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藤原 治; 鎌滝 孝信*; 増田 富士雄*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 223-224, p.540 - 544, 2004/08
被引用回数:17 パーセンタイル:72.33(Instruments & Instrumentation)C年代測定では、より正確な年代値を得るために試料の選別が重要である。海成の地層に含まれる貝殻化石を用いたC年代測定について、試料の選別基準を提案した。
藤原 治; 増田 富士雄; 酒井 哲弥*; 入月 俊明*; 布施 圭介*
第四紀研究, 38(1), p.41 - 58, 1999/02
相模湾周辺で過去約1万年間に繰り返し発生した7回のプレート境界地震を、これらの地震にともなう津波の痕跡(津波堆積物)としてボーリングコアから見出した。津波堆積物は、基底に侵食面を持ち上方細粒化する礫質の砂層からなり、水深10m前後の内湾に堆積した泥質の地層に挟まれている。堆積構造や化石の種構成などから、海底の侵食と砂層の運搬が海から陸へ向かう強い流れに起因することが示され、また、これらの砂層の年代が地震で隆起した海岸段丘と近似した値を持つことから、津波堆積物であることが明らかになった。本研究では、露頭調査に限られていた津波堆積物の研究範囲をボーリングコアにも広げ、その一連の調査・分析方法についても言及した。このことは、地震の再来間隔などの推定について、津波堆積物の実用性を高めることに貢献する。本研究は長期安定性研究に反映される。
入月 俊明*; 藤原 治; 布施 圭介*; 増田 富士雄*
化石, (64), p.1 - 22, 1998/07
表題地域における過去9,000年間の海水準変動を、ボーリングコアに含まれる微生物(貝形虫)の化石を用いて推定した。化石画示す古環境の推定に多変量解析の一つであるQ-modeクラスター分析を用いることで、塩分濃度や海水準の変化を定量的に見積もることができた。解析結果によると試料の条件が良い場合には、数m程度の海水準の変動を識別でき、従来の研究よりも海水準の推定精度が倍以上も向上した。この分解能の向上の他外洋水が内湾奥の汽水域に流入するイベントが、8,900年前頃と7,800年前頃に発生したことが分かった。このイベントは、相模湾で起こった地震津波の可能性がある。なお、この成果は地質環境の長期安定性に関する研究に反映される。