and Space (Internet), 75(1), p.176_1 - 176_11, 2023/12
被引用回数:0 パーセンタイル:1.28(Geosciences, Multidisciplinary)本研究では島弧山地における中間質マグマの貫入と隆起・侵食過程を理解する目的で、フィリピン、ルソン島の中央コルディエラ山地に地質・熱年代測定を適用した。ジルコンU-Pb年代は32.540.70から6.110.15(2SE)Maであり、これは第三紀火成活動に伴う中・上部地殻における中間質マグマの断続的な貫入イベントを反映している。ジルコンのフィッション・トラック(ZFT)年代は35.632.17から6.910.36(2SE)Maであり、それぞれの試料採取地点におけるジルコンU-Pb年代と対比される。これは中間質マグマが貫入後、即座に250350Cまで冷却したことを反映している。一方、ジルコンとアパタイトの(U-Th-Sm)/He(ZHe, AHe)年代はそれぞれ11.710.36から8.820.26Maと9.210.52から0.980.088(2SE)Maであり、ジルコンのU-Pb年代やZFT年代よりも若い傾向にある。これは各地点における岩石の冷却速度が低温領域において減少したことを示唆する。そのため、ZFT年代は中間質マグマの初期冷却を、AHe年代は隆起・侵食に伴う冷却をそれぞれ反映していると考えられる。AHe年代の地理的分布は、第四紀に中央コルディエラ山地全体がブロック状に隆起したことを示唆している。
中西 利典*; 奥野 充*; 山崎 圭二*; Hong, W.*; 藤田 奈津子; 中村 俊夫*; 堀川 義之*; 佐藤 鋭一*; 木村 治夫*; 堤 浩之*
名古屋大学年代測定研究,5, p.38 - 43, 2021/03
雲仙火山の約13km西方にある唐比低地には泥炭層や泥層からなる湿地堆積物が厚く分布しており、それらの堆積物には千々石断層や雲仙火山の活動履歴が記録されていることが期待される。それらの履歴を精度よく検知するために、複数本のボーリングコアを掘削して放射性炭素年代値を測定した。それらの結果を地中レーダ探査断面と対比して湿地堆積物の形成過程を検討した。その結果得られたすべてのC年代値は層序関係と矛盾がなく、堆積曲線は若干のずれが認められるが概ね一致する結果となった。本研究の年代測定の一部はペレトロン年代測定装置による施設供用利用で行われたものである。
末岡 茂; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; Kohn, B. P.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二*
Journal of Geophysical Research; Solid Earth, 122(8), p.6787 - 6810, 2017/08
複数の熱年代学的手法とthermo-kinematicモデリングを用いて赤石山脈の削剥史を検討した。熱年代は東に向かって系統的に若返り、赤石山脈北部は東縁に分布する糸魚川-静岡構造線の活動によって隆起した可能性が示唆された。Thermo-kinematicモデリングによって詳細な検討を加えた結果、糸魚川-静岡構造線の変位速度が5-10mm/yr、傾斜が27-45度、デコルマ深度が20-25kmのとき、熱年代測定結果と既存の地形・地球物理データを矛盾なく説明できることが確認できた。隆起速度と削剥速度は約4mm/yrと推定された。一方、赤石山脈南部は、先行研究による少数の熱年代データは北部と異なる値を示しているほか、地形・地質構造等の違いを考慮すると、北部とは別の時期・メカニズムによって隆起している可能性がある。
志風 義明; 西澤 幸康; 眞田 幸尚; 鳥居 建男; Jiang, J.*; 島添 健次*; 高橋 浩之*; 吉野 将生*; 伊藤 繁樹*; 遠藤 貴範*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 53(12), p.1907 - 1918, 2016/12
被引用回数:37 パーセンタイル:96.48(Nuclear Science & Technology)無人ヘリ搭載用に軽量・低消費電力のコンプトンカメラ方式のガンマカメラを開発した。検出器に関して、散乱体・吸収体の各層のGAGGシンチレータ・アレイの44から88への増加、及び、2層間の距離の拡張により、それぞれ、検出効率と角度分解能が改善した。改良したコンプトンカメラを用いた測定を福島県浪江町の請戸川河川敷で実施した。飛行経路と速度のプログラミングが可能な無人ヘリの機能を用いて、6560mの範囲を5mの測線間隔の13測線で、及び、65180mの範囲を10mの測線間隔の19測線で、高度10m・速度1m/sにて櫛形に往復させながら、それぞれ、20分間と30分間で測定した。測定データと校正用データの解析により、地上1m高さでの空間線量率分布マップが、高度10mから約10mの位置分解能に相当する角度分解能にて精度よく得られた。また、ホバリングフライトでは、ホットスポット上で高度5-20mで10-20分間程度測定を行った。再構成ソフトの使用後に検出効率の補正や線量換算を経て、ホットスポットを含む線の画像を得た。再構成線画像の角度分解能は測定位置をシフトさせた結果の比較より、室内実験での性能(約10度)と同程度であることを確認した。
末岡 茂; 堤 浩之*; 田上 高広*
Geoscience Frontiers, 7(2), p.197 - 210, 2016/03
被引用回数:18 パーセンタイル:55.9(Geosciences, Multidisciplinary)熱年代学は、熱による放射年代の若返りを利用して、過去の熱イベントの時期や温度などを調べる学問領域である。山地においては、冷却量を削剥量に読み換えることで削剥史の推定が可能であり、過去40年にわたり、世界各地の造山帯で用いられ成果をあげてきた。一方、日本国内では、山地が小規模で削剥量が少ないことや、隆起開始時期が新しいこともあり、従来の熱年代学的手法の適用は比較的困難であった。しかし近年、低温領域における熱年代学の手法が飛躍的な発展を遂げており、手法面における障害は急速に低減されつつある。本稿では、(1)日本列島及びその山地のテクトニクス及び地形学的特徴、(2)熱年代学以外の手法による、日本列島の山地における隆起・削剥の測定例、(3)日本列島の山地における熱年代学的研究の問題点と応用例、(4)木曽山脈の事例と日本列島の山地における現在の有効性と適用範囲、について紹介する。
末岡 茂; 堤 浩之*; 田上 高広*
地球科学, 69(1), p.47 - 70, 2015/01
熱年代学は、熱による放射年代の若返りを利用して、過去の熱イベントの時期や温度などを調べる学問領域である。山地においては、冷却量を削剥量に読み換えることで削剥史の推定が可能であり、過去40年にわたり、世界各地の造山帯で用いられ成果をあげてきた。一方、日本国内では、山地が小規模で削剥量が少ないことや、隆起開始時期が新しいこともあり、従来の熱年代学的手法の適用は比較的困難であった。しかし近年、低温領域における熱年代学の手法が飛躍的な発展を遂げており、手法面における障害は急速に低減されつつある。本稿では、まずフィッション・トラック法と(U-Th)/He法を中心に、(1)熱年代学の原理、(2)近年における低温領域の熱年代学の発展、(3)分析手順、(4)海外の山地における適用例の概略を紹介する。また、(5)日本列島の山地における隆起・削剥に関する既存研究の紹介により、日本列島の山地の特徴と研究意義を示し、(6)日本列島の山地に熱年代学的手法を適用した既存研究および、(7)筆者らによる木曽山脈や赤石山脈の事例研究を通じて、(8)現段階における日本の山地での熱年代学的手法の有用性や適用可能範囲を議論する。
末岡 茂; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二
フィッション・トラックニュースレター, (27), p.17 - 19, 2014/12
地殻変動の長期予測を行う上で、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、近畿の逆断層卓越地域と中部の横ずれ断層卓越地域の構造境界に分布する養老-鈴鹿-布引山地について、アパタイトフィッション・トラック法(AFT法)を用いて、隆起・削剥史の解明を行った。AFT年代測定の結果、47-30Maという年代が得られ、鈴鹿山脈の中部から南部で最も若く、南北に向かって古くなる傾向が認められた。AFT年代とAFT長を基にした熱履歴解析の結果、これらの年代差は最近数100万年間の山地の隆起に伴う削剥量の違いを反映していると解釈できる。古琵琶湖や東海湖といった沈降域が南から北へと発達したのに対し、隆起域はより複雑な発達過程をたどったことが示唆される。
郡谷 順英*; 野原 壯; 今泉 俊文*; 渡辺 満久*; 堤 浩之*; 千田 昇*
活断層研究, (19), p.3 - 12, 2000/00
活断層マップワーキンググループ(1999)は、新たに4万分の1の空中写真を用いて、後期更新世以降の断層変位地形を重視する厳密な基準で活断層の判読作業を実施し、その結果を2万5千分の1の地形図に記載することで日本列島全域の詳細活断層図を作成した。さらに、設定された活断層については、2万分の1あるいはより縮尺の大きな空中写真の判読結果や現地調査で得られた結果から、活断層の活動性を評価するための属性情報(変位量、変位基準の年代、変位の向きなど)を整備している。また、新しい試みとしてこれらのデータをデジタル化して地理情報データベースを構築し、活断層研究および地震学・地震工学などの関連分野の基礎的な資料として整備しつつある。本論文では,このデジタル化されたデータに基づいて新たに「200万分の1の日本列島活断層図」を編纂し、さらにデータベース中の属性データを用いて日本列島に発達する活断層の過去数十万年間の活動の特徴を検討するとともに、将来の断層運動についていくつかの予測を試みた。
郡谷 順英*; 野原 壯; 隈元 崇*; 東郷 正美*; 渡辺 満久*; 堤 浩之*
活断層研究, (19), ,
活断層マップワーキンググループ(1999)は、新たに4万分の1の空中写真を用いて、後期更新世以降の断層変位地形を重視する厳密な基準で活断層の判読作業を実施し、その結果を2万5千分の1の地形図に記載することで日本列島全域の詳細活断層図を作成した。さらに、認定された活断層については、2万分の1あるいはより縮尺の大きな空中写真の判読結果や現地調査で得られた結果から、活断層の活動性を評価するための属性情報(変位量、変位基準の年代、変位の向きなど)を整備している。また、新しい試みとしてこれらのデータをデジタル化して地理情報データベースを構築し、活断層研究および地震学・地震工学などの関連分野の基礎的な資料として整備しつつある。 本論文では、このデジタル化されたデータに基づいて新たに200万分の1の活断層図を編纂し、紹介する。
末岡 茂; Kohn, B.*; 田上 高広*; 堤 浩之*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*
no journal, ,
地殻変動の長期予測を行ううえで、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、木曽山脈を事例として、フィッション・トラック(FT)熱年代及び(U-Th-Sm)/He(He)熱年代をもとに、山地の隆起・削剥史の解明を試みた。9点のジルコンFT年代(59.3-42.1Ma)、18点のアパタイトFT年代(81.9-2.3Ma)、13点のアパタイトHe年代(36.7-2.2Ma)が得られ、アパタイトFT年代とアパタイトHe年代について、木曽山脈の隆起・削剥に伴う年代値の若返りが確認できた。これらの年代の空間分布に基づくと、木曽山脈は伊那谷断層帯と清内路峠断層の間で西傾動しつつ隆起していると考えられる。また、アパタイトFT年代及びアパタイトFT長を用いた熱履歴解析の結果をもとにすると、木曽山脈の隆起開始(約0.8Ma)以降の平均削剥速度は1.3-4.0mm/yr、平均隆起速度は最大で3.4-6.1mm/yrと推定された。
小泉 智; Putra, A.; Zhao, Y.; 能田 洋平; 山口 大輔; 上田 悟*; 郡司 浩之*; 江口 美佳*; 堤 泰行*
no journal, ,
ナフィオン膜は数ナノメートルサイズのイオンクラスターを形成し、内部の水分量に応じてプロトン伝導性が大きく変化することが知られている。このため固体高分子形燃料電池の発電特性を高温低加湿条件で最適化するためには、動作中の水分量と分布を定量的に評価することが重要である。また膜電極接合体(MEA)を介して両極間を往来する水の定量化し水管理の知見を得ることも必須である。そこで動作中の燃料電池の水履歴の評価法として、燃料に重水素ガスを用いる重水素燃料電池を考案し、これを中性子小角散乱と組合せることを試みた。運転の途中で軽水素/重水素ガスの交換を行えば、カソード極ではそれぞれに軽水,重水が生成し、この水はやがてMEAを膨潤させる。そのとき中性子小角散乱に対して異なる散乱コントラストを生じさせ散乱強度の変化より重水と軽水の割合が決定できた。さらにアノード極,カソード極の出口で軽水と重水の混合比を赤外吸収分光で定量化し水履歴の完全理解を目指した。
末岡 茂; Kohn, B.*; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*
no journal, ,
熱年代学的手法により、地質環境の長期予測に必要となる内陸部の隆起・削剥史を推定することができる。本研究では、赤石山脈を事例に、ジルコンHe年代・アパタイトFT年代等の手法を用いて隆起・削剥史を推定した。ジルコンHe年代が、中央構造線(MTL)から糸魚川-静岡構造線(ISTL)へと東に系統的に若返っていることから、赤石山脈が西に傾動隆起していることが推定された。また、FT年代からは、赤石山脈が北部地域を中心とした後期鮮新世(約3.3Ma)以降の隆起と南部地域を中心とした約1Ma以降の隆起の少なくとも2回の隆起ステージを経ており、これらはISTLの逆断層活動と伊豆地域の衝突に関連しているという可能性が示された。
末岡 茂; 山田 国見; 柴田 健二; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*
no journal, ,
地殻変動の長期予測を行ううえで、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、アパタイトフィッション・トラック年代(AFT年代)及びアパタイト(U-Th)/He年代(AHe年代)をもとに、鈴鹿山脈の隆起・削剥史の解明を試みている。鈴鹿山脈は、近畿の逆断層卓越地域と中部の横ずれ断層卓越地域の構造境界に沿って分布しているが、この地域ではフィリピン海スラブが浅い尾根状を呈し、このような特異な深部構造が地表の地殻変動やテクトニクスに影響を与えている可能性が示唆されている。鈴鹿山脈の南北方向でAFT密度に系統的な差は見られないが、鈴鹿花崗岩体内でウラン濃度が均一と仮定すると、AFT年代も南北方向で変化しないことになる。AFT年代が過去数100万年の削剥を反映しているならば、近江盆地と濃尾平野の沈降場が鮮新世以降に北進しているのに対し、鈴鹿山脈の隆起は南北で同時だった可能性がある。一方、AFT年代が過去数1000万年の削剥を反映していれば、削剥の原因は中部近畿一円の準平原化だと考えられる。発表では、AFT年代とAHe年代から、本地域の隆起・削剥史とその地形学的な解釈についてより詳細な議論を行う予定である。
末岡 茂; 山田 国見*; 柴田 健二; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*
no journal, ,
地殻変動の長期予測を行ううえで、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、アパタイトフィッション・トラック年代(AFT年代)及びアパタイト(U-Th)/He年代(AHe年代)をもとに、養老-鈴鹿-布引山地の隆起・削剥史の解明を試みた。養老-鈴鹿-布引山地は近畿三角帯の東縁に沿って分布しているが、東西の沈降場(東海湖,古琵琶湖)は鮮新世以降に北上していることが知られている。一方、本研究の結果によると、年代の若返りは南の布引山地より鈴鹿山脈の中部から南部で最も顕著であり、単調に隆起場が北進したとは考えにくい。近畿三角帯における沈降場の形成・北進と山地の隆起は、それぞれ異なるメカニズムに起因していると考えられる。
末岡 茂; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二
no journal, ,
地殻変動の長期予測を行う上で、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、アパタイトフィッション・トラック法(AFT法)をもとに、養老-鈴鹿-布引山地の隆起・削剥史の解明を試みている。養老-鈴鹿-布引山地は、近畿の逆断層卓越地域と中部の横ずれ断層卓越地域の構造境界に沿って分布しており、西南日本内帯の第四紀テクトニクス解明の上で重要な地域であるが、形成プロセスや形成メカニズムには不明な点が多い。現在までの結果では、AFT年代は47-30Maを示し、鈴鹿山脈の中部から南部でもっとも若く、南北に向かって古くなる。AFT年代とAFT長を基にした熱履歴解析の結果、鈴鹿山脈の中部から南部では最近数100万年間の急冷が推定されたが、これは約1.3Ma以降の鈴鹿山脈の隆起に伴う削剥を反映していると解釈できる。発表では、布引山地における追加のAFT年代測定結果を合わせ、より広域の隆起・削剥史とその地形学的な解釈について議論を行う予定である。
末岡 茂; 堤 浩之*; 田上 高広*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二
no journal, ,
地殻変動の長期予測を行う上で、山地の隆起開始時期や高度の変遷といった発達過程の把握が重要となる。本研究では、アパタイトフィッション・トラック法(AFT法)をもとに、養老-鈴鹿-布引山地の隆起・削剥史の解明を試みている。養老-鈴鹿-布引山地は、近畿の逆断層卓越地域と中部の横ずれ断層卓越地域の構造境界に沿って分布しており、西南日本内帯の第四紀テクトニクス解明の上で重要な地域であるが、形成プロセスや形成メカニズムには不明な点が多い。現在までの結果では、AFT年代は47-30Maを示し、鈴鹿山脈の中部から南部で最も若く、南北に向かって古くなる。AFT年代とAFT長を基にした熱履歴解析の結果、鈴鹿山脈の中部から南部では最近数100万年間の急冷が推定されたが、これは約1.3Ma以降の鈴鹿山脈の隆起に伴う削剥を反映していると解釈できる。
末岡 茂; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; Kohn, B.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二*
no journal, ,
フィッション・トラック法、(U-Th)/He法、U-Pb法などの熱年代学的手法と、thermo-kinematicモデルを用いて、赤石山脈北部の隆起・削剥史と、糸静線南部の断層活動との関係について検討した。各年代値は、おおむね白州鳳凰山断層に向かって東方に若返る傾向を示し、これらの断層活動が山地の隆起に最も寄与していると考えられる。Thermo-kinematicモデルによるより詳細な検討結果によれば、変位速度が510mm/yr、rampの傾斜が2745、デコルマの深度が2025kmのflat-ramp構造を仮定すると、今回得られた年代値および既報の断層パラメータ等を齟齬なく説明できる。
末岡 茂; 池田 安隆*; 狩野 謙一*; 堤 浩之*; 田上 高広*; Kohn, B. P.*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 荒井 章司*; 柴田 健二*
no journal, ,
フィッション・トラック法, (U-Th)/He法, U-Pb法などの熱年代学的手法と、thermo-kinematicモデルを用いて、赤石山脈北部の隆起・削剥史と、糸静線南部の断層活動との関係について検討した。各年代値は、おおむね白州-鳳凰山断層に向かって東方に若返る傾向を示し、これらの断層活動が山地の隆起に最も寄与していると考えられる。Thermo-kinematicモデルによるより詳細な検討結果によれば、変位速度が5-10mm/yr、rampの傾斜が27-45、デコルマの深度が20-25kmのflat-ramp構造を仮定すると、今回得られた年代値および既報の断層パラメータ等を齟齬なく説明できる。このとき、赤石山脈北部の基盤隆起速度と削剥速度は、いずれも約4mm/yrと推定できる。一方、赤石山脈南部については、先行研究で報告されている年代値が北部と傾向を異にすることや、山地側に隆起をもたらすような活断層が不明瞭なことから、北部とは異なる隆起史・隆起メカニズムを有している可能性が示唆される。
廣内 大助*; 松多 信尚*; 石山 達也*; 杉戸 信彦*; 竹下 欣宏*; 水谷 光太郎*; 安江 健一*; 藤田 奈津子; 澤 祥*; 道家 涼介*; et al.
no journal, ,
神城断層は糸魚川-静岡構造線活断層帯の最北部を構成する活断層であり、地表で確認できる長さは小谷村南部から大町市北部の木崎湖南までの約27kmに及ぶ。神城断層では2014年にM6.7の長野県北部の地震が発生し、白馬村北城から神城の約9kmに渡って断続的に地表地震断層が出現し、その上下変位量は最大で約1mに達した。発表者らは2014年に出現した地震断層やその延長部において、神城断層の過去の活動履歴を調査し、累積変位を示す完新世の変動地形の情報と合わせて、神城断層が過去にどのような地震を引き起こしてきたのかを明らかにすることを目的とした調査を実施している。その中で2014年地震のような規模の地震が、いわゆる固有地震とどのような関係にあるのか、また今回活動しなかった区間を含めた活動時期や地震規模を議論することを目指している。平成29年度は白馬村北城の白馬駅東方地点において、トレンチ掘削調査を実施した。
中嶋 徹; 末岡 茂; 長田 充弘; Kohn, B.*; Ramos, N.*; 堤 浩之*; 田上 高広*
no journal, ,
島弧における山地隆起のメカニズムとしてドーム状隆起と断層ポップアップモデルの2つの端成分モデルが提唱されている(Sueoka et al., 2015; Fukuda et al., 2021)。本研究では、地質-熱年代学的手法をフィリピンルソン島中央コルディエラ山地に適用し、これらのモデルを検証するとともに山地隆起メカニズムを議論する。