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池田 修悟; 大久保 智幸*; 稲田 佳彦*; 常盤 欣文; 金子 耕士; 松田 達磨; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Journal of Physics; Condensed Matter, 15(28), p.S2015 - S2018, 2003/07
被引用回数:6 パーセンタイル:35.62(Physics, Condensed Matter)CeTIn(T: Co, Rh, Ir)は、Ceをベースとした重い電子系超伝導物質として、現在盛んに研究されている化合物である。しかしCeをUに置換したUTGaにおいては、URuGaのみ化合物が発見、研究されており、まだまだ未知の化合物群である。われわれは、自己フラックス法により、遷移金属をRuからFeやRhに変えたUFeGaとURhGaの化合物を初めて発見し、その単結晶育成に成功した。これらの単結晶を用い、比熱,電気抵抗,磁化率測定を行ったところ、両者ともパウリ常磁性で、電子比熱係数が比較的大きい、重い電子系物質であることがわかった。
池田 修悟; 常盤 欣文*; 大久保 智幸*; 山田 美音子*; 松田 達磨; 稲田 佳彦*; 摂待 力生*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 329-333(2), p.610 - 611, 2003/05
被引用回数:13 パーセンタイル:56.06(Physics, Condensed Matter)UTGa(T:遷移金属)は、a軸に比べてc軸の格子定数が大きくなった正方晶の結晶構造をもつ化合物で、われわれは遷移金属を変えて系統的に磁性とフェルミ面を明らかにしてきた。その中でも今回われわれは、UTGaの単結晶育成にはじめて成功し、ドハース・ファンアルフェン効果測定を行った。その結果、準二次元的な4つの円柱状フェルミ面を観測した。これは結晶構造や、中性子散乱実験から求まった磁気モーメントの周期を考慮することで理解できる。現在まで、反強磁性状態でのバンド計算とドハース・ファンアルフェン効果の結果は、一致していなかった。しかし今回は、UTGaの反強磁性状態でのバンド計算は、ドハース・ファンアルフェン効果の結果と比較的よく一致していることがわかった。
池田 修悟; 常盤 欣文*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大久保 智幸*; 山田 美音子*; 中村 仁子*; 杉山 清寛*; 金道 浩一*; 稲田 佳彦*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 72(3), p.576 - 581, 2003/03
被引用回数:41 パーセンタイル:82.49(Physics, Multidisciplinary)反強磁性UPtGaのフェルミ面の特徴を明らかにするためにドハース・ファンアルフェン(dHvA)効果測定を行った。また高磁場磁化測定から磁気相図を明らかにした。dHvA実験からフェルミ面は、正方晶の[001]方向に長い4つの準2次元的なフェルミ面から形成されていることがわかった。この結果は、反強磁性構造を考慮に入れたバンド計算の結果とほぼ一致している。また10~24m ( : 電子の静止質量)の比較的大きなサイクロトロン有効質量を観測した。
松田 達磨; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; Andrei, G.; 山本 悦嗣; 大久保 智幸*; 大貫 惇睦
Acta Physica Polonica B, 34(2), p.1071 - 1074, 2003/02
URhGeはキュリー温度30Kの強磁性体である。近年斜方晶系,強磁性ウラン化合物における超伝導の発見が報告されているが、URhGeは、あらたな候補としての可能性が期待されている。われわれは、この物資の単結晶育成について初めて単結晶育成に成功した。磁化、抵抗測定の結果大きな異方性と、新たに25Kに異常を発見した。比熱測定の結果30K, 25Kいずれにおいてもラムダ型の比熱の振る舞いを示し、25Kにおける異常は、現段階で秩序変数は不明なものの相転移であることが明らかとなった。
松田 達磨; 目時 直人; 芳賀 芳範; 池田 修悟; 大久保 智幸*; 杉山 清寛*; 中村 仁子*; 金道 浩一*; 金子 耕士; 中村 彰夫; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 72(1), p.122 - 130, 2003/01
被引用回数:11 パーセンタイル:57.14(Physics, Multidisciplinary)われわれは、UCrSiの単結晶育成を初めて行なった。この物質について、温度約210K において高温の正方晶から三斜晶への構造相転移を示すことを明らかにした。また中性子回折実験によって低温における磁気構造を決定した。低温高磁場磁化測定ではメタ磁性転移が11.4Tで起きることを明らかにし、比熱測定からは電子比熱係数が約80mJ/Kmolと比較的重い電子系化合物であることを明らかにした。
松田 達磨; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 池田 修悟; 大久保 智幸*; 山田 美音子*; 中村 彰夫; 大貫 惇睦
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.225 - 228, 2002/11
UTX(T:遷移金属、X:Si, Ge)は、強相関電子系化合物として興味深い物性を示すことから、系統的に研究がなされてきている物質である。しかしながらこれらの物質は、ウランが国際規制物質であることから、純良な単結晶を用いた研究がなされていない物も多い。今回われわれはUCrSiの単結晶育成に初めて成功した。さらに抵抗率と帯磁率の温度依存性測定を行い、正方晶であるこの物質の異方性をあきらかにし、さらにこれまで報告されていた低温27Kの磁気転移以外に新たな相転移と思われる異常を210K近傍で発見した。
常盤 欣文; 池田 修悟*; 芳賀 芳範; 大久保 智幸*; 飯塚 知也*; 杉山 清寛*; 中村 彰夫; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, 71(3), p.845 - 851, 2002/03
UFeGaはHoCoGa型の正方晶の結晶構造を持ち、磁気秩序を持たない常磁性体である。帯磁率の温度依存性は小さく、降温とともにわずかに増大する。われわれはこのUFeGaの純単結晶育成に初めて成功した。単結晶育成は自己フラックス法により行い、得られた単結晶の残留抵抗比は88であった。本研究では物理量の異方性及びフェルミ面の性質を明らかにするため電気抵抗、帯磁率及びde Haas-van Alphen(dHvA)効果の測定を行った。H//[001]付近では3つのブランチが観測された。このうちブランチは、その角度依存性から、CeIrInなどにおいても見られる円柱状フェルミ面からの寄与と思われる。また、観測されたブランチのサイクロトロン質量は比較的大きく、2.4~9.9m0であった。
常盤 欣文; 池田 修悟*; 芳賀 芳範; 大久保 智幸*; 飯塚 知也*; 杉山 清寛*; 中村 彰夫; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, 71(3), p.845 - 851, 2002/03
被引用回数:40 パーセンタイル:81.14(Physics, Multidisciplinary)自己フラックス法によってUPtGaの純良単結晶を育成し、磁化率,電気抵抗,比熱及びde Haas-van Alphen (dHvA)効果の測定を行った。磁化率と電気抵抗測定によって26Kに反強磁性転位を発見した。dHvA効果の測定では6つのブランチの検出に成功し、二次元フェルミ面の存在を明らかにした。サイクロトロン有効質量は1024と、やや重いことがわかった。比熱測定によって得られた電子比熱係数は=57mJ/Kmolであった。