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松田 雅昌; 平賀 晴弘*; 藤田 全基*; 太田 聡一*; 脇本 秀一; 山田 和芳*
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 69(12), p.3181 - 3183, 2008/12
被引用回数:1 パーセンタイル:7.42(Chemistry, Multidisciplinary)われわれは、中性子散乱実験によりLaSrCuO低ドープ領域の静的スピン相関に対する不純物効果の研究を行った。その結果、Zn置換は非整合度をわずかに減少させるのに対して、Ni置換は非整合度を大きく減少させるうえにネール秩序を復活させることがわかった。これは、Ni置換によりホールの局在化が起こっていることを示唆する。つまり、NiがNiあるいはNiとホールが束縛状態を形成しZhang-Rice的な性格を持つ状態になっていると考えられる。われわれは、このような振る舞いがLaSrCuO()の広い領域に渡って共通に見られることを明らかにした。
平賀 晴弘*; 太田 聡一*; 脇本 秀一; 松田 雅昌; 山田 和芳*
Journal of the Physical Society of Japan, 76(7), p.074703_1 - 074703_6, 2007/07
被引用回数:17 パーセンタイル:65.81(Physics, Multidisciplinary)超伝導-絶縁体境界付近に位置するLaSrCuO(0.05x0.07)の格子非整合磁気相関へのNi不純物効果を、中性子散乱実験により調べた。この領域の試料は、CuO正方格子の縦と斜めの両方向への磁気変調が共存しているが、極少量のNi不純物置換により、両磁気変調に起因する格子非整合ピークが、のブロードなピークへと変化した。その際、モデル計算により、Ni置換により両磁気変調の格子非整合性が減少して行くことで説明できることを示した。また、さらにNi置換を行うとにシャープな磁気ピークが現れ、3次元磁気長距離秩序が現れることを見いだした。これらの結果は、ホールの数がNi置換により減少し、近似的に有効ホール濃度が(はNi濃度)と書くことで説明可能である。これはNi不純物がNiで導入されることを示しており、不純物にホールが束縛される極限的な状態である。これまでに研究された磁性・非磁性不純物も不純物近傍にホールが局在することが示唆されており、今後の不純物効果の研究の指標となる。