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宗本 隆志; 大森 一秋*; 岩月 輝希
Chemical Geology, 417, p.58 - 67, 2015/12
被引用回数:32 パーセンタイル:72.97(Geochemistry & Geophysics)水-鉱物反応は地球表層環境における物質移動特性に影響を及ぼす重要な地球科学プロセスである。特に、希土類元素(YREE: La-Lu, Y)の鉱物中への分配挙動は環境条件の変化にしたがって、YREE存在度パターンとして保存されるため、地球科学プロセスを把握するための指標として利用されてきた。本研究では深部花崗岩中の地下水と二次鉱物を対象に地下水の水質条件の変化に伴うYREEの分配挙動の変化について明らかとし、現在から過去までの地下水中の希土類元素の分配挙動の予測を行った。
岩月 輝希; 萩原 大樹; 大森 一秋; 宗本 隆志; 尾上 博則
Environmental Earth Sciences, 74(4), p.3041 - 3057, 2015/08
被引用回数:18 パーセンタイル:58.78(Environmental Sciences)岐阜県瑞浪市の超深地層研究所において、深度500mまでの坑道掘削及び維持管理時の地下水の水理・化学変化の観測を行った。その結果、水位低下や深部地下水の湧昇に伴う地下水の水質変化とそのプロセスを把握することができた。また、観測結果から大規模地下施設を結晶質岩に建設する時の留意点を整理することができた。
長谷川 隆; 川本 康司; 山田 信人; 大貫 賢二; 大森 一秋; 竹内 竜史; 岩月 輝希; 佐藤 稔紀
JAEA-Technology 2015-011, 135 Pages, 2015/07
本報告書は、瑞浪超深地層研究所の深度500m研究アクセス北坑道におけるボーリング(13MI38号孔: 掘削長102.10mabh、13MI39号孔: 掘削長16.40mabh、13MI40号孔: 掘削長16.60mabh、13MI41号孔: 掘削長16.60mabh、13MI42号孔: 掘削長11.55mabh、13MI43号孔: 掘削長11.60mabh、13MI44号孔: 掘削長11.67mabh)の調査により得られた地質学的、水理学的、地球化学的データ(岩盤等級、湧水箇所、湧水量、湧水圧、透水係数等)と、各ボーリング孔に設置した観測装置(岩盤変位計、地下水の水圧・水質モニタリング装置)の概要を取りまとめたものである。
濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 川本 康司; 山田 信人; 石橋 正祐紀; 村上 裕晃; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣; 真田 祐幸; et al.
JAEA-Review 2014-038, 137 Pages, 2014/12
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2013年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2013年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
大森 一秋; 長谷川 隆; 宗本 隆志; 増田 薫*; 青才 大介*; 乾 道春*; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2014-019, 121 Pages, 2014/12
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響を把握することを目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において2013年度に実施した地下水を対象とした地球化学調査によって得られたデータを取りまとめたものである。
大森 一秋; 宗本 隆志; 長谷川 隆; 新宮 信也*; 萩原 大樹; 岩月 輝希
JAEA-Research 2014-013, 29 Pages, 2014/08
本報告では、深部花崗岩中の地下水に含まれるコロイドに関する調査手法の検討とその結果についてとりまとめた。具体的には、ボーリング孔に設置している水圧・水質モニタリング装置に機材を直結した限外ろ過システムと、バッチ式気密容器に地下水を採取して限外ろ過を行うシステムについて検討・評価を行った。また、限外ろ過法に代わる方法としてクロスフローろ過法について検討・評価を行った。その結果、各調査手法が持つ長所・短所についての知見を得ることかできた。
川本 康司; 黒岩 弘; 山田 信人; 大貫 賢二; 大森 一秋; 竹内 竜史; 尾方 伸久; 大森 将樹; 渡辺 和彦
JAEA-Technology 2014-011, 92 Pages, 2014/07
本報告書は、深度500m研究アクセス南坑道における先行ボーリング(12MI32号孔)の調査結果を取りまとめたものである。調査では、地質学的,水理学的,地球化学的データを取得するとともに、地下水水圧の初期状態および坑道掘削時の変化の把握を目的に水圧モニタリング装置を設置した。調査の結果、中粒から粗粒の等粒状組織を示す黒雲母花崗岩が分布し、岩級はCMB級である。断層角礫を伴う小規模断層が48.90mabh付近に認められたが、当初モデルで推定していたS200_13断層およびIF_SB3_13_3断層は認められなかった。割れ目密度は、40.0080.00mabh区間で大きい。孔内湧水は78.83mabhで最大600L/minであった。透水係数は、湧水の少ない区間で2.0E-91.5E-08m/sec、割れ目が集中し湧水量が多い区間で1.1E-051.6E-05m/secの範囲であった。地下水の水質は、Na, Clに富む水質であった。
大森 一秋; 新宮 信也*; 増田 薫*; 青才 大介*; 乾 道春*; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2013-024, 284 Pages, 2014/03
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響を把握することを目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2012年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データを取りまとめたものである。
濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一*; 丹野 剛男*; 真田 祐幸; 尾上 博則; et al.
JAEA-Review 2013-050, 114 Pages, 2014/02
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2012年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2012年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
岩月 輝希; 湯口 貴史; 大森 一秋; 長谷川 隆; 宗本 隆志
JAEA-Research 2013-021, 63 Pages, 2013/12
瑞浪超深地層研究所計画第2段階の調査研究では、「地表からの調査予測研究段階(第1段階)」において構築された地球化学モデルの妥当性を確認するとともに、施設建設が周辺の地球化学特性に与える影響の観測とそれに基づく将来予測を行った。第3段階の調査研究では、坑道で利用する調査技術として地下水の酸化還元電位の観測技術、コロイド/有機物の調査技術の開発を行った。深度500mまでの調査研究の結果、堆積岩及び花崗岩における施設操業、維持管理時の水質変化が、塩分濃度の異なる地下水の混合状態の変化に起因することが明らかになった。また、坑道周辺の地下水の水質が将来的に花崗岩浅部の地下水の組成に変化していくことが明らかになった。これらの結果に基づき、第1段階及び第2段階の調査にかかわる留意点として、地球化学特性の擾乱にかかわる高透水性の地質構造に焦点を当てたモニタリングの考え方や多変量解析の有効性を提示することができた。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一; 丹野 剛男; 真田 祐幸; et al.
JAEA-Review 2013-018, 169 Pages, 2013/09
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2011年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階及び第3段階の調査研究のうち2011年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
大森 一秋; 新宮 信也; 萩原 大樹; 増田 薫*; 飯塚 正俊*; 乾 道春*; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2013-001, 330 Pages, 2013/05
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響を把握することを目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2011年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データをとりまとめたものである。データのトレーサビリティーを確保するため、試料採取場所,試料採取時間,採取方法及び分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。
岩月 輝希; 水野 崇; 萩原 大樹; 新宮 信也; 大森 一秋; 福田 朱里
no journal, ,
大規模地下施設の建設・操業時の周辺地下水の水質変化(施設建設影響)について、多変量解析手法による評価を試みた。施設建設中に得られた地下水の水質データ(約1,100試料のNa, K, Ca, Mg, SO, F, Cl, Si, 無機炭素濃度)を対象として主成分分析を行った結果、地下水水質の経年変化データは堆積岩浅部,花崗岩浅部,花崗岩深部地下水の三つの地下水の主成分得点と相関性を持っており、これらの端成分地下水の混合状態の変化に起因すると考えられた。また、立坑から離れるにしたがって花崗岩浅部地下水の寄与率が増加しており、排水に伴う動水勾配が相対的に大きな立坑直近においては、深部からの地下水引き込みがより大きいものの、施設の周囲では地下水位の低下とともに花崗岩浅部の地下水が徐々に深部に移動していると推察された。
新宮 信也; 萩原 大樹; 大森 一秋; 福田 朱里; 露口 耕治; 岩月 輝希
no journal, ,
日本原子力研究開発機構が岐阜県瑞浪市において実施している超深地層研究所計画では、第1段階(地表からの調査予測研究段階)、第2段階(研究坑道の掘削を伴う研究段階)、第3段階(研究坑道を利用した研究段階)の各段階において、結晶質岩(花崗岩)を対象とした深部地質環境の調査・解析・評価技術の整備を進めている。現在、研究坑道の建設は主立坑,換気立坑とも深度500mに到達し、深度500mステージの水平坑道の掘削を進めている。本報告では、研究坑道掘削時における地下水の地球化学調査において経験した幾つかの事例を紹介し、第1段階,第2段階の地下水の地球化学調査における留意点について述べる。
萩原 大樹; 新宮 信也; 大森 一秋; 福田 朱里; 岩月 輝希
no journal, ,
地震時及びその前後には、岩盤中の地下水に水理学的応答や水質変化が観測されることがあり、その要因として岩盤の透水性の変化や透水性割れ目に沿った地下水の移動などが挙げられている。本研究では、瑞浪超深地層研究所周辺において、東北地方太平洋沖地震及び岐阜県美濃東部を震源とする地震に伴う地下水の水圧・水質変化とその要因を考察した。その結果、地震時に地下水の水圧・水質変化が認められ、地下水の水圧上昇により、地下深部の地下水の流入の可能性が示唆された。
福田 朱里; 岩月 輝希; 新宮 信也; 大森 一秋; 萩原 大樹; 伊藤 一誠*; 東郷 洋子*; 鈴木 庸平*
no journal, ,
微生物活動が地下深部の地球化学環境や物質移動特性に与える影響にかかわる調査技術の構築のため、微生物学特性と地球化学特性の調査を行った。微生物群集の空間分布及び経時変化の解析のためDNA配列の解析を行った結果、深度に伴う地球化学環境の違いよりも、ボーリング孔掘削による酸素の混入等の擾乱が地下微生物群集に与える影響が大きいことがわかった。また、ボーリング孔掘削による擾乱から回復した環境に卓越する微生物種は、新規性の高い微生物であることが明らかとなった。地下微生物は代謝活性が低く、新規微生物の培養条件の検討は困難なため、培養に依存せずFISH法等の顕微鏡観察により、原位置の微生物活動を細胞単位で確認した。並びに、無機炭素・硫酸濃度の化学分析により、深度300m研究アクセス坑道からの水平ボーリング孔では立坑掘削による擾乱が少なく、最も還元的な微生物活動である二酸化炭素の還元が起こっていることが推測された。
大森 一秋; 濱 克宏; 萩原 大樹; 新宮 信也; 福田 朱里; 岩月 輝希
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、地下深部における放射性核種の移動メカニズムを理解するための調査技術が必要になる。地下深部は還元状態の地下水で満たされており、放射性核種は地下水の化学条件に依存した溶解度で地下水中に溶出する。また地下水中には大きさ1m以下のコロイド粒子が存在しており、コロイド態での核種の移動は溶存態での移動と異なる可能性が指摘されている。本研究では、地下坑道から掘削した地下水を対象として、孔径0.2m, 10kDa, 1kDaのろ過膜を用いて大気に触れることなく限外ろ過を行いコロイド態で存在するアナログ元素の種類や量、調査手法の品質などについて考察した。その結果、地下水中のコロイドは有機物,粘土鉱物,水酸化鉄の混合物により構成され、ろ過液からは採水区間ごとに違いはあるものの、ウラン及び希土類元素(Th, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu)のうち、Th, Pr, Nd, Sm, Eu, Gdについて、ろ過孔径が小さくなるほどろ過液中の濃度が減少あるいは一定になるサイズ依存性が認められた。しかし、一部の観測区間でろ過孔径の小さいろ過液中のアナログ元素濃度がろ過孔径の大きいアナログ元素濃度よりも高い結果が得られており調査手法に課題があることも確認された。
大森 一秋; 新宮 信也; 岩月 輝希
no journal, ,
高レベル放射性廃棄物の地層処分においては、地下深部における放射性核種の移動メカニズムを理解する必要がある。放射性核種は地下水の化学条件に依存した溶解度で地下水中に溶出し、地下水の流れとともに移動すると想定されている。一方で、地下水中には大きさ1m以下のコロイド粒子が存在しており、溶存態での移動に加え、コロイド粒子に核種が付着した状態で地下水中を移動するメカニズムも想定されている。本研究では、地下深部におけるコロイド態での放射性核種の移動メカニズムを理解するため、深部花崗岩中の地下水に含まれるウランやトリウム,希土類元素(放射性核種のアナログ元素)のコロイド態での移動状態にかかわる調査手法について検討した。
岩月 輝希; 大森 一秋; 新宮 信也
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所において、深度300mの地下坑道で観察される湧水割れ目の地下水をバッチ式気密容器に採取して限外濾過を行い、ボーリング掘削に伴う人為的なコロイド生成や採水に伴う地下水水質の経時変化といった品質低下要因のない条件下で、放射性核種のアナログ元素(希土類元素)濃度のコロイドサイズ依存性について考察した。その結果、割れ目中を流れている地下水には、おもに有機物,ケイ酸塩鉱物,水酸化鉄などのコロイド粒子が含まれていることを確認した。また、各ろ過孔径のろ過液中のアナログ元素濃度の差分に基づいてアナログ元素濃度のコロイドサイズ依存性について確認したところ、0.2m-50kDa, 10kDa以下のサイズ画分のアナログ元素濃度が相対的に高く、アナログ元素がこれらのサイズのコロイド粒子に担持され移動している可能性が示唆された。
宗本 隆志; 大森 一秋; 岩月 輝希
no journal, ,
地下水中のコロイド粒子は地球表層環境に普遍的に存在し、水中での沈降速度が遅く、元素の吸着能が高いため、水溶液中における元素の移動性に影響を及ぼす可能性がある。ボーリング孔からの地下水およびコロイドの採取方法は、地下水の被圧・嫌気状態を保持したまま採取できる一方で、孔内に人為的に生成したコロイド粒子が地下水の採取時に混入することで地下水中の元素の濃度に影響を及ぼすことが明らかとなっている。本研究では、瑞浪超深地層研究所における研究坑道から掘削したボーリング孔で採取した地下水を対象として、コロイド粒子の影響の少ない品質の高い地下水の採取方法およびコロイド粒子が元素の移動性に及ぼす影響についての評価・検討を行った。地下水およびコロイドの採取方法について、ボーリング孔内の地下水を排出し、入れ替えることによって、人為的なコロイドの影響の少ない採取方法を確立した。コロイドによる元素の移動性について、FeやAlを含むコロイドによって、Uの移動性が変化する可能性が示唆された。一方で、核種のアナログ元素(REEs)については、地下水の入れ替わりによる影響が少ないことが明らかとなった。