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山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:6 パーセンタイル:84.97(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
玉置 裕一; 大森 雄; 藤島 雅継; 水越 保貴; 坂本 直樹
Proceedings of 53rd Annual Meeting of Hot Laboratories and Remote Handling Working Group (HOTLAB 2016) (Internet), 6 Pages, 2016/11
日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターの核燃料使用施設では、高速炉用燃料や材料開発のための試験が行われている。1970年代に建設されたこれらの施設は、40年以上に渡り運転経験を蓄積してきた。施設を安全で継続的に運転するためには、電源設備、マニプレータ、インセルクレーン、排風機や換気設備といった、重要設備のメンテナンスが必要となる。本定期安全評価手法は、日本の実用原子炉施設等で実施されている手法を基に核燃料使用施設に適用している。本論文では、安全評価手法を用いた核燃料使用施設での定期安全評価の取り組みについて報告する。
藤島 雅継; 水越 保貴; 坂本 直樹; 大森 雄
保全学, 13(2), p.115 - 125, 2014/07
大洗研究開発センター福島燃料材料試験部には、高速増殖炉の高性能燃料及び材料の開発を目的とした5つの核燃料物質使用施設 照射後試験施設がある。これらの施設は昭和40年代から50年代に建設されたもので、ホットインからいずれも30年以上経っている。そこで、施設の安全の確保のため、平成15年度より独自の安全評価に取組んでいる。この取組みは、想定されるリスクを摘出し、未然に適切な処置を施すなどの対策によりトラブルを防止しようというものである。その精神は、発電用原子炉等の高経年化対策に適用されている定期安全評価に学んでいる。評価手法の特徴は、安全に影響するさまざまな要因を数値化し、性能劣化監視指標により、適切な保全活動に反映していく点にある。本論文では、福島燃料材料試験部で行っている施設の安全評価への取組みについて、経緯,評価手法と保全活動への展開の状況についてまとめた。
中村 勤也*; 尾形 孝成*; 菊地 啓修; 岩井 孝; 中島 邦久; 加藤 徹也*; 荒井 康夫; 魚住 浩一*; 土方 孝敏*; 小山 正史*; et al.
日本原子力学会和文論文誌, 10(4), p.245 - 256, 2011/12
「常陽」での照射試験を目的として、金属ウラン,ウラン-プルトニウム合金及び金属ジルコニウムを原料に、U-20Pu-10Zr燃料スラグを射出鋳造法により製造した。いずれの燃料スラグも表面は滑らかであり、合金組成,密度,長さ,直径,不純物濃度も製造仕様を満足した。製造した燃料スラグを、熱ボンド材,熱遮へい体及び要素反射体とともに下部端栓付被覆管に充填してTIG溶接を行い、ナトリウムボンド型金属燃料要素6本を組み立てた。これらの燃料要素は、今後B型照射燃料集合体に組み立てられた後、「常陽」に装荷されて国内で初めてとなる金属燃料の照射試験が実施される予定である。
藤島 雅継; 坂本 直樹; 水越 保貴; 雨谷 富男; 大森 雄
日本保全学会第5回学術講演会要旨集, p.388 - 392, 2008/07
大洗研究開発センター燃料材料試験部には、高速増殖炉の高性能燃料及び材料の開発を目的とした5つの核燃料物質使用施設(照射後試験施設)がある。これらの施設は昭和40年代から50年代に建設されたもので、ホットインからいずれも30年以上経っている。そこで、施設の安全の確保のため、平成15年度より独自の安全評価に取組んでいる。この取組みは、想定されるリスクを摘出し、未然に適切な処置を施すなどの対策によりトラブルを防止しようというものである。その精神は、発電用原子炉等の高経年化対策に適用されている定期安全評価(Periodic Safety Review:PSR)に学んでいる。評価手法の特徴は、安全に影響するさまざまな要因を数値化し、性能劣化監視指標(Performance Indicator:PI)により、適切な保全活動に反映していく点にある。本報では、燃料材料試験部で行っている施設の安全評価への取組みについて、経緯,評価手法と保全活動への展開の状況について報告する。
Risdiana*; 足立 匡*; 沖 直樹*; 矢入 聡*; 田邊 洋一*; 大森 圭祐*; 鈴木 栄男*; 渡邊 功雄*; 幸田 章宏*; 髭本 亘; et al.
Physica C, 460-462(2), p.874 - 875, 2007/09
被引用回数:3 パーセンタイル:17.87(Physics, Applied)零磁場ミュオンスピン緩和測定によりLaSrCuZnO(LSCO)の=0-0.10, =0.30までのオーバードープ領域において動的ストライプ構造が安定化されるかを調べた。その結果、Znドープによる銅スピン揺らぎの低下はの増加に伴い減少し、=0.30で消滅することがわかった。ここからストライプピニングモデルは全超伝導領域で成り立ち、また、0.19近傍には量子臨界点は存在しないことが示唆される。
野村 茂雄; 菊池 孝; 大森 栄一; 稲野 昌利
エネルギー, 38(6), p.59 - 62, 2005/00
プルサーマル燃料の利用については様々な声があるが、その使用済燃料の再処理に関しては、世界的に見ても現在の軽水炉使用済ウラン燃料の再処理技術で十分対応可能である。しかしながら、燃料の特徴を勘案し、より効率的な処理を行うために必要な再処理データの取得・蓄積を進めていく必要がある。そのためにもホットフィールドとして既存の東海再処理施設を、今後とも最大限に有効活用していくことを提案したい。
藤原 治; 三箇 智二*; 大森 博雄*
JNC TN7410 2001-015, 29 Pages, 2001/08
全国的な侵食速度の分布を明らかにすることは、各地の地形変化を予測し、土被りの厚さや動水勾配の変化など、地表から地下深部までの地質環境が将来どの程度安定であるかを評価するために重要である。本研究では、ダムへの土砂流入量と流域の高度分散量(D)との関係に基づいて全国の侵食速度を試算した。流域の侵食速度(E)とDの間にはE=0.000044D2.2の関係があり(相関係数0.94)、この式から50mメッシュの数値地図を用いて6km6kmメッシュの侵食速度分布図を作成した。侵食速度は中部山岳地帯で最大値(中心部で35mm/y)を示し、日高山脈,東北日本背孤側と西南日本外側山地列(23mm/y)がこれに次ぎ、西南日本内帯と東北日本前孤側の山地列で小さい(1mm/y)。侵食速度の地域性は、地形の起伏を形成した第四紀の隆起量(速度)を反映している。GIS(地理情報システム)ユーザーのために、侵食速度分布図などをArcView形式で格納したCD-ROMを添付した。
吉武 庸光; 大森 雄; 田中 康介
JNC TN9400 2001-116, 71 Pages, 2001/07
高照射量まで照射されたPNC316,15Cr-20Ni鋼被覆管の機械的性質及びこれに及ぼすスエリングの影響を評価することを目的として、米国Fast Test Facility(FFTF)炉で照射した「もんじゅ」型燃料集合体MFA-1,MFA-2の燃料被覆管について照射後引張試験を行い、引張強度・延性特性に及ぼす照射効果及びスエリングの影響を評価した。本試験・評価で得られた主な結果は以下のとおりである。1)PNC316では降伏応力、引張強さを照射温度、照射量で整理すると概ねこれまでの照射材データの外挿となる強度を示し、照射量2.110E(+27)n/㎡ までの範囲において照射量の増大に伴う顕著な強度低下はみられなかった。2)15Cr-20Ni鋼では降伏応力及び引張強さはPNC316と同等で、明確な鋼種の違いは見られなかった。3)本試験での一様伸び、破断伸びともに概ねこれまでの照射材データの範囲内であったが、試験温度400、450では延性の低下が顕著であった。一方、他の試験温度では一様伸びは数%有しており、高照射量まで照射された後も延性を有することが分ったが、破断伸びは一様伸びに近い値であった。この結果は被覆管が絞りを殆ど示さずに破断したことを意味しており、破断観察結果からも材料の照射脆化が大きいことが示唆された。4)PNC316,15Cr-20Ni鋼被覆管では、スエリングが約10%程度生じた場合でもスエリングの発生に伴う著しい強度特性の劣化が生じないことを確認した。
吉武 庸光; 大森 雄; 宮川 俊一
JNC TN9400 2001-105, 41 Pages, 2001/07
サイクル機構で開発を進めている参加物分散強化型(Oxide Dispersion Strengthened: ODS)フェライト鋼の基本的な中性子照射特性、特に照射後の機械的性質(強度・延性)を把握するために、「常陽」CMIR-4, CMIR-5にて照射された開発初期試作被覆管(1DS, 1DK)について引張試験、リング引張試験、バースト試験ミニチュアシャルピー衝撃試験を行った。本1DS,1DK鋼は温間加工を用いて製管され、また管軸方向と周方向で内圧クリープ強度の異方性を有する等、現行の組織制御を適用した改良鋼種とは異なっているが、ODSフェライト鋼の基本的な照射特性を評価する上では大変貴重なデータである。本報告書では、上述した各照射後機械試験データをもとに1DS, 1DK被覆管の強度・延性特性に及ぼす中性子照射効果を評価した。本試験・評価で得られた主な結果は以下の通りである。1)本照射条件範囲では、1DS, 1DK鋼では照射硬化による強度の上昇がPNC316等のオーステナイト系鋼種よりも高温域(約600650)まで維持された。2)材料特有の結晶組織(竹状組織)に起因して、照射後においても、短時間強度試験における管軸方向の強度特性に対して周方向の強度がやや劣る傾向を示した。3)伸び特性については、2)と同様の理由から、照射後の周方向の延性は管軸方向に比較して著しく低い値を示した。4)本照射条件範囲では、照射による延性低下は顕著でなく、衝撃特性(ミニチュアシャルピー試験)の低下は殆ど見られなかった。5)組織観察の結果、本1DS, 1DKでは照射材では粒界にラベース相が析出した以外は照射前後での大きな組織変化は観察されず、酸化粒子とその分散状態が中性子照射に対して安定であることが示唆された。
吉武 庸光; 大森 雄; 宮川 俊一
10th International Conference on Fusion Reactor Materials, 154 Pages, 2001/00
「常陽」CMIR-4で照射したODSフェライト鋼被覆管初期試作材(1DK,1DS)についてバ-スト試験を実施して、ODSフェライト鋼の強度特性に及ぼす照射の影響を評価した。試験の結果、照射材のバ-スト強度は600においても非照射材よりも高く、ODSフェライト鋼では、PNC316等と比較してより高温まで照射硬化による強度増加を示すことがわかった。一方伸びについては、本照射条件範囲では照射材の外径ひずみは非照射材とほぼ同様であり、本照射条件範囲では照射脆化はみられなかった。
吉武 庸光; 大森 雄; 坂本 直樹; 遠藤 敏明*; 赤坂 尚昭; 前田 宏治
JNC TN9400 2000-095, 110 Pages, 2000/07
米国Fast Flux Test Facilities(FFTF)で照射された「もんじゅ」型燃料集合体MFA-1及びMFA-2に装荷されたPNC316及び15Cr-20Ni鋼被覆管の燃料ピンはこれまでで最高の高速中性子照射量を達成している。これらオーステナイト系ステンレス鋼を高速炉炉心材料とした場合、高速中性子照射に起因するスエリングによる形状変化(体積膨張)が使用上重要な評価項目であるが、機械的性質に及ぼす照射効果、特に重照射条件でのスエリングした材料の機械的性質の評価も重要なことである。そこで、重照射されたPNC316、15Cr-20Ni鋼被覆管のLOF時の過渡変化時における燃料健全性評価に資することを目的として、これらMFA-1、MFA-2の燃料被覆管について急速加熱バースト試験を行うとともに、その後の金相試験、TEM観察に基づき急速加熱破裂挙動を評価した。本試験・評価で得られた主な結果は以下の通りである。1)PNC316では、照射量2.1310の27乗n/mの2乗(E0.1MeV)までの範囲において、周応力100Mpa程度までの低応力条件では破裂温度はこれまでの照射材データと同様であり照射量の増大に伴う破裂温度の低下は見られなかった。2)15Cr-20Ni鋼では、照射量2.2710の27乗n/mの2乗(E0.1MeV)までの範囲において、周応力約200MPaまでの条件において、破裂温度は非照射材と同等であり、照射による破裂温度の低下は見られなかった。3)PNC316について、「もんじゅ」燃料使用末期条件である周応力69MPa(7kgf/mmの2乗)にて試験した結果、破裂温度は1055.6であった。ここで試験加熱速度は5/sであり、「もんじゅ」設計におけるLOF時の1次ピークで想定される被覆管温度上昇率よりも厳しい条件であることから、本照射量条件において「もんじゅ」燃料の許容設計限界の被覆管最高温度(肉厚中心)830の保守性を示した。4)今回試験したスエリング量数%の条件では、急速加熱バースト後の組織は照射後試験加熱前の組織と比較して顕著な違いは認められず、破裂機構に関してスエリング量、破裂温度及び組織(ボイドの結晶粒界への偏析、粗大化)間の相関は見られなかった。
藤原 治; 三箇 智二*; 大森 博雄*
サイクル機構技報, (5), p.85 - 93, 1999/12
地質環境の長期的な安定性を評価するデータの一つとして、将来の侵食量や地形変化の予測が必要である。そのためにはまず、現在の侵食速度の分布を把握する必要がある。本研究では、ダムへの土砂流入量と流域の高度分散量(D)との関係に基づいて全国の侵食速度を試算した。流域の侵食速度(E)とDの間にはE=0.000044D2.2の関係があり、この式から数値地図を用いて6km6kmメッシュの侵食速度分布図を作成した。侵食速度は中部山岳地帯で最大値(中心部で5mm/y)を示し、日高山脈、東北日本背弧側と西南日本外帯の山地列(23mm/y)がこれに次ぎ、西南日本内帯と東北日本前弧側の山地列で小さい(1mm/y)。侵食速度の地域性は、地形の起伏を形成した第四紀の隆起量(速度)を反映している。
堂野前 貴子; 勝山 幸三; 鵜飼 重治; 赤坂 尚昭; 山県 一郎; 金成 孝志; 大森 雄
JNC TN9400 2000-075, 374 Pages, 1999/08
日米燃料材料共同開発計画の一環として、米国のFFTF炉で照射した「もんじゅ」型燃料集合体MFA-1の照射後試験を行った。MFA-1燃料集合体はPNC316の被覆管、ラッパ管、ワイヤ、及び85%低密度燃料ペレットで製造されており、ペレットピーク燃焼度は147.1GWd/t、最大高速中性子照射量は21.410の26乗n/mの2乗に達している。本集合体の照射後試験結果に基づき、燃料集合体、要素の照射挙動を評価した。得られた結果は以下の通りである。 (1)「もんじゅ」型燃料集合体の伸びやラッパ管の変形量は小さく、燃料要素の外径増加率は最大で約4%(サンドブラスト加工材を除く)であった。また顕著なバンドルーダクト相互作用も発生していないことを確認した。(2)製造途中で内面傷を削除するためサンドブラスト加工した被覆管では、通常のPNC316に較べて大きなスエリングが測定された。このサンドブラスト材でのスリング促進は通常のPNC316と比較して大きな残留応力と低い冷間加工度に起因していると考えられる。(3)被覆管とワイヤのスエリングは異なる温度依存性を示し、スエリングピーク温度は被覆管で495、ワイヤで475であることを確認した。一方ラッパ管については、スエリングの温度依存性を明確には評価できなかった。
佐野 雄一; 佐藤 宗一; 久野 剛彦; 大森 栄一; 中村 博文; 槇 彰
JNC TN8410 99-049, 94 Pages, 1999/08
東海再処理施設の安全性確認作業の一環として、工程で使用されている化学物質であるヒドラジンの化学反応に関する検討を行った。検討の内容は、コールドビーカー試験による高温硝酸溶液中でのヒドラジン分解反応生成物や反応速度の検討、東海再処理工場におけるプルトニウム製品溶液の分析、海外再処理施設におけるアンモニアに関する事例の調査検討、抽出工程におけるヒドラジン分解反応の検討である。検討の結果、コールドの条件ではヒドラジンの分解反応式、反応速度をほぼ解明できた。しかし硝酸プルトニウムとの共存系である実溶液の測定結果と整合しないことから、ホット試験による確認が必要であることが判った。また、抽出工程におけるヒドラジン分解反応の検討においても、生成物があるアジ化水素、アンモニアのいずれも安全上問題となることはないことが判ったが、計算値と実測値との整合性の観点から、今後実工程での実測調査により挙動の解明を行うことが望ましい。
Hu, L.*; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 栗山 正明; 日下 誠*; 藻垣 和彦; et al.
JAERI-Tech 99-057, 16 Pages, 1999/08
JT-60では、負イオンNBI(N-NBI)を使った高エネルギー中性ビーム入射実験が進められている。N-NBIの目標性能は、500keVで10MWのビームを入射することであり、これまでに350keVで5.2MWのビーム入射を達成している。ビーム発散、ビームライン機器への熱負荷は、ビーム性能を評価する上できわめて重要な項目である。JT-60へのビーム入射実験中にドリフト管で評価した発散は、水平方向で4mrad、垂直方向で6mradであり、これは設計値の5mradに近い値である。ビームライン機器への熱負荷測定値も設計値と比べて妥当な値である。
山崎 晴幸*; 伊藤 孝雄; 薄井 勝富; 藻垣 和彦; 栗山 正明; 佐藤 藤雄*; 大島 克己*; 大森 憲一郎; 渡邊 和弘
JAERI-Tech 99-054, 49 Pages, 1999/07
JT-60U用負イオン源では負イオン生成効率向上のため、アークチェンバ内にセシウム(Cs)蒸気を導入する。従来のCs導入装置は高電圧ノイズにより、しばしば真空側のヒータが断線・故障した。このCs導入装置を高電圧ノイズに強くするため、熱伝導型導入管の開発とヒータ回路の改良を行った。熱伝導型導入管は、ヒータの断線時に修理を簡単にするため、大気圧側の導入管の一部を加熱して真空側を熱伝導で昇温する構造とした。開発にあたり、計算機でシミュレーションしてモデルを設計・製作し、性能確認試験を行った後、これを負イオン源に採用した。また、ヒータの断線を防止するため、加速電圧の印加中はヒータの電源を遮断するように回路を改良した。以上の2点の改良により、Cs導入装置のヒータに関する故障はほとんどなくなり、現在、順調に運転中である。
大森 栄一; 須藤 俊幸; 清水 武彦; 小坂 一郎; 駿河谷 直樹; 清水 義雄; 角 洋貴
JNC TN8410 99-005, 274 Pages, 1999/02
アスファルト固化処理施設火災・爆発事故の原因究明活動の結果、過去の施設についても最新の知見を取り入れて火災爆発等に対する安全性を確保すべきとの反省点が摘出された。そこで東海再処理施設についての最新の知見やこれまでに蓄積した運転経験等を基に、火災爆発を中心とした施設の安全性を確認した。本報告書は、上記の安全性確認作業のうち、東海再処理施設の事故の拡大防止策及び影響緩和策の検討並びに仮想的事故の評価についてまとめたものである。事故の拡大防止策及び影響緩和策の検討では、有機溶媒火災、ヒドラジンの急激な分解反応、放射性物質の漏洩、短時間の全動力電源の喪失を想定した検討を行い、火災、爆発に対するフィルタの有効性や漏洩に対する回収系の有効性等を確認し、一部漏洩に伴う事故拡大防止に係る改善項目を摘出し、設備改善や運転要領書の改訂などの対応をとることとした。また、仮想的事故の評価では、溶解槽の臨界事故、抽出器の有機溶媒火災事故を想定した評価を行い、東海再処理施設と一般公衆との離隔が適切に確保されていることを確認した。
黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 菊池 茂人*; 大森 順次*; 佐藤 真一*; 大崎 敏雄*; 古谷 一幸; 秦野 歳久; 佐藤 聡; 高津 英幸
JAERI-Tech 98-051, 71 Pages, 1998/11
トリチウム増殖材と中性子増倍材をいずれも微小球ペブル状として充填する設計となっているITER増殖ブランケットに対し、とくにペブル充填層の熱・機械特性に着目して汎用熱・構造解析コードABAQUSの特殊計算オプションを使用した熱・機械解析を実施した。また、耐高熱負荷が問題となる第一壁について、Beアーマとステンレス鋼構造材の接合部における熱応力履歴を弾塑性解析により求めると共に、これに基づいて、アーマ/構造材接合部における強度評価方法について検討した。さらに、増殖ブランケット・モジュールの製作に関し、第一壁及び冷却パネル、増殖材充填部等の各構成要素を個々に製作し、それらを組み合わせることを基本として各構成要素の製作方法及び全体組立手順を検討した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; H.Liquen*; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 藻垣 和彦; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(11), p.739 - 749, 1998/11
被引用回数:39 パーセンタイル:92.5(Nuclear Science & Technology)高密度プラズマでの中心加熱・電流駆動実験のために開発を進めてきたJT-60用負イオンNBIについて報告する。本負イオンNBIは、平成4年に建設を開始し、平成8年に完成した。完成後直ちに、負イオン源、ビームライン、イオン源用電源の調整、改良を行いながら、負イオンビーム出力の増大に努めると共にJT-60へのビーム入射運転を行ってきた。これまでにイオン源単体でのビーム出力として、水素負イオンで360kV,18.5Aを得ている。また、JT-60への入射パワーとしては、重水素ビームで350keV,5.2MW、水素ビームで360keV,4.2MWを達成している。本報告では、先ず、本負イオンNBI装置開発の経緯、設計及び建設について述べ、装置完成後の調整試験、ビーム出力増大のためのイオン源、電源等の運転パラメータの最適化、及びこれまでに得られた結果について述べる。