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山本 真吾*; 藤井 拓斗*; Luther, S.*; 安岡 弘志*; 酒井 宏典; Brtl, F.*; Ranjith, K. M.*; Rosner, H.*; Wosnitza, J.*; Strydom, A. M.*; et al.
Physical Review B, 106(11), p.115125_1 - 115125_5, 2022/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)Ga核四重極共鳴法によって、CeRhGaにおける130Kの構造相転移と基底状態について調べた。構造相転移点で、NQR共鳴線の分裂を観測し、構造相転移転移点以下ではGaサイトが結晶学的に2つになることがわかった。NQR周波数は、電子状態計算による予測値を一致した。低温0.3Kまで、磁気秩序が起こらないことを明らかにした。また、構造相転移点以下2Kまでは、NQR緩和率は一定であるが、2K以下でコリンハ則の振る舞いにクロスオーバーする。2Kという特徴温度に加えて、は、0.8Kという特徴温度も示しており、2つのCeサイトによる異なる近藤温度の可能性について議論した。
Dioguardi, A. P.*; 安岡 弘志*; Thomas, S. M.*; 酒井 宏典; Cary, S. K.*; Kozimor, S. A.*; Albrecht-Schmitt, T. E.*; Choi, H. C.*; Zhu, J.-X.*; Thompson, J. D.*; et al.
Physical Review B, 99(3), p.035104_1 - 035104_6, 2019/01
被引用回数:8 パーセンタイル:37.59(Materials Science, Multidisciplinary)正方晶プルトニウムボロン化合物PuBの単結晶、および粉末試料を用いて、Pu核核磁気共鳴(NMR)実験を行なった。この化合物は、最近になって強相関電子系のトポロジカル絶縁体候補物質と考えられている。Pu核NMRスペクトルは、結晶内Pu位置の局所対称性を反映したものとなっており、NMRシフトとNMR緩和率の温度依存性は、エネルギーギャップをもつ非磁性状態にあることが示唆された。これは、密度汎関数理論計算結果とも矛盾しない。実際に観測された巨視的なギャップ状態は、本化合物がトポロジカル絶縁体候補であることを支持している。
安岡 弘志; 久保 徹郎*; 岸本 恭来*; Kasinathan, D.*; Schmidt, M.*; Yan, B.*; Zhang, Y.*; 籐 秀樹*; Felser, C.*; Mackenzie, A. P.*; et al.
Physical Review Letters, 118(23), p.236403_1 - 236403_6, 2017/07
被引用回数:29 パーセンタイル:82.8(Physics, Multidisciplinary)Ta四重極共鳴(NQR)法を用いてワイル半金属TaPの微視的磁気特性を調べた。核スピン=7/2のTa核におけるエネルギー準位の四極子分裂間の遷移に基づく3つのゼロ磁場NQR信号を見出した。四重極結合定数= 19.250MHz、および電場勾配の非対称パラメータ= 0.423は理論計算とよく一致する。磁気励起を調べるために、線(遷移)のスピン格子緩和率()の温度依存性を測定した。異なる緩和プロセスを有する2つの領域が存在することを見出した。*30K以上においては、温度に依存する軌道超微細結合とワイルノードによる磁気励起に起因する(の振る舞いが見出された。*の下では、緩和は、()=定数のKorringaプロセスによって主に支配されるが、我々の実験データを再現するためにはの依存性を含まなければならない。我々は、Ta-NQRがバルクワイルlフェルミオンとそれらの励起のための新規プローブであることを示す。
酒井 宏典; Ronning, F.*; 服部 高典; 徳永 陽; 神戸 振作; Zhu, J.-X.*; Wakeham, N.*; 安岡 弘志; Bauer, E. D.*; Thompson, J. D.*
Journal of Physics; Conference Series, 807(3), p.032001_1 - 032001_6, 2017/04
被引用回数:3 パーセンタイル:68.62(Physics, Condensed Matter)量子臨界金属CeCoInのInを少量のCdで置換した時の電子状態を核四重極共鳴(NQR)を用いて調べた。およそ半分のCd置換子周りで局所的にCeの局在モーメントが発生することを、縦緩和率のサイト依存性から明らかにした。横緩和率の測定も行い、局在スピン周りでは、が温度に比例し、一方、置換子から離れたところでは、となっており、純CeCoInのに近く、バルクの電子状態は量子臨界状態のままである。
安岡 弘志; 元屋 清一郎*; Majumder, M.*; Witt, S.*; Kerllner, C.*; Baenitz, M.*
Journal of the Physical Society of Japan, 85(7), p.073701_1 - 073701_4, 2016/07
被引用回数:3 パーセンタイル:27.79(Physics, Multidisciplinary)The microscopic magnetism in the helical, the conical and the ferromagnetically polarized phases in an itinerant helical magnet, MnSi, has been studied by an ex-tended Si NMR at zero field and under external magnetic fields. The temperature dependence of staggered moment, ), determined by the Si NMR frequency, , and nuclear relaxation rate, 1/ () is in general accord with the SCR theory for weak itinerant ferromagnetic metals and its extension. The external field dependence of resonance frequency, ), follows a vector sum of the contributions from atomic hyperfine and macroscopic fields with a field induced moment characteristic to the itinerant magnets. A discontinuous jump of the resonance frequency at the critical field, , between the conical and the polarized phases has also been found that suggests a first order like change of the electronic states at .
酒井 宏典; Ronning, F.*; Zhu, J.-X.*; Wakeham, N.*; 安岡 弘志; 徳永 陽; 神戸 振作; Bauer, E. D.*; Thompson, J. D.*
Physical Review B, 92(12), p.121105_1 - 121105_5, 2015/09
被引用回数:19 パーセンタイル:62.1(Materials Science, Multidisciplinary)核四重極共鳴(NQR)法を用いて、SnやCdを置換した量子臨界金属CeCoInについて微視的研究を行った。その結果、両置換子によって誘起される局所的電子状態は、かなり異なっていることが分かった。この知見は、一般的に置換系で見られる系毎に異なる非フェルミ液体的挙動を統一的に説明することに役立つかも知れない。
中堂 博之; 小野 正雄; 針井 一哉; 松尾 衛; 家田 淳一; 春木 理恵*; 岡安 悟; 前川 禎通; 安岡 弘志; 齊藤 英治
Applied Physics Express, 7(6), p.063004_1 - 063004_4, 2014/06
被引用回数:44 パーセンタイル:84.37(Physics, Applied)電気的に中性な物体であっても、回転する物体中の粒子には磁場が生じることが予言されている。この磁場をバーネット磁場という。我々は核磁気共鳴法が固体中に生じたバーネット磁場を測定できることを示す。我々は試料とNMR検出コイルを同じ早さで回転させると核磁気モーメントの符号を反映したNMRシフトが生じることを見いだした。この結果はバーネット磁場の直接的証拠である。NMRを用いたバーネット磁場の測定は未知の核磁気モーメントの符号を決定できる。
Koutroulakis, G.*; 安岡 弘志; 中堂 博之; Tobash, P. H.*; Mitchell, J. N.*; Bauer, E. D.*; Thompson, J. D.*
New Journal of Physics (Internet), 16, p.053019_1 - 053019_12, 2014/05
被引用回数:6 パーセンタイル:44.89(Physics, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体PuCoInにおいて、0.29K 75Kの温度領域でIn核四重極共鳴(NQR)測定を行ったので報告する。結晶学的に異なるInサイトのNQRパラメーターを決定し、その温度依存性を調べた。超伝導転移温度以下においてNQR周波数が温度に比例してシフトすることを明らかにし、これは複合対形成模型からの予想と一致する。核スピン格子緩和率は2.3Kで超伝導転移を示し、近傍においてab面内の異方的揺らぎが大きな強結合系超伝導であることを示している。の解析はPuCoInは強結合系d波超伝導体であることを示している。
中堂 博之; Koutroulakis, G.*; 安岡 弘志; Bauer, E. D.*; Tobash, P. H.*; Mitchell, J. N.*; Thompson, J. D.*
Journal of Physics; Condensed Matter, 26(3), p.036001_1 - 036001_5, 2014/01
被引用回数:5 パーセンタイル:23.98(Physics, Condensed Matter)PuInにおけるIn NQR測定の結果について報告する。Inの核スピン=9/2に期待される4本のNQR共鳴線のうちの3本の共鳴線を観測した。20Kにおいて、それらの共鳴線は等間隔であり、そこからNQR周波数MHzと電場勾配の非対称パラメータのが導かれた。14Kにおいて、NQR共鳴線の形状と核スピン緩和率1/は反強磁性転移により変化を生じる。14K以下において、NQRスペクトルより見積もられた内部交番磁化と1/の温度依存性はスピン揺らぎのSCR理論によりよく説明される。さらに、とはSCR理論から予言される通りに比例している。これらの結果はPuInが弱い反強磁性体、すなわち有限温度において反強磁性波数近傍のスピン揺らぎが物性を支配している証拠である。
安岡 弘志; Koutroulakis, G.*; 中堂 博之; Richmond, S.*; Veirs, D. K.*; Smith, A. I.*; Bauer, E. D.*; Thompson, J. D.*; Jarvinen, G. D.*; Clark, D. L.*
Science, 336(6083), p.901 - 904, 2012/05
被引用回数:47 パーセンタイル:85.78(Multidisciplinary Sciences)The spin-1/2 plutonium-239 (Pu) nucleus should in principle be active in nuclear magnetic resonance spectroscopy. However, its signal has eluded detection for the past fifty years. Here, we report observation of a Pu resonance from a solid sample of plutonium dioxide, PuO, subjected to a wide scan of external magnetic field values ( to 8T) at a temperature of 4 Kelvin. By mapping the external field dependence of the measured resonance frequency, we determined the nuclear gyromagnetic ratio (PuO)/2 to be 2.856 0.001 MHz/T. Assuming a free-ion value for the Pu hyperfine coupling constant, we estimated a bare /2 value of approximately 2.29 MHz/T, corresponding to a nuclear magnetic moment of 0.15 (where is the nuclear magneton).
Raumbach, R. E.*; 中堂 博之; 安岡 弘志; Ronning, F.*; Bauer, E. D.*; Thompson, J. D.*
Physical Review B, 85(9), p.094422_1 - 094422_7, 2012/03
被引用回数:31 パーセンタイル:74.69(Materials Science, Multidisciplinary)The temperature-magnetic field (-) phase diagram for the tetragonal compound CeRuAlB, determined from magnetization, specific heat, nuclear magnetic resonance (NMR), and electrical resistivity is reported. This system exhibits localized 4 magnetic ordering at high temperatures where antiferromagnetism is observed at a Nel temperature = 14.2 K and a first-order ferromagnetic transition is observed at a Curie temperature = 12.8 K. The application of a magnetic field results in a rich phase diagram that includes three magnetically ordered phase: (1) antiferromagnetic, (2) canted antiferromagnetic, and (3) ferromagnetic, indicating that there are several finely tuned exchange interaction.
中堂 博之; 徳永 陽; 神戸 振作; 酒井 宏典; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 大貫 惇睦; 安岡 弘志; 青木 大*; 本間 佳哉*; et al.
Physical Review B, 84(9), p.094402_1 - 094402_5, 2011/09
被引用回数:6 パーセンタイル:29.25(Materials Science, Multidisciplinary)Al nuclear spin-lattice relaxation rate 1/ has been measured in heavy fermion superconductor NpPdAl for a wide range of external fields between 0.7 and 11 T. We found that 1/ exhibits a strong, field-dependent behavior at low fields below 3 T, which is attributed to unlike-spin cross relaxation between Np and Al. An analysis based on the cross relaxation process allows us to make the first quantitative estimates of the Np nuclear relaxation rate 1/ in an itinerant 5 electron system. The estimated values of 1/ 6 10 s, with a weak temperature variation, are below the resolution of NMR relaxation times, indicating that a direct observation of the Np NMR signal would be very difficult, at least in the paramagnetic state. It is proposed that a direct observation of Np NMR might be possible in the superconducting state at 1K.
中堂 博之; 安藤 和也*; 斉藤 今朝美*; 岡安 悟; 春木 理恵; 桜庭 裕弥*; 安岡 弘志; 高梨 弘毅; 齊藤 英治
Journal of Applied Physics, 109(7), p.073915_1 - 073915_4, 2011/04
被引用回数:19 パーセンタイル:61.3(Physics, Applied)スピン流の生成及び制御は、スピントロニクス研究分野の基本技術として重要である。近年、強磁性共鳴(FMR)を利用したスピンポンピングがスピン流を生成する手段としてスピントロニクスの基礎,応用研究に広く用いられるようになってきた。本研究では、強磁性材料として高スピン偏極CoMnSi(CMS)に着目し、スピンポンピング実験を行った。測定に用いた試料は単結晶CMS/Ptヘテロ構造薄膜である。CMS層で生成されたスピン流はPt層の逆スピンホール効果によって電流に変換されるので、電極間に生じた起電力を測定しCMSのスピン変換効率を見積もる。測定の結果、FMR共鳴磁場で起電力が最大になっており、磁場方向を反転させると起電力の符号は反転する。このことは逆スピンホール効果の幾何的要因を反映しており、CMSのスピンポンピングで生成されたスピン流がPt層に注入されたことを示唆している。見積もられたスピン変換効率はパーマロイより小さいことがわかった。このことから、スピン変換効率はバルクの分極率ではなく、界面の分極率が重要であると考えられる。
徳永 陽; 酒井 宏典; 中堂 博之; 神戸 振作; 安岡 弘志; 鈴木 博之*; Walstedt, R. E.*; 本間 佳哉*; 青木 大*; 塩川 佳伸*
Physical Review B, 82(10), p.104401_1 - 104401_6, 2010/09
被引用回数:5 パーセンタイル:26.3(Materials Science, Multidisciplinary)PrPbにおける長周期構造を持った四極子秩序の発見は、これまでなかった伝導電子を介した長距離型の四極子間相互作用の存在を示唆しており極めて重要である。この四極子秩序はPrサイトへのわずかなLa置換により消失することが知られている。そこでわれわれはLaを3%ドープしたPrPbにおいてLa NMR測定を行い、La置換がPrPbに与える局所的な影響を微視的に探った。その結果、Laを置換しても最隣接のPrサイトの結晶場は大きく乱されておらず、非磁性の基底状態は保存されていることが確認された。さらにスピン-格子緩和時間の測定から、低温での予期されない磁気揺らぎの発達を観測した。解析の結果、この揺らぎの発達はPr増強核スピンとLa核との強い結合に起因することを明らかにした。
中堂 博之; 酒井 宏典; 徳永 陽; 神戸 振作; 青木 大*; 本間 佳哉*; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 大貫 惇睦; 安岡 弘志
Journal of the Physical Society of Japan, 79(5), p.053704_1 - 053704_4, 2010/05
被引用回数:12 パーセンタイル:59.61(Physics, Multidisciplinary)重い電子系超伝導体NpPdAlのナイトシフトと核スピン格子緩和時間1/を測定したので報告する。1/はとにおいて温度依存性が異なり、かつ大きな異方性を示す。軸磁場方向において1/は温度のベキ乗(T)に従う一方で、軸磁場方向では上部臨界磁場より大きな磁場下において温度に比例する振る舞いを示す。1/の解析から、20K以下で反強磁性的スピン揺らぎが型の異方性を示すことがわかった。
神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 安岡 弘志; 中堂 博之; Walstedt, R. E.*
Journal of Physics; Conference Series, 200, p.012076_1 - 012076_4, 2010/02
被引用回数:1 パーセンタイル:46.67(Materials Science, Multidisciplinary)重い電子系の量子臨界挙動を解明するため、NMRスピン-スピン緩和におけるガウス型緩和率の利用を提案する。スピン-格子緩和率は動的帯磁率と関係しているが、は静的帯磁率と関係している。この2つの量を組合せた量であるが量子臨界の解明に有効であることがわかった。その例として重い電子系USnでの温度依存について議論する。
中堂 博之; 酒井 宏典; 徳永 陽; 神戸 振作; 青木 大*; 芳賀 芳範; 松田 達磨; 本間 佳哉*; 中野 泰典*; 本多 史憲*; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 200, p.012020_1 - 012020_4, 2010/02
被引用回数:3 パーセンタイル:74.25(Materials Science, Multidisciplinary)NpPdAlとCePdAlに対して行ったPd NQR実験の結果を報告する。両物質の非秩序状態である6Kにおいて、4本の共鳴線から構成されるPdの信号を観測した。それらの信号は、結晶学的に非等価な二つのPdサイトからのとの遷移に対応している。Pd NQRスペクトルを解析し、核四重極周波数,非対称変数,電場勾配Vを見積もった。
神戸 振作; 酒井 宏典; 徳永 陽; 中堂 博之; 安岡 弘志; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 池田 修悟; 中村 彰夫; 山本 悦嗣; et al.
Journal of Nuclear Materials, 385(1), p.1 - 3, 2009/03
被引用回数:1 パーセンタイル:10.22(Materials Science, Multidisciplinary)5f電子系では新奇な超伝導や磁性が電子相関や軌道縮退の効果で低温で見られる。例えば、われわれはNpPdAl(=5K)とPuRhGa(=9K)を各種測定手段で研究した。また、新奇超伝導と磁気揺らぎの関係についても考察する。それ以外には、二酸化アクチノイドAnO(An; U, Np, Pu, Am)も大変興味深い。O-NMRを用いて、UOの双極子+四極子,NpOの四極子+八極子を解明した。一方、PuOは非磁性である。このように5f電子系は低温物理学の最後の未踏領域として、魅力ある分野であるのでその展望も述べる。
酒井 宏典; 神戸 振作; 徳永 陽; 中堂 博之; 常盤 欣文*; 青木 大*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦; 安岡 弘志
Physical Review B, 79(10), p.104426_1 - 104426_7, 2009/03
被引用回数:6 パーセンタイル:29.51(Materials Science, Multidisciplinary)立方晶AuCu型構造を持つ反強磁性体UInにおいて、In核核磁気共鳴(NMR),核四重極共鳴(NQR)法による研究を行った。ナイトシフト,NQR周波数をNMR法により決定し、超微細結合定数を見積もった。ゼロ磁場下で、NQRスペクトルの観測も行った。NQR緩和率は、反強磁性転移温度()よりずっと上で、温度に関してほぼ一定の振る舞いをし、局在5電子の存在を示唆した。また以下4Kにおいて、反強磁性秩序によるゼロ磁場NMRスペクトルの観測も行った。スペクトル解析から、Uモーメントは方向を向いている可能性がある。
徳永 陽; 神戸 振作; 酒井 宏典; 中堂 博之; 松田 達磨; 芳賀 芳範; 安岡 弘志; 青木 大*; 本間 佳哉*; 塩川 佳伸*; et al.
Physical Review B, 79(5), p.054420_1 - 054420_7, 2009/02
被引用回数:5 パーセンタイル:25.59(Materials Science, Multidisciplinary)ネプツニウム系充填スクッテルダイト化合物NpFePの単結晶を用いてP-NMR測定を行った。NMRスペクトルの角度依存性からPサイトにおける超微細相互作用を見積り、P-3軌道の局所スピン密度を評価した。その結果、軌道の混成効果により、主としてNpの5軌道からNpイオン方向に伸びたPの3軌道へスピンモーメントの移行が生じていることがわかった。しかしその程度は通常の金属よりも十分に小さく、5電子はこの系では局在的な性質を持つことが明らかになった。われわれはさらにスピン-格子緩和時間の測定から、磁場によりNp 5電子のスピン揺らぎが強く抑制されることを見いだした。このことはこの系の大きな負の磁気抵抗効果の起源が、スピン揺らぎに伴う電子散乱効果の減少にあることを示している。