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栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 藻垣 和彦; 小原 祥裕; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.410 - 423, 2002/09
被引用回数:49 パーセンタイル:93.12(Nuclear Science & Technology)JT-60用500keV負イオンNBI装置は、世界で初めての負イオンNBIシステムとして1996年に運転が開始された。イオン源での放電破壊時に発生するサージ電圧によるイオン源や電源で頻発したトラブルの克服、負イオン源の運転パラメータの最適化などを行いながらビーム性能を向上させた。また大型負イオン源での大きな開発課題であったソースプラズマの非一様性に対して、これを解決するための幾つかの対策を試みられた。この結果、 重水素で403keV, 17A、水素で360keV, 20Aの負イオンビームが得られた。また重水素ビームでの入射パワーもイオン源2台により400keVで5.8MWまで上昇した。
河合 視己人; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 椛澤 稔; 栗山 正明; 藻垣 和彦; 大賀 徳道; 大原 比呂志; et al.
JAERI-Tech 2001-073, 98 Pages, 2001/11
JT-60U用負イオンNBI装置(N-NBI)は、世界初の負イオン源を用いた高エネルギー中性粒子入射加熱装置で、JT-60Uにおけるプラズマ中心部の高密度領域でのビーム電流駆動と加熱の実験を行うことを目的に、1996年3月に完成した。N-NBIは、イオン源2台,ビームライン1基,イオン源用電源,その他の設備から構成され、装置の建設終了後、イオン源や電源の調整試験や改良を行いながら初期プラズマ加熱実験を行った。1997年9月より本格的加熱実験を開始し、ビーム性能向上のための試験を行いながら、現在までに最大400keV,5.8MWの重水素ビームのプラズマへの入射を達成した。現在もビームエネルギー,及び入射パワーの増大のために各種改良を加えながら入射実験を行っている。
伊藤 孝雄; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; Hu, L.*; 河合 視己人; 椛澤 稔; 栗山 正明; 日下 誠*; et al.
Fusion Engineering and Design, 51-52, p.1039 - 1047, 2000/11
被引用回数:15 パーセンタイル:68.65(Nuclear Science & Technology)JT-60用負イオンNBI装置では高エネルギーの中性粒子ビーム入射運転を出力上昇運転と並行して行っている。ここでは、ビーム特性の評価がビームパワー増加及び最適化のために重要である。この評価のため、ビームラインからの中性子発生量、ビーム発散、ビームラインの熱負荷及び対向面上ビーム分布を使用した。中性子発生量は重水素ビームパワーに比例するので、重水素負イオン電流の状況を簡単に把握できる。NBIのドリフトダクトとイオンダンプで見積もられたビーム発散及び機器の熱負荷はイオン源の運転パラメータ最適化及び入射ビームパワー評価のため使った。ドリフトダクトで測定したビーム発散は設計値の5ミリラジアンにほぼ一致していた。対向面の熱負荷分布はビーム軸を求めるために使われる一方中性粒子ビームの分布を監視するうえでも有効であった。
河合 視己人; Grisham, L. R.*; 伊藤 孝雄; 椛澤 稔; 栗山 正明; 藻垣 和彦; 奥村 義和; 渡邊 和弘
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.755 - 757, 2000/02
被引用回数:10 パーセンタイル:55.17(Instruments & Instrumentation)JT-60U N-NBI用負イオン源は、500keV、22A、10秒間のビーム加速性能を持ち、負イオン生成部、引出部、加速部から構成される。負イオン生成部はセシウム添加型体積生成方式を採用しており、アークチャンバは半円筒形状で、その内径は64cm、内側の長さ122cmで、プラズマの一様性は10%以下を目標としている。可動プローブによるビームプロファイル測定や8系統のアーク放電電流比較の結果、不均一性の大きいことがわかった。この不均一性改良のため、(1)フィラメント加熱電力増大及びビーム引出前プリアーク時間の延長、(2)8系統のアーク電源限流抵抗値の調整を行った。(1)の結果、アンバランス量及び電流時間変化を抑制でき、かつ、ビーム電流の安定性も改善できた。(2)の結果、限流抵抗値調整により電流アンバランス補正に有効な初期データを得られた。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.751 - 754, 2000/02
被引用回数:21 パーセンタイル:72.69(Instruments & Instrumentation)500keVで10MW入射を目標とするJT-60用イオンNBIは、1996年以来約3年間運転している。このNBIでのイオン源当たりの出力としてこれまでは負イオン水素ビームで360kV,18.5Aの加速を行っており、またJT-60プラズマへの入射実験では、5.2MWの中性ビーム入射を果している。イオン源及びビームラインでのパワーフロー測定結果によると、加速ビームの30~40%が三段加速の電極で失われている。このロスの大部分はビーム自身の各電極への直接衝突によって生じている。アークチャンバー側壁のカスプ磁場による偏向の影響を最小にするため、引出し領域の両端(全引出し面積の約10%)をマスクしたところ、このロスは約30%減少した。このロスをさらに小さくするための原因究明の研究を続けている。
Hu, L.*; 秋野 昇; 海老沢 昇; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 栗山 正明; 日下 誠*; 藻垣 和彦; et al.
JAERI-Tech 99-057, 16 Pages, 1999/08
JT-60では、負イオンNBI(N-NBI)を使った高エネルギー中性ビーム入射実験が進められている。N-NBIの目標性能は、500keVで10MWのビームを入射することであり、これまでに350keVで5.2MWのビーム入射を達成している。ビーム発散、ビームライン機器への熱負荷は、ビーム性能を評価する上できわめて重要な項目である。JT-60へのビーム入射実験中にドリフト管で評価した発散は、水平方向で4mrad、垂直方向で6mradであり、これは設計値の5mradに近い値である。ビームライン機器への熱負荷測定値も設計値と比べて妥当な値である。
松永 武; 上野 隆; R.Chandradjith*; 天野 光; 奥村 稔*; 橋谷 博*
Chemosphere, 39(2), p.269 - 283, 1999/00
被引用回数:13 パーセンタイル:34.68(Environmental Sciences)湖底堆積物へのグローバルフォールアウトCs並びに農薬起源の水銀の流入フラックスの解析を行った。対象地域は島根県斐伊川河口に位置する宍道湖と中海である。1954年以来のグローバルフォールアウトCsの地表面降下量データと年代付けした堆積物中Csの堆積量の解析から、1)地表面土壌浸食に伴う流入、2)湖水面への降下分の保持量、3)湖からの流出量の3つのフラックスを評価した。水銀については、流域農地における使用量推定値から湖底への蓄積割合を評価した。本研究により、地表面の汚染物質は、その土壌への供給が停止した後であっても、土壌浸食に伴い蓄積成分が流入する過程を通じ、表面水系に長期的汚染をもたらすことが示された。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.133 - 136, 1999/00
JT-60用負イオン源は、これまでイオン源などの運転パラメータの最適化を行いながらビームパワーを徐々に増大させてきた。しかし、さらにビームパワーを増大させるためにはイオン源や電源にかかわるいくつかの課題を解決しなければならない。イオン源での課題の一つは、加速電極への過大な熱負荷である。この加速電極でのビームロスは加速ビームの40%にも達する。この電極への高熱負荷の原因を、ソースプラズマの一様性を測定しながら、イオン源での磁場、ガス圧等を変化させながら調べた。この結果、熱負荷過大の大きな原因として、ソースプラズマの一様性が悪いことによるビーム発散の悪化にあることがわかってきた。この対策として、ソースプラズマ生成部のアーク電流分布の調整が有効であることも判明した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; H.Liquen*; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 藻垣 和彦; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(11), p.739 - 749, 1998/11
被引用回数:39 パーセンタイル:92.5(Nuclear Science & Technology)高密度プラズマでの中心加熱・電流駆動実験のために開発を進めてきたJT-60用負イオンNBIについて報告する。本負イオンNBIは、平成4年に建設を開始し、平成8年に完成した。完成後直ちに、負イオン源、ビームライン、イオン源用電源の調整、改良を行いながら、負イオンビーム出力の増大に努めると共にJT-60へのビーム入射運転を行ってきた。これまでにイオン源単体でのビーム出力として、水素負イオンで360kV,18.5Aを得ている。また、JT-60への入射パワーとしては、重水素ビームで350keV,5.2MW、水素ビームで360keV,4.2MWを達成している。本報告では、先ず、本負イオンNBI装置開発の経緯、設計及び建設について述べ、装置完成後の調整試験、ビーム出力増大のためのイオン源、電源等の運転パラメータの最適化、及びこれまでに得られた結果について述べる。
栗山 正明; 秋野 昇; 磯崎 信光*; 伊藤 孝雄; 井上 多加志; 薄井 勝富; 海老沢 昇; 大島 克己*; 小原 祥裕; 大原 比呂志; et al.
Fusion Engineering and Design, 39-40, p.115 - 121, 1998/00
被引用回数:36 パーセンタイル:91.63(Nuclear Science & Technology)JT-60用負イオンNBI装置によるプラズマへのビーム入射が1996年3月から開始された。本NBIによる最初のビーム入射(180keV,0.1MW/0.4秒)が1996年3月に成功して以来、負イオン源及び加速電源の運転パラメータを最適化することによりビーム出力の増大を図ってきた。同年9月には、重水素ビームにより、2.5MW/350keV/0.9秒/2台イオン源の中性ビーム入射を行った。同時に負イオンビームの中性化効率が250~370keVの範囲で60%であることを確認した。更に1997年1月~2月の運転では、イオン源1台により水素ビームで3.2MW/350keVのビーム入射を達成した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; H.Liquen*; et al.
Fusion Technology 1998, 1, p.391 - 394, 1998/00
JT-60では、高密度プラズマでの中心加熱・電流駆動研究を目的として500keV負イオンNBIの開発を進めている。本負イオンNBIは、平成8年3月の装置完成以来、負イオン源、ビームライン、イオン源用高電圧電源の調整、改良を行いながら、負イオンビーム出力の増大に努めてきた。イオン源単体でのビーム出力として、これまでに水素負イオンビームで360keV、18.5A、重水素で380keV、14.3Aまで得ている。また、JT-60への入射パワーとして重水素中性ビームで5.2MW,350keVを達成している。本報告では、負イオンビーム出力増大のためのイオン源運転パラメータの最適化、及び負イオンNBIの技術的課題の解決策等について発表する。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 花田 磨砂也; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 小泉 淳一*; et al.
Proceedings of 17th IEEE/NPSS Symposium Fusion Engineering (SOFE'97), 1, p.405 - 408, 1998/00
JT-60用負イオンNBI装置は、NBI電流駆動による定常化研究及びプラズマの中心加熱での閉じ込め性能向上を目指したもので、500keV,10MW,10秒の性能を目標とする世界初の負イオンNBIである。この負イオンNBIは、1996年初めに完成した後、1996年3月に最初のビーム入射に成功した。以後、イオン源、ビームライン及びイオン源用電源の最適化を行いながらビーム出力の増大を図り、これまでイオン源出力として重水素ビームで400keVで13.5A、水素ビームで350keVで18.4Aの負イオンビーム出力を達成している。またJT-60への入射パワーに関しては、1996年9月には重水素ビームで350keVで2.5MW、1997年2月には水素ビームで3.2MWのビーム入射を果たし、これまでの実験は、プラズマ中での高エネルギー粒子の挙動がほぼ理論的に予測されたとおりになっている。
渡邊 和弘; 秋野 昇; 青柳 哲雄; 海老沢 昇; 藤原 幸雄; 本田 敦; 井上 多加志; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; et al.
Radiation Physics and Chemistry, 49(6), p.631 - 639, 1997/00
被引用回数:3 パーセンタイル:30.37(Chemistry, Physical)核融合プラズマの加熱や定常維持のために、0.5~1MeV、数十MWの中性粒子入射装置(NBI)が要求されている。このようなシステムの実現のため、大出力の負イオンビーム開発を進めている。JT-60U用500keV、10MW入射予定の負イオンNBI装置ではビーム出力試験が開始され、400keV、13.5A、0.12Sの世界最高のDビーム電流、電力発生に成功した。さらに、1MeV級の負イオン加速管の開発では、805keVで加速電流150mA/sのHビーム加速に成功した。
上野 隆; 天野 光; R.L.R.Chandrajith*; 奥村 稔*
The Fate of Mercury in Gold Mining and Measures to Control the Evironmental Pollution in Various Con, 0(0), p.52 - 60, 1996/11
原子力の平和利用及び環境安全評価の観点から、環境中の放射性核種のみならず安定元素(重金属・有害元素等)についても、リスクを同等に評価することが必要である。また、湖沼は流域からの移行を反映して堆積物中に汚染等の歴史を残すため汚染調査の面からも解析が重要である。これらの研究に至るステップとして3つの湖底堆積物中の放射性核種及び水銀の鉛直分布を求めた。また、Pb-210を用いて堆積速度を求め、堆積物各層の年代を測定した。その結果、フォールアウト核種であるCs-137及び水銀の濃度にピークがみられ、その年代から、Cs-137については、地表面蓄積量のピーク年代と一致すること、水銀については1950から1960年代に広く使用された水銀を含む農薬の使用による影響が示唆された。このように湖底堆積物は流域の環境の状況を反映しており、環境モニタリングにおいて重要な測定対象であることが明らかになった。
渡邊 和弘; 海老沢 昇; 藤原 幸雄; 本田 敦; 井上 多加志; 椛澤 稔; 栗山 正明; 宮本 賢治; 宮本 直樹*; 藻垣 和彦; et al.
16th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering (SOFE '95), 1, p.642 - 645, 1996/00
MeV級の大出力中性粒子入射装置(NBI)実現のために、多孔多段型の高エネルギー負イオン静電加速器の開発を行っている。まず、アンペア級負イオンのMeV級加速実証を行うために、出力1MV、1Aの世界最大出力のコッククロフトウォルトン高圧発生器で構成されるMeV級イオン源試験装置(MTF)を建設し、MeV級試験体を用いて水素負イオンの加速実験を開始した。MeV級試験体は負イオン生成部と5段の静電加速部から構成され、これまでに700keVで加速電流230mA、1秒のビーム加速に成功した。また、負イオンビーム光学については3段の加速器を用いて詳細に調べ、ビーム発散角5mrad以下の極めて集束性の良いビームを350keVの高エネルギーで得た。加速電極の熱負荷についても、許容値内に充分に低減できることを明らかにした。
栗山 正明; 青柳 哲雄; 秋野 昇; 磯崎 信光*; 伊藤 孝雄; 井上 多加志; 宇佐美 広次*; 薄井 勝富; 海老沢 昇; 大島 克己*; et al.
日本原子力学会誌, 38(11), p.912 - 922, 1996/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)500keV・10MWの性能をもつJT-60用負イオンNBI装置が1996年3月に完成し、ビーム入射実験を開始した。この装置は、国際熱核融合実験炉(ITER)の加熱と電流駆動の有力な方式として考えられている負イオンを使ったNBI装置を世界で初めて実現したもので、ITERにおける負イオンNBIの物理的及び技術的妥当性を実証することを目的としている。このNBIシステム全体の完成に先立って、装置の一部を使って負イオン生成・加速の性能確認を目的とするイオン源と電源の組み合わせ試験を実施した。1995年6月から10月の間に実施したこの試験において400keV、13.5A(5.4MW)の世界最高の重水素負イオンビーム加速を達成した。このNBIの全体システムの据付が1995年12月に終了し、1996年3月にJT-60への最初のビーム入射に成功した。
R.L.R.Chandrajith*; 上野 隆; 天野 光; 奥村 稔*
6th Int. Conf. on the conservation and Management of Lakes-Kasumigaura 95, 0, p.1048 - 1051, 1995/00
環境中の放射性核種の移行に関する研究の一環として環境中の重金属・有害元素の分布・移行を調査してきている。今回は湖底堆積物中の水銀を対象としてその鉛直分布とその年代を求めることを目的とした。日本国内の琵琶湖(滋賀県)、中海(島根県)、宍道湖(島根県)の湖底から柱状堆積物試料を採取、振動別に切断を行い分析した。これらの堆積物中の水銀の濃度を冷原子吸光法により求め、Pb、Csの放射能をGe検出器による線スペクトロメトリーにより定量を行い、堆積物の年代を決定し、各堆積物中の水銀濃度の鉛直分布及びその堆積年代を明らかにした。その結果、いずれの試料においても1950年代から1960年代に堆積した部分に水銀濃度のピークがあり、そのころ農薬として使われた水銀を含む化学薬品の使用がその原因となっている可能性が示唆された。
栗山 正明; 秋野 昇; 荒木 政則; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; 小泉 淳一*; 国枝 俊介; et al.
Fusion Engineering and Design, 26, p.445 - 453, 1995/00
被引用回数:43 パーセンタイル:95.65(Nuclear Science & Technology)JT-60Uでの高密度電流駆動実験の駆動装置として負イオン源を使用した高エネルギーNBI装置が建設されようとしているが、本報告は、この負イオンNBI装置の建設について述べたものである。負イオンNBI装置は、ビームエネルギー500keVで10MWの中性ビームを10秒間入射するもので、世界で最初の負イオン源を使用した高エネルギーNBI装置となるものである。このNBI装置は、全長24mのビームライン、大電流の負イオンを生成/引出すための負イオン生成/引出し電源、500kV/64Aの出力を有する加速電源及び制御系等から構成される。水冷却系、液体ヘリウム/液体窒素の冷媒循環系、補助真空排気系などの設備は、既設JT-60NBIのものを共用する。講演では、本NBI装置の設計及び建設の現状について発表する。
栗山 正明; 秋野 昇; 荒木 政則; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 河合 視己人; 椛澤 稔; 小泉 淳一*; 国枝 俊介; et al.
15th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering,Vol. 1, 0, p.470 - 473, 1993/00
JT-60Uでは、トカマク装置の定常化を目的として炉心レベル高密度プラズマでのNBI電流駆動実験を計画している。この電流駆動実験のドライバーとして高エネルギー負イオンNBI装置の建設が開始された。この負イオンNBI装置は、ビームエネルギー:500keV,入射パワー:10MW,ビームパルス幅:10秒,の性能を持つもので、2台の大型負イオン源を装着した長さ24mのビームライン、大電流負イオンを生成するための負イオン生成電源、生成された負イオンを500keVまで加速するための加速電源等から構成される。負イオンNBI装置は、その建設を2期に分けた。第1期では、製作後の試験調整に長時間を必要とする負イオン源、高電圧直流電源を製作する。第2期では、JT-60へのビーム入射に必要なビームライン等を製作する。講演では、本負イオンNBI装置の設計及び建設状況について発表する。
栗山 正明; 小原 祥裕; 秋野 昇; 海老沢 昇; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 樫村 隆則*; 伊藤 優*; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; et al.
Fusion Technology 1992, Vol.1, p.564 - 568, 1993/00
原研では、正イオン及び負イオンNBIシステムの研究開発が行なわれている。正イオンNBIは、準垂直入射用NBIと接線入射用NBIから構成されている。10基のビームラインから成る準垂直入射NBIは、ビームエネルギー120keVで29MWの重水素中性ビームを入射することを目標とするもので、現在までに90~95keVのビームエネルギーで23MWまでのパワーを入射している。4基のビームラインから成る接線入射NBIは、既設の準垂直NBIを改造したもので、新規に製作したのはビームラインタンク、漏洩磁場打消コイル等のみで、主要なコンポーネントであるイオン源、中性化セル、偏向磁石、ビームダンプ等は配置を変えるだけで再使用している。重イオンNBIに関しては、JT-60U用及びITER用のためにR&Dが進められている。これらのR&D結果を基に500keV/10MWの負イオンNBIシステムが建設される。