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Laird, J. S.; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 若狭 剛史; 山川 猛; 阿部 浩之; 大山 英典*; 神谷 富裕
JAERI-Review 2004-025, TIARA Annual Report 2003, p.14 - 16, 2004/11
アバランシェフォトダイオードのような光通信用素子は近年人工衛星に搭載されるようになってきており、その放射線耐性の評価が強く求められている。高エネルギー荷電粒子がSiフォトダイオードに入射すると、アバランシェ破壊が引き起こされるとの報告がなされた。本研究では、光通信素子のシングルイベント効果を明らかにするため、2.5GHzのInPアバランシェフォトダイオードに高エネルギーイオンを入射し、その時に発生する電荷収集の過渡過程と入射位置依存性を調べた。その結果、印加電圧が-35V付近になると急激な電荷収集が行われることや、エッジ近傍でスパイクの大きい過渡電流が流れることがわかった。本研究会では、イオン入射位置とアバランシェ効果による電荷収集について議論する。
中林 正和*; 大山 英典*; Hanano, N.*; 平尾 敏雄; Simoen, E.*; Claeys, C.*
Proceedings of the 6th International Workshop on Radiation Effects on Semiconductor Devices for Space Application (RASEDA-6), p.183 - 186, 2004/10
IGBTの電気特性の放射線劣化について、2MeV電子線の高温で照射を行い、評価した。電子線照射の実験は高崎研究所の電子加速器を使用し、フラックスは10e/cmで固定し、照射中の温度を室温, 100, 200, 300Cと変化させた。電気測定の結果、しきい電圧は照射温度100Cで部分的に回復し、飽和電圧の増加が100Cで最も顕著であることがわかった。また、この温度範囲では、放射線で誘起した界面準位による電圧シフトと固定電荷による電圧シフトの挙動が異なることが判明した。本ワークショップではこれらの違いについて解析し議論を行う。
大山 英典*; 高倉 健一郎*; 中林 正和*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 神谷 富裕; Simoen, E.*; Claeys, C.*; 久保山 智司*; 岡 克己*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 219-220, p.718 - 721, 2004/06
被引用回数:3 パーセンタイル:24.93(Instruments & Instrumentation)人工衛星は高温で長期間、放射線にさらされるため、その中で用いられる半導体素子について、放射線照射と照射中の温度との関係を評価することが重要である。本研究では、近年非常に注目されているオプとエレクトロニクスデバイスについて照射による電気特性の変化と温度との関係を評価した。評価に用いた試料は、InP基板の上に成長させたInGaAsのエピタキシャル層で作られたフォトダイオードで0.95から1.65mmの波長範囲を有したものである。照射は、2MeVの電子線を用い照射線量は、110 e/cmとし照射中の温度を50, 100, 200及び300度に保持し、無印加状態で行った。その結果、電子線を照射して生じる欠陥レベルが照射中の温度の上昇に伴い減少した。また、300度の照射では、光電流の低下が初期値の30%であった。これにより、放射線照射による電気特性の変化が高温照射によって回復することがわかった。本会議では、これらの実験結果について紹介し議論する。
大山 英典*; 平尾 敏雄; Simoen, E.*; Claeys, C.*; 小野田 忍; 高見 保清*; 伊藤 久義
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.1185 - 1188, 2001/12
被引用回数:8 パーセンタイル:44.96(Physics, Condensed Matter)InGaAsP系レーザダイオードにおいて高温線照射により発生する格子欠陥とその素子特性に及ぼす影響を明らかにするために、レーザダイオード試料にCo-60線源を用いて線照射を実施した。線の照射量は最高100Mradとし、照射中の試料温度は20,100,200とした。照射前後にダイオードの電流・電圧(I-V)特性,容量・電圧(C-V)特性を室温にて測定した結果、照射後の順方向,逆方向電流及び光出力は照射温度の増加に伴い増加すること、また、これとは反対にしきい値電流は減少することがわかった。
大山 英典*; 平尾 敏雄; Simoen, E.*; Claeys, C.*; 小野田 忍*; 高見 保清*; 伊藤 久義
Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.1226 - 1229, 2001/12
被引用回数:30 パーセンタイル:79.73(Physics, Condensed Matter)シリコン(Si)のPIN型フォトダイオードの高温線照射による劣化を評価した。試験試料はSiフォトダイオードで、抵抗率が2~4Kであり、厚さ0.3mmのカバーガラス窓をもつTO-18パッケージに収められている。線照射にはCo-60線源を使用し、照射量は最大1107rad(Si),照射中の試料温度は20,100,200とした。照射前後のデバイス特性とDLTS測定を行い、照射による特性劣化と導入欠陥との相互関係について検討した。照射後のDLTS測定の結果、n形シリコン基板に導入された2種類の電子捕獲準位(Ec-0.22eV)及び(Ec-0.40eV)と1種類の正孔捕獲準位(EV+0.37eV)が検出された。一方、デバイス特性については、線照射により暗電流は減少し、光電流は増加する傾向が得られた。これらの特性変化をDLTS測定で得られた欠陥準位に関連付けて議論する。
大山 英典*; 葉山 清輝*; 高倉 健一郎*; 平尾 敏雄; 小野田 忍; 大島 武; 久保山 智司*; 新井 学*
no journal, ,
本研究では、次世代の耐放射線デバイスとして期待されているSiCトランジスタ(MESFET)やGaAlAs系発光ダイオード(LED)に、異なる照射量や照射線量率で電子線を照射し、デバイス特性の劣化を評価した。実験には、4H-SiC半絶縁基板上に成長した不純物濃度310cmの4H-SiCエピタキシャル層上に作製したSiC MES-FETを用いた。ゲート長幅はそれぞれ0.5及び100mである。また、GaAlAs LEDはシャープ製のGaAlAsダブルヘテロ接合LED(GL3UR44)であり、基板のキャリア濃度は1.510cm程度である。これらの試料に、加速電圧が2MeVの電子線を照射温度100300C,照射線量率4.6810又は4.6810e/m/secで、110e/m照射した。電気的・光学的・特性を調べた結果、SiC-MESFETでは電子線照射により、電気的特性(入力・出力特性)が劣化した。特に、入力特性の劣化が顕著で、サブシュレッショルド領域における電流が急激に増加することが判明した。GaAlAs LEDでは、電子線照射により逆方向電圧印加時のリーク電流が増加し、静電容量が減少するという結果が得られた。さらに電流-電圧特性の線量率依存性では、線量率の小さい方が特性劣化が大きく、これは長時間の照射中に熱による劣化が発生したためと解釈される。