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論文

The Japan Health Physics Society Guideline on Dose Monitoring for the Lens of the Eye

横山 須美*; 辻村 憲雄; 橋本 周; 吉富 寛; 加藤 昌弘*; 黒澤 忠弘*; 立崎 英夫*; 関口 寛*; 小口 靖弘*; 小野 孝二*; et al.

Journal of Radiation Protection and Research, 47(1), p.1 - 7, 2022/03

日本では、2021年4月に眼の水晶体の線量限度,実用量,水晶体線量の測定位置を改定する新規制が施行された。国際的な安全基準、国内のガイドライン、原子力規制庁の放射線安全研究推進費の成果などを踏まえ、日本保健物理学会(JHPS)放射線防護標準化委員会ワーキンググループでは、水晶体の線量モニタリングに関するガイドラインを作成した。JHPSワーキンググループでは、不均等な被ばくの基準と、水晶体の線量限度を超えないように設定された管理基準について議論した。2020年7月、JHPSガイドラインが発表された。ガイドラインは、本文,解説,26の質問の3部構成となっている。質問では、それに対応する回答を用意し、類似のケースにも対応できるように具体例を示した。水晶体の線量モニタリングに関するガイドラインの作成により、放射線管理者や作業者は、改正された規制をスムーズに遵守し、放射線防護を最適化することができるようになる。

論文

Development of guidelines on radiation protection for the lens of the eye in Japan

横山 須美*; 岩井 敏*; 辻村 憲雄; 橋本 周; 吉富 寛; 加藤 昌弘*; 黒澤 忠弘*; 立崎 英夫*; 関口 寛*; 小口 靖弘*; et al.

Proceedings of 15th International Congress of the International Radiation Protection Association (IRPA-15) (Internet), 8 Pages, 2022/00

In Japan, new regulations that revise the eye lens dose limit, operational quantities, and measurement positions for the dose of the lens will be enforced from April 2021. Based on the International and national guidelines, the results of the Radiation Safety Research Promotion Fund of Nuclear Regulatory Authority (NRA), and other studies, the Working Group of Radiation Protection Standardization Committee, the Japan Health Physics Society (JHPS), developed the guideline on the radiation monitoring for the lens of the eye. In July 2020, the guideline was published by the JHPS. The guideline consists of five parts: a main text, explanations, references, three attachments, and twenty-six questions. In the questions, the corresponding answers were prepared, and specific examples were given so that similar issues could be dealt with. In the working group, in particular, time was spent discussing judgment of the criteria of non-uniform exposure and the management criteria set to not exceed the dose limit to the lens. With the development of the guidelines on the radiation monitoring of the lens of the eye, the radiation managers and workers will be able to smoothly comply with revised regulations and optimize radiation protection.

論文

Analysis of bystander effect induced by cell membrane response in glioma cells

和田 成一*; 安藤 達彦*; 渡辺 彩*; 柿崎 竹彦*; 夏堀 雅宏*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 横田 裕一郎; 小林 泰彦

JAEA-Review 2014-050, JAEA Takasaki Annual Report 2013, P. 79, 2015/03

これまでのマイクロビームを用いた細胞の局部照射実験でバイスタンダー効果の誘導には細胞核の損傷応答だけでなく細胞膜応答も重要であり、細胞膜応答分子であるスフィンゴミエリナーゼがその応答に関与することが明らかになってきた。しかし、スフィンゴミエリナーゼがどのようにして細胞間情報伝達に関与しているかはまだ明らかになっていない。そこで本研究では、照射後に細胞外に分泌されるスフィンゴミエリナーゼが、細胞から放出され、細胞間情報伝達に関与する膜小胞であるエクソソーム内に含有されているかを解析した。照射したグリオーマ細胞をから細胞外に放出されたエクソソーム中にスフィンゴミエリナーゼが含まれるか解析するため、培養上清からExo Quickによるエクソソームの精製を行い、抗スフィンゴミエリナーゼ抗体を用いたウエスタンブロットを行った。その結果、照射によって細胞外に分泌されたスフィンゴミエリナーゼは主にエクソソームの形態で細胞外に分泌されることが明らかになった。この結果からバイスタンダー効果においてスフィンゴミエリナーゼ自身がバイスタンダー因子としてシグナル伝達に関与することが示唆された。

論文

Vulnerability of feline T-lymphocytes to charged particles

柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 坂下 哲哉; 和田 成一*; 原 孝光*; 舟山 知夫; 宝達 勉*; 夏堀 雅宏*; 佐野 忠士*; 小林 泰彦; et al.

Journal of Veterinary Medical Science, 69(6), p.605 - 609, 2007/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:13.67(Veterinary Sciences)

重イオンの優れた生物学的・物理学的特性から獣医領域での応用が期待されるが、これまでに伴侶動物細胞に対する感受性は明らかにされていない。そこで、本研究では、ネコ由来Tリンパ球に対する感受性を解析し、重イオンの線量と線エネルギー付与に依存して細胞死が誘発されることを明らかにした。

論文

イヌ自然発生腫瘍由来細胞株における放射線応答の特徴

佐野 忠士*; 和田 成一*; 鈴木 敬子*; 夏堀 雅宏*; 柿崎 竹彦; 伊藤 尚*; 中澤 菓*; 小林 泰彦; 伊藤 伸彦*

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 115, 2007/02

Even in the veterinary medicine, animal's survival time extends, and cancer becomes a main reason of the death. There are several therapeutic procedures for the cancer patients, it is expected the chance of the application of the radiation therapy will increase in the future. The purpose of this study is to evaluate about the radiation sensitivity of the canine spontaneous tumor cell lines as a basic research for the advanced radiation therapy in the veterinary medicine. Each cell was irradiated by X-ray (250 kVp, 0.8 Gy/min, LET 1.0 keV/$$mu$$m) and carbon beam (220 MeV, 6.0 Gy/min, LET 108 keV/$$mu$$m). After each given dose (range between 1$$sim$$8 Gy), cells were harvested and survival fractions were evaluated by the Clonogenic assay. The relative biological effectiveness (RBE) of carbon beams compared with X-rays was investigated by the each surviving fraction. The radiation sensitivity was H, F, and S in the high order. The differentiation of the sensitivity order was not observed, but a cell resisted to X-rays irradiation tended to show more sensitivity to carbon beam irradiation. All RBE were converged at 4, and there are several degree of relationship between the beam character, radiation sensitivity, and RBE.

論文

Killing of feline T-lymphocytes by $$gamma$$-rays and energetic carbon ions

柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 和田 成一*; 宝達 勉*; 夏堀 雅宏*; 佐野 忠士*; 小林 泰彦; 伊藤 伸彦*

Journal of Veterinary Medical Science, 68(12), p.1269 - 1273, 2006/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:23.43(Veterinary Sciences)

線エネルギー付与(LET)の高い重粒子線は、生物学的効果比(RBE)が大きく、さらに線量分布に優れていることから、ヒトの放射線治療に臨床応用がなされている。しかしネコに対しては臨床応用されておらず、放射線生物学的な基礎データも報告されていない。本研究ではネコ由来Tリンパ球(FeT-J)における低LETの$$gamma$$線(0.2keV/$$mu$$m)と高LETの炭素線(114keV/$$mu$$m)を照射したときの生物効果を比較検討した。クローン原性試験の結果、10%生存線量(D$$_{10}$$)における炭素線のRBEは$$gamma$$線と比較して2.98であり、また不活性化断面積は$$gamma$$線で0.023$$mu$$m$$^{2}$$、炭素線で38.9$$mu$$m$$^{2}$$であることがわかった。TdT-mediated dUTP-biotin nick end labeling(TUNEL)法を用いてアポトーシス発現を測定したところ、TUNEL陽性率は同一吸収線量の照射では炭素線は$$gamma$$線よりも高値を示したが、それぞれのD10線量の照射では炭素線と$$gamma$$線の結果に有意な差は認められなかった。以上の結果から、炭素線は$$gamma$$線と比べ同じ物理的線量を照射した場合の細胞致死効果は高く、また生物学的線量が等しいときの細胞応答に違いはないことが示され、よって炭素線治療はネコに対しても有用性が高いことが示された。

論文

Distinct modes of cell death by ionizing radiation observed in two lines of feline T-lymphocytes

柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 坂下 哲哉; 宝達 勉*; 佐野 忠士*; 夏堀 雅宏*; 小林 泰彦; 伊藤 伸彦*

Journal of Radiation Research, 47(3-4), p.237 - 243, 2006/11

哺乳動物由来の浮遊系細胞であるFeT-J及びFL-4という2種のネコTリンパ球株の${it in vitro}$における$$^{60}$$Co$$gamma$$線に対する放射線感受性及び放射線応答を解析した。コロニー形成能を指標に$$gamma$$線に対する感受性を調べたところ、2種の細胞間で生存率に有意差はなく、平均致死線量(${it D}$0)は両細胞とも1.9Gyであり、2Gyを照射したときの生存率はFeT-J株で0.30、FL-4株で0.48であった。しかし、$$gamma$$線を15Gy照射して4日後のアポトーシス誘発率をTUNEL法により求めたところ、FeT-Jでは40%以上を示したのに比べ、FL-4では10%以下とアポトーシス誘発の有意な抑制が見られた。一方、同じく15Gy照射後4日目の照射細胞を顕微鏡観察したところ、分裂期細胞死に至った細胞の割合がFeT-Jは16.0%であったのに比べ、FL-4では60.3%と有意に上昇した。すなわち、FeT-Jではおもにアポトーシス、FL-4ではおもに分裂期細胞死ひいてはネクローシスにより、$$gamma$$線による細胞死がもたらされることが明らかになった。FL-4でアポトーシスと異なる細胞死に至る過程が示されたことから、ネコTリンパ球において分裂期細胞死とアポトーシスとを支配し、細胞死を調節する因子が存在していることが示された。

論文

Detection of DNA damage induced by heavy ion irradiation in the individual cells with comet assay

和田 成一; 夏堀 雅宏*; 伊藤 伸彦*; 舟山 知夫; 小林 泰彦

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.553 - 556, 2003/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:27.69(Instruments & Instrumentation)

宇宙環境における高LET重粒子線被曝の生物影響を解明するためには、低線量・低フルエンスの重イオン照射によって細胞に誘導されるDNA損傷を正しく解析する必要がある。しかし、低フルエンスの重イオンはランダムにヒットするため、細胞に対する重粒子1個の生物学的効果を直接に検出することはこれまで困難だった。そこで、個々の細胞ごとのDNA損傷を評価することが可能なコメットアッセイ法を用いるとともに、同時に各細胞での重イオンのヒット位置を飛跡検出器CR-39を用いて直接に検出することが可能な方法を開発し、動物培養細胞の核にヒットしたイオン粒子数と、その細胞に生じたDNA損傷の程度を同時に検出する方法を確立した。そして、異なるLET値を有するいくつかの重粒子線照射によって細胞に誘導されたDNA損傷を定量的に解析し、照射したイオンのLET値との関連を解析した。

論文

Fundamental study on radiotherapy of tumors to beneficial companion animals using heavy ion beam

和田 成一*; 夏堀 雅宏*; 小林 泰彦; 山本 和生; 伊藤 伸彦*

JAERI-Review 2000-024, TIARA Annual Report 1999, p.80 - 82, 2000/10

近年、人の精神・身体両面へアプローチする伴侶動物と、さらにそれらの中でもさまざまな形で人の役に立つ社会的貢献度の高い有益動物の重要性が社会的に認知されてきたため、これらの動物に対する高度医療が求められている。また、これら動物の長寿化・高齢化が進み、感染症が大半であったもので、加齢性の代謝性疾患や新生物(腫瘍)へと移行しつつある。そこで新生物(腫瘍)に対する高度医療の1つとして放射線治療が挙げられるが、動物の新生物治療を目的としたイオンビームの生体に及ぼす影響に関する研究は皆無である。このため、動物に対する高度医療を試みるために必要な放射線生物学的基礎データの蓄積を行った。扁平上皮癌、繊維肉腫及び欠陥周囲腫の3種類のイヌ腫瘍細胞を使用し、生存曲線から評価すると$$gamma$$線照射において抵抗性を示した腫瘍ほどイオンビーム照射において生物効果比が大きいことが認められた。つまり、低LETの放射線に対して抵抗性の細胞に対して、220MeV$$^{12}$$Cイオンビームでは高い生物効果つまり治療効果が得られる可能性が示唆された。

口頭

電離放射線によるネコTリンパ球の細胞死

舟山 知夫; 柿崎 竹彦; 和田 成一; 浜田 信行*; 坂下 哲哉; 宝達 勉*; 山田 直明*; 佐野 忠士*; 夏堀 雅宏*; 小林 泰彦; et al.

no journal, , 

ネコTリンパ球由来株であるFeT-J及びFL-4の電離放射線照射後に対する細胞応答について研究を行った。FeT-Jと異なり、FL-4はネコ免疫不全ウイルス持続感染株である。細胞の照射は$$^{60}$$Co-$$gamma$$線(線量率2Gy/min)を用いた。生存率はコロニーアッセイ法で測定した。アポトーシスの評価にはTdT-mediated dUTP-biotin nick end labeling(TUNEL)法を用いた。生細胞をHoechst 33342とエチジウムブロマイドで二重染色し、生細胞のみを区別して細胞核の直径を計測した。生存率は各照射線量でFL-4がわずかにFeT-Jよりも高値を示したが、D$$_{0}$$は両細胞株とも約1.9Gyと同値を示した。しかしながらTUNEL陽性率がFeT-Jは40%以上と高値を示したのに対し、FL-4は20%以下にすぎなかった。またFL-4のTUNEL陽性率がピークに達する時間はFeT-Jに比べて早く、FL-4のピークは24時間以内に達したのに対し、FeT-Jは照射後48時間以上経過してからピークに達した。さらにFL-4は$$gamma$$線照射により、核の巨大化あるいは多核化が確認された。細胞核の巨大化はFeT-Jに比べFL-4で顕著であった。われわれはネコTリンパ球由来である2つの細胞株間であっても細胞死への至り方が異なることを確認した。FL-4の細胞死の大半はアポトーシスによらないものであり、さらに研究を進めることでアポトーシス発現にかかわる新たな発見が期待される。

口頭

犬自然発生腫瘍由来細胞株における放射線誘発細胞死の特徴

佐野 忠士*; 鈴木 敬子*; 夏堀 雅宏*; 柿崎 竹彦; 伊藤 尚*; 中澤 菓*; 伊藤 伸彦*; 和田 成一*; 小林 泰彦

no journal, , 

これまでTIARAにおいて3種類のイヌ株化腫瘍細胞(線維肉腫細胞,扁平上皮癌細胞,血管周囲腫細胞)を用い、プロトンや炭素線などの照射を行いLETの変化に伴う細胞致死効果の変化と、X線を基準とした場合の陽子線及び炭素線の生物学的効果比(RBE)の線量(線量率)及び細胞種の違いに依存する変化を明らかにした。これらの結果において、低LETの放射線に対し抵抗性を有する細胞に対し、高LETの重粒子線照射を行った場合、高い細胞致死効果を得ることすなわち高い治療効果が得られる可能性が示された。また線量及び線質の違いに依存したRBEの変化の傾向は、株化細胞ごとに異なる可能性が示された。これらの結果より、実際の腫瘍症例への放射線治療は、画一化した治療プロトコールを用いるのではなく、腫瘍の種類,発生部位の違い,照射に用いる放射線との関係についてより詳細に評価し、それぞれの特徴を明らかにしていくことの必要性が示された。

口頭

ネコTリンパ球の荷電粒子線に対する致死感受性

柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 和田 成一*; 坂下 哲哉; 原 孝光*; 宝達 勉*; 夏堀 雅宏*; 佐野 忠士*; 舟山 知夫; 深本 花菜; et al.

no journal, , 

血球細胞は全身に分布しており、放射線被曝を完全に避けることはできず、照射された血球細胞は全身へ移行し、障害を受けた細胞の処理のために全身的に組織反応が生じる。したがって血球細胞への被曝線量は放射線治療において照射線量を限定する要因の一つであり、動物の血球細胞の粒子線に対する感受性を評価することは、今後粒子線治療を獣医療へ応用するときに照射線量を決定するために必須の情報となる。そこでネコTリンパ球株化細胞FeT-Jの放射線感受性を軟寒天包埋培養によるコロニー形成能を指標として評価する方法を確立し、$$^{60}$$Coの$$gamma$$線及びH, He、そしてエネルギーが異なる2種類の炭素イオンビームによる照射効果を調べた。各放射線の照射でLETの増加(2.8$$sim$$114keV/$$mu$$m)に伴い生存率は著明に減衰し、RBE並びに不活性化断面積は増加し、高LET炭素線の細胞致死効果が高いことが示された。一方、10%生存線量を照射した場合、アポトーシス誘発率にLETの違いによる有意な差は見られなかった。したがって、ネコTリンパ球では同率に致死効果を与える線量であれば、イオン種やLETの違いで細胞死に至る経緯に差が生じないことが明らかにされた。獣医領域での粒子線治療のための基礎データの一つが示され、また炭素線以外の粒子線でも獣医療に応用できる可能性が示された。

口頭

イヌ自然発生黒色腫の粒子線に対する細胞致死効果

伊藤 尚*; 和田 成一*; 柿崎 竹彦; 小林 泰彦; 夏堀 雅宏*; 佐野 忠士*; 佐々木 伸雄*; 伊藤 伸彦*

no journal, , 

イヌの自然発生黒色腫由来の株化細胞(CMM2)に対して、TIARAにおいて線質の異なる放射線として、炭素線(線エネルギー付与LET=108keV/$$mu$$m)、陽子線(LET=2.7keV/$$mu$$m)及びX線(LET=1.0keV/$$mu$$m)を照射した。低線量域から高線量域にかけて細胞致死効果をコロニー形成法によって評価した。放射線照射後に適度な細胞を播種し、培養8日後に固定・染色により生存率を算出することによって生存曲線を作成した。X線及び陽子線照射における生存曲線は低線量域において肩を持つのに対して、炭素線照射において肩はなく、著しい生存率の低下が観察された。線質間による放射線感受性の違いを評価するため、10%生存率線量で比較したところ、炭素線,陽子線,X線の順に細胞致死効果が高く、LETが増加するにつれてX線を基準放射線としたRBE(生物学的効果比)も増加することが観察された。これらの結果より放射線のLET依存的に細胞致死効果が高くなることが示唆され、炭素線の口腔内発生黒色腫治療への適用により高い治療効果が期待されると考えられた。

口頭

ネコTリンパ球の荷電粒子線に対する致死感受性

柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 和田 成一*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 宝達 勉*; 夏堀 雅宏*; 佐野 忠士*; 小林 泰彦; 伊藤 伸彦*

no journal, , 

粒子線は線量分布が良好で生物学的効果が高いことから、人のがん治療に応用されている。しかし、粒子線治療でがん組織に線量を集中しても、血球細胞への被曝は避けられない。局所で照射された血球細胞は全身へ移行するため、ダメージを受けた細胞の処理のために全身反応が生じ、血球細胞の被曝線量が放射線治療の照射線量を限定する要因の一つになる。したがって血球細胞の粒子線に対する感受性は、獣医療へ粒子線を応用するときに、照射プロトコルを決定する指標になる。本研究では水素,ヘリウム,炭素(2種)の計4イオン種に対するネコ由来の株化Tリンパ球(FeT-J)の放射線感受性を、コロニー形成能の喪失とアポトーシスの発現率を指標に評価を行い、$$^{60}$$Co$$gamma$$線の照射効果と比較した。4イオン種とも、$$gamma$$線照射に比べ、同一線量における生存率の減衰が著明に認められた。同一線量における生物学的効果はLETに依存して増加した。しかし最も生物効果が高い炭素イオンと他のイオン種並びに$$gamma$$線において、10%生存率を与える線量で比較したところ、照射4日後のアポトーシス発現率に有意な差は見られなかった。したがって、リンパ球では同率に致死効果を与える線量であれば、イオン種や保持しているエネルギーの違いで細胞死に至る経緯に差が生じないことが明らかにされた。すなわち粒子線を獣医療に応用する場合に、使用できるイオン種の選択の幅を広げられることが期待できる。

口頭

イヌ自然発生黒色腫の粒子線に対する細胞致死効果

伊藤 尚*; 和田 成一*; 柿崎 竹彦; 小林 泰彦; 夏堀 雅宏*; 佐野 忠士*; 佐々木 伸雄*; 伊藤 伸彦*

no journal, , 

イヌの口腔内発生黒色腫は、外科的治療を適用した場合、動物の生活の質の低下や外貌の変化によるオーナーの精神的苦痛が大きく、このため放射線治療が望まれる。また黒色腫はX線治療に抵抗性であり、人のがん治療において線量分布が良好であり生物学的効果が高いことから応用が進んでいる粒子線の適応が期待される。しかしイヌ自然発生黒色腫に関する放射線感受性の報告は不十分である。本研究ではイヌの自然発生黒色腫由来の株化細胞(CMM2)に対して、原子力機構・高崎のTIARAにおいて線質の異なる放射線、炭素線(線エネルギー付与LET=108keV/$$mu$$m)、陽子線(LET=2.7keV/$$mu$$m)及びX線(LET=1.0keV/$$mu$$m)を照射した。低線量域から高線量域にかけて細胞致死効果をコロニー形成法によって評価した。放射線照射後に適度な細胞を播種し、培養8日後に固定・染色により生存率を算出することによって生存曲線を作成した。その結果、LET依存的に細胞致死効果が高くなるとともに、炭素線では生存曲線が肩を持たないことが示され、炭素線の口腔内発生黒色腫治療への適用により高い治療効果が期待されると考えられた。

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