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前田 裕司*; 松本 徳真*; 春名 勝次*; 早乙女 隆雄*; 小野 文久*; 須貝 宏行; 大塚 英男; 大橋 一利*
Physica B; Condensed Matter, 376-377, p.283 - 287, 2006/04
被引用回数:3 パーセンタイル:18.02(Physics, Condensed Matter)天然及び人工ダイヤモンド単結晶において、主な不純物である窒素の含有量が異なる4種類の試料、Ia型(窒素を約1000ppm含む天然の単結晶),Ib型(窒素を約100ppm含む人工単結晶),IIa型(窒素の量が10ppm以下の高純度人工単結晶),IIb型(含有窒素量は10ppm以下だが、ボロンを100ppm程度含む人工単結晶)について、X線回折によりキャラクタリゼーションを行った。X線ボンド法により求めた格子定数(298K)は、IIb型が最大(0.35670nm)で、Ia型が最小(0.35666nm)となり、その順番は IIbIbIIaIaであった。さらに、格子定数測定とX線散漫散乱の結果を総合すると、IIb型ではボロンは置換型の欠陥として(100)面に存在し、Ia型では窒素は置換型の欠陥集合体として(100)面に存在すると推測される。
若井 栄一; 大塚 英男; 松川 真吾*; 安堂 正己; 實川 資朗
JAEA-Technology 2006-019, 58 Pages, 2006/03
放射性廃棄物量の低減と国際核融合材料照射施設(IFMIF)用コンポーネントの材料評価などのために、微小破壊靭性試験片を用いた強度特性評価及び、このための破壊靭性試験装置の開発を実施した。本報告書では、核融合炉用構造材料として開発したF82H鋼(Fe-8Cr-2W-0.1C系マルテンサイト鋼)を用いて、微小破壊靭性試験片作製法やこの微小試験片の靭性評価に及ぼす試験片サイズの効果、さらに、動的及び静的な試験方法による延性脆性遷移温度に関する研究成果と開発した試験装置の性能などをまとめたものである。また、これら微小破壊靭性試験片を用いて、2005年に約2dpaまでJMTR炉で中性子照射した試料リストを記載した。
若井 栄一; 大塚 英男*; 松川 真吾; 古谷 一幸*; 谷川 博康; 岡 桂一朗*; 大貫 惣明*; 山本 敏雄*; 高田 文樹; 實川 資朗
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1077 - 1084, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.35(Nuclear Science & Technology)微小試験片の試験技術は核融合炉材料の強度特性を調べるために発展しているが、これは特に、IFMIFでは照射スペースが小さくならざるを得ないことに由来している。本研究ではF82H鋼を用いて微小な曲げ試験片(ノッチ部に疲労予亀裂入)であるt/2の1/3PCCVN(pre-cracked Charpy V-Notch)とDFMB(deformation and fracture mini bend)を作製し、これらの曲げ試験片の靭性を評価するための新しい試験装置の開発について紹介する。本装置は約-180Cから300Cまでの範囲で、変位量を高精度に制御して試験できるように設計した。また、室温でこれらの試験片を用いて静的破壊靭性試験を行い、大きめのサイズを持つ0.18DCT試験片の試験結果との比較を行った。加えて、t/2-CVNと1/3CVN及びt/2-1/3CVN片を用いて、衝撃試験によって得られた吸収エネルギーの温度変化から延性脆性遷移温度(DBTT)を評価し、t/2-1/3CVNのDBTTは大きい試験片の場合より約30C低くなる結果を得た。他方、微小引張り試験やスモールパンチ試験による強度とDBTT等の評価も同様に進めた。
前田 裕司*; 松本 徳真; 加藤 輝雄; 須貝 宏行; 大塚 英男*; 左高 正雄
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 232(1-4), p.312 - 316, 2005/05
被引用回数:1 パーセンタイル:14.46(Instruments & Instrumentation)本研究は原子力材料での照射効果の機構を理解するために、重要な研究課題の一つであるカスケード損傷の構造を明らかにすることを目的としている。照射欠陥の生成や回復などの過程はこれらを凍結することでその素過程を調べることができるため、極低温での実験が不可欠である。しかし、このような低温での研究の報告例は少ない。また、微小サイズの照射欠陥を調べるには電子顕微鏡でも困難であり、最も有力な測定方法としてX線散漫散乱法がある。X線散漫散乱はブラック角近傍のX線の散乱である。本報告は低温のままで重イオン照射とX線回折ができるクライオスタットを開発し、これを用いてX線散漫散乱の測定による照射欠陥の解析をしたものである。実験はNi単結晶試料にタンデム加速器の127MeVのヨウ素イオン(I)を16Kの温度で照射し、35K以下の温度でX線散漫散乱の測定を行った。その結果、散漫散乱強度はqをブラック角からのずれとして、q乗及びq乗の依存性が観測された。これは、生成された欠陥は点欠陥だけではなく、クラスターも形成していることを示すことから、カスケード損傷の形成を示唆するものである。また、室温までの焼鈍により、クラスターは格子間原子型では成長し、空孔型では変化しないことがわかった。
大塚 英男; 北條 喜一; 前田 裕司*; 大津 仁; 須貝 宏行; 山本 博之
European Physical Journal D, 16(1-3), p.309 - 311, 2001/09
超微粒子の持つ表面効果に着目し、耐照射性を発現する新素材の開発を行っている。ここでは、微粒子単体内部における欠陥の挙動を調べた。低・高2種類のエネルギーのイオン照射を行い、欠陥の観察は等価型電顕を用いた。低エネルギーイオン照射の場合、微粒子中にバブルが形成され、そのバブルの大きさや分布は、温度に大きく依存していることを見いだした。高エネルギーイオン照射においても、積層欠陥が形成され、前記同様の挙動を示した。さらに、これらの現象の解析のために、シミュレーションプログラムを開発した。シミュレーションにおいては、欠陥(空孔)の拡散係数を変化させることで実験結果とよい一致を得た。これらの結果から、ナノクリスタルにおける照射欠陥の制御の方法の見通しを得た。
大塚 英男; 米山 勝治*; 島田 太平
JAERI-M 93-051, 37 Pages, 1993/03
電子シンクロトロンの真空系を設計するにあたり、基本としておさえておくべき、必要真空度、ダクト中の圧力分布、放射光による温度上昇、渦電流による誤差磁場などの見積もり方法をまとめた。本報告では特に、簡便な手法を指向し、容易に一般への適用が可能であるよう留意した。実機を模擬したノーマルセル1セル分の真空系を製作し、真空性能の実証試験を行なった。その結果、設計に必要な種々の基礎データを得たばかりでなく、前記の見積もり方法が十分実用的であることが示された。
大塚 英男; JFT-2Mグループ
Nuclear Fusion, 33(4), p.523 - 532, 1993/00
被引用回数:8 パーセンタイル:32.76(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2M装置において、直流的な対流の存在を調べた。プラズマの周辺部で、プラズマとリミターの相互作用によって生ずる対流、さらにRF入射による対流を見いだした。ロアハイブリッド波による電流駆動時には、プラズマの閉じ込めの改善は、対流損失の低減にあることを、エッジポテンシャルの観測から明らかにした。これらの理解を発展させて、追加熱中のL/Hモードを説明する一つのモデルを得た。そのモデルでは、直流的なEB対流が主要なメカニズムであることを主張している。
中島 雅*; 高谷 泉*; 秋山 武司*; 北村 晃*; 矢野 淑郎*; 仙石 盛夫; 大塚 英男; 前田 彦祐
JAERI-M 91-048, 57 Pages, 1991/03
部分的にカーボン材が用いられた、ステンレス(SS,304)壁を持つJFT-2Mのスクレープオフ層中で水素同位体(H,D)の輸送に関する研究を加速器支援下の捕集プローブ法で行った。テイラー放電洗浄中にSiプローブに吸蔵された水素あるいは重水素粒子は、後続のプラズマ放電(重水素)によりリサイクルされプラズマ境界附近に現れることが明らかになった。次に炭素プローブへの照射実験では、水素同位体のサンプル内吸蔵は、その表面処理に依存すること、放電洗浄中に吸蔵された水素は続く重水素放電により一部重水素と置換されることが明らかにされた。
大塚 英男
放射線科学, 34(7), p.201 - 205, 1991/00
原研・理研共同チームが、西播磨に建設中の大型放射光施設(SPring-8)について、加速器を中心に簡単な紹介をする。以下内容。第1章序章。施設の意義づけ、第2章加速器の構成。磁石等の加速器のコンポーネントも含めて、各加速器の役割と基本性能を述べる。第3章光源、放射光の性質を説明し、SPring-8で得られる光を明らかにする。おわりに4,5章で利用及び建設について簡単にふれる。
玉井 広史; 小川 俊英; 松本 宏; 小田島 和男; 相川 裕史; 星野 克道; 河西 敏; 河上 知秀; 川島 寿人; 近藤 貴; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 29(10), p.L1911 - L1914, 1990/10
被引用回数:1 パーセンタイル:10.08(Physics, Applied)JFT-2Mトカマクにおけるイオンバーンシュタイン波加熱実験(IBW)の報告である。アンテナ負荷抵抗はプラズマがアンテナに近づくにつれて上昇し、Hモード時は、周辺密度が下がることによって減少した。IBWによる水素イオンの加熱が観測されたが、同時に、スクレイプオフ層の電子加熱も起きており、これは輻射損失の増大をもたらし、この結果、エネルギー閉じ込めは、同一条件における従来型のモード変換加熱に比べ低い値を示した。またHモードプラズマへIBWを入射したところ、きわめて短時間の内に不純物の蓄積が起こり、Hモードプラズマ状態を持続できなかった。
芦田 和雄*; 大塚 英男; 飯塚 元昭*; 原見 太幹; 横溝 英明; 鈴木 康夫
JAERI-M 90-121, 61 Pages, 1990/08
本報告書は、1988年度に行なった大型放射光施設シンクロトロン真空部の予備設計を中心に、その後の設計検討を反映した形でシンクロトロン真空系の基本設計について述べたものである。本報告書では、1989年度で設定されている設計思想、仕様等について述べ、それ以降の設計研究については次の報告書に譲ることにする。
原見 太幹; 横溝 英明; 大塚 英男; 島田 太平; 柳田 謙一; 益子 勝夫; 吉川 博; 鈴木 寛光; 椛澤 光昭*; 中山 光一*; et al.
Part. Accel., 33, p.1753 - 1758, 1990/00
科学技術庁で計画している8GeV大型放射光施設の入射系の設計について述べる。入射系は1GeVのライナックと繰り返し数1Hz、8GeVまで加速するシンクロトロン(周長396m)から成る。シンクロトロンは、レーストラック型のラティスで、8GeVで1.910m・radのナチュラルエミッタンスをもつ。このエミッタンスのビームでストレージリングに効率よく入射できる。
山本 巧; 上杉 喜彦; 川島 寿人; 星野 克道; 相川 裕史; 河西 敏; 河上 知秀; 近藤 貴; 前田 彦祐; 松田 俊明; et al.
Physical Review Letters, 63(11), p.1148 - 1151, 1989/09
被引用回数:17 パーセンタイル:75.66(Physics, Multidisciplinary)電子サイクロトロン加熱されたプラズマ中に、位相制御型4ループ列アンテナによって、速波を励起した時、速波と電子の有効な結合を観測した。この結合は、電子サイクロトロン放射を増加し、ループ電圧を降下させた。これらの結果は、ループアンテナ間の位相差及び電子密度に依存した。V/V~3、及びf/f(0)~0.38の条件下で20%の速波の吸収効率が得られた。これらの実験結果は、電子のランダウ減衰による理論的予測とよく一致した。
星野 克道; 山本 巧; 川島 寿人; 鈴木 紀男; 上杉 喜彦; 森 雅博; 相川 裕史; 河西 敏; 河上 知秀; 松田 俊明; et al.
Physical Review Letters, 63(7), p.770 - 773, 1989/08
被引用回数:24 パーセンタイル:80.18(Physics, Multidisciplinary)電子サイクロトロン波の周辺加熱のみによりJFT-2MトカマクでHモードが生成した。追加熱パワーのしきい値は120kWと低く、これはJFT-2Mで観測された最小のパワーである。これらの実験事実は、プラズマ中心部の追加加熱パワー無しにHモードが生成されることをはっきりと示し、また、Hモードの機構は、プラズマ周辺部の電子温度上昇に密接に関連していることを示している。
星野 克道; 山本 巧; 川島 寿人; 鈴木 紀男; 上杉 喜彦; 相川 裕史; 河西 敏; 河上 知秀; 松田 俊明; 三浦 幸俊; et al.
JAERI-M 89-038, 7 Pages, 1989/03
電子サイクロトロン加熱(ECH)のみによるJFT-2Mプラズマの周辺加熱でHモード生成を観測した。Hモード遷移のパワーのしきい値は120kWと低く、これはJFT-2Mトカマクで観測された最低のしきい値である。このようなプラズマの周辺加熱のみで、中心部の追加熱パワー無しにこのような低いパワーでHモード遷移が起きることは驚嘆に値する。これらの事実は、Hモードの機構はプラズマのごく周辺部(セパラトリクス近傍)に関係していることを明白に示すものである。
仙石 盛夫; 相川 裕史; 星野 克道; 河西 敏; 河上 知秀; 川島 寿人; 近藤 貴*; 前田 彦祐; 松田 俊明; 松本 宏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 162-164, p.667 - 673, 1989/00
被引用回数:4 パーセンタイル:49.15(Materials Science, Multidisciplinary)プラズマ周辺の中性ガス上昇を防ぐためにJFT-2Mにポンプリミターを取り付けた。その結果、実効粒子損失の約12%を排気することが出来、粒子補給率を30%改善することが出来た。又ポンプリミターは密度及び申込み時間の限界値を上昇出来、n値が34%改善されることが示された。リミターHモードに対しても有効であった。
星野 克道; 山本 巧; 川島 寿人; 玉井 広史; 小川 俊英; 小田島 和男; 鈴木 紀男; 上杉 喜彦; 森 雅博; 相川 裕史; et al.
Radio-Frequency Power in Plasmas, 4 Pages, 1989/00
電子サイクロトロン加熱のみによる周辺加熱でHモードへの遷移を見出した。入射波は周波数60GHzで、異常波の偏波を持つ。Hモード遷移動のしきい値は160kWで、これはJFT-2Mのしきい値としても最小値である。二倍高調波の電子サイクロトロン共鳴層は、プラズマ半径の90%という周辺にあり、配位は、下シングルヌルダイバータ配位である。この結果は、Hモード遷移には、プラズマ中心部の追加熱パワーは不必要であることを示すものである。
森 雅博; 鈴木 紀男; 上杉 喜彦; 小川 俊英; 小川 宏明; 大塚 英男; 小田島 和男; 河西 敏; 河上 知秀; 川島 寿人; et al.
Nuclear Fusion, 28(10), p.1892 - 1897, 1988/10
被引用回数:22 パーセンタイル:72.29(Physics, Fluids & Plasmas)核融合炉実験にあたって、最も大きな障壁となっているのが、エネルギー閉じ込め時間が小さいことである。最近、いくつかのトカマク装置において閉じ込め時間が改善されるHモードという現象がみつかった。このモードの欠点は、密度が制御できずに上昇しつづけ、これにともなう幅射損失により、Hモード自体の破壊にいたることである。JFT-2Mでは、密度、幅射損失が時間的に一定で、ほぼ定常状態にある新しい閉じ込め改善モードがみつかったので、報告する。このモードは密度分布等が中心でピークしており、Hモードと異なる。
山内 俊彦; 小田島 和男; 上杉 喜彦; 相川 裕史; D.Dimock*; 川島 寿人; 河西 敏; 河上 知秀; 前田 彦祐; 松田 俊明; et al.
Physics Letters A, 131(4-5), p.301 - 309, 1988/08
被引用回数:2 パーセンタイル:34.44(Physics, Multidisciplinary)JFT-2MプラズマのHモード遷移が電子温度約0.3KeVのペデェスタルと驚くべき電子密度の急勾配(セパトリックスの内側)の生成という形で生じている。ピークした分布から平坦になった電子密度分布がHモード及びオーミック加熱プラズマに対して内部破壊後に得られている。ホロー分布の密度が低磁場(低q)放電において観測された。これらの現象は分布の(平坦な領域)端における電子エネルギーの輸送の減少した結果(閉じ込めの改善)を示す。
山内 俊彦; 星野 克道; 上杉 喜彦; 相川 裕史; 川島 寿人; 河西 敏; 河上 知秀; 前田 彦祐; 的場 徹; 松田 俊明; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 27(5), p.L924 - L926, 1988/05
被引用回数:1 パーセンタイル:9.69(Physics, Applied)セパラトリックスの内側で電子密度分布に急勾配が、周辺温度にペディスタルが本トカマクHモード相に観測された。ペディスタル上の平坦な領域はHモード遷移の初期に電子密度が最も増加する領域に相当し、その結果ホロー形分布が形成されている。これは輸送障壁によるためであり、それで内部破壊による輸送刺激効果は弱まっている。