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岩森 暁如*; 小北 康弘; 島田 耕史; 立石 良*; 高木 秀雄*; 太田 亨*; 菅野 瑞穂*; 和田 伸也*; 大野 顕大*; 大塚 良治*
no journal, ,
若狭湾東方陸域に分布する江若花崗岩中の断層岩を対象とし、風化の進行度を表す指標であるW値について検討した。W値は、化学組成から計算される風化による寄与を表し、M値(苦鉄質成分の寄与), F値(珪長質成分の寄与)とともに、M+F+W=100%の三角ダイアグラムを用いて、母岩から断層岩(カタクレーサイト,断層ガウジ)の変化傾向を検討した。また、江若花崗岩と美濃丹波帯変玄武岩との地質境界の断層についても同様の検討を行い、江若花崗岩中の断層岩との特徴の相違について検討した。花崗岩(母岩)は、F値=94.2%, W値=4.9%で、断層岩試料は活断層・非活断層にかかわらずM値が約3%でほぼ一定であり、風化が進展するとF値が減少し、W値が増加する。変玄武岩(母岩)は、M値=88.2%, W値=6.6%で、カタクレーサイトはF値がほぼ一定で、風化が進展するとM値が減少し、W値が増加する。変玄武岩源断層ガウジではW値の増加に伴いF値の増加もみられ、ガウジ中に見られる花崗岩起源の石英フラグメントの混入と整合的である。W値への影響度とW値の変動傾向との整合性の観点から検討した結果、特にNaOとCaOがW値の増減に大きな影響を与えることが確認された。
立石 良*; 島田 耕史; 岩森 暁如*; 小北 康弘; 和田 伸也*; 國松 航*; 大塚 良治*
no journal, ,
これまで、日本の花崗岩質岩類中に発達する活断層(横ずれ断層)と非活断層(地質断層)の断層ガウジ試料の化学組成を用いた線形判別分析により、両者を高確率で判別できることが示されているが、逆断層タイプの活断層が非活断層側に判別される結果が含まれていた。本研究では、この結果が断層タイプの違いによるものか、岩体の違いによるものかを確認することを目的として、江若花崗岩中に発達する逆断層および横ずれ断層の活断層と、非活断層の断層ガウジ試料の全岩化学組成分析と線形判別分析を行った。その結果、活断層と非活断層の判別率はAICで選択された13(化学)成分および7成分のケースでは100%、3成分では90%となった。この結果は、逆断層,横ずれ断層の違いよりも花崗岩体の違いが判別結果に影響を与えていた可能性を示唆する。特に、NaOとGaは、含有量が活断層と非活断層で異なり活断層側で高く、NaOの変動傾向と活断層と非活断層の関係について引き続き検討していく。