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澤田 真一*; 安川 政宏*; 越川 博*; 喜多村 茜; 比嘉 充*; 八巻 徹也*
日本海水学会誌, 73(4), p.208 - 216, 2019/08
日本における食塩生産は、カチオン交換膜(Cation Exchange Membrane: CEM)とアニオン交換膜(Anion Exchange Membrane: AEM)を用いた電気透析による海水濃縮工程を経る。この海水濃縮工程の性能はCEMとAEMの輸送特性に大きく依存する。高濃度の濃縮海水を得るためには、より低い電力での電気透析を実現する膜の抵抗が低い方が好ましい。しかし一般的に、低抵抗の膜では含水による膨潤が起こりやすく、輸率は下がって水透過率は上がるため濃縮海水濃度が低下する。このように電解電力と濃縮海水濃度はトレードオフの関係にあり、この関係を打破するためには、低い抵抗、高い輸率、低い水透過率を兼ね備えたCEMとAEMが必要である。そこで我々は、重イオンビームを利用したイオン飛跡グラフト重合法により、現行のCEMとAEMよりも抵抗が低く、高輸率と低水透過率を兼ね備えた新規膜の開発を進めている。本稿では、イオン飛跡グラフト重合法を概説し、本手法によるCEM及びAEMの作製方法、輸送特性についてそれぞれ説明し、海水濃縮試験の結果を報告する。