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栗原 良一; 安島 俊夫*; 植田 脩三; 関 泰
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(7), p.571 - 576, 2001/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)原研では、核融合炉の冷却材侵入事象(ICE)予備実験結果をもとに、軽水炉で開発されたTRAC-BF1コードをICE事象用に改良して検証を行ってきた。本論文は、ITER実機の3次元モデルを、改良したTRAC-BF1で解析し、ITER工学設計(EDA)の安全解析標準コードであるMELCOR解析結果と比較した結果等を述べる。TRAC-BF1モデルの真空容器内初期温度、注入水の質量流量等をMELCOR解析と同一にして計算した結果、TRAC-BF1で求めた最大圧力はMELCORよりも約0.04MPa高くなったが、ITERの真空容器設計耐圧0.5MPaの範囲内であることを確認した。また、3次元解析から、0.6mの破断口は周方向4分割の内1箇所に集中させて水を注入したが、周方向4箇所にセットしたRupture Discの開口時間の差は最大3msecであり、圧力上昇挙動に影響しないことがわかった。
西尾 敏; 牛草 健吉; 植田 脩三; Polevoi, A.*; 栗田 源一; 飛田 健次; 栗原 良一; Hu, G.; 岡田 英俊*; 村上 好樹*; et al.
JAERI-Research 2000-029, 105 Pages, 2000/10
本論文は、定常トカマク核融合原型炉SSTR、コンパクトで高出力の改良型定常トカマク動力炉A-SSTR及び環境適合性を高め稼働率向上を目指した大型核融合動力炉DREAM等の設計をベースに、高い経済性、稼働率を有し環境適合性に優れた小型で大出力の高効率核融合動力炉A-SSTR2のプラズマ物理の成立性を論じたものである。JT-60で得られている実験データをもとにこれからの炉心プラズマ研究の進展を予測して、主半径6.2m、小半径1.5mでプラズマ電流が12MAの高磁場トカマクとし、規格化値4で4GWの核融合出力とした。超伝導コイルは高温超伝導を用いた高磁場コイルとし、最大経験磁場を23Tとした。超伝導マグネット系の簡素化及び強い電磁力支持の観点から、中心ソレノイドコイル無しの設計とするとともに、分解・保守用大型水平ポートを想定して、ポロイダル磁場コイルを装置の上下に6個の設置することとした。このような著しく簡素化されたコイル系で、プラズマの平衡、形状制御性、着火、12MAまでの非誘導電流駆動立ち上げ、ダイバータを検討し、A-SSTR2概念の成立性が明らかにされている。
栗原 良一; 西尾 敏; 植田 脩三; Polevoi, A. R.; 青木 功; 安島 俊夫*; 岡田 英俊*; 長谷川 満*; 牛草 健吉
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.3, p.553 - 557, 2000/00
商業発電炉は、日中や季節ごとの電力需要の変化に応じて炉の出力制御が可能である方が望ましい。従来、自己点火プラズマの核融合炉にとって出力制御は容易でないと考えられてきた。本論文は、将来の定常核融合動力炉において核融合出力制御が可能であることを明らかにした。原研で検討している革新的定常核融合炉A-SSTR(定格出力4.0GW)を例に、外部から容易に制御できる加熱電流駆動パワー,電子密度,プラズマ電流を変化させることにより、どの程度、核融合出力を変化させることができるか、電流駆動解析コードACCOME及び1.5D輸送コードTOPICSを用いて評価した。その結果、定格運転パラメータからプラズマ電流を25%、電子密度を38%、加熱電流駆動パワーを25%の範囲で変化させ、定格核融合出力の66%まで下げられることを明らかにした。
安島 俊夫*; 栗原 良一; 関 泰
JAERI-Data/Code 99-040, 84 Pages, 1999/08
核融合炉における真空容器内冷却材侵入事象(ICE)解析のための原子炉過渡解析コード(TRAC-BF1)の改良及び整備を行った。前報で報告した改良TRAC-BF1コードをベースに、VESSELコンポーネントの平面部構造材モデルに複数のメッシュ分割とメッシュ毎の材質指定を可能とすることで、メッシュ分割の一部に内部発熱を考慮できるようにした。また、真空に近い低圧条件で解析できるように、TRAC-BF1コードにおける蒸気表の適用範囲等を調査し、コードの改良を試みた。本報告書は、これらTRAC-BF1コードの追加改良項目の概要、ICE実験データを用いた評価結果、及び核融合炉実機データを用いた評価結果についてまとめたものである。
関 泰; 栗原 良一; 西尾 敏; 植田 脩三; 青木 功; 安島 俊夫*; 功刀 資彰; 高瀬 和之; 柴田 光彦
Fusion Engineering and Design, 42(1-4), p.37 - 44, 1998/09
被引用回数:1 パーセンタイル:15.03(Nuclear Science & Technology)核融合炉の真空容器には、大量のトリチウムと放射化ダストが存在すると想定される。そこで、これらの放射性物質が、異常時にどの程度の割合で可動化し、真空容器外に放出され、環境中に放出されるかを評価する必要がある。異常事象として、真空容器内の冷却材浸入事象(ICE)と真空破断事象(LOVA)が想定されており、これらに関しては、ITER工学R&Dとして個別に予備試験がなされており、事象解明と評価モデルの構築を進めている。今後は、さらにICEからLOVAへの事象進展の可能性、進展した場合の影響を評価するとともに、評価モデルの妥当性を示すために、真空容器内伝熱流動安全総合試験を計画している。本報告は、真空容器内の熱流動事象の検討結果から導出された総合試験装置の概要と試験計画を紹介する。
栗原 良一; 安島 俊夫*; 功刀 資彰; 高瀬 和之; 柴田 光彦; 関 泰; 笠原 文雄*; 山内 通則*; 細貝 いずみ*; 大森 順次*
Fusion Engineering and Design, 42, p.61 - 66, 1998/00
被引用回数:7 パーセンタイル:53.8(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究所では、国際熱核融合実験炉ITERのR&Dタスクの一つとして冷却材侵入事象(ICE)実験をTRAC-BF1等の安全性解析コードを検証するための熱流動データを得る目的で実施している。TRAC-BF1コードは元々沸騰水型原子炉の想定過渡事象を詳細に解析するために開発されたコードなので、核融合炉真空容器内で起こるICE現象を解析できるように原研で改良を進めてきた。安全性解析コードのベンチマークテストとしてICE実験を、真空容器内圧力10または10Pa、真空容器内温度150または250C、噴出水温度100または200C、噴出水圧力3.5MPaの条件で実施した。TRAC-BF1コードを用いてこれらの実験を解析し、実験と解析の差について考察した。論文ではTRAC-BF1コードの概要と手法、ICEベンチマーク解析の方法と結果及び今後の課題について述べる。
安島 俊夫*; 栗原 良一; 関 泰; 笠原 文雄*; 山内 通則*
JAERI-Data/Code 97-034, 77 Pages, 1997/08
国際熱核融合実験炉(ITER)工学R&Dとして実施してきた真空容器内冷却材侵入事象(ICE)の予備実験に関連し、ICE解析用コードとしてTRAC-BF1コードの改良及び整備を行った。さらに、TRAC-BF1コードの計算結果を作図するためのグラフィックファイル形式変換プログラムと時系列プロットプログラムのワークステーションへの導入を計った。本報告書は、これら改良TRAC-BF1コードの概要、検証用データを用いた改良TRAC-BF1コードの検証結果、及びICE実験データを用いた評価結果をまとめたものである。
栗原 良一; 関 泰; 植田 脩三; 青木 功; 西尾 敏; 安島 俊夫*; 功刀 資彰; 高瀬 和之; 山内 通則*; 細貝 いずみ*; et al.
Journal of Fusion Energy, 16(3), p.225 - 230, 1997/00
被引用回数:3 パーセンタイル:30.37(Nuclear Science & Technology)VDE事象や逃走電子のようなプラズマ異常は、真空容器内冷却管の多数損傷に至る可能性がある。冷却管が損傷すると冷却水が真空容器内で蒸発し、加圧を引き起こす。このような事象を冷却材侵入事象(ICE)と呼ぶ。また、ICE等による真空容器内圧上昇が起因となって、真空境界が破断する真空破断事象(LOVA)が想定される。現在までに実施してきたICE予備試験とLOVA予備試験では、これら事象の基本的メカニズムに着目した実験を行い、基礎データを得て評価コードの開発を行ってきた。総合試験では、ITERの安全審査に備え、これら評価コードの検証を行うとともに、ICEからLOVAに至る現象を総合的に試験する計画である。本論文では、現在、概念設計を進めている総合試験装置の概要及び試験の計画について紹介する。