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笠原 直人; 安藤 昌教; 伊藤 啓; 田中 良彦; 柴本 宏; 井上 和彦
2004 ASME/JSME PVP Conference, p.25 - 32, 2004/07
高速炉の実用化には、安全性と経済性に優れたプラントシステムの開発が不可欠である。そのため、核燃料サイクル開発機構と日本原子力発電は、共同でこのような要件を満たすプラント像の創出に向け、「FBRサイクル実用化戦略調査研究」を実施している。そのなかで、高温、低圧、薄肉構造等高速炉の特性を考慮した合理的な構造設計技術の確証及びそれらを踏まえた構造設計基準体系の確立が、経済性を向上させるうえでの枢要課題の一つとして摘出されている。これを受けて、実用化高速炉のプラント機器の特徴を活かし、合理的な設計を可能とする「実用化高速炉構造設計基準(略称 FDS:Fast Reactor Structural Design Standard)策定のための研究開発を実施している。主要開発課題は、機器の使用条件に応じて合理的健全性評価を行うための「破損クライテリアの高度化」、高温機器の非弾性変形を精度よく評価するための「非弾性設計解析に関する指針」、及び高温低圧条件での支配荷重を設定するための「熱荷重設定に関する指針」の整備である。
田中 良彦; 柴本 宏; 井上 和彦; 笠原 直人; 安藤 昌教; 伊藤 啓
2004ASME/JSME PVP Conference, p.53 - 60, 2004/07
高速炉の特徴を考慮すると、設計に非弾性解析を導入して構造に生ずるひずみを合理的に評価した上で、その値が許容値を下回るようなプラント設計を行うことができれば、高度な安全性及び経済性を両立できる可能性が高い。そこで実用高速炉のための新しい構造設計基準(FDS)開発の一環として、非弾性解析による設計を実現するために必要となる"非弾性設計解析に関する指針案"の開発を進めている。現在までに次のとおり同指針案の基本的考え方を定めた。(a)実挙動のノミナル値よりもむしろ保守的な解析結果を得ることを重視する。(b)適用範囲を明確に定義する。また、解決すべき5課題を摘出し、下記のとおりに着手している。1)指針の適用範囲;設計上重要な2箇所を設定した 2)構成則の選定;2直線近似の移動硬化則(降伏曲面移動量補正オプション有り)を選定した 3)負荷履歴効果が解析結果に及ぼす影響の保守的な見積もり;履歴の影響を保守側に抱絡する方法を検討中である 4)非弾性解析に適したラチェット及びクリープ疲労損傷評価法;ひずみ解析値の保守性を活用した評価法を暫定した 5)解析の品質検査及び一般則に対する補足の役目を果たす例題;2)4)の検討過程の試解析を基に例題を作成する
此村 守; 小川 隆; 岡野 靖; 山口 浩之; 村上 勤; 高木 直行; 西口 洋平; 杉野 和輝; 永沼 正行; 菱田 正彦; et al.
JNC TN9400 2004-035, 2071 Pages, 2004/06
ナトリウム冷却炉、鉛ビスマス冷却炉、ヘリウムガス冷却炉及び水冷却炉について、革新技術を導入し炉型の特徴を活かした炉システム概念を構築し、その概念の成立の見通しを得るための検討を行うとともに、設計要求への適合性を評価した。その結果、2015年頃に高速増殖炉技術を実用化するためには、現状の知見で課題とされた項目で画期的な技術革新がないかぎり、ナトリウムを冷却材して選択することが合理的であることが明らかとなった。
笠原 直人; 長谷部 慎一; 小林 澄男; 安藤 昌教; 川崎 信史; 森田 博*
2004 ASME/JSME PVP Conference, P. 2986, 2004/00
Na温度変動に対する高サイクル熱疲労の現象解明とそれに基づく機構論的評価法の検証を目的として、温度変動の周波数特性を精密に制御できる熱疲労Na試験装置(SPECTRA)の開発を行った。装置開発にあたっては次の性能達成を目標とした。目標性能(1): 周波数をパラメータに正弦波状の温度変動を一定流量の条件下で制御できる。目標性能(2): 荷重条件の不確定性を排除した制度の良い強度データを得るため、軸対称な温度変動を試験体に与えることができる。目標性能(3): 1体の試験体でき裂の発生から進展までのデータを効率良く取得できる。また、実プラントで生じるようなランダム変動での特性を評価する一歩として、単一波だけではなく重畳波の温度変動を与えることを可能とする。
安藤 昌教; 笠原 直人
JNC TN9400 2003-094, 51 Pages, 2003/09
高速炉の原子炉容器は、上端をコンクリート建屋により支持され、炉心上部プレナムに高温の冷却材を有することから、冷却材液面から上端支持部に至る鉛直方向に大きな温度勾配が生じる。その結果炉壁液面近傍部に原理的に高い応力が発生することになる。当該部位についてはこれまで、発生する熱応力を低減させ、炉壁を保護するための様々な方策が採られてきた。しかし、これらの対応策は、物量の増加、制御の複雑化、メンテナンス性の低下等の弊害を併せ持つことが多い。本研究では、単純な構造で物量の増加を最小限に抑えた熱応力緩和方策を提案すると共に、数値計算を用いてそれら緩和方策の効果を検した。本研究により得られた主な結果は以下のとおりである。高温ガスを炉壁外面に循環する応力緩和方策を提案し、解析によりその効果を確認した。 (1)高温ガス循環による熱応力緩和方策を施した場合、構造設計基準における応 力の指標である一次+二次応力強さ範囲(Sn)が約45%減少する見通しがある。熱伝導板を炉壁外面に非接触で設置する熱応力緩和方策を提案し、解析によりその効果を確認した。(1)熱伝導板を用いた熱応力緩和方策の効果は伝導板の物性値に依存することを確認した。 (1)熱伝導板の材料に、良熱伝導体である黒鉛を用いた場合、Sn値が約27%、また12Cr鋼を用いた場合、Sn値が約15%減少する見通しがある。 ガードベッセルの材料を良熱伝導体に変更することで、発生熱応力の緩和を図る方策を提案し、解析によりその効果を確認した。 (1)ガードベッセルの材料を12Cr鋼とすることで、Sn値が約12%減少する見通しがある。
安藤 昌教
JNC TN9400 2003-033, 53 Pages, 2003/04
高速炉の原子炉容器は、上端をコンクリート建屋より支持され、炉心上部プレナムに高温の冷却材を有することから、冷却材液面から上端支持部に至る鉛直方向に大きな温度勾配が生じる。その結果炉壁液面近傍部には降伏応力を超える高い応力が発生することになり、同部位の詳細な挙動を予測するためには非弾性解析が必要不可欠となる。しかしながら、非弾性解析には未だ決定的な構成方程式が存在しないことから、解析者による解の差異が生じやすく、設計への適用が難しいとされている。そこで本研究では、様々な非弾性構成方程式を用いて同部位について非弾性解析を行い、得られた結果を比較することで解の構成式依存性についての検討を行った。本研究により得られた主な結果は以下のとおりである。 ・単調負荷条件下の非弾性解析から得られた解は、構成方程式に依存するが、その最終点は構成方程式に依らず同一の応力緩和曲線上に存在する傾向があることがわかった。 ・弾塑性解析結果と、弾性クリープ解析結果において、発生応力値の一致する点では、非線形ひずみの分布が概ね一致することを確認した。 ・繰返し負荷条件による非弾性解析から得られた解は、応力緩和曲線から外れることがわかった。 ・上記理由として、ラチェットひずみにより非線形ひずみの分布が変化することがあげられる。 ・起動-定常運転-手動トリップの一連の事象を繰返した場合の非弾性解析を行い、応力-ひずみ関係に繰返し応力-ひずみ曲線を使用した場合に対し、単調応力-ひずみ曲線を用いるとラチェットひずみが大きめに評価されることがわかった。
長谷部 慎一; 小林 澄男; 安藤 昌教; 笠原 直人
JNC TN9400 2003-004, 110 Pages, 2003/01
原子力プラントにおいて高温と低温の流体が合流する領域では、流体の不完全な混合に伴って温度変動が発生するため、接液する構造物の高サイクル熱疲労(サーマルストライピング現象)による破損を防止する必要がある。本研究では、サーマルストライピング現象による温度変動が構造物のき裂発生と進展挙動に及ぼす影響を解明するため、構造物熱過渡強度試験施設(TTS)を改造して、高サイクル熱疲労試験装置を開発した。試験装置の特徴は以下の通りである。 (1)循環ポンプを用いた流量制御方式により、高温ナトリウムと低温ナトリウムの流量比を連続的に変化させて、種々の周期において正弦波状の温度変動を試験体に与えることができる。 (2)ミキシング構造を噴流混合方式にして、高温ナトリウムと低温ナトリウムの混合を促進させることで、軸対称性のある温度変動を発生させることができる。 (3)短周期と長周期を重畳させた温度変動についても制御が可能である。 (4)円筒状の試験体を用いるため、熱応力解析が容易で、き裂発生から進展までのデータを取得できる。 今後は、ステンレス鋼の試験体に対して正弦波温度変動試験、ランダム温度変動試験および溶接部強度試験を実施する計画である。
笠原 直人; 安藤 昌教
Proceedings of 10th International Conference on Pressure Vessel Technology (ICPVT-10), 131 Pages, 2003/00
高速増殖炉機器は材料のクリ-プ変形が生じる高温域で運転されるため非弾性設計が不可欠であり、合理的な設計を実現するために「非弾性解析による設計」の積極的な適用が期待されている。本研究では、解の構成式依存症の問題を解決するため、設計条件に応じて保守的な解を与える古典的構成式を推奨する設計アプロ-チを提案した。
笠原 直人; 安藤 昌教; 陳 富全*; 古橋 一郎*; 高正 英樹*
Proceedings of 2003 ASME Pressure Vessels and Piping Conference, 461, 119 Pages, 2003/00
原子力プラント等の温度の異なる流体の合流部では、流体温度の不規則な変動により接液する構造物に繰り返し熱応力が発生することから、き裂進展の可能性を評価する必要がある。流体温度ゆらぎが熱応力に変換されるまでには、流体内の乱流混合による温度の減衰、及び構造の温度応答遅れと均熱化による応力の減衰生じ,その効果はゆらぎの周波数に依存することが知られている。本研究では,周波数に応じた流体内と構造の減衰効果を考慮することによって、流体温度ゆらぎによる応力拡大係数を合理的に評価する方法を提案した。
笠原 直人; 安藤 昌教; 伊藤 啓; 柴本 宏; 田中 良彦; 井上 和彦
サイクル機構技報, (20), 59 Pages, 2003/00
高温、低圧、薄肉構造等高速炉の特性を考慮した合理的な構造設計技術の確証及びそれらを踏まえた構造設計基準体系の確立が、FBRサイクル実用化戦略調査研究の枢要課題の一つとして摘出されている。 これを受けて、実用化高速炉のプラント機器の特徴を活かし、合理的な設計を可能とする「実用化高速炉構造設計基準(略称FDS)」策定のための研究開発を実施している。主要開発課題は、機器の使用条件に応じて合理的健全性評価を行うための「破損クライテリアの高度化」、高温機器の非弾性変形を精度良く評価するための「非弾性設計解析に関す
笠原 直人; 古橋 一郎*; 陳 富全*; 安藤 昌教; 高正 英樹*
JNC TN9400 2002-047, 107 Pages, 2002/08
原子力プラントの機器、配管において温度が異なる冷却材が合流する領域では、流体混合による不規則な温度ゆらぎが生じるため、接液する構造物では繰り返し熱応力による高サイクル疲労破損に注意する必要がある。著者らはこれまで、疲労損傷係数によるき裂の発生評価への適用可能な、流体温度ゆらぎに対する表面熱応力の周波数応答関数を提案してきた。こうしたアプローチに加え、実機の破損は、き裂の発生、進展、貫通といった過程を経ることから、き裂進展特性に基づく適切な検査と補修、き裂の停留評価等も破損防止の有効な手段となり得る。本研究では、き裂進展特性に着目した熱疲労評価への適用を目的として、流体温度ゆらぎに対する応力拡大係数の周波数応答関数を提案した。応力拡大係数は、温度ゆらぎの周波数が高くなると、き裂の進展と共に現象する傾向を示す。これに対して、低周波でかつき裂面に垂直な方向の熱膨張が拘束される場合は、応力拡大係数がき裂の進展と共に増加することから注意が必要となる。
安藤 昌教
JNC TN9400 2001-088, 57 Pages, 2001/07
炉内に高温ナトリウムを有する高速炉の原子炉容器は、その構造上ナトリウム液面以下が高温となるのに対し、建屋に支持された上端部は低温に保つ必要がある。そのため液面近傍部には軸方向の急峻な温度勾配が生じ、高い熱応力が発生する。実用炉では、経済性の観点から小型で簡素な原子炉容器の設計が望まれており、その実現には相対的に増大する方向にある液面近傍部の熱応力を許容する、精度の高い設計評価法が必要である。そこで本研究では、原子炉容器液面近傍部に生じる熱応力に対する影響因子と、それぞれの因子が応力分布に与える影響感度を把握し、設計及び評価手法のポイントを見出すことを目的としている。本研究により得られた主な結果は以下のとおりである。1)原子炉容器液面近傍部における一次+二次応力強さ範囲Snはガス空間の熱的境界条件に対して敏感であり、カバーガスと炉壁との熱伝達を断熱材等により調節することで現象させることができる。2)起動時のナトリウム液面の移動に伴い、炉壁内外面に発生する熱応力の正負(引張、圧縮)が逆転する部位が生じ、Sn値に大幅な増加が生じることがわかった。3)板厚を実証炉50mmから実用炉30mmに変更することによりSn値は15%減少することがわかった。 本研究により得られた結果は、原子炉容器の設計の改善を図る上で、効果的に利用できるものと考えられる。
笠原 直人; 安藤 昌教
JNC TN9400 2001-087, 55 Pages, 2001/07
高速増殖炉機器は材料のクリープ変形が生じる高温域で運転されるため非弾性設計が不可欠であり、合理的な設計を実現するために「非弾性解析による設計」の積極的な採用が期待されている。非弾性解析の主たる難しさは解析解が構成式等の解析法に依存することにある。本研究では、荷重の性質が構成式依存性に及ぼす影響を調査し、ラチェットひずみの構成式依存性は1次応力と弾性追従係数増大に伴い大きくなるが1次応力には比較的鈍感であることを明らかにした。また、構成式を系統的に変化させた場合の非弾性解析解の影響を調査し、構造物には構成式に鈍感な弾性追従特性が存在し、応力緩和曲線で記述されることを明らかにした。これらの結果に基づき、古典的構成式によるクリープ解析から、構成式に鈍感な弾性追従特性と1次応力を評価し、その結果に基づき保守的な解を与える構成式を選定した後に詳細非弾性解析を実施する設計アプローチを提案した。