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柴田 裕樹; 坂本 寛*; 大内 敦*; 倉田 正輝
Journal of Nuclear Science and Technology, 52(10), p.1313 - 1317, 2015/10
被引用回数:16 パーセンタイル:79.46(Nuclear Science & Technology)炭化ホウ素/ステンレス鋼の系は熱力学的に不安定なことはよく知られており、これらの材料間においておよそ1273Kを超えた温度で化学的相互作用が起こるであろうということを示している。この化学的相互作用は、シビアアクシデントの初期段階において中性子吸収棒の融解そしてそれに続くこれら材料の再配置へと繋がっていく。そしてその際に生成した溶解生成物は制御棒ブレードやジルカロイチャンネルボックスや燃料棒といった周辺の原子力材料と相互作用していき、燃料集合体の崩落へと繋がっていくことが予期される。BCとステンレス鋼との化学的相互作用に関する既往の研究では、粉末またはペレット状のBCが使用されている。しかし日本のBWRの中性子吸収棒には粒状のBCが採用されている。そこで本研究では、日本のBWRで採用されている材料、すなわち粒状のBCとステンレス鋼を用いた試験を実施し、粒状BCとステンレス鋼間の化学的相互作用の反応速度はペレットまたは粉末状BCとステンレス鋼間とは明らかに異なっていることが判明した。
坂本 寛*; 柴田 裕樹; 宇根 勝巳*; 大内 敦*; 青見 雅樹*; 倉田 正輝
Proceedings of 2014 Water Reactor Fuel Performance Meeting/ Top Fuel / LWR Fuel Performance Meeting (WRFPM 2014) (USB Flash Drive), 7 Pages, 2014/09
水素吸収・放出に対する燃料被覆管に形成されている酸化膜の影響を調べるために、1073-1473Kの温度範囲の高温水蒸気で腐食させた被覆管外周表面の水素濃度の深さ分布を調べた。その結果、被覆管表面に形成された酸化膜は酸化に対しては保護膜となるのに対し、水素に対してはもはや保護膜にはならないことが示唆された。
正木 圭*; 安東 俊郎; 児玉 幸三; 新井 貴; 閨谷 譲; 芳野 隆治; 辻 俊二; 柳生 純一; 神永 敦嗣; 笹島 唯之; et al.
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.390 - 394, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:80.82(Materials Science, Multidisciplinary)最近のJT-60U実験では、高パワーNBI、LHRFの使用によりプラズマ壁相互作用が激しくなっている。昨年6月、ダイバータ近傍のCFC製第一壁タイルが破損した。この原因は、ディスラプション時のハロー電流による電磁力と考えられる。このタイルの破断に必要な荷重から推定すると、ハロー電流値は約20kAとなる。また、破損したタイルが放電中にポロイダル方向に高速で運動する現象が観測された。昨年8月には、ボルトの緩みにより、ダイバータタイル1枚が離脱し、7枚に深いエロージョンが確認された。昨年11月、ベータ線後方散乱測定法を用いて、ダイバータタイル表面の金属不純物量を測定した。その結果、一昨年と同じ測定部の表面に金属が多く残っており、エロージョンは主にタイルのエッジに集中していることが解った。また、1年間の運転の後でも炭化ボロン層が残っていることも確認された。
赤岡 克昭; 大場 弘則; 若井田 育夫; 大内 敦*; 水迫 文樹*; 栄藤 良則*; 鳥丸 忠彦*
no journal, ,
東京電力福島第一原子力発電所事故で発生した燃料デブリやその他の放射性物質のその場分析は、廃炉措置にとって非常に重要である。そこで、レーザー誘起発光分光法(LIBS)で測定されたU・Zr・Fe混合模擬燃料デブリのスペクトルついて、U, Zr, Fe単体のスペクトルを用いた最小二乗法による解析を実施した。その結果得られた検量線及び解析スペクトルなどについて報告する。
大場 弘則; 赤岡 克昭; 若井田 育夫; 大内 敦*; 水迫 文樹*; 栄藤 良則*; 鳥丸 忠彦*
no journal, ,
原子力発電所事故で発生した燃料デブリの遠隔検知のために光ファイバー伝送レーザー誘起ブレークダウン分光(ファイバーLIBS)分析技術を開発している。今回、ウラン-ジルコニウム混合模擬燃料デブリの分析にLIBSを適用して定量性の評価を調べた。また、ウラン含有混合反応物についての分析性能を調べた。その結果、ウラン-ジルコニウム重量比に対するスペクトル強度比に良好な相関が得られ、定量分析への一定の見通しを得た。また、ウラン含有混合酸化物ではレーザー照射スポット部位によって組成比が異なることから、SEM-EDSによる元素組成比とLIBS強度比の比較を行ったところ概ね一致することがわかった。
浦野 建太; 伊藤 敦*; 高野 勇貴*; 大内 章央*; 平山 亮一*; 古澤 佳也*; 舟山 知夫*; 横田 裕一郎*
no journal, ,
DNA酸化産物8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン(8-OHdG)は、デオキシグアノシンの・OHとの反応産物であることはよく知られている。我々はこれまでに、重イオン線のトラック構造における低LET線領域(penumbra)を可視化する目的で、シート状に加工したDNA(以後DNAシート)を材料に8-OHdGの蛍光抗体法による画像の解析を行ってきた。令和元年度の本学会で粒子のLETと原子番号の増加に伴い蛍光領域が増加(penumbra領域が増大)することを示唆した。しかしながら、その結果は、Chatterjee and Schaeferの計算結果と逆の傾向を示していた。この原因を探るため、本研究では、蛍光抗体法による画像に顕著に観察されるバックグラウンド蛍光に着目し、それを低減する過程を加えることによって、粒子種, LET毎に8-OHdG蛍光領域の再解析を行った。また、前回より粒子種、LETの種類を増やすことによって、より信頼性の高い結果を得ることを目指した。
浦野 建太; 伊藤 敦*; 高野 勇貴*; 大内 章央*; 平山 亮一*; 古澤 佳也*; 舟山 知夫*; 横田 裕一郎*
no journal, ,
DNA酸化産物8-ヒドロキシ-2'-デオキシグアノシン(8-OHdG)は、デオキシグアノシンの・OHとの反応産物であることはよく知られている。我々はこれまでに、重イオン線のトラック構造における線領域(ペナンブラ領域)におけるDNA損傷に着目し、水不溶性のシート状に加工したDNA(岡畑恵雄博士らにより開発されたもの、以後DNAシート)を用いて蛍光抗体法による可視化を行い、8-OHdGの生成領域が粒子種やLETにより変化する事を示してきた。令和元年度は、酸化損傷領域の広がりを定量化する目的で画像解析ソフトウェアImageJを用いて画像処理を行ったが、粒子痕由来の蛍光ドットと蛍光バックグラウンドの判別が難しいという問題点も明らかとなった。令和2年度は、バックグラウンドを除去する処理を考案し、酸化損傷領域のサイズを求め、Chatterjee and Schaeferによるトラック構造計算からのペナンブラサイズとの比較を行った。
大場 弘則; 赤岡 克昭; 狩野 貴宏; 若井田 育夫; 大内 敦*; 三浦 祐典*; 栄藤 良則*; 坂本 寛*
no journal, ,
福島第一廃炉措置における炉内外での核燃料物質遠隔分析を目指してマイクロチップレーザーを搭載した光ファイバー伝送レーザー誘起ブレークダウン分光(ファイバーLIBS)装置を開発し、U、Zr、Fe混合模擬燃料デブリの分析にファイバーLIBSを適用し、スペクトル出現特性を取得して定量分析の可能性について議論する。