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石田 恒; 松本 淳; 堤 遊*; 由良 敬
Proceedings of 16th International Microscopy Congress (IMC 2006), P. 242, 2006/09
生体超分子の電子顕微鏡像を取得することによって、いろいろな状態での構造を知ることができる。本研究では蛋白質合成生体超分子であるリボゾームの構造変化を電子顕微鏡像と計算科学の手法によって推定した。
石田 恒; 松本 淳; 堤 遊*; 由良 敬
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近年、X線結晶解析により高分解能で解かれた生体超分子を構成する要素分子(単体の蛋白質,核酸など)を電子顕微鏡による低分解能の生体超分子像にあてはめることにより、生体超分子の立体構造モデルを構築することが可能になりつつある。本研究では、遺伝子情報翻訳装置であるリボソームの原子分解能の立体構造を、電子顕微鏡像とX線結晶解析のデータ及び分子シミュレーションの手法を用いて構築し、リボソームの機能を原子レベルで理解することを目的とする。初めにリボゾームの初期構造を作成するために、リボソームのX線立体構造を用いた。立体構造モデルを電子顕微鏡像にあてはめる際には通常、立体構造の要素分子は剛体として扱われる。しかしながら、これでは原子間に不自然な衝突が生じたり、電子顕微鏡像と要素分子とのずれが残るなどの問題が発生する。そこで、われわれは電子顕微鏡像を考慮した拘束条件のもと基準振動解析及び分子動力学シミュレーションを実行するプログラムを開発し、より現実的なリボソーム立体構造の精密化を実行した。リボソームの電子像データにはEMBL-EBIに登録されている遺伝子情報翻訳開始から終了までの6つのデータを用いた。結果、それぞれの反応条件下の立体構造を構築することができた。そして、これらの構造には互いに有意な違いを見いだすことができた。本会議では立体構造に基づくリボソームの機能メカニズムを議論する。
堤 遊*; 松本 淳; 由良 敬; 石田 恒
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近年、X線結晶解析により高分解能で解かれた生体超分子を構成する要素分子(単体の蛋白質,核酸など)を電子顕微鏡による低分解能の生体超分子像にあてはめることにより、生体超分子の立体構造モデルを構築することが可能になりつつある。本研究では、遺伝子情報翻訳装置であるリボソームの原子分解能の立体構造を、電子顕微鏡像とX線結晶解析のデータ及び分子シミュレーションの手法を用いて構築し、リボソームの機能を原子レベルで理解することを目的とする。われわれは電子顕微鏡像を考慮した拘束条件のもと分子シミュレーションを実行するプログラムを開発し、より現実的なリボソーム立体構造の精密化を実行した。リボソームの電子像データにはEMBL-EBIに登録されている遺伝子情報翻訳開始から終了までの6つのデータを用いた。そして、それぞれの反応条件下の立体構造を構築し、tRNA部位,生成ペプチド鎖のトンネル部位を詳しく解析した。結果、リボソームの機能と構造の関係を見いだすことができた。
石田 恒; 堤 遊*; 松本 淳; 由良 敬
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近年、X線結晶解析により高分解能で解かれた生体超分子を構成する要素分子(単体の蛋白質,核酸など)を電子顕微鏡による低分解能の生体超分子像にあてはめることにより、生体超分子の立体構造モデルを構築することが可能になりつつある。本研究では、遺伝子情報翻訳装置であるリボソームの原子分解能の立体構造を、電子顕微鏡像とX線結晶解析のデータ及び分子シミュレーションの手法を用いて構築し、リボソームの機能を原子レベルで理解することを目的とする。われわれは電子顕微鏡像を考慮した拘束条件のもと分子シミュレーションを実行するプログラムを開発し、より現実的なリボソーム立体構造の精密化を実行した。リボソームの電子像データにはEMBL-EBIに登録されている遺伝子情報翻訳開始から終了までの6つのデータを用いた。そして、それぞれの反応条件下の立体構造を構築し、tRNA部位,生成ペプチド鎖のトンネル部位を詳しく解析した。結果、リボソームの機能と構造の関係を見ることができた。
石田 恒; 松本 淳; 堤 遊*; 由良 敬
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70Sリボソームの原子分解能の立体構造を、1つのX線結晶構造をさまざまな反応状態の電子顕微鏡像にあわせることにより、構築した。その結果、50Sリボゾームと30Sリボソームが形成するブリッジ構造、及び新生ペプチド鎖が通過するトンネルの形状に違いが見られた。特に、構造の顕著な違いが遺伝子翻訳前後において見いだされた。このことから、リボゾームの機能が構造変化と密接に関係していることが原子レベルでわかった。
石田 恒; 松本 淳; 堤 遊*; 由良 敬
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70Sリボソームの原子分解能の立体構造を、1つのX線結晶構造をさまざまな反応状態の電子顕微鏡像にあわせることにより、電子顕微鏡像に約80%のフィッテング精度を持つ原子レベルの立体構造を構築することに成功した。その結果、50Sリボゾームと30Sリボソームが形成するブリッジ構造、及び新生ペプチド鎖が通過するトンネルの形状に違いが見られた。特に、構造の顕著な違いが遺伝子翻訳前後において見いだされた。このことから、リボゾームの機能が構造変化と密接に関係していることが原子レベルでわかった。
石田 恒; 堤 遊*; 松本 淳; 由良 敬
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近年、電子顕微鏡単粒子構造解析及びX線結晶構造解析によりさまざまな状態のリボソーム立体構造が明らかにされている。それらのデータから、リボソームはラチェット様の動きをすることがわかってきているが、その動きがタンパク質生合成機能とどのように関係しているかは定かではない。そこでわれわれは、真正細菌のリボソームの電子顕微鏡低分解能像とX線結晶解析像とを組合せて、さまざまな状態のリボソームの高分解能構造を構築するとともに、分子動力学シミュレーションを用いて、リボソームトンネルを通る新生ペプチド鎖が、どのようにして移動するかを明らかにする研究を開始した。トンネル内の新生ペプチド鎖をモデリングし、新生ペプチド鎖のあるリボソームとないリボソームについて、水分子も含めた超大規模分子動力学シミュレーションを実行した結果、水分子が通る細いトンネルが複数存在していることがわかってきた。これらの細いトンネルは、新生ペプチド鎖がトンネルを通る際に必要な溶媒を供給していると考えられる。
石田 恒; 堤 遊*; 松本 淳; 由良 敬
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近年、電子顕微鏡単粒子構造解析及びX線結晶構造解析によりさまざまな状態のリボソーム立体構造が明らかにされている。われわれは、真正細菌のリボソームの電子顕微鏡低分解能像とX線結晶解析像とを組合せて、さまざまな状態のリボソームの高分解能構造を構築するとともに、分子動力学シミュレーションを用いて、リボソームトンネルを通る新生ペプチド鎖が、どのようにして移動するかを明らかにする研究を開始した。水分子も含めたリボソームの超大規模分子動力学シミュレーションを実行した結果、水分子が通るトンネルが複数存在していることがわかった。さらに、これらのトンネルでは水分子の運動状態がそれぞれ異なることがわかった。これらのトンネルは、新生ペプチド鎖がトンネルを通る際に重要な役割を果していると考えられる。