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小栗 英知; 長谷川 和男; 伊藤 崇; 千代 悦司; 平野 耕一郎; 森下 卓俊; 篠崎 信一; 青 寛幸; 大越 清紀; 近藤 恭弘; et al.
Proceedings of 11th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.389 - 393, 2014/10
J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対する利用運転を行うとともに、リニアック後段の3GeVシンクロトロンにて1MWビームを加速するためのビーム増強計画を進めている。リニアックのビーム増強計画では、加速エネルギー及びビーム電流をそれぞれ増強する。エネルギーについては、181MeVから400MeVに増強するためにACS空洞及びこれを駆動する972MHzクライストロンの開発を行ってきた。これら400MeV機器は平成24年までに量産を終了し、平成25年夏に設置工事を行った。平成26年1月に400MeV加速に成功し、現在、ビーム利用運転に供している。ビーム電流増強では、初段加速部(イオン源及びRFQ)を更新する。イオン源はセシウム添加高周波放電型、RFQは真空特性に優れる真空ロー付け接合タイプ空洞をそれぞれ採用し、平成25年春に製作が完了した。完成後は専用のテストスタンドにて性能確認試験を行っており、平成26年2月にRFQにて目標の50mAビーム加速に成功した。新初段加速部は、平成26年夏にビームラインに設置する予定である。
後藤 健治*; 長壁 豊隆; 加倉井 和久; 上床 美也*; 大沢 明*; 川上 潤*; 田中 秀数*
Journal of the Physical Society of Japan, 76(5), p.053704_1 - 053704_4, 2007/05
被引用回数:12 パーセンタイル:57.95(Physics, Multidisciplinary)スピンギャップ系KCuClにおける圧力下の磁気励起の中性子非弾性散乱実験を行った。4.7kbarの静水圧下における磁気励起のソフト化が明瞭に観測された。その分散関係の解析により圧力下でダイマー内の相互作用が減少し、ほぼすべてのダイマー間の相互作用が増加することを明らかにした。
松田 雅昌; 武田 全康; 中村 充孝; 加倉井 和久; 大沢 明*; Lelivre-Berna, E.*; Chung, J.-H.*; 植田 浩明*; 高木 英典*; Lee, S.-H.*
Physical Review B, 75(10), p.104415_1 - 104415_6, 2007/03
被引用回数:43 パーセンタイル:81.8(Materials Science, Multidisciplinary)CdCrOはスピネル型構造をしており、正四面体の頂上にあるCrモーメント間に幾何学的フラストレーションが存在している。非偏極中性子回折実験を行ったところ、転移温度7.8K以下で波数ベクトル=(0, , 1)( 0.09)を持つ非整合磁気構造をとることがわかった。転移点において軸が伸びて、立方晶から正方晶への構造相転移も同時に起こっている。一次元偏極中性子回折実験により、スピンの容易軸(あるいは面)を調べたところ、容易面が面であることがわかった。この結果から、基本構造は面を容易面とするスパイラル構造であることが示唆される。さらに詳細な構造を調べるために、TAS-1に設置されたCRYOPADを用いて三次元偏極中性子解析を行った。その結果、磁気構造が単純な円形のスパイラル構造ではなく、楕円形のスパイラル構造をとっていることが明らかになった。
加倉井 和久; 長壁 豊隆; 後藤 健治*; 大沢 明*; 藤澤 真士*; 田中 秀数*
Physica B; Condensed Matter, 385-386(Part 1), p.450 - 452, 2006/11
被引用回数:1 パーセンタイル:6.65(Physics, Condensed Matter)KCuCl及びTlCuClはそれぞれ31K及び7.7Kのギャップエネルギーを持つスピンシングレット基底状態系である。このスピンギャップの要因はCuClが形成する反強磁性ダイマーである。磁化の測定からそれぞれ8.8kbar及び0.42kbarの臨界磁場でこれらの系が圧力誘起磁気秩序を示すことが明らかにされた。今回、圧力下の中性子散乱実験によりこの圧力誘起磁気秩序構造を解明し、スピン-格子相関に起因すると思われる新規なスピン方向変移(spin reorientation)が観測されたので報告する。
大沢 明*; 加倉井 和久; 西脇 洋一*; 加藤 徹也*
Journal of the Physical Society of Japan, 75(7), p.074719_1 - 074719_4, 2006/07
被引用回数:6 パーセンタイル:41.88(Physics, Multidisciplinary)擬一次元イジング的反強磁性物質TlCoClの偏極中性子非弾性散乱実験を行い、この系において従来の横揺らぎの成分S(Q,)に加え初めて連続スピン波励起の縦揺らぎS(Q,)の観測に成功した。この実験結果を石村・斯波による純イジング反強磁性鎖の理論結果と比較した。
後藤 健治; 藤澤 真士*; 田中 秀数*; 上床 美也*; 大沢 明*; 長壁 豊隆; 加倉井 和久
Journal of the Physical Society of Japan, 75(6), p.064703_1 - 064703_7, 2006/06
被引用回数:28 パーセンタイル:75.81(Physics, Multidisciplinary)3次元的に弱く結合したスピン・ダイマー系KCuClの静水圧下磁化及び中性子回折実験が行われた。前者の実験により圧力の印加とともにダイマー内の相互作用が弱くなり、ダイマー間の相互作用が強くなることが発見された。これによりスピンギャップが減少し、反強磁性基底状態への量子相転移が臨界圧力Pc8.2kbarで起こる。PPcの圧力下で反強磁性磁気秩序構造を中性子回折実験により明らかにした。
西脇 洋一*; 加藤 徹也*; 大原 泰明*; 大沢 明*; 轟木 義一*; 井川 直樹; 石井 慶信; 飯尾 勝矩*
Journal of the Physical Society of Japan, 75(3), p.034707_1 - 034707_8, 2006/03
被引用回数:12 パーセンタイル:58.31(Physics, Multidisciplinary)歪んだ三角格子イジング型反強磁性体TlCoClの結晶及び磁気相転移前後の結晶構造を粉末及び単結晶中性子回折法によって決定した。粉末中性子回折実験によって、75T165Kの温度範囲では空間群6であり、68K以下の温度ではとなることを明らかにした。一方、単結晶中性子回折実験から、ネール点(29.5K)以下の温度でイジングスピン配列はUUDD型と同定できた。さらに、ネール点直下の温度領域のみで付加的な不整合ピークが観察された。磁気秩序に関するこれらの結果は、Zigzag-row格子におけるイジングスピンのスピン秩序がANNNI型モデルと関係があることを示している。
大沢 明*; 西脇 洋一*; 加藤 徹也*; 加倉井 和久
Journal of the Physical Society of Japan, 75(1), p.015002_1 - 015002_2, 2006/01
被引用回数:8 パーセンタイル:48.97(Physics, Multidisciplinary)TlCoClは室温で六方晶の結晶構造を持つ擬一次元イージング系反強磁性物質である。非弾性中性子散乱によりこの系の磁気励起を観測し、磁気ドメイン壁対の揺らぎに対応するスピン励起状態を検証した。この励起状態を石村-斯波理論で解析することにより、この系の一次元的磁気相互作用(2J=14.7meV)及び異方性パラメター(=0.14)を決定した。
Johannsen, N.*; Vasiliev, A.*; 大沢 明; 田中 秀数*; Lorenz, T.*
Physical Review Letters, 95(1), p.017205_1 - 017205_4, 2005/07
被引用回数:23 パーセンタイル:71.36(Physics, Multidisciplinary)磁場誘起相転移を示すTlCuClにおいて高分解能熱膨張及び磁歪測定を行った。その結果、格子変形が顕著な温度及び磁場依存性を示すことを観測した。これはこの系においてスピン-格子相関が重要であることを示唆している。また、相境界が圧力に対して極めて敏感であることがわかった。これらの結果は一軸圧に対するダイマー内相互作用の変化によるものだと思われる。ダイマー間相互作用に関しては、圧力によって基本的には変化しないが、TlをKに置換すると劇的に変化する。
Kolezhuk, A. K.*; Glazkov, V. N.*; 田中 秀数*; 大沢 明
Physical Review B, 70(2), p.020403_1 - 020403_4, 2004/07
被引用回数:44 パーセンタイル:83.64(Materials Science, Multidisciplinary)スピンダイマー物質TlCuClにおいて最近測定された強磁場ESRスペクトルを有効場理論を用いて解析した。その結果、ダイマー内及びダイマー間交換相互作用に弱い異方性を仮定することによって全ての測定条件におけるESRの実験結果を理論的に説明できることがわかった。
大沢 明; 加倉井 和久; 長壁 豊隆; 中村 充孝; 武田 全康; 田中 秀数*
Journal of the Physical Society of Japan, 73(6), p.1446 - 1449, 2004/06
被引用回数:32 パーセンタイル:77.17(Physics, Multidisciplinary)TlCuClはこれまでに行われてきた磁気測定の結果から基底状態がスピン-重項で励起状態との間に有限なエネルギーギャップ=7.7Kを持つスピンギャップ系であることがわかっている。最近、この系に対して、=1.48GPaの静水圧を印加し非偏極中性子弾性散乱実験を行ったところ、零磁場中で=16.9K以下において三次元秩序に伴う磁気ブラッグ散乱を観測した。われわれは今回この圧力誘起相転移に伴う磁気秩序構造についてより詳細に調べるために偏極中性子弾性散乱実験を行った。その結果、=16.9K直下では秩序モーメントはa-c面内に寝ていて、=10.0Kで逐次相転移を起こし、モーメントがb軸方向に立ち始める振る舞いを新たに発見した。
Vyaselev, O.*; 瀧川 仁*; Vasiliev, A.*; 大沢 明; 田中 秀数*
Physical Review Letters, 92(20), p.207202_1 - 207202_4, 2004/05
被引用回数:37 パーセンタイル:79.61(Physics, Multidisciplinary)ダイマースピンギャップ系TlCuClにおいて磁場中におけるCu核及びCl核のNMR測定及び熱膨張測定を行った。その結果、NMR線の分裂から磁場誘起反強磁性相転移を確認し、その相転移がわずかに不連続的であることを新しく見いだした。また、相境界を横切る際にClサイトの電場勾配の突然の変化や格子定数の大きい変化を観測し、これらの結果はこの磁気秩序が格子変形を伴っていることを意味し、この系におけるスピン-格子相関の重要性を示唆している。
小野 俊雄*; 田中 秀数*; Kolomiyets, O.*; 三田村 裕幸*; 後藤 恒昭*; 中島 健次; 大沢 明; 小池 良浩; 加倉井 和久; Klenke, J.*; et al.
Journal of Physics; Condensed Matter, 16(11), p.S773 - S778, 2004/03
被引用回数:64 パーセンタイル:89.42(Physics, Condensed Matter)磁化過程及び中性子散乱実験を用いて=1/2二次元三角格子反強磁性体CsCuBrの磁性を調べた。その結果、以下のようなことがわかった。この系は零磁場中ではT=1.4Kで波数=(h,k,1)=(0,0.575,0)に対応する不整合構造を持つ磁気秩序を起こす。またこの系に、b軸及びc軸方向に磁場を印加していくと、飽和磁化の約1/3のところに磁化プラトーを示す。a軸方向に磁場をかけた場合は、特に異常は示さない。また磁場印加に伴って零磁場磁気構造の波数=(0,0.575,0)からkが増加をはじめ、1/3プラトー領域で=(0,0.662,0)でロックされることがわかった。これは、1/3プラトー領域では量子揺らぎによってuud構造が安定化されていることを示している。また、1/3領域からさらに磁場を印加していくと2/3プラトーも発現しているような振る舞いも見られた。
大沢 明; 藤澤 真士*; 長壁 豊隆; 加倉井 和久; 田中 秀数*
Journal of the Physical Society of Japan, 72(5), p.1026 - 1029, 2003/05
被引用回数:60 パーセンタイル:87.6(Physics, Multidisciplinary)TlCuClはこれまでに行われてきた磁気測定の結果から基底状態がスピン一重項で励起状態との間に有限なエネルギーギャップ=7.7Kを持つスピンギャップ系であることがわかっている。最近この物質に0.8GPa程度の静水圧をかけると零磁場において11Kで三次元秩序を示す相転移を起こすことが磁化測定から観測された。われわれはこの圧力誘起相転移の磁気構造を調べるために中性子弾性散乱実験を行った。その結果、=1.48GPaの圧力下で=16.9K以下において波数=(, 0, )(は整数,は奇数)に対応する点で磁気ブラッグ散乱を観測した。また=12.2K及び=4.0Kにおいて磁気ブラッグ散乱強度の比から磁気構造を決定した。その結果、以下で一度磁気モーメントが 面内で秩序化し、さらに低温で軸方向に向きを変えているということがわかった。また=12.2Kで得られた磁気構造はすでに観測されているTlCuClのbにおける磁場誘起磁気秩序相及びTl(CuMg)Clにおける不純物誘起反強磁性秩序相の磁気構造とほぼ同じであることがわかった。
大沢 明; 藤澤 真士*; 加倉井 和久; 田中 秀数*
Physical Review B, 67(18), p.184424_1 - 184424_8, 2003/05
被引用回数:31 パーセンタイル:77.55(Materials Science, Multidisciplinary)ドープされたスピンギャップ系Tl(CuMg)Clにおける不純物誘起反強磁性秩序での磁気構造及び磁気励起を調べるために中性子散乱実験を行った。その結果、T=3.45K以下で磁気ブラッグ散乱を観測し、磁気構造を決定した。その結果、この磁気構造は母体物質であるTlCuClの磁場誘起秩序相の磁気構造と同じであることがわかった。またTlCuClと同様に三重項磁気励起を観測し、その磁気励起の分散関係を決定した。そして、スピンギャップに対応する最小エネルギー励起も観測した。またそのスピンギャップの温度変化を調べた結果、T以下で急激に増大する振る舞いが見られた。この結果はこの系において、不純物誘起反強磁性秩序とスピンギャップが共存しているのを強く主張している。
大沢 明*; 加藤 徹也*; 田中 秀数*; 加倉井 和久; Mller, M.*; Mikeska, H.-J.*
Physical Review B, 65(9), p.094426_1 - 094426_7, 2002/03
被引用回数:90 パーセンタイル:93.56(Materials Science, Multidisciplinary)TlCuClは基底一重項を持ち0.65MeVの励起ギャップを示す系である。中性子非弾性散乱によりTlCuClにおける磁気励起を研究した。4方向の分散関係が決定され、そこから各々の相互作用が見積もられ、TlCuClが比較的強くカップルしたスピン・ダイマー系であることを明らかにした。
大沢 明; 小野 俊雄*; 加倉井 和久; 田中 秀数*
Proceedings of Workshop on the Perspectives in Single Crystal Neutron Spectroscopy (SCNS 2002) (CD-ROM), 4 Pages, 2002/00
NHCuClは結晶構造の特徴として、化学的ダイマーCuClがa軸方向に二重鎖を形成しており、飽和磁化の1/4と3/4のところに磁化プラトーを持つ物質である。今回われわれはこの物質の磁気励起を調べるために、中性子非弾性散乱の実験を行った。その結果、約1.5meVと約3meVのところに磁気励起を観測し、またそれぞれの磁気励起について分散関係を決定した。
鈴谷 賢太郎; 古坂 道弘*; 渡辺 昇*; 大沢 真人*; 岡村 清人*; 柴田 薫*; 神山 智明*; 鈴木 謙爾*
J. Mater. Res., 11(5), p.1169 - 1178, 1996/05
ポリカルボシランからつくられるSiC繊維のメゾスコピック構造をX線と中性子線による回折および小角散乱によって調べた。4~10程度の大きさのマイクロボイドが初めて観察された。これは、散乱ベクトルQが0.1~1の一般の回折計や小角散乱装置では観察できない領域に、あらわれる。-SiC粒子の大きさと体積分率は、作製方法(酸化融化法と電子線照射不融化法)と焼成温度によって大きく変化する。その変化は、マイクロボイドと同様に焼成中に発生するガスと密接な関係があることがわかった。必要な機械的強度を得るにはこれらのパラメータをコントロールしながらマイクロボイドと-SiC粒子の大きさを調整する必要がある。このような中角度領域のX線および中性子散乱はSiC繊維のような複雑なメゾスコピック構造を持った材料の研究に大変有効である。
弘田 実彌; 飯島 勉; 溝尾 宣辰; 渡辺 秀明; 小川 弘伸; 藤崎 伸吾; 山岸 耕二郎; 草野 譲一; 大沢 誠; 富田 悟; et al.
JAERI-M 9059, 32 Pages, 1980/09
FCAでは高速原研炉「もんじゅ」の模擬実験が進行中である。最初の物理的なモックアップであるVI-1集合体は「もんじゅ」の外側炉心の組成を模擬した試験領域をUのドライバーでとりかこんだゾーン型である。非均質臨界量、バンチング効果、中心における核分裂比および核分裂率の半径方向分布について研究が行われた。現在までに得られた解析結果に関するかぎり、実験値と計算値は、ブランケットにおける核分裂率分布の問題を除いて満足すべき一致を示している。
弘田 実彌; 飯島 勉; 溝尾 宣辰; 渡辺 秀明; 小川 弘伸; 藤崎 伸吾; 草野 譲一; 大沢 誠; 富田 悟; 金賀 寿雄; et al.
JAERI-M 9058, 11 Pages, 1980/09
高速実験炉「常陽」のMK-II炉心計画のため、V-2-R集合体によって不銹鋼反射体が臨界量、反応度価値および核分裂率に与える効果について研究を行った。その結果、断面積セットによって臨界性の評価にかなり大きい差異が存在すること、中心反応度価値における矛盾が未だ残されていること、および炉心・反射体境界近傍での詳細な取扱いが肝要であることなどが明白となった。