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佐藤 大樹; 高橋 史明; 遠藤 章; 大町 康*; 宮原 信幸*
Journal of Radiation Research, 49(5), p.503 - 508, 2008/09
被引用回数:7 パーセンタイル:27.16(Biology)中性子の生物影響評価において、生物体内での二次粒子生成を含めた放射線挙動の情報は重要である。本研究ではモンテカルロシミュレーション技術を応用することにより、中性子被ばくにおける生物体内の放射線輸送及びエネルギー沈着過程を解析した。さまざまな照射条件及び照射対象に対する荷電粒子種毎の吸収線量や沈着エネルギーの分布を、汎用粒子輸送コードPHITSを用い計算した。本研究で示すエネルギー沈着過程の微視的な解析は、PHITSのイベントジェネレータモードにより実現されたものであり、従来の線量計算手法では不可能であった。サイズの異なる球ファントムへの中性子照射シミュレーションから、電子の吸収線量への寄与が、ファントムのサイズ増加及び照射中性子のエネルギー減少に伴い増加することを明らかにした。また、マウスのボクセルファントムへの2.0MeV中性子照射により、マウス体内では吸収線量は均一に分布し、おもに荷電重粒子によりエネルギーを沈着することを示した。これらの計算を通して、モンテカルロシミュレーションが、中性子被ばくにおける電子及び重荷電粒子による線量寄与の解析に有用であることがわかった。
佐藤 大樹; 高橋 史明; 遠藤 章; 大町 康*; 宮原 信幸*
JAEA-Conf 2007-002, p.59 - 65, 2007/02
現在、中性子の生物影響評価にはマウスをはじめとする動物実験から得られたデータが利用されている。このデータを適切にヒトに応用するためには、マウスとヒトの解剖学的な構造差を考慮した解析が必要である。本研究では、マウスの幾何形状を精密に再現した数値モデルと粒子輸送シミュレーションコードを用いて、さまざまなエネルギーの中性子照射における体内放射線場の特性を解析する手法を確立した。これにより、マウスの中性子照射実験データのより詳細な解析が可能となった。
佐藤 大樹; 高橋 史明; 遠藤 章; 山口 恭弘; 大町 康*; 宮原 信幸*
no journal, ,
中性子の生物影響評価において動物実験から得られたデータをヒトに応用するために、マウスのボクセルファントムを開発し、粒子輸送シミュレーションにより体外及び体内放射線場の特性を解析した。実験動物用マイクロX線CTで取得した画像データを、原子力機構でBNCT線量評価用に開発されたJCDSコードを用い、3次元ボクセルデータへ再構築した。このボクセルデータをもとに、PHITSコードを用い粒子輸送計算を行った。本研究により、マウスの照射実験に基づく生物学的効果比(RBE)を詳細に評価するために必要となる体内の放射線場を詳細に解析することが可能となった。
佐藤 大樹; 高橋 史明; 遠藤 章; 大町 康*; 宮原 信幸*
no journal, ,
中性子照射における体内放射線場を、汎用粒子輸送コードPHITSを用いてシミュレーション解析した。吸収線量への粒子ごとの寄与割合の解析から、照射対象の体積増加及び照射中性子の運動エネルギー減少に伴い電子の相対的寄与が大きくなることを示した。また、中性子照射動物実験のシミュレーション解析のため、CT画像をもとにマウスの精密計算モデルを開発した。このモデルを用い、マウス体内での損失エネルギーの空間分布及び体内で生成される荷電粒子のエネルギー分布を解析した。核分裂反応から放出される中性子のピークエネルギーに相当する2MeVの中性子照射では、損失エネルギーはマウス体内に均一に分布し、二次陽子を介したエネルギー移行が支配的であることを明らかにした。
佐藤 大樹; 佐藤 薫; 高橋 史明; 遠藤 章; 宮原 信幸*; 辻 厚至*; 大町 康*
no journal, ,
ボクセルファントムと汎用放射線輸送コードPHITSを用いて、中性子照射におけるマウスとヒトの臓器吸収線量を解析した。本研究では既に8週齢のC3H/HeNrsマウスのボクセルファントムを開発しているが、今回はボクセルファントムの解像度を以前の約1000倍(ボクセルサイズ: 0.10.10.1mm)に向上させるとともに、9種類の実質臓器を新たにモデル化した。また、原子力機構が開発した日本人をモデルにした精密ボクセルファントムJMをPHITSコードに組み込み、単一エネルギー中性子に対する単位中性子フルエンスあたりの各臓器の吸収線量を計算した。マウスとヒトの臓器吸収線量及びそれに寄与した荷電粒子種ごとの付与エネルギー分布の解析から、同一条件の中性子照射について、同一臓器の吸収線量であっても、マウスに比べヒトの方が電子の相対的な寄与が大きいことを示した。これは、体型の大きなヒト体内において中性子がより減速されやすく、熱中性子捕獲反応の割合が増加したためである。臓器吸収線量及びそれに寄与する粒子の特徴を、マウスとヒトモデルについて臓器ごとに比較し報告する。