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論文

The Role of ${it Deinococcus radiodurans}$ RecFOR proteins in homologous recombination

佐藤 勝也; 菊地 正博; Ishaque, A. M.*; 大庭 寛史*; 山田 貢; 手島 光平; 小野寺 威文; 鳴海 一成

DNA Repair, 11(4), p.410 - 418, 2012/04

 被引用回数:24 パーセンタイル:59.83(Genetics & Heredity)

放射線抵抗性細菌の相同組換え機構におけるRecFORタンパク質の役割を明らかにするために、${it recF}$, ${it recO}$及び${it recR}$遺伝子破壊株を作製し、分子遺伝学及び分子生物学的解析を行った。${it recR}$遺伝子破壊株では、形質転換効率の著しい低下が見られたことから、RecRタンパク質は、細胞内に取り込んだ外来DNAの安定性に関与していることがわかった。また、${it recF}$遺伝子破壊株は、他の遺伝子破壊株に比べて、$$gamma$$線,紫外線及びマイトマイシンCに非常に感受性を示した。これらの高い感受性は、RecFタンパク質が、組換え修復タンパク質RecAの活性化に重要な役割を担っていることに起因していることがわかった。以上のことから、放射線抵抗性細菌の効率的なDNA鎖切断修復を担うextended synthesis-dependent strand annealing(伸長合成依存的DNA鎖対合)経路の初期段階として、RecF及びRecRタンパク質は、RecAタンパク質の活性化とDNAの安定性にそれぞれ関与していることを明らかにした。

論文

Assessing the role of RecA protein in the radioresistant bacterium ${it Deinococcus geothermalis}$

Sghaier, H.*; 佐藤 勝也; 大庭 寛史*; 鳴海 一成

African Journal of Biochemistry Research, 4(4), p.111 - 118, 2010/04

The moderately thermophilic bacterium ${it Deinococcus geothermalis}$ exhibits extraordinary resistance to ionizing radiation. RecA protein is considered to be one of the most important participants in radioresistance. To assess the role of the RecA protein in ${it D. geothermalis}$, the ${it recA}$ gene was isolated from ${it D. geothermalis}$ and overexpressed in Escherichia coli. After the ${it D. geothermalis}$ RecA protein (GeoRecA) was purified, the recombination activity was investigated ${it in vitro}$. GeoRecA most efficiently promoted the strand exchange reaction between homologous linear double-stranded DNA and circular single-stranded DNA substrates at 50$$^{circ}$$C. Like ${it D. radiodurans}$ RecA protein (DraRecA), GeoRecA could promote DNA strand exchange reaction ${it via}$ normal and inverse pathways. Furthermore, GeoRecA complemented the RecA deficiency of ${it D. radiodurans}$. These results indicate that GeoRecA is a functional homologue of DraRecA and plays an important role in radioresistance. However, unlike DraRecA, GeoRecA could not complement the RecA deficiency of ${it E. coli}$, suggesting that GeoRecA require more strict intracellular conditions than DraRecA does to fulfill its function.

論文

${it Deinococcus aetherius}$ sp. nov., isolated from the stratosphere

Yang, Y.*; 伊藤 隆*; 横堀 伸一*; 島田 治男*; 板橋 志保*; 佐藤 勝也; 大庭 寛史*; 鳴海 一成; 山岸 明彦*

International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology, 60, p.776 - 779, 2010/04

 被引用回数:26 パーセンタイル:50.57(Microbiology)

A pink pigmented, non-motile, coccoid bacterial strain, ST0316, was isolated from dust samples collected from the stratosphere in Japan. Phylogenetic analysis based on 16S rRNA gene sequences showed that it belonged to the genus ${it Deinococcus}$. DNA G+C content, desiccation tolerance, and resistance to $$gamma$$-rays and UV radiation supported the affiliation of strain ST0316 to the genus ${it Deinococcus}$. Strain ST0316 diverged from recognized species of the genus ${it Deinococcus}$, showing less than 93% similarity values to its closest relatives ${it Deinococcus apachensis}$, ${it D. aerius}$, ${it D. geothermalis}$ and ${it D. murrayi}$. We propose a new species of the genus ${it Deinococcus}$, ${it Deinococcus aetherius}$ sp. nov.

論文

Development of ${it Deinococcus grandis/Escherichia coli}$ shuttle vector

佐藤 勝也; Tu, Z.*; 大庭 寛史*; 鳴海 一成

JAEA-Review 2009-041, JAEA Takasaki Annual Report 2008, P. 81, 2009/12

本研究では、デイノコッカス・ラジオプクナンスの小型潜在性プラスミドpUE30を用いて、放射線抵抗性細菌で使用できる新規プラスミドベクターを開発することを目的とした。決定したpUE30のDNA塩基配列情報をもとに、pUE30とデイノコッカス・ラジオデュランスの遺伝子破壊に用いられるpKatCAT3を連結し、プラスミドベクターpZT29を構築した。pZT29はデイノコッカス・グランディスと大腸菌で自律的に複製可能であることから、遺伝子操作が容易になるシャトルベクターとして利用できる。また、pZT29に外来遺伝子を挿入して、デイノコッカス・グランディスの中で、外来遺伝子を発現させることにも成功した。今回開発したシャトルベクターは、放射線抵抗性細菌のDNA修復機構の研究に有用なツールとして活用できると考えられた。

論文

Development of versatile shuttle vectors for ${it Deinococcus grandis}$

佐藤 勝也; Tu, Z.*; 大庭 寛史; 鳴海 一成

Plasmid, 62(1), p.1 - 9, 2009/07

 被引用回数:10 パーセンタイル:26.36(Genetics & Heredity)

デイノコッカス属細菌で使用できる新規シャトルベクターを開発するために、デイノコッカス・ラジオプグナンスの潜在性プラスミドpUE30の塩基配列を決定した。このプラスミドは2つのタンパク質をコードしており、Orf1のアミノ酸配列はプロテオバクテリアの複製開始タンパク質に類似していた。一方、Orf2は、デイノコッカス及びサーマスのプラスミドにコードされる複製開始タンパク質に類似していた。このプラスミドから構築したシャトルベクターは、デイノコッカス・グランディスで自己複製できた。シャトルベクターのデイノコッカス・グランディスでの自己複製には、Orf1が必要ではないが、Orf2が必要であった。このシャトルベクターを用いて、デイノコッカス・グランディスで外来遺伝子を発現することができた。この研究で開発された宿主ベクター系は、放射性廃棄物の生物を用いた浄化技術やDNA修復機構の研究のために役立つものである。

論文

Identification of PprM; A Modulator of the PprI-dependent DNA damage response in ${it Deinococcus radiodurans}$

大庭 寛史; 佐藤 勝也; Sghaier, H.; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

Extremophiles, 13(3), p.471 - 479, 2009/05

 被引用回数:20 パーセンタイル:40.47(Biochemistry & Molecular Biology)

デイノコッカス・ラジオデュランスは、PprIが中心的な役割を果たすDNA損傷応答機構を持っており、RecAやPprAの発現を誘導している。このDNA損傷応答機構の特質をさらに明らかにするために、PprI依存性情報伝達経路の新たな因子の同定を試みた結果、コールドショックタンパク質(Csp)と相同性を持つ新たな制御タンパク質を発見し、このタンパク質をPprMと命名した。${it pprM}$遺伝子破壊株は、$$gamma$$線に著しく感受性を示した。PprMタンパク質は、デイノコッカス・ジオサーマリスやサーマス・サーモフィルスのCSPとともに亜群を形成する独特な分岐群に属していた。また、PprMタンパク質の働きによって、PprAの発現は誘導されるが、RecAの発現は誘導されなかった。PprMタンパク質は、大腸菌のCspDの場合と同様に、生理的条件下で2量体を形成していた。${it pprA}$ ${it pprM}$二重遺伝子破壊株は、どちらか一方の遺伝子が欠損した菌株よりも高い放射線感受性を示したことから、PprMタンパク質はPprAタンパク質以外の放射線耐性に重要な未知タンパク質を制御していると考えられた。

論文

Effects of ionizing radiation on locomotory behavior and mechanosensation in ${it Caenorhabditis elegans}$

鈴木 芳代; 坂下 哲哉; 簗瀬 澄乃*; 菊地 正博; 大庭 寛史; 東谷 篤志*; 浜田 信行*; 舟山 知夫; 深本 花菜; 辻 敏夫*; et al.

Journal of Radiation Research, 50(2), p.119 - 125, 2009/04

 被引用回数:8 パーセンタイル:29.52(Biology)

We examined the effects of ionizing radiation (IR) on locomotory behavior and mechanosensation using a model organism, the nematode ${it Caenorhabditis elegans}$. Bacterial mechanosensation in ${it C. elegans}$ induces the dopamine-mediated slowing of locomotion in the presence of bacteria (food), known as the basal slowing response. We previously reported an IR-induced reduction of locomotory rate in the absence of food. In the present study, we observed a similar IR-induced reduction of locomotory rate in the ${it cat-2}$ mutant, which is defective in bacterial mechanosensation. The dose response pattern of the locomotory rate in the presence of food was relatively flat in wild-type animals, but not in ${it cat-2}$ mutants. This suggests that the dopamine system, which is related to bacterial mechanosensation in ${it C. elegans}$, might have a dominant effect on locomotory rate in the presence of food, which masks the effects of other stimuli. Moreover, we found that the behavioral responses of hydrogen peroxide-exposed wild-type animals are similar to those of IR-exposed animals. Our findings suggest that the IR-induced reduction of locomotory rate in the absence of food is mediated by a different pathway from that for bacterial mechanosensation, at least partially through IR-produced hydrogen peroxide.

論文

${it Deinococcus aerius}$ sp. nov., isolated from the high atmosphere

Yang, Y.*; 伊藤 隆*; 横堀 伸一*; 板橋 志保*; 島田 治男*; 佐藤 勝也; 大庭 寛史; 鳴海 一成; 山岸 明彦*

International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology, 59, p.1862 - 1866, 2009/00

 被引用回数:32 パーセンタイル:56.58(Microbiology)

日本の高度大気圏で収集した塵から、橙色の色素を持ち運動性のない球菌TR0125株が分離された。16S rRNA遺伝子をもとにした系統解析によってこの菌はデイノコッカス属細菌であることが示された。強い乾燥耐性,UV耐性,$$gamma$$線耐性及び高いGC含量は、この菌株がデイノコッカス属細菌であることを支持している。TR0125株は、デイノコッカス・アパチェンシスの標準菌株の16S rRNA遺伝子配列と最も高い類似性(95.7%)をもち、系統解析の結果は、TR0125株が、デイノコッカス・ジオサーマリス以上に、デイノコッカス・アパチェンシスと進化的に離れていることを示しており、このことは、TR0125株がこれら2種のデイノコッカス属細菌に属するものではないことを表している。他にも、TR0125株と上記2種のデイノコッカス属細菌の標準菌株との間には、幾つかの表現型に違いがあった。よって、われわれは今回分離した菌株に適合するものとして、新種デイノコッカス・アエリウスという名前を提案する。

論文

Discovery of a novel key protein in the radiation response mechanism of ${it Deinococcus radiodurans}$

大庭 寛史; 佐藤 勝也; 菊地 正博; Sghaier, H.; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

JAEA-Review 2008-055, JAEA Takasaki Annual Report 2007, P. 57, 2008/11

放射線抵抗性細菌の放射線応答にかかわる新規調節因子として、PprIタンパク質が同定されている。PprIタンパク質はDNA修復促進タンパク質PprAの発現誘導にかかわっているが、PprIタンパク質が膜タンパク質であることから、PprAタンパク質の発現誘導を直接制御している訳ではないことが示唆された。そこで本研究では、PprIタンパク質による直接的制御を受けて、PprAタンパク質の発現を誘導する新規タンパク質を同定することとした。野生株と${it pprI}$遺伝子破壊株のタンパク質プロファイル解析によって、${it dr0907}$遺伝子が同定された。${it dr0907}$遺伝子破壊株は$$gamma$$線感受性であり、PprAタンパク質の発現誘導の制御が脱抑制されていた。われわれは、PprAタンパク質のモジュレーターの意から、この遺伝子産物をPprMタンパク質と命名した。本研究は、PprMタンパク質がPprAタンパク質の発現誘導制御機構に重要な役割を果たしており、放射線抵抗性細菌のPprIタンパク質に依存した独特な放射線応答機構に関与していることを強く示唆している。

論文

放射線抵抗性細菌の超放射線耐性の謎に迫る

大庭 寛史; 佐藤 勝也; 鳴海 一成

放射線と産業, (118), p.50 - 53, 2008/06

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスが、放射線に対して超耐性を示す理由は、ラジオデュランスが非常に優れたDNA修復能力を持っているからである。この類い稀なDNA修復能力を発揮するためには、何らかのメカニズムが働いていると考えられるが、その詳細についてはラジオデュランスが発見されてから半世紀以上経った現在でも完全には理解されていない。本稿では、ラジオデュランスの放射線耐性の主要機構であるDNA修復機構についてのDNA修復遺伝子の機能から見た二つの仮説,新規DNA修復促進タンパク質が関与する正確なDNA末端結合修復機構,放射線応答機構にかかわる新規制御タンパク質PprIの研究、並びに海外の研究グループの動向について最新の情報を紹介する。

論文

Role of LexA2 in radiation response mechanism of ${it Deinococcus radiodurans}$

佐藤 勝也; 大庭 寛史; Sghaier, H.; 鳴海 一成

JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 92, 2008/03

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのLexA2タンパク質の放射線応答機構における役割を明らかにするために、ラジオデュランスの${it lexA1}$, ${it lexA2}$及び${it recA}$遺伝子破壊株を作製し、これらの$$gamma$$線に対する感受性を調べるとともに、照射前後での放射線誘導性DNA修復遺伝子の発現誘導とタンパク質の細胞内量変動を解析した。その結果、${it lexA2}$遺伝子破壊株及び${it lexA1 lexA2}$遺伝子二重破壊株は、野生株や${it lexA1}$遺伝子破壊株よりも$$gamma$$線に対して耐性を示した。${it lexA2}$遺伝子破壊株ではLexA1タンパク質の自己分解が放射線照射後の短時間で停止したことから、DNA損傷で活性化されたRecAタンパク質が速やかに不活性型に変換していると考えられた。また、${it lexA2}$遺伝子破壊株では放射線照射後にDNA修復促進タンパク質であるPprAの機能が野生株以上に高まり、このことが$$gamma$$線耐性の増強の一因であると考えられた。

論文

Problems with the current deinococcal hypothesis; An Alternative theory

Sghaier, H.; 鳴海 一成; 佐藤 勝也; 大庭 寛史; 三友 宏志*

Theory in Biosciences, 126(1), p.43 - 45, 2007/03

 被引用回数:15 パーセンタイル:85.71(Biology)

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの進化に関する学説には、放射線耐性と乾燥耐性の相関という共通の特徴がある。現在広まっている仮説は、ラジオデュランスの放射線耐性がこの菌の乾燥適応の結果生じたという乾燥適応仮説である。しかし、最近の計算生物学,実験的研究,地質調査の知見から、乾燥適応仮説の矛盾点が浮かび上がっている。この論文では、ラジオデュランスの乾燥耐性がこの菌の放射線耐性の結果生じたという新仮説(放射線適応仮説)が、乾燥適応仮説と対等に議論されるべきであることを主張する。

論文

${it Deinococcus radiodurans}$ DNA repair-promoting protein; Applications to biotech industry

鳴海 一成; 大庭 寛史; Sghaier, H.; 佐藤 勝也

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 69, 2007/02

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスから分離した放射線高感受性変異株の放射線感受性の原因が、放射線誘導性の機能未知遺伝子に起こった点突然変異であることを明らかにした。この遺伝子から作られるPprA蛋白質は、DNA鎖切断部位に結合し、エキソヌクレアーゼから切断末端を保護すると同時に、DNAリガーゼによるDNA再結合修復反応を促進する作用があることを明らかにした。PprA蛋白質によるDNA修復促進作用についての技術移転を行い、高効率DNA修復試薬TA-Blunt Ligation Kitの製品化に成功した。この製品は、従来品に比べて約10倍のDNA再結合効率を持ち、DNA加工技術やDNA診断技術の高度化に有用である。

論文

デイノコッカス・ラジオデュランス${it pprA}$遺伝子の放射線応答プロモーター

大庭 寛史; 佐藤 勝也; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 70, 2007/02

放射線抵抗性細菌の優れたDNA2本鎖切断修復には、DNA損傷が生じた後に合成されるタンパク質が必要である。このことは、放射線抵抗性細菌には放射線誘導性のDNA修復機構があることを示している。しかしながら、放射線抵抗性細菌の放射線応答の分子機構を明らかにすることが重要であるにもかかわらず、放射線誘導性タンパク質遺伝子の発現に必要な放射線応答プロモーターについてはほとんど研究されていない。本研究では、放射線で発現が誘導される放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの${it pprA}$遺伝子のプロモーターの放射線応答機構について、ルシフェラーゼ・レポーターアッセイを用いた解析を行った。その結果、放射線応答に必要最小プロモーター領域を同定することに成功した。本研究で同定した${it pprA}$遺伝子の放射線応答プロモーターは、今後デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線応答機構を全容解明していくうえで非常に役立つものと考えられる。

論文

Down-regulation of radioresistance by LexA2 in ${it Deinococcus radiodurans}$

佐藤 勝也; 大庭 寛史; Sghaier, H.; 鳴海 一成

Microbiology, 152(11), p.3217 - 3226, 2006/11

デイノコッカス・ラジオデュランスは、DNA損傷応答にかかわる蛋白質の発現を制御する因子としてLexA2蛋白質を持っているが、その機能は未解明であった。そこで、DNA損傷応答機構におけるLexA2蛋白質の役割を明らかにするため、${it lexA2}$遺伝子破壊株を作製し、$$gamma$$線に対する感受性及びDNA修復促進蛋白質PprAの発現制御機構への関与について解析を行った。$$gamma$$線に対して、${it lexA2}$遺伝子破壊株は野生株よりも高い抵抗性を示したことから、LexA2蛋白質によってDNA修復蛋白質の発現が抑制されていると考えられた。さらに、${it pprA}$遺伝子の発現に必要であるプロモーターの活性化変動を解析した。その結果、${it lexA2}$遺伝子破壊株では野生株よりも高いプロモーター活性を示したことから、${it lexA2}$遺伝子破壊株が持つ高い$$gamma$$線抵抗性の一端は、${it pprA}$遺伝子プロモーター活性化の増強によることを明らかにした。

論文

放射線抵抗性細菌の新規DNA修復促進タンパク質

佐藤 勝也; 大庭 寛史; 鳴海 一成

生物物理, 46(5), p.270 - 274, 2006/09

これまでにわれわれは、放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスのDNA修復能欠損変異株の解析から、当該菌の放射線抵抗性に重要な役割を担う新規DNA修復促進タンパク質PprAを同定し、PprAタンパク質の有するDNA結合活性などの生化学的機能や放射線誘導性であるPprAタンパク質をコードする遺伝子の放射線応答プロモーターについて解析を進めてきた。本総説では、これまで得られた知見をもとにデイノコッカス・ラジオデュランスのDNA修復機構と放射線応答機構について示している。デイノコッカス・ラジオデュランスは、組換え修復タンパク質RecAが中心的な役割を担う既知のDNA修復機構を備えつつ、新規転写制御因子PprIに制御される新規DNA修復タンパク質PprAを中心とした独特なDNA修復機構を兼ね備えることで卓越したDNA修復能力を有していると考えられる。

論文

The Radiation responsive promoter of the ${it Deinococcus radiodurans pprA}$ gene

大庭 寛史*; 佐藤 勝也*; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

Gene, 363, p.133 - 141, 2005/12

 被引用回数:35 パーセンタイル:54.68(Genetics & Heredity)

デイノコッカス・ラジオデュランス${it pprA}$遺伝子の転写開始点が、翻訳開始点上流-156, -154, -22であることを同定した。全ての転写産物の量が放射線照射で増加したことから、少なくとも2つの放射線応答性プロモーターの存在が示唆された。ルシフェラーゼレポーターアッセイにより、遠位プロモーターは翻訳開始点上流-208から-156の間に、近位プロモーターは-57から-22の位置にあることが明らかとなった。-57から-38の領域は、近位プロモーター活性に必須であり、また、-33の位置のチミンが放射線応答に重要な塩基であることがわかった。さらに、${it pprI}$遺伝子産物による${it pprA}$遺伝子の発現制御がプロモーターレベルで起こることが示唆された。

論文

Characterization and distribution of IS${it 8301}$ in the radioresistant bacterium ${it Deinococcus radiodurans}$

Islam, M. S.*; Hua, Y.*; 大庭 寛史; 佐藤 勝也; 菊地 正博; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

Genes and Genetic Systems, 78(5), p.319 - 327, 2003/10

 被引用回数:14 パーセンタイル:27.6(Biochemistry & Molecular Biology)

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスKD8301株から単離された挿入配列IS${it 8301}$を解析した。IS${it 8301}$は、IS${it 605}$/IS${it 200}$グループに属する新規挿入配列であり、長さが1,736塩基対であった。Inverse PCR法での解析により、IS${it 8301}$の挿入標的部位は"TTGAT"であることがわかった。IS${it 8301}$ラジオデュランスの野生株R$$_{1}$$, MR$$_{1}$$, KR$$_{1}$$でのIS${it 8301}$のゲノム内分布を調べたところ、R$$_{1}$$株の公開ゲノム配列情報と矛盾しており、今回調べたR$$_{1}$$株ではIS${it 8301}$が1コピーしか存在しなかった。IS${it 8301}$は挿入部位に存在する遺伝子を破壊しており、ゲノムに変異を起こす原因となりうるが、大規模のゲノム再構成を引き起こしてはいなかった。

口頭

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランス${it pprA}$遺伝子の放射線応答プロモーターの解析

大庭 寛史*; 佐藤 勝也*; 柳沢 忠*; 鳴海 一成

no journal, , 

放射線抵抗性細菌デイノコッカス・ラジオデュランスの優れたDNA二本鎖切断修復には、DNA損傷が生じた後に合成されるタンパク質が必要である。これまでに、デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線抵抗性に中心的役割を担う新規放射線誘導タンパク質PprAを同定した。しかし、放射線応答の分子機構を明らかにすることが重要であるにもかかわらず、放射線誘導性タンパク質の放射線応答プロモーターについてはほとんど明らかにされていない。そこで、${it pprA}$遺伝子プロモーターの放射線応答機構について解析を行った。ルシフェラーゼ遺伝子を用いたレポーターアッセイにより、放射線照射による${it pprA}$遺伝子プロモーター活性の変動を解析したところ、遠位のプロモーターは-208から-156領域に、近位のプロモーターは-57から-22領域に存在すること、そして、-57から-38領域が最小必要プロモーター領域であることを明らかにした。本研究で同定した${it pprA}$遺伝子の放射線応答プロモーターは、今後デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線応答機構を全容解明していくうえで非常に役立つと考えられた。

口頭

放射線抵抗性細菌由来DNA修復促進タンパク質の機能欠損変異体の解析

鳴海 一成; 大庭 寛史*; Sghaier, H.*; Van Long, N.*; 佐藤 勝也*

no journal, , 

放射線抵抗性細菌由来のタンパク質PprAは、${it in vitro}$で、DNA切断末端に結合し、エキソヌクレアーゼからDNA末端を保護すると同時に、ATP依存性並びにNAD依存性DNAリガーゼによるDNA末端結合反応を促進する活性を有しており、DNA修復促進タンパク質として、放射線抵抗性細菌に独特なDNA末端結合修復機構において重要な役割を担っていると考えられている。今回、PprAタンパク質のDNA結合活性に必要な領域を明らかにする目的で、変異型${it pprA}$遺伝子を発現している大腸菌BL21(DE3)株のコロニーの生育が、野生型${it pprA}$遺伝子を発現している形質転換体よりも早いことを利用して、ランダム変異導入によるPprAタンパク質の機能欠損変異体の選抜を試みた。現在までに、Error-prone PCR法で9種類、ヒドロキシルアミン処理で2種類のアミノ酸置換変異体を選抜した。選抜した変異体のアミノ酸置換のほとんどは、133番目から210番目までのアミノ酸配列中に存在しており、この領域がPprAタンパク質のDNA結合能に重要な役割を果たしていると考えられた。

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