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大久保 利行
RANDECニュース, (77), p.7 - 8, 2008/07
大洗研究開発センターにおいては、FBRサイクル技術の実用化研究開発を実施し、このための照射後試験を実施している。これに伴い発生するTRU核種を含む線量の高い固体廃棄物を減容,安定化する施設として、固体廃棄物減容処理施設(Oarai Waste Reduction Treatment Facility: OWTF)の整備計画を進めている。OWTFでは、可燃物は焼却溶融炉で焼却し、不燃物は焼却灰とともに溶融固化し、廃棄物を約1/3に減容する。処理後の溶融固化体等は、既存の貯蔵施設で保管し、処分場が整備された後、処分場に搬出する。取り扱う主な廃棄物の特徴に合わせ、高周波誘導加熱方式の焼却溶融炉を選定し、遠隔での運転・保守が可能なように設計するとともに、溶融物の漏えいに対する各種の安全対策を採用する。OWTFは、廃棄物管理事業の変更許可をはじめとする許認可を取得後、早期に建設に着手し、運転を開始する計画である。
前多 厚; 木幡 幸一; 山崎 保夫; 高橋 孝三; 大久保 利行; 宮崎 仁
デコミッショニング技報, (33), p.58 - 66, 2006/03
原子力機構では、自らの原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物の処理・処分を、原子力施設の設置者及び放射性廃棄物の発生者としての責任において計画的かつ効率的に進めていく。研究開発拠点の一つである大洗研究開発センターにおける放射性廃棄物管理について現状を報告する。大洗研究開発センターの廃棄物管理施設では、安全確保を大前提に、契約により大洗地区の原子力事業者から受け入れたものも含め、低レベル放射性廃棄物の廃棄物管理を実施している。固体廃棄物の焼却,圧縮,液体廃棄物の固化等の減容,安定化,廃棄物の保管管理を着実に進め、将来処分まで適切に保管管理している。
近藤 等士; 宮崎 仁*; 大久保 利行
JNC TN9410 2005-009, 32 Pages, 2005/03
核燃料サイクル施設や小規模な研究炉等のデコミッショニングの計画策定時においては、作業手順、解体に係る技術、工程の選定を適切に行い、被ばく線量、コスト、発生廃棄物量、作業人工数、工期などの解体に関する指票の最適化を図る必要がある。環境保全課では、施設データや解体手法からこれらの解体指標を自動的に算出し、解体計画の策定を支援するデコミッショニング評価システムの開発を進めている。本報告書では、平成15年度に作業評価が可能となったシステムにおいて抽出された操作上の問題点、評価結果と実績値の差の原因を解決するために実施した改造の内容および従来システムとの比較結果について述べる。
和田 雄作; 大久保 利行; 宮崎 仁; 細田 博; 堂野前 寧
JNC TN9410 2005-007, 94 Pages, 2005/03
核燃料サイクル開発機構大洗工学センターではFBRサイクルの確立を目指し、高速炉燃料・材料開発としての照射後試験を進めており、これに伴いTRU核種に汚染された高線量の廃棄物が多く発生し、日本原子力研究所大洗研究所の廃棄物管理施設において保管している。しかし、その施設の貯蔵裕度が逼迫しており、今後の照射後試験を支障なく実施していくためには減容処理施設を用意する必要がある。このため、いくつかの対策案の中から、将来の処分を目指した減容・安定化が可能な廃棄物処理施設の建設が有効との結論を得て計画を進めている。一方、本計画における処理対象廃棄物は、TRU核種で汚染された廃棄物でRI・研究所等廃棄物に区分されるものであり、現伏、処分に向けた技術要件(基準)等は国レベルで整備されていない。そのため、施設設計を進める上では、処分に関する国の技術要件等が将来整備されても、リコンディショニング(手戻り)を行わずそのまま処分できる固化体を作製できることが重要である。このことから、国内外の処理処分に関する技術要件等の調査を実施し、機構内レビューを行いながら極力、手戻りが無いように固化体製作上の管理項目などを設定して施設設計を進めてきた。そこで、設計内容や廃棄体要件設定の考え方等に関して、社内・外の処分に係る有識者、専門家の評価と意見を伺う目的で、大洗工学センター所長の委嘱により「照射後試験等廃棄物処理処分検討秀員会」を平成15年12月平成17年3月の期間で設置した。委員会は、大洗工学センターから処理対象廃棄物性状、プロセス選定、処分対応、品質管理方法などの考え方を説明し、それに対して各委員から意見等を頂く手法で実施した。その結果、廃棄体基準、品質管理、核種分析、処分性能評価等に関して各委員から数々の意見、提言などを頂いた。これらの意見、提言に関しては、今後の施設設計や処理処分計画の立案に反映すべき内容を整理し、それら対する対応方針(案)をまとめた。今後はこれらのフォローを行う必要かおるが、一方では貯蔵施設の裕度も漸減し、上流側での高速炉開発に対して支障を来たす逼迫した状況にある。したがって、今後時間の許される範囲内で処分の全体システムを考慮した処理のあり方について検討を重ね、その結果に可能なかぎり柔軟に対応できるような形で本計画を可及的速やかに進めることが重要と考える。
福田 誠司; 近藤 等士; 大久保 利行
JNC TN9410 2004-010, 56 Pages, 2004/03
旧廃棄物処理建家(旧JWTF)は、2010年から本格解体を行う予定である。解体時の作業員の被ばくを低減するため、解体前に高放射性物質で汚染された機器の系統化学除染を行い、作業場所の線量率の低減を図ることを検討している。本研究では、二次廃棄物の発生量と廃液処理費を低減する観点から、除染剤の選定を行い、ホット試験で除染効果(除染係数DF)の評価を行うと共に、最も高いDFが得られた除染剤を使用した除染システムの概念検討を行った。ホット試験の結果、目標とするDFが得られなかった機器に対しては、二次廃棄物の発生量と廃液処理費の増加に繋がる要素はあるが、より強力な除染剤(機器母材を溶解して放射性物質を除去する除染剤)の適用が必要である。そこで、コールド試験でステンレス鋼に対する溶解速度を評価した。ホット試験およびコールド試験を通して得られた主な結果を以下に示す。(1)水酸化ナトリウムと硝酸の交互浸漬による除染で、最も高いDFが得られた(最大DF=10.7、80C)。(2)除染システムは、除染剤を貯留する薬注タンク、洗浄水を貯留する洗浄水タンク、除染剤および洗浄水を除染対象機器に供給する供給ポンプ、除染剤および洗浄水中の放射性物質を除去するフィルタで構成する。(3)試験片を、室温で除染剤(塩酸、硫酸、硝酸とフッ化水素酸の混酸)に24時間浸漬した。この結果、硝酸とフッ化水素酸の混酸は、他の除染剤に比べて、著しく溶解速度が大きいことが分かった(7.43m/日)。
近藤 等士; 福田 誠司; 大久保 利行
JNC TN9410 2004-007, 48 Pages, 2004/03
核燃料サイクル施設や小規模な研究炉等のデコミッショニングの計画策定においては、作業手順、解体に係る技術・工程の選定を適切に行い、被ばく線量、コスト、発生廃棄物量、作業人工数、工期等の解体に関する指標の最適化を図る必要がある。環境保全課では、施設データや解体手法からこれらの解体指標を自動的に算出し、解体計画の策定を支援するデコミッショニング評価システム(以下、「DECMAN」という)の開発を進めている。本報告書は、ワークステーション上のUNIXベースで開発されてきたDECMANをパソコン(以下、「PC」という)上のWindowsベースに移植した際に行った改造及び実作業(旧JWTFの薬液溶解槽、DCAグローブボックス及びWDF減容焼却炉の解体撤去)に関して評価を行った結果についてまとめたもので、その概要は以下のとおりである。 (1)移植で新たに追加された機能は、 1)機器配置図の作成、 2)空間線量を使用した被ばく評価、 3)EXCELによるデータの入出力、である。 1)により、施設データの入力ミスや機器の干渉状態が確認できるようになった。 2)により、従来実績値の数十倍の誤差があった被ばく量が、4倍程度(計算値 13.77man・mSvに対し、実績値 3.81man・mSv)に収まるようになった。 3)の改造により、データの修正が容易になり、作業効率が上がった。 (2)実作業評価(人工数)では、旧JWTF薬液溶解槽撤去で実績 249.40人・時に対し、計算 222.67人・時、DCAグローブボックス撤去で 1124.69人・時に対し、 901.71人・時、WDF減容焼却炉撤去で 1970.80人・時に対し、 1411.10人・時と全ての作業で実績値よりも低い値を示した。 (3)付随作業については、計算値に一定の係数を乗じることで予測できることが確認された。 (4)DECMANの計算値を用いて、作業全体量を予想する新たな考え方を構築した。
道野 昌信; 寺野 壽洋; 塙 幹男; 青木 裕; 大久保 利行
JNC TN9410 2000-004, 30 Pages, 2000/03
高速実験炉「常陽」では、プラントの安定かつ安全な運転と将来のFBRプラントの運転信頼性の向上に寄与することを目的として、運転保守支援システムを開発している。その一環として、プラント全体の運転管理業務を支援する運転管理システム(JOYPET:JOYO Plant Operation Management Expert Tool)を開発した。本システムでは、運転管理に必要な次の機能を順次開発して運用を開始した。1.文書管理支援機能2.操作禁止札取付管理支援機能3.工程管理支援機能4.作業可否判定支援機能これにより、プラント運転管理の信頼性の向上に寄与するとともに、管理に要する労力を大幅に削減することができた。
寺門 嗣夫; 鈴木 伸也; 青木 裕; 大久保 利行
JNC TN9410 99-021, 51 Pages, 1999/10
高速実験炉「常陽」では、原子炉プラントの起動から停止までの全ての運転領域にわたる原子炉出力の自動制御化を目指し、「常陽」制御棒操作自動化システムの開発を進めている。本システムを実機へ適用する前段階として、制御棒操作自動化オフラインシステム(運転員に制御棒操作等をガイドするシステム)を製作し、実機信号を用いて検証した。制御棒操作自動化オフラインシステムは、運転員に対し、所定の原子炉出力までの出力上昇、下降に必要な制御棒操作量を提供する制御棒操作ガイド機能と、原子炉起動、停止の過程での機器の操作指示メッセージを提供する機器運転操作ガイド機能がある。このうち制御棒操作ガイド機能における制御棒操作量の演算には、ファジィ推論を用いており、「常陽」の運転領域毎に分割した臨界近接、核加熱、系統昇温、出力上昇、出力下降のそれぞれに対応する制御モードを有している。制御棒操作自動化オフラインシステムの検証試験により、得られた成果は、以下の通りである。(1)制御棒操作ガイド機能は、原子炉の起動、停止操作において、所定の出力変化率での出力上昇、下降並びに目標出力での整定に見合う適切な制御棒操作量をガイドすることができ、良好であった。(2)機器運転操作ガイド機能は、原子炉の出力変化に伴う各種機器の操作タイミングに応じて、的確に操作をガイドすることができ、良好であった。(3)制御棒操作自動化システムについては、制御棒操作自動化オフラインシステムの検証試験を通して、実機適用に必要な技術的課題を提起することができた。(4)これらのことから、「常陽」実機に対し制御棒操作自動化システムが適用できる見通しを得た。
道野 昌信; 大久保 利行; 青木 裕
PNC TN9410 98-001, 55 Pages, 1997/10
「常陽」運転保守支援システムは、高速実験炉「常陽」の安定かつ安全な運転と将来のFBRプラントの運転の信頼性向上に寄与することを目的に開発されている。その一環として、昭和63年より多大の労力と知識を要するプラントの運転管理業務を支援する「常陽」運転管理システム(JOYPET:JOYO Plant Operation Management Expert Tool)の開発を継続して行っている。本報告書は、平成6年度から平成7年度にかけて開発し、平成8年度より運用を開始した本システムの最終機能である「作業可否判定支援機能」についてまとめたものである。本機能は、保守作業における機器のアイソレーションについて、高速実験炉「常陽」で蓄積された運転管理のルールを用いて、プラント及び関連機器の状態等からその作業の実施の可否を判定するものである。本機能の実機運用により厳正なアイソレーション判定が可能となり、また機能の改良手法などについて多くの知見を得ることができた。
伊東 秀明; 佐々木 俊哉; 青木 裕; 大久保 利行
PNC TN9410 96-298, 177 Pages, 1996/11
高速実験炉「常陽」の燃料取扱設備は、取り扱う燃料集合体に付着した冷却材ナトリウムの酸化防止や放射性ガスの拡散を防止するため、アルゴンガスを封入して密封する構造としている。この密封構造には、2重Oリングシール構造が用いられ、この密封性が維持されていることを確認するため定期的に漏洩試験を実施している。しかし、これまで「常陽」の燃料取扱設備で実施してきた加圧放置法による漏洩試験方法では、所定の漏洩測定精度を得るために多くの時間を要することが課題となっていた。この課題を解決するため、これまで実施してきた漏洩測定方法を整理、検討すると共に、一般的に用いられる容器等の漏洩試験方法及び原子炉格納容器の漏洩測定方法を調査、検討した。これらの検討結果に基づき、使用計器の測定精度を向上させた測定試験装置を製作して加圧法、He加圧法、減圧法、液体窒素冷却減圧法の4つの測定方法による測定試験を行った。この結果から、各測定方法の実用性や測定限界等について明らかにし、以下の結果を得た。(1)燃料取扱設備には、減圧法による漏洩測定方法が、測定精度、測定値の安定性に優れ、適合性が高い。(2)計器の精度を高め漏洩量を統計的手法で計算する機能を付加した小型の自動測定装置を製作し、この装置によれば漏洩測定が所定の精度内で安定して実施可能である。(3)漏洩測定が所定の精度内で安定して実施可能なことから、複数のシール部を一括して測定することにより、100箇所以上あるシール部の測定作業時間を約半分に短縮した。
村上 隆典; 寺野 壽洋; 小林 哲彦; 小貫 修; 青木 裕; 大久保 利行; 田村 政昭
PNC TN9410 96-103, 88 Pages, 1996/03
本報告書は、高速実験炉「常陽」2次ナトリウム純化系運転試験報告書の(SN9410 90-133)の続編として作成したものであり、平成2年4月から平成7年3月までの運転経験をまとめたものである。また、併せてMK-III炉心移行に伴う2次ナトリウム純化系設備の運転上の課題について検討した結果についても記載している。得られた知見は次の通りである。(1)期間中、2次ナトリウム純化系の不具合は12件であり、プラント全体に影響するような不具合はなく、軽微なものが殆どであった。(2)既設2次系コールドトラップをMK-III炉心移行後も継続して使用できるかどうかについて評価した結果、平成6年1月末現在での不純物捕獲量は9.4kgと推定された。また、MK-III移行後の初期純化終了時点での予想不純物捕獲量は25.2kgとなり、設計捕獲量(18kg)を大幅に超過することが明らかとなった。(3)2次系コールドトラップエコノマイザの伝熱特性は、コールドトラップ制御温度の設定変更後2年程度の遅れをもって変化する。これは、設定温度を変更することで伝熱管への不純物付着状況が変わるためと推定され、設定温度を低く維持した場合、伝熱性能が良いことがわかった。(4)2次アルゴンガス系呼吸ヘッダに多量のナトリウムベーパが確認されており、2次ナトリウム純化系オーバフローラインにおけるアルゴンガス巻き込みの影響が考えられる。
寺門 嗣夫; 大内 雅之; 川崎 徹; 鹿野 千秋; 小貫 修; 鹿志村 洋一; 大久保 利行
PNC TN9440 95-014, 75 Pages, 1995/08
「常陽」では、これまでに外部電源喪失事象(D/Gは2基とも通常起動)異常事象に関する実機での経験がほとんどない。そこで、現行の異常時操作マニュアル(EPO)の妥協性の確認と実機での運転操作経験を得るためにもっと発生頬度の高い外部電源喪失時において、2基あるD/Gのうち1号D/Gが自動起動に失敗した場合を想定したプラント実動作試験を実施した。試験は、原子炉停止時において予め1号D/Gを待機除外として、大洗変電所常陽線用遮断器(352P)を「切」とすることにより行った。得られた結果は次のとおりである。1、「常陽」において初めての経験である外部電源喪失時の1号D/G起動失敗という貴重な運転経験を得ることができた。また、現行EPOの操作手順の妥当性を確認した。2、外部電源喪失後の1次オーバーフロー系と純化系電磁ポンプの起動には、母線切替え指示から約5分要した。これにより、外部電源喪失後5分以内に非常系4S母線への切替えの指示を出し、かつ手順通りに速やかに実施された場合、制限時間(外部電源喪失後10分)以内での起動が可能である。3、試験時のプラント状態での2号D/Gの実負荷は1.53MWであり、適切に負荷を制限する事により設計値の2MW以下に迎える事ができた。100MWでの原子炉定格運転時には、今回よりも2号D/Gの実負荷は下回ることがよそうされるが、系統降温後は2次予熱ヒータの投入により同等の負荷となることが予想され、設計上特に問題とはならない。
鈴木 寿章; 伊東 秀明; 大久保 利行; 田村 政昭
PNC TN9410 95-105, 85 Pages, 1995/05
高速実験炉「常陽」の使用済炉心構成要素は、燃料洗浄設備において付着ナトリウムの蒸気と脱塩水による洗浄が行われる。このとき放射性腐食生成物(Corrosion Product:以下CPという)も同時に除去されて系統内に付着・蓄積する。このCPは放射線源となって燃料洗浄室の空間線量当量率を上昇させ、運転・保守時における作業員の主たる被ばく源となっている。空間線量当量率を下げ、運転・保守時の被ぼく低減を図るため、これまでにも化学除染等を実施してきたものの、機器の間隙部に付着したCPは十分に除去することはできなかった。このような背量のもとに、平成3年度から平成6年度にかけて以下の燃料洗浄設備における被ばく低減対策を実施した。(1)放射線映機化装量(RID)による線源部の確認(2)主要機器の遮蔽体設置(3)ドレン配菅の所整理(4)脱塩水循環系配管の更新(5)アルゴンガス循環系ミストトラップの追加設置(6)アルゴンガス系弁ドレンラインの設置この結果、燃料洗浄設備の主要作業エリアである燃料洗浄機器室(A-212室)でのエリアモニ夕の空間線量当量率は、被ぱく低減対策前の約1/3に低減することができた。本報告書は、これまでに実施した被ばく低減対策の実積とその成果についてまとめたものである。
寺野 壽洋; 青木 裕; 大久保 利行; 田村 政昭
PNC TN9440 94-015, 104 Pages, 1994/07
高速実験炉「常陽」の予熱電気ヒータ設備は、1975年1月の総合機能試験から、1993年3月末までの約18年にわたり、大きなトラブルもなく順調に運転を継続してきた。この間多くの運転・保守経験が得られている。本報告書は、予熱電気ヒータ設備の運転・改造履歴及び運転特性を総括的にとりまとめたものである。
飛田 茂治; 河井 雅史; 米川 満; 星野 勝明; 伊藤 芳雄; 大久保 利行; 田村 政昭
PNC TN9410 94-094, 69 Pages, 1994/03
制御棒操作ガイドシステム(以下、ロッドガイダーという。)開発の最終ステップとして、マンマシンインターフェイス機能の改善を図る目的で、平成3年よりCRT画面の日本語表示化、音声ガイド機能の追加、及び出力調整モードでの制御棒操作量の予測精度向上機能の追加を実施した。これらの機能を追加したことにより、ロッドガイダーは期待通りの以下の成果を挙げ、開発業務を終了した。(1)CRT画面を日本語表示にしたことで、マンマシンインターフェイス機能が向上した。(2)音声ガイド機能を追加したことで、ガイド内容を見落とすことがなくなり運転信頼性、安全性の向上及び運手員の負担軽減に寄与できた。(3)原子炉運転操作マニュアルに記載されている操作内容の全てを取り込んだことにより、原子炉運転操作マニュアルと同等の機能となり、更にタイムリーな音声ガイドを行う事で運転経験の浅い運転員でも熟練運転員と同等の操作が可能となった。(4)これまでの炉心反応度計算手法に加え、過去5回の出力調整実績をフィードバックさせる予測機能を追加したことで、定時の出力調整時の予測操作量が実操作量に対して0.2mm以下の精度を達成することができた。
塙 幹男; 大久保 利行; 星野 勝明; 村上 隆典; 早川 晃; 青木 裕; 照沼 誠一
PNC TN9410 91-361, 30 Pages, 1991/11
本報告書は,高速炉燃料の設計因子の妥当性を実験的に確認するために1991年6月に実施した孔線出力試験その1(B5D-1照射試験)時のプラント運転経験について述べたものである。本照射試験は,試験体を炉心中心に装荷し,原子炉出力60MWから通常の4倍の出力上昇率(0.4MW/min)で95MWまで上昇させ,10分間保持した後急速に出力降下する方法で実施した。試験時の主なプラント特性は次の通りである。(1)60MWから95MWまでの平均出力上昇率は0.45MW/minとなり,その間の原子炉出力Na温度上昇率は37度Cで,運転制限値を満足した。(2)原子炉出口とオーバーフロータンク間のNa温度差は運転手法によって最大70度Cに押さえることができ,運転制限値を満足した。(3)急速な出力変化に伴う2次Na温度制御系の追従性は良好で原子炉入口Na温度を一定に保持した。今回の運転経験によって今後数回に渡り計画されている高線出力試験の運転手法をほぼ確立することができた。また,今回の運転データ及びシミュレータによる解析結果から運転制限値を満足する最大出力上昇率は約0.6MW/minと予測される。
森本 誠; 大久保 利行; 堀 徹; 伊藤 和寛; 舟木 功; 藤原 昭和; 田村 政昭
PNC TN9410 91-334, 64 Pages, 1991/10
「常陽」では,破損燃料位置決めシステムとして,ナトリウムシッピング法による破損燃料集合体検出装置(FFDL)が採用されている。しかし,「常陽」ではこれまでに燃料破損の経験がなく,昭和60年度に実施された燃料破損模擬(FFDL-I)試験以降,FFDLは運転されていない。このため,平成4年度に計画しているFFDL-II試験に先立って平成3年7月12日から7月19日にFFDL運転試験(II)を実施した。本試験により得られた結論を以下に示す。(1)FFDLの基本的な機能及び運転手順を再確認するとともに,運転経験を蓄積することができた。(2)放射線計測の結果,バックグランドと差はなく燃料破損は検出されなかった。