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武内 伴照; 大塚 紀彰; 渡辺 恭志*; 田中 茂雄*; 小沢 治*; 駒野目 裕久*; 上野 俊二*; 土谷 邦彦
Proceedings of 2017 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference (NSS/MIC 2017) (Internet), 3 Pages, 2018/11
福島第一原子力発電所事故の教訓から、過酷事故時の環境でも原子炉建屋内の監視が可能な耐放射線性カメラシステムの開発を開始した。本研究は、カメラを構成する部品の要素技術開発を行い、カメラシステムの試作・性能を評価した。まず、要素技術開発として放射線環境下において100Gy未満で使用不能となるイメージセンサの劣化主因が暗電流増加であることを明らかにし、トランジスタの数を4つから3つに減らすとともに光電変換構造としてフォトゲート型を採用することで暗電流の軽減を図った。その結果、イメージセンサの耐放射線性は200kGy以上にまで向上した。また、光学系については、石英とフッ化カルシウムを用いた耐放射線プリズムとズームレンズにすることにより、1MGy照射後においても十分な性能を有することを示した。一方、その他の電子部品については、100kGy未満で故障するものもあり、一部に遮蔽構造を採用した。これらの結果を踏まえ、開発したカメラシステムが900kGy以上の照射線量でも良好な画像を取得できることを明らかにした。
武内 伴照; 大塚 紀彰; 柴垣 太郎*; 駒野目 裕久*; 上野 俊二*; 土谷 邦彦
日本保全学会第13回学術講演会要旨集, p.379 - 386, 2016/07
東京電力福島第一原子力発電所事故の経験や教訓を踏まえ、過酷事故時においても水中における信号伝送が可能な無線システムの高度化に向けた基盤技術開発に取り組んだ。使用する送受信方式の選定や構成部品の耐放射線性評価を終え、要素的な技術開発を完了した。さらに、これらの要素技術を踏まえた送受信系を試作して水中環境を模擬した伝送試験を実施した。その結果、気泡や浮遊物等が存在する水中環境においても環境ロバスト性を有しており、水中5m間の可視光による無線伝送が十分に可能であることが示され、システム開発に目途を付けた。今後は、水中伝送性能のさらなる安定性向上や、放射線環境下におけるセンサ計測データ処理を確証し、システムの技術的な完成を目指す。
武内 伴照; 大塚 紀彰; 土谷 邦彦; 田中 茂雄*; 小沢 治*; 駒野目 裕久*; 渡辺 恭志*; 上野 俊二*
日本保全学会第13回学術講演会要旨集, p.391 - 394, 2016/07
東京電力福島第一原子力発電所事故の経験や教訓を踏まえ、プラント状態の情報把握能力の向上のため、耐放射線性カメラの開発に取り組んだ。放射線環境下におけるカメラ画像劣化の主因である撮像素子内の暗電流を抑制するため、撮像素子のトランジスタ及び光電変換部について3Tr型でフィールドプレートを有する素子(3TPD)、同型でフォトゲートを有する素子(3TPG)及び4Tr型でフォトゲートを有する素子(4TPG)を設計・試作し、線照射中の暗電流と照射後の光電変換感度を測定した。その結果、3TPG型が最も耐放射線性が高く、200kGy照射後も十分なダイナミックレンジが維持された。
武内 伴照; 大塚 紀彰; 渡辺 恭志*; 上柳 智裕*; 駒野目 裕久*; 上野 俊二*; 土谷 邦彦
Proceedings of Decommissioning and Remote Systems 2016 (D&RS 2016) (CD-ROM), p.263 - 264, 2016/07
福島第一原子力発電所事故の教訓から、耐放射線性を有する監視カメラシステムの開発を開始した。本研究では、耐放射線性向上のために、イメージセンサの開発及び線照射特性を調べた。イメージセンサの構造として、3トランジスタかつフィールドプレート(3TPD)及びフォトゲート(3TPG)型と、4トランジスタかつフォトゲート(4TPG)型の3種類を設計・試作した。これらのセンサをコバルト60照射施設で室温において約1kGy/hで70kGyまで照射した。この結果、照射後画像の劣化要因である暗電流は、50kGy以上では4TPGが最も大きく、3TPG型が最も小さかった。その結果、4TPGでは暗電流の急増によって感度がほとんど消失した。一方、3トランジスタ型では、50kGy以上でも使用可能な感度を有しているとともに、3TPD型よりも3TPG型の感度が高かった。以上から、3種のイメージセンサのうち、3TPG型が暗電流及び感度特性において線照射による劣化が最も抑制できる可能性が示された。
武内 伴照; 上野 俊二; 駒野目 裕久*; 大塚 紀彰; 柴田 裕司; 木村 伸明; 松井 義典; 土谷 邦彦; 荒木 政則
Proceedings of 6th International Symposium on Material Testing Reactors (ISMTR-6) (Internet), 7 Pages, 2013/10
福島第一原子力発電所事故における全交流電源喪失状態下では、既存の炉内計装システムは十分には機能せず、結果的に過酷事故の進展を防げなかった。また、IAEA閣僚会合に向けて平成23年6月に取りまとめられた日本国政府報告書において、教訓14として「原子炉及び格納容器などの計装系の強化」が挙げられている。こうした背景を踏まえ、原子力施設でシビアアクシデントが発生した際に、プラント状態を監視するため、平成24年度より、上記2つの対策にかかる研究開発を開始した。本研究開発の課題としては、過酷環境下でも高解像度で監視できる耐放射線性カメラ、撮影した映像を伝送するシステム、計測線等の基盤技術の構築である。これらの開発目標および開発状況や特性試験の概要について述べる。
石寺 孝充; 黒澤 精一*; 大塚 俊二*; 林 雅則*; 打越 啓之*; 鈴木 康之*
no journal, ,
ベントナイト乾燥密度をパラメーターとして温度の異なる条件でHDOの透過拡散試験を実施し、実効拡散係数の活性化エネルギーを取得した。その結果、乾燥密度の増加に伴う活性化エネルギーの大きな変化は観察されなかった。
石寺 孝充; 黒澤 精一*; 大塚 俊二*; 打越 啓之*; 亀井 玄人; Alexander, W. R.*
no journal, ,
マカーリン地域の泥灰岩に含まれるヨウ素及び塩素について、天然セメントにより生成された高アルカリ地下水への浸出挙動について調査を行った。その結果、地下水が流れた亀裂近傍でのヨウ素及び塩素の含有量低下が確認され、高アルカリ地下水による二次鉱物の生成により間隙が閉塞されず、岩石中の間隙が連続性を有していることが確認された。
武内 伴照; 大塚 紀彰; 上柳 智裕*; 渡辺 恭志*; 駒野目 裕久*; 上野 俊二*; 土谷 邦彦
no journal, ,
原子力発電所における監視システムの高度化の一環として、過酷事故が発生した際にも監視機能を失わない耐放射線性カメラの開発を行っている。既存カメラに対する線照射試験結果から、照射による画像劣化の主因は撮像素子内の暗電流増加であることが明らかとなった。本研究では、暗電流を抑制するため、撮像素子のトランジスタ及び光電変換部について、3トランジスタ型(3T型)でフィールドプレートを有する素子(3TPD)、同型でフォトゲートを有する素子(3TPG)及び4トランジスタ型(4T型)でフォトゲートを有する素子(4TPG)を試作し、線照射施設で70kGyまで照射して暗電流と光電変換感度を測定した。その結果、照射前はトランジスタ構造の多い4T型が有利であるものの、照射下では、トランジスタ構造の少ない3T型のほうが、照射による暗電流の発生個所が少ないことから有利であり、厚い酸化膜を持つフィールドプレート型よりも、酸化膜の薄いフォトゲート型のほうが、照射による界面準位増大を抑制でき、暗電流を軽減できることが分かった。以上から、最も耐放性の高い3TPGでは、70kGy照射後も十分な性能が維持されることを明らかにした。
武内 伴照; 田中 茂雄*; 渡辺 恭志*; 大塚 紀彰; 小沢 治*; 駒野目 裕久*; 上野 俊二*; 土谷 邦彦
no journal, ,
過酷事故時にも使用可能な耐放射線性カメラの開発の一環として、本研究では、撮像素子のフォトゲート駆動電圧が画質に与える影響を調べた。対象材は、3トランジスタ型で光電変換部にフォトゲート(PG)と呼ばれる電極を有する撮像素子を用いた。まず、照射前にPGの駆動電圧を0-1.6Vの範囲で変化させ、コントラストが最も明瞭な最良の画質が得られる電圧を-1.6Vと決定した。次に、約1kGy/hの線照射環境下でテストチャートを撮影したところ、-1.6Vでは、11階調の白黒テストバーのうち、白側の4階調分はコントラストが失われた。このため、0-0.8Vの範囲でPG駆動電圧による画質を取得したところ、コントラストが復帰するとともに、-0.2Vで最良の画質が得られることが分かった。以上より、最良の画質が得られる撮像素子PG駆動電圧は、放射線環境下と未照射環境では異なることが分かった。したがって、一般的には固定であるPG電圧を調節可能なカメラとすれば、放射線環境下における画質劣化を軽減しうることが示唆された。
田中 茂雄*; 小沢 治*; 渡辺 恭志*; 武内 伴照; 大塚 紀彰; 上野 俊二*; 駒野目 裕久*; 土谷 邦彦
no journal, ,
原子力発電所における監視システムの高度化の一環として、過酷事故時にも使用可能な耐放射線性カメラの開発に着手した。本研究は、耐放射線性を有しつつもカラーかつ高解像度なカメラを実現するため、対象とする型式を3CMOSカラーハイビジョンカメラとし、構成する部品の要素技術開発を行い、カメラシステムの試作・性能を評価した。まず、レンズとプリズムには、試作品の線照射試験結果から、積算線量1MGy以上でも可視光領域における分光特性を保持することを確認した。また、信号処理/信号出力部を構成する部品は、一部について線遮蔽構造を採用することにより1MGy以上でも使用が可能な見通しを得た。次に、耐放射線性の向上を狙ったCMOS撮像素子の設計のため、光電変換部の構造及び電極の形状を検討・試作し、線照射前後及び照射中の特性試験を実施した。その結果、3トランジスタ型かつフォトゲートを有する撮像素子(3TPG)が、放射線による暗電流増加を軽減できることから、線の積算線量240kGyで十分なダイナミックレンジを維持できることが分かった。