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杉本 朋子*; 太齋 久美子*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 和田 成一; 浜田 信行*; 柿崎 竹彦; 小林 泰彦; 東谷 篤志*
International Journal of Radiation Biology, 82(1), p.31 - 38, 2006/01
被引用回数:41 パーセンタイル:93.16(Biology)重イオンマイクロビームを用いて線虫生殖細胞系の放射線影響、特にDNA損傷によるアポトーシスと細胞周期の停止とバイスタンダー効果について検討した。雌雄同体の線虫に存在する前後2つの生殖腺の後部パキテン核に対してのみ炭素イオンマイクロビームを照射する区と、生殖腺から離れた尾部に対して照射する区を設け、照射5時間後に、前後それぞれの生殖腺にみられるアポトーシス死細胞の数について測定を行った。その結果、尾部に照射した場合、野生型並びにabl-1欠損変異体のいずれにおいても、非照射区と比較して、前後の生殖腺での死細胞数の有意な増加は認められず、また、後部の生殖腺パキテン核に対して照射した場合は、照射された側のみで、アポトーシス死細胞の増加が観察された。以上の結果から、線虫の生殖細胞形成時のパキテン期チェックポイント機構によるアポトーシスに関しては、同一個体内での間接的な効果、バイスタンダー効果によりアポトーシスが誘導される可能性は低いことが示唆された。
東谷 篤志*; 杉本 朋子*; 太齋 久美子*; 森 ちひろ*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 和田 成一*; 小林 泰彦
no journal, ,
モデル生物の1つである線虫Cエレガンスを用いて、生殖細胞系の放射線影響、特にDNA損傷によるアポトーシスと細胞周期の停止とバイスタンダー効果について検討した。雌雄同体の線虫に存在する前後2つの生殖腺の後部パキテン核に対してのみ炭素イオンマイクロビームを照射する区と、生殖腺から離れた尾部に対して照射する区を設け、照射5時間後に、前後それぞれの生殖腺にみられるアポトーシス死細胞の数について測定を行った。その結果、尾部に照射した場合、野生型並びにabl-1欠損変異体のいずれにおいても、非照射区と比較して、前後の生殖腺での死細胞数の有意な増加は認められず、また、後部の生殖腺パキテン核に対して照射した場合は、照射された側のみで、アポトーシス死細胞の増加が観察された。以上の結果から、線虫の生殖細胞形成時のパキテン期チェックポイント機構によるアポトーシスに関しては、同一個体内での間接的な効果、バイスタンダー効果によりアポトーシスが誘導される可能性は低いことが示唆された。
森 ちひろ*; 杉本 朋子*; 太齋 久美子*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 和田 成一*; 小林 泰彦; 一石 英一郎*; et al.
no journal, ,
線虫に過剰な放射線照射をすると、生殖腺内の減数分裂前期パキテン期の細胞でアポトーシスが誘導される。ヒトの原ガン遺伝子c-Abl1はTyrosine kinaseとしてDNA修復の制御に関与している。さらに、線虫のabl-1欠損変異株においては、放射線照射後、生殖腺でのアポトーシスが野生株に比べ高頻度に誘導されることから、アポトーシス誘導に対して負に制御することが示唆されてきた。そこで本研究では、線虫DNAマイクロアレイを用いて、野生株とabl-1に放射線を照射し、放射線応答とabl-1の制御下にある遺伝子群の網羅的な発現解析を行った。さらに、TIARAの重イオンマイクロビーム細胞照射装置により、生殖腺内の局部照射を行った。その結果、生殖腺パキテン期の部位に照射したときにのみアポトーシスは誘導され、組織特異的な放射線応答の研究に同技術が有効であることが認められた。
東谷 篤志*; 森 ちひろ*; 杉本 朋子*; 太齋 久美子*; 坂下 哲哉; 舟山 知夫; 柿崎 竹彦; 浜田 信行*; 和田 成一*; 小林 泰彦
no journal, ,
モデル生物の1つである線虫Cエレガンスは、多細胞真核生物として全ゲノム解読が最初に行われるとともに、さまざまな遺伝的突然変異体の単離やRNA干渉法による網羅的な逆遺伝学的解析がなされている。さらに、世代交代期間が約3日と短く、発生過程における全細胞系譜が明らかにされていることが特徴としてあげられる。私たちは、成虫においてもその体長が約1mmと比較的小さく、透明で各細胞・組織を低倍率の顕微鏡下で観察できることから、マイクロビームを用いた局部的な放射線照射の生物影響を調べるうえでも格好の材料と考えている。そこで、TIARAの重イオンマイクロビーム照射装置を用いて、おもにCエレガンスの生殖細胞系における放射線応答に関する研究を展開してきた。これまでの実験系とその成果,生殖腺幹細胞における細胞周期の停止とアポトーシスについて紹介するとともに、今後の方向性についても議論する。