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木崎 實; 本田 順一; 宇佐美 浩二; 大内 朝男*; 大枝 悦郎; 松本 征一郎
JAERI-Tech 2000-087, 50 Pages, 2001/02
東海ホットラボでは、四半世紀以上にわたって高温工学試験研究炉用燃料・材料の研究開発のための照射後試験を実施してきており、被覆粒子燃料,アロイ800H,圧力容器鋼材等の開発や選定、安全審査・設計工事認可対応に有用なデータを提供してきた。本報は、HTGRからスタートして最終的にHTTRに至る開発に伴って実施してきた材料関連照射後試験の技術的変遷と試験成果をまとめたもので、高温引張試験,クリープ試験,シャルピー衝撃試験,弾塑性破壊靱性(J)試験,動的破壊靱性(K)試験,スモールパンチ試験,電気化学的腐食試験等について開発整備してきた試験装置,遠隔操作技術,評価技術,及び,耐熱・耐圧材料の高温照射脆化の特徴,さらには、これら材料の研究開発やホットラボ技術の進展への寄与等を概説する。
若井 栄一; 菱沼 章道; 三輪 幸夫; 大内 朝男*; 磯崎 誠一*; 高木 清一*; 安彦 兼次*
Materials Transactions, JIM, 41(1), p.136 - 140, 2000/01
高純度Fe-(9-50%)Cr及びFe-50Cr-(0-8)W合金の引張特性に対して中性子照射の効果を調べた。これらの合金はSS-3タイプの形状の引張試験片にし、加工層を取り除いた後に、原子炉(JRR-3M)において、400、500、600Cの3温度で約0.4dpaの弾き出し損傷量まで照射された。照射後、多くの試験の場合、照射と同じ温度で、真空中にて4.410sの引張速度で引張試験を行った。この照射によって、これらの合金の降状強度と引張強度は増加した。また、照射によるそれらの強度の増分はこれらに添加したクロム量及びタングステン量の増加に伴い、大きくなる傾向になった。これらの合金の引張特性は多くの場合、延性的な挙動を示したが、500C以下で照射されたFe-50CrとFe-50Cr-W合金においてのみ、それらの引張試験において、延性が生じないまま、脆性破断が生じた。これらの合金の引張特性は脆性的な挙動を示した温度及びクロム量の領域が状態図における約500C以下での脆性領域に非常に近いことから、照射によって形成される'相と格子間型転位ループに密接に関係していると考えられる