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大原 比呂志; 林 ジェニファー*
プラズマ・核融合学会誌, 92(3), p.236 - 237, 2016/03
(1)インド国内機関が調達する低温循環装置を原子力機構が保有する試験装置を用いて試験することについて、2013年6月に協定を締結して以来、2015年9月に2種類の試作低温循環ポンプと試験用クライオスタットが原子力機構に搬入され、同年12月に試験が無事終了し、インドは試験結果を基に実機調達に取り掛かる予定である。(2)コッククロフトウォルトン型の加速器である核融合中性子源FNSは、トリチウム生成率を中心とする実験データを取得し、これらの実験の結果がITERの遮蔽設計裕度に反映されている。また、核設計の精度を大きく左右する核データライブラリーの精度向上にも大きく貢献してきた。FNSは原子力機構六ケ所核融合研究所での新たな中性子源開発を開始するため、運転を停止した。(3)MIIFED-IBF2016は、2016年2月8日-10日の3日間、モナコ公国において、アルベール大公のオープニングスピーチより会議がスタートした。企業間、国内機関-企業間の情報交換、企業のITER調達活動への参入、協力の促進が目的である。原子力機構はブースを開設し、各々の調達活動を紹介した。さらに、企業間のビジネス面談が積極的に行われ、各機関, 企業が公式・非公式な話し合いを通してITERプロジェクトのパートナーシップの強化を確認した。
大原 比呂志; 森山 節子*; 林 ジェニファー*
プラズマ・核融合学会誌, 92(1), p.48 - 50, 2016/01
(1)2015年11月18日から2日間、ITER理事会が、フランスのサン・ポール・デ・デュランス市で開催された。プロジェクトの進捗についてレビューを行い、ITER計画と初期建設の段階から本格的な建設段階への変化期にある中、新機構長のリーダーシップの下で達成された成果に特に注目した。(2)原子力機構は1MV超高電圧直流電源の中核機器(直流発生器(DCG)の調達を担当し、この度DCG5台の開発が完了した。そのうち低電位側の3台は12月10日に目的地イタリア、パドバのRFX研究所に無事輸送された。(3)原子力機構ではITER向けTFコイル用構造物(TFCS)の製造計画に基づき、2014年4月から実機TFコイル用のTFCSの製作を開始し、11月にTFコイル第1号機用のAUの主構造体(全長14m)の製作を完了した。この後このAUにはトカマク内での他の機器と取合うための付属品やTFCSを冷却するための配管が取付けられ、2016年夏には本AUが完成する予定である。(4)11月のプラズマ・核融合学会第32回年会(名古屋大学)及び12月の低温工学学会(姫路商工会議所)の企業展示会に出展した。
大原 比呂志; 森山 節子*; 林 ジェニファー*
プラズマ・核融合学会誌, 91(11), p.741 - 742, 2015/11
(1)日本が調達を分担するCS導体を用いた試験コイルを製作し、原子力機構那珂核融合研究所が保有する大型超伝導コイル試験装置に組込み、性能確認試験が2015年7月に完了した結果、CS導体が実機動作条件において十分な導体性能を有することを確認した。今後もITER機構、米国も含めて詳細な導体性能の解析を行っていく予定である。(2)原子力機構は調達を担当するITER向けTFコイルの製作にあたり、実規模試作およびTFコイル製作装置の製作をメーカーと協力して進めている。実規模検証試験の結果を踏まえて、6月に実機TFコイル第1号機の1本目の巻き線について導体絶縁作業を実施し、成功裏に超伝導導体のPR溝への挿入を完了した。また、次工程のCP溶接作業についても無事完了し、第1号巻線の完成に向けて、DP絶縁およびDP含浸の作業を実施する予定である。(3)フランスITER機構で最後の第14回導体会議を9月に開催した。ITER参加6極から合計約40名が参加し、これまでに得られた技術的知見のレビューを含め技術課題と製作状況についての発表と議論を行った。最後に導体製作に関わった各極のメーカー等の功績をたたえ、プレートを作成しビゴITER機構長による除幕式を行った。
林 ジェニファー*; 森山 節子*; 大原 比呂志
プラズマ・核融合学会誌, 91(9), P. 620, 2015/09
(1)第2回日中韓ITER国内機関技術会合が、2015年7月20-22日に京都府木津の日本原子力研究開発機構の関西光科学研究所で、日本がホスト国となって開催された。会議には各国の政府関係者も含め中国,韓国及び日本から合計約40名が出席し、ITER機器の製作技術に関する意見交換を行い、ITERプロジェクト成功に向けた3か国の強固な協力関係を確立した。(2)ITER計画の下、現在、ITER用中性粒子入射装置と同等な性能を有するNB実験試験施設(NBTF)をイタリア・パドバのRFX研究所に建設中である。原子力機構は、NBTF電源の中核機器(直流発生器、トランスミッションライン(TL)等)の調達を担当しており、現在TLの製作と工場試験を進めている。これまでに全長約100mのTLの8割の製作を終了しており、そのうち約5割に相当する部分の耐電圧試験を完了している。TLの耐電圧試験では、直流120万ボルト(常用電圧の1.2倍)での長時間保持試験(1時間)や電流システムの出力動特性を考慮した変動電圧印加試験等、ITERの要求性能すべてに合格した。今後残りの部分の試験を完了させ、計画通り9月中旬にRFX研へ輸送を開始する予定である。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 藻垣 和彦; 大賀 徳道; 大原 比呂志; 梅田 尚孝; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.424 - 434, 2002/09
被引用回数:15 パーセンタイル:67.86(Nuclear Science & Technology)JT-60用正イオンNBI装置は、水素ビームを使って1986年にプラズマ加熱のための運転を開始し、入射パワーとして75keV,27MWを達成した。1991年、JT-60の大電流化改造に対応するために重水素ビームを入射出来るようにした。重水素ビームでの開発研究を進め、1996年に世界最高のビーム入射パワーである95keV,40MWの重水素中性ビームをJT-60プラズマに入射した。このような大出力中性粒子ビームを安定にプラズマに入射することにより、JT-60における世界最高性能プラズマの達成に大きく寄与した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 藻垣 和彦; 小原 祥裕; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.410 - 423, 2002/09
被引用回数:49 パーセンタイル:93.12(Nuclear Science & Technology)JT-60用500keV負イオンNBI装置は、世界で初めての負イオンNBIシステムとして1996年に運転が開始された。イオン源での放電破壊時に発生するサージ電圧によるイオン源や電源で頻発したトラブルの克服、負イオン源の運転パラメータの最適化などを行いながらビーム性能を向上させた。また大型負イオン源での大きな開発課題であったソースプラズマの非一様性に対して、これを解決するための幾つかの対策を試みられた。この結果、 重水素で403keV, 17A、水素で360keV, 20Aの負イオンビームが得られた。また重水素ビームでの入射パワーもイオン源2台により400keVで5.8MWまで上昇した。
大賀 徳道; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; et al.
Review of Scientific Instruments, 73(2), p.1058 - 1060, 2002/02
被引用回数:12 パーセンタイル:55.3(Instruments & Instrumentation)JT-60U用N-NBI装置は、1996年に建設され、これまでにJT-60プラズマの中心加熱及び非誘導電流駆動実験に貢献してきた。現在、さらなるビームパワーの増大及びビーム入射持続時間の延伸を求めて開発研究を行っている。特に、イオン源におけるソースプラズマの非一様性改善は最も大きなテーマであり、これまでにいくつかの対策を講じてきた。例えば、アークチャンバー内のアーク放電電流分布を変化させることによる一様性の改善であり、フィラメントの温度制御によるアーク放電モードの改善等である。これらの対策は極めて効果的であり、最終的には、ビームエネルギー:400keVにて、5.8MWの重水素ビームをJT-60Uプラズマに入射することができた。
河合 視己人; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 椛澤 稔; 栗山 正明; 藻垣 和彦; 大賀 徳道; 大原 比呂志; et al.
JAERI-Tech 2001-073, 98 Pages, 2001/11
JT-60U用負イオンNBI装置(N-NBI)は、世界初の負イオン源を用いた高エネルギー中性粒子入射加熱装置で、JT-60Uにおけるプラズマ中心部の高密度領域でのビーム電流駆動と加熱の実験を行うことを目的に、1996年3月に完成した。N-NBIは、イオン源2台,ビームライン1基,イオン源用電源,その他の設備から構成され、装置の建設終了後、イオン源や電源の調整試験や改良を行いながら初期プラズマ加熱実験を行った。1997年9月より本格的加熱実験を開始し、ビーム性能向上のための試験を行いながら、現在までに最大400keV,5.8MWの重水素ビームのプラズマへの入射を達成した。現在もビームエネルギー,及び入射パワーの増大のために各種改良を加えながら入射実験を行っている。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Fusion Engineering and Design, 56-57(Part.A), p.523 - 527, 2001/10
被引用回数:6 パーセンタイル:44.09(Nuclear Science & Technology)世界で最初の負イオン源を使ったJT-60用500keV負イオンNBI装置は、1996年の完成以来、負イオン生成部の改良や加速管の耐電圧向上対策、高電圧直流電源での制御や耐電圧向上等の対策を行いながらビームパワー増大、ビーム持続時間伸長のための開発が続けられてきた。これまでに最大350keV、5.2MWの高速中性ビームをJT-60プラズマに入射し、NBI電流駆動実験での高効率電流駆動の実証、プラズマ中心加熱による閉じ込め向上等、大きな成果を上げてきた。しかしながら、幾つかの技術的課題により入射パワー及びビームパルス幅の進展が頭打ちとなっている。これらの技術的課題のうち、大型負イオン源のソースプラズマ部に発生している不均一性が最も大きく影響していることがわかってきた。この対策として、(1)アーク電流分布を強制的に変化させる方法、(2)ソースプラズマでのアーク放電モードを変化させる方法、(3)ソースプラズマの不均一性が特に悪い部分を遮蔽して比較的良好なソースプラズマのみを引出・加速する方法、などを試みている。これらの対策により、これまでにイオン源でのビーム加速効率を従来より約30%以上改善させることができた。この結果、2秒以上の長パルスビームを安定にJT-60Uプラズマに入射できるようになった。
梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1135 - 1139, 2001/03
JT60用負イオンNBIは、これまでに最大で350kV,5.2MWのビーム入射を行ってきたが、さらなるビームパワー増大のためには、大型負イオン源ソースプラズマ非一様性の問題を解決する必要がある。この対策として、フィラメント温度変化によるアーク放電モードの変更、各フィラメント系統に接続しているアーク限流抵抗の調節、さらに一様性の悪い部分をマスクしてビームを引き出す方法などを試みている。これらによる変化をアーク放電電流分布、ラングミュアプローブ、加速電極の熱負荷やビームラインの熱負荷等で評価した。その結果、フィラメント温度を下げることによりアーク放電分布に改善の傾向が見られ、限流抵抗を調節することによって強制的に放電の分布を変えることができた。また、マスキングによりビームの加速特性が向上し、加速部での損失が減少して負イオン電流の割合が増加した。
大原 比呂志; 秋野 昇; 海老沢 昇; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; 栗山 正明; et al.
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1140 - 1144, 2001/03
JT-60U用正イオンNBI装置(P-NBI)は1986年の運転開始から約14年間、高パワー中性粒子を入射しJT-60Uプラズマ高性能化実験に大きく貢献してきた。1987年には、水素ビームにおける定格中性子ビームピワー20MWの入射に成功した。その後、イオン源について引出電流を増大するための改善を行い、定格値より約30%高い27MWの入射パワーが得られた。1991年にはJT-60への入射を120keVの重水素ビーム入射ができるように改造し、1994年には95keV-40MWの重水素によるビームパワーが得られた。また、D-Heにおける核融合反応及びヘリウム灰排気能力検証実験のためにHe,Heビームの入射を可能とする改造を行った。4基のビームラインを用いたHeビームでは、80keV-4.8MW,3基のビームラインを用いた。Heビームでは60keV-2.8MWのビームパワーが得られた。2000年には、老朽化対策の一貫としてNBI計算機システムをミニコンピュータからワークステーションに改造し、操作性及び保守性の向上を図った。この改造ではデータ収集システムをCAMACシステムからVMEバスシステムに変更し、ワークステーションに一部の機能を持たせることにより、ワークステーションの負荷を軽減させた。計算機システムの改造後、NBI入射実験での信頼性は大いに増大した。本会議では、ビームパワーの増大を目指したイオン源及び電源装置の進展と計算機システムの改造について詳細に報告する。
伊藤 孝雄; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; Hu, L.*; 河合 視己人; 椛澤 稔; 栗山 正明; 日下 誠*; et al.
Fusion Engineering and Design, 51-52, p.1039 - 1047, 2000/11
被引用回数:15 パーセンタイル:68.65(Nuclear Science & Technology)JT-60用負イオンNBI装置では高エネルギーの中性粒子ビーム入射運転を出力上昇運転と並行して行っている。ここでは、ビーム特性の評価がビームパワー増加及び最適化のために重要である。この評価のため、ビームラインからの中性子発生量、ビーム発散、ビームラインの熱負荷及び対向面上ビーム分布を使用した。中性子発生量は重水素ビームパワーに比例するので、重水素負イオン電流の状況を簡単に把握できる。NBIのドリフトダクトとイオンダンプで見積もられたビーム発散及び機器の熱負荷はイオン源の運転パラメータ最適化及び入射ビームパワー評価のため使った。ドリフトダクトで測定したビーム発散は設計値の5ミリラジアンにほぼ一致していた。対向面の熱負荷分布はビーム軸を求めるために使われる一方中性粒子ビームの分布を監視するうえでも有効であった。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.751 - 754, 2000/02
被引用回数:21 パーセンタイル:72.69(Instruments & Instrumentation)500keVで10MW入射を目標とするJT-60用イオンNBIは、1996年以来約3年間運転している。このNBIでのイオン源当たりの出力としてこれまでは負イオン水素ビームで360kV,18.5Aの加速を行っており、またJT-60プラズマへの入射実験では、5.2MWの中性ビーム入射を果している。イオン源及びビームラインでのパワーフロー測定結果によると、加速ビームの30~40%が三段加速の電極で失われている。このロスの大部分はビーム自身の各電極への直接衝突によって生じている。アークチャンバー側壁のカスプ磁場による偏向の影響を最小にするため、引出し領域の両端(全引出し面積の約10%)をマスクしたところ、このロスは約30%減少した。このロスをさらに小さくするための原因究明の研究を続けている。
Hu, L.*; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 栗山 正明; 日下 誠*; 藻垣 和彦; et al.
JAERI-Tech 99-057, 16 Pages, 1999/08
JT-60では、負イオンNBI(N-NBI)を使った高エネルギー中性ビーム入射実験が進められている。N-NBIの目標性能は、500keVで10MWのビームを入射することであり、これまでに350keVで5.2MWのビーム入射を達成している。ビーム発散、ビームライン機器への熱負荷は、ビーム性能を評価する上できわめて重要な項目である。JT-60へのビーム入射実験中にドリフト管で評価した発散は、水平方向で4mrad、垂直方向で6mradであり、これは設計値の5mradに近い値である。ビームライン機器への熱負荷測定値も設計値と比べて妥当な値である。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.133 - 136, 1999/00
JT-60用負イオン源は、これまでイオン源などの運転パラメータの最適化を行いながらビームパワーを徐々に増大させてきた。しかし、さらにビームパワーを増大させるためにはイオン源や電源にかかわるいくつかの課題を解決しなければならない。イオン源での課題の一つは、加速電極への過大な熱負荷である。この加速電極でのビームロスは加速ビームの40%にも達する。この電極への高熱負荷の原因を、ソースプラズマの一様性を測定しながら、イオン源での磁場、ガス圧等を変化させながら調べた。この結果、熱負荷過大の大きな原因として、ソースプラズマの一様性が悪いことによるビーム発散の悪化にあることがわかってきた。この対策として、ソースプラズマ生成部のアーク電流分布の調整が有効であることも判明した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; H.Liquen*; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 藻垣 和彦; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(11), p.739 - 749, 1998/11
被引用回数:39 パーセンタイル:92.5(Nuclear Science & Technology)高密度プラズマでの中心加熱・電流駆動実験のために開発を進めてきたJT-60用負イオンNBIについて報告する。本負イオンNBIは、平成4年に建設を開始し、平成8年に完成した。完成後直ちに、負イオン源、ビームライン、イオン源用電源の調整、改良を行いながら、負イオンビーム出力の増大に努めると共にJT-60へのビーム入射運転を行ってきた。これまでにイオン源単体でのビーム出力として、水素負イオンで360kV,18.5Aを得ている。また、JT-60への入射パワーとしては、重水素ビームで350keV,5.2MW、水素ビームで360keV,4.2MWを達成している。本報告では、先ず、本負イオンNBI装置開発の経緯、設計及び建設について述べ、装置完成後の調整試験、ビーム出力増大のためのイオン源、電源等の運転パラメータの最適化、及びこれまでに得られた結果について述べる。
河合 視己人; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 椛澤 稔; 栗山 正明; 藻垣 和彦; 大賀 徳道; 大原 比呂志; et al.
JAERI-Tech 98-042, 32 Pages, 1998/09
JT-60NBIは、1986年に水素ビームを用いたNBI加熱実験を開始し、定格中性粒子ビームパワー20MWの入射に成功した。その後、1991年に重水素ビーム対応、高エネルギー化の改造を実施し、重水素ビームで40MWの入射パワーを得るために、イオン源での放電破壊対策を講じながら運転の安定化に努めた。イオン源の構造上の問題からこの目標を達成できなかったため、高エネルギー領域から大電流領域での運転へ方針変更し、加速部ギャップ長の短縮化を行った。この結果、1996年7月にビームエネルギー~96keV、40MWの入射を達成した。
栗山 正明; 秋野 昇; 磯崎 信光*; 伊藤 孝雄; 井上 多加志; 薄井 勝富; 海老沢 昇; 大島 克己*; 小原 祥裕; 大原 比呂志; et al.
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.115 - 121, 1998/00
被引用回数:36 パーセンタイル:91.63(Nuclear Science & Technology)JT-60用負イオンNBI装置によるプラズマへのビーム入射が1996年3月から開始された。本NBIによる最初のビーム入射(180keV,0.1MW/0.4秒)が1996年3月に成功して以来、負イオン源及び加速電源の運転パラメータを最適化することによりビーム出力の増大を図ってきた。同年9月には、重水素ビームにより、2.5MW/350keV/0.9秒/2台イオン源の中性ビーム入射を行った。同時に負イオンビームの中性化効率が250~370keVの範囲で60%であることを確認した。更に1997年1月~2月の運転では、イオン源1台により水素ビームで3.2MW/350keVのビーム入射を達成した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; H.Liquen*; et al.
Fusion Technology 1998, 1, p.391 - 394, 1998/00
JT-60では、高密度プラズマでの中心加熱・電流駆動研究を目的として500keV負イオンNBIの開発を進めている。本負イオンNBIは、平成8年3月の装置完成以来、負イオン源、ビームライン、イオン源用高電圧電源の調整、改良を行いながら、負イオンビーム出力の増大に努めてきた。イオン源単体でのビーム出力として、これまでに水素負イオンビームで360keV、18.5A、重水素で380keV、14.3Aまで得ている。また、JT-60への入射パワーとして重水素中性ビームで5.2MW,350keVを達成している。本報告では、負イオンビーム出力増大のためのイオン源運転パラメータの最適化、及び負イオンNBIの技術的課題の解決策等について発表する。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 小泉 淳一*; et al.
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.405 - 408, 1998/00
JT-60用負イオンNBI装置は、NBI電流駆動による定常化研究及びプラズマの中心加熱での閉じ込め性能向上を目指したもので、500keV,10MW,10秒の性能を目標とする世界初の負イオンNBIである。この負イオンNBIは、1996年初めに完成した後、1996年3月に最初のビーム入射に成功した。以後、イオン源、ビームライン及びイオン源用電源の最適化を行いながらビーム出力の増大を図り、これまでイオン源出力として重水素ビームで400keVで13.5A、水素ビームで350keVで18.4Aの負イオンビーム出力を達成している。またJT-60への入射パワーに関しては、1996年9月には重水素ビームで350keVで2.5MW、1997年2月には水素ビームで3.2MWのビーム入射を果たし、これまでの実験は、プラズマ中での高エネルギー粒子の挙動がほぼ理論的に予測されたとおりになっている。