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論文

Sequential loss-on-ignition as a simple method for evaluating the stability of soil organic matter under actual environmental conditions

佐藤 雄飛*; 石塚 成宏*; 平舘 俊太郎*; 安藤 麻里子; 永野 博彦*; 小嵐 淳

Environmental Research, 239(Part 1), p.117224_1 - 117224_9, 2023/12

土壌有機物(SOM)の安定性は地球上の炭素循環や気候変動問題を理解する上で重要な研究課題である。本研究では段階的昇温過程を経た強熱減量法(SIT-LOI)がSOMの安定性の評価に対する利用可能性を検証するため、日本各地で採取した有機物及び無機物の各含有率並びに放射性炭素分析に基づくSOMの平均滞留時間(MRT)のそれぞれが異なる土壌試料を用いた検証実験を実施した。本実験の結果、SIT-LOIデータはSOMのMRTと強い相関を示した。これはSIT-LOIデータが実環境におけるSOMの安定性に対する指標となることを示唆するものである。

論文

Effect of soil organic matter on the fate of $$^{137}$$Cs vertical distribution in forest soils

小嵐 淳; 安藤 麻里子; 西村 周作

Ecotoxicology and Environmental Safety, 262, p.115177_1 - 115177_9, 2023/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)

日本の森林土壌における放射性セシウム($$^{137}$$Cs)の深度分布の将来を把握することは、福島第一原子力発電所事故の環境影響を評価する上で重要である。本研究では、土壌有機物の濃度プロファイルが最終的な$$^{137}$$Csの深度分布を決定するという仮説を立て、土壌有機物プロファイルが異なる森林土壌における大気圏核実験起源$$^{137}$$Csの約半世紀後の深度分布を調べることでその仮説を検証した。その結果、土壌層の$$^{137}$$Cs保持能力は、調査地や土壌深度にかかわらず土壌有機炭素濃度の関数として表せることが示された。このモデルを用いることで日本の森林土壌における最終的な$$^{137}$$Cs深度分布を予測できることを示した。

論文

Plastic-associated metal(loid)s in the urban river environments of Mongolia

Battulga, B.; 安藤 麻里子; 小嵐 淳; Bolormaa, O.*; 川東 正幸*

Ecotoxicology and Environmental Safety, 261, p.115100_1 - 115100_10, 2023/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Environmental Sciences)

河川環境に広がるプラスチックは、環境汚染の主要な要因の一つである。本研究では、モンゴルのトゥール川周辺で採取した発泡ポリスチレン(PSF)プラスチックに付着した金属を調査した。金属のサイズ依存性は、PSFが都市の河川環境における汚染物質の指標となることを示した。PSFに蓄積されたAl, B, Cr, Cu, Mn, Mo, Na, Ni, Pb及びZnの平均濃度は、1967.0$$pm$$169.1、116.0$$pm$$25.7、12.7$$pm$$6.6、35.0$$pm$$7.6、9.8$$pm$$6.0、6.3$$pm$$1.3、1506.8$$pm$$282.8、0.4$$pm$$0.3、10.2$$pm$$5.0及び103.1$$pm$$28.5$$mu$$g/gであった。本研究結果により、広範囲に広がったプラスチックが環境中で有害化学物質のキャリアの1つになる可能性があることが示された。

論文

Tracking the behavior and characteristics of microplastics using a multi-analytical approach; A Case study in two contrasting coastal areas of Japan

Battulga, B.; 安藤 麻里子; 松枝 誠; 小嵐 淳

Environmental Science and Pollution Research, 30(31), p.77226 - 77237, 2023/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Environmental Sciences)

過去十年間において、水圏環境のマイクロプラスチックの地球規模の調査は、科学的に幅広く関心が持たれている。本研究は、同位体分析及び示唆熱天秤-質量分析法を含む多次元分析を行い、環境中のマイクロプラスチックの挙動及び特性を明らかにしたものである。マイクロプラスチックサンプルは、日本の対照的な二つの沿岸域で採取した。採取したポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレンから成るマイクロプラスチックの$$delta$$$$^{13}$$C値は、-25.6‰$$sim$$-31.4‰、-23.4‰$$sim$$-30.9‰、-27.3‰$$sim$$-28.6‰であった。また、ポリエチレンとポリスチレンから成るマイクロプラスチックの熱分析において単段階吸熱反応が確認された。本研究により、マイクロプラスチックの劣化が水圏環境における挙動及び特性に重要な役割を担っていることが示唆された。

論文

Stable C and N isotope abundances in water-extractable organic matter from air-dried soils as potential indices of microbially utilized organic matter

永野 博彦*; 安藤 麻里子; 田中 草太*; 蓬田 匠; 香西 直文; 小嵐 淳

Frontiers in Forests and Global Change (Internet), 6, p.1228053_1 - 1228053_9, 2023/00

Microbial decomposition of soil organic matter (OM) is crucial in terrestrial carbon cycles; however, analytical approaches to explain the decomposition process in soil have not been completely successful. Forty air-dried soil samples were applied to water extraction and OM analysis. The C and N contents and natural abundances of $$^{13}$$C and $$^{15}$$N exhibited positive correlations between the bulk soil OM and water-extractable OM (WEOM). However, the C/N ratio in WEOM showed values around 10, a value similar to that for microbial biomass. The $$^{13}$$C and $$^{15}$$N enrichments in WEOM relative to soil OM were negatively and positively correlated, respectively, with the concentrations of organo-mineral complexes and short-range order minerals, which play significant roles in soil OM stabilization in soils. These relationships suggest that the stable isotopic enrichments in WEOM can be a good indicator of the microbial utilization of soil C and N under different substrate availabilities.

論文

Ten years of warming increased plant-derived carbon accumulation in an East Asian monsoon forest

Zhang, J.*; Kuang, L.*; Mou, Z.*; 近藤 俊明*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; Li, Y.*; Tang, X.*; Wang, Y.-P.*; Pe$~n$uelas, J.*; et al.

Plant and Soil, 481(1-2), p.349 - 365, 2022/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:24.8(Agronomy)

Soil warming effects on soil organic carbon (SOC) decomposition and stabilization are highly variable, and the underlying mechanisms are poorly understood. In this study, concentration, stability (dissolved, particle and mineral-associated SOC), and source (plant-derived and microbial-derived) of SOC, soil microbial community composition, and enzyme activities were studied in a 10-year soil warming field experiment in an East Asian monsoon forest. The results showed that 10-year soil warming significantly enhanced SOC in the top 0-10 cm soil. The increased SOC induced by warming was mainly derived from plants with lignin markers, accompanied by a decrease in microbial-derived SOC. This highlights an urgent need for a better understanding of how the contrasting effects of plant- and microbial-derived C mediate the response of the SOC pool to warming across different biomes.

論文

A New approach to extracting biofilm from environmental plastics using ultrasound-assisted syringe treatment for isotopic analyses

Battulga, B.; 安藤 麻里子; 中西 貴宏; 小嵐 淳

Science of the Total Environment, 849, p.157758_1 - 157758_11, 2022/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:45.99(Environmental Sciences)

本研究では、マイクロプラスチックの表面に形成されるバイオフィルム(有機付着物)の特性を明らかにするための第一ステップとして、バイオフィルムを分離回収する手法を開発した。茨城県内の河川において、大きさ,色,組成の異なる様々なマイクロプラスチック試料を採取した。それらの試料に超音波処理を行った後、シリンジを用いた方法により有機付着物を溶液として分離回収した。バイオフィルム由来の有機物から放射性セシウムが検出され、マイクロプラスチックが河川生態系における放射性核種の輸送媒体としての役割を果たすことが示唆された。また、有機物の安定炭素・窒素同位体の分析にも成功した。本手法は、マイクロプラスチックの状態や環境中における物質循環への寄与を解明するために有効である。

論文

Spatial variation in soil respiration rate is controlled by the content of particulate organic materials in the volcanic ash soil under a ${it Cryptomeria japonica}$ plantation

阿部 有希子*; Liang, N.*; 寺本 宗正*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 橋本 昌司*; 丹下 健*

Geoderma Regional (Internet), 29, p.e00529_1 - e00529_11, 2022/06

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.77(Soil Science)

本研究では、火山灰土壌における土壌呼吸速度の空間変動の要因を明らかにするために、火山灰母材の35年生のスギ人工林において調査区を設置した。2013年1月から2019年8月の期間に土壌呼吸速度を定期的に測定し、空間変動の経年変化を調べた。さらに、2019年8月に全ての測点内からリターと土壌を採取し、Ao層の炭素量、土壌炭素量(SOC)、比重の軽い画分($$<$$1.6g cm$$^{-3}$$)の炭素量(LF-C),細根量,容積重を測定した。土壌呼吸速度の測点間の空間的なばらつきの傾向は7年間維持されていた。重回帰分析の結果、LF-Cのみを説明変数とするモデルが土壌呼吸速度を最も精度高く予測しており、他の要因を加えても精度は向上しなかった。また、SOCは土壌呼吸速度との関係が認められなかった。火山灰土壌では土壌呼吸速度の説明変数としてSOCよりもLF-Cの方が適していることが示唆された。

論文

Spatial variations in radiocesium deposition and litter-soil distribution in a mountainous forest catchment affected by the Fukushima nuclear accident

安藤 麻里子; 小嵐 淳; 都築 克紀; 竹内 絵里奈; 西村 周作; 武藤 琴美*; 松永 武*

Journal of Environmental Radioactivity, 238-239, p.106725_1 - 106725_8, 2021/11

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.45(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故により周辺の森林域は$$^{137}$$Csで汚染された。複雑な山地地形における$$^{137}$$Cs沈着量の空間分布を明らかにするために、小河川集水域全域において一定間隔で土壌試料を採取した。土壌試料は2013年夏に42地点、2015年春に6地点において、有機物層と鉱物土壌層に分けて採取した。2013年の$$^{137}$$Cs蓄積量は高度と斜面方位に関連した大きな空間変動を示した。有機物層の$$^{137}$$Cs残留率は6%から82%と場所により大きく変動し、有機物層の量及び高度と正の相関を示した。しかし、有機物層の$$^{137}$$Cs残留率が55%以上であった地点においても、2015年には20%以下に低下しており、沈着から4年後までに多くが鉱物土壌層に移行し、粘土鉱物と結合することで移動性が低下していることが明らかになった。本研究ではまた、$$^{137}$$Cs蓄積量と同じ地点で測定した空間線量率を比較し、正の直線関係を得た。この関係式と前報において同じ集水域で測定した3,797点の空間線量率のデータを用いて、全集水域の$$^{137}$$Cs沈着量を推定した。

論文

Soil microbial community responding to moderately elevated nitrogen deposition in a Japanese cool temperate forest surrounded by fertilized grasslands

永野 博彦; 中山 理智*; 堅田 元喜*; 福島 慶太郎*; 山口 高志*; 渡辺 誠*; 近藤 俊明*; 安藤 麻里子; 久保田 智大*; 舘野 隆之輔*; et al.

Soil Science and Plant Nutrition, 67(5), p.606 - 616, 2021/10

 被引用回数:2 パーセンタイル:20.69(Plant Sciences)

北海道の牧草地に囲まれた冷温帯林において、大気からの窒素沈着量と土壌の微生物群集特性との関係を調査した。窒素沈着量の緩やかな増大(年間10kg N/ha未満)が土壌微生物群集に及ぼす影響について明らかにすることを本研究の目的とした。調査対象の森林において6つの実験区画を設置し、そのうち3つを草地に隣接した林縁、他の3つを草地から少なくとも700m離れた林内に設置した。2018年5月から11月まで、各プロットでの窒素沈着を測定した。2018年8月には、すべての実験区画からリター層と表層土壌(深さ0-5cm)を収集し、微生物活性の指標として正味の窒素無機化と硝化速度、また微生物量の指標として微生物バイオマス炭素・窒素およびさまざまな微生物の遺伝子量(すなわち、細菌16S rRNA,真菌のITS,細菌のamoA、および古細菌のamoA遺伝子)を測定した。森縁の窒素沈着量は、林内の窒素沈着の1.4倍多かった一方、最も沈着量が多い場合でも3.7kg N/haであった。窒素沈着は、正味の窒素無機化および硝化速度、16S rRNAおよび細菌のamoA遺伝子の存在量と有意に相関していた。環境DNA解析に基づく土壌微生物群集構造は、リター層と表層土壌で異なっていたが、林縁と林内では類似していた。土壌の炭素/窒素比、および硝酸とアンモニウムの含有量に対する窒素沈着の有意な相関も観察された。以上より、窒素可給性の低い森林では、林縁における緩やかな窒素沈着の増大が土壌微生物の活性と存在量を増大させることが示された。

論文

Transfer of $$^{137}$$Cs to web-building spiders, ${it Nephila clavata}$, and its pathways; A Preliminary study using stable carbon and nitrogen isotope analyses

田中 草太; 柿沼 穂垂*; 足達 太郎*; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(4), p.507 - 514, 2021/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

捕食性のクモは、陸域と水域が繋がる森林生態系において、生食連鎖と腐食連鎖の双方から餌資源を得るため、彼らへの$$^{137}$$Csの移行経路を理解することは、環境中の$$^{137}$$Csの長期的挙動を評価するために役立つ。本研究では、福島第一原子力発電所事故後、約6.5年の森林内と河川沿いでクモを採集し、$$^{137}$$Csのクモへの移行を移行係数(T$$_{ag}$$)として定量した。また、$$^{137}$$Csのクモへの移行経路を推定するために、安定炭素・窒素同位体($$delta$$$$^{13}$$C, $$delta$$$$^{15}$$N)分析を実施した。

論文

Simple pretreatment method for tritium measurement in environmental water samples using a liquid scintillation counter

仲宗根 峻也*; 横山 須美*; 高橋 知之*; 太田 雅和; 柿内 秀樹*; 杉原 真司*; 平尾 茂一*; 百島 則幸*; 玉利 俊哉*; 島 長義*; et al.

Plasma and Fusion Research (Internet), 16, p.2405035_1 - 2405035_5, 2021/02

液体シンチレーションカウンタによる環境水試料のトリチウム分析では、試料に含まれる溶存有機物等の不純物の除去が必要である。一般的に用いられている前処理法は試料の蒸留であるが、蒸留は時間を要する(24時間程度)という欠点がある。発表者らは、イオン交換樹脂を用いた迅速な前処理法を提案してきた。本研究では、イオン交換樹脂を用いた前処理法の定量評価を目的としてバッチ実験を実施し、実験結果から不純物の除去が短時間(5分程度)で完了することを確認した。

報告書

Practical guide on soil sampling, treatment, and carbon isotope analysis for carbon cycle studies

小嵐 淳; 安藤 麻里子; 永野 博彦*; Sugiharto, U.*; Saengkorakot, C.*; 鈴木 崇史; 國分 陽子; 藤田 奈津子; 木下 尚喜; 永井 晴康; et al.

JAEA-Technology 2020-012, 53 Pages, 2020/10

JAEA-Technology-2020-012.pdf:3.71MB

近年急速に進行する温暖化をはじめとした地球環境の変化は、陸域生態系(とりわけ森林生態系)における炭素循環に変化をもたらし、その結果、温暖化や環境変化の進行に拍車をかける悪循環が懸念されている。しかしながら、その影響の予測には大きな不確実性が伴っており、その主たる要因は、土壌に貯留する有機炭素の動態とその環境変化に対する応答についての定量的な理解の不足にある。放射性炭素($$^{14}$$C)や安定炭素($$^{13}$$C)同位体の陸域生態系における動きを追跡することは、土壌有機炭素の動態を解明するうえで有力な研究手段となりうる。本ガイドは、同位体を利用した土壌炭素循環に関する研究を、特にアジア地域において促進させることを目的としたものである。本ガイドは、土壌の採取、土壌試料の処理、土壌有機炭素の分画、$$^{13}$$Cの同位体比質量分析法による測定及びその試料調製、ならびに $$^{14}$$Cの加速器質量分析法による測定及びその試料調製に関する実践的手法を網羅している。本ガイドでは、炭素循環研究において広く用いられる $$^{14}$$C分析結果の報告方法についても簡単に紹介する。さらに、同位体を利用した研究手法の実際的応用として、日本の森林生態系において実施した事例研究の結果についても報告する。本ガイドによって、同位体を利用した炭素循環研究に興味を持って参画する研究者が増加し、地球環境の変化の仕組みについての理解が大きく進展することを期待する。

論文

Formation and mobility of soil organic carbon in a buried humic horizon of a volcanic ash soil

Wijesinghe, J. N.*; 小嵐 淳; 安藤 麻里子; 國分 陽子; 山口 紀子*; 佐瀬 隆*; 細野 衛*; 井上 弦*; 森 裕樹*; 平舘 俊太郎*

Geoderma, 374, p.114417_1 - 114417_10, 2020/09

 被引用回数:8 パーセンタイル:53.03(Soil Science)

Volcanic ash soils store a large amount of carbon as soil organic carbon (SOC) for a long term. However, the mechanisms of SOC accumulation in such soils remain unexplained. In the present study, we focused on SOC in a buried humic horizon of a volcanic ash soil, which formed between 5400 and 6800 yr BP. SOC was fractionated using a chemical fractionation method and the separated SOC fractions were characterized by $$^{14}$$C age, stable isotopic ratios of carbon and nitrogen, and chemical structure. Results showed that the SOC fractions differ in the degrees of biological transformation and mobility. However, generally the low mobility of all of the SOC fractions suggests that successive up-building accumulation of SOC contributes to the formation of thick humic horizon in the soil.

論文

Preliminary investigation of pretreatment methods for liquid scintillation measurements of environmental water samples using ion exchange resins

仲宗根 俊也*; 横山 須美*; 高橋 知之*; 太田 雅和; 柿内 秀樹*; 杉原 真司*; 平尾 茂一*; 百島 則幸*; 玉利 俊哉*; 島 長義*; et al.

Plasma and Fusion Research (Internet), 15, p.2405027_1 - 2405027_3, 2020/05

事故時あるいはトリチウム使用施設からのトリチウム放出時の環境影響評価においては、環境試料中のトリチウムの迅速な分析が求められる。液体シンチレーションカウンタによる水試料のトリチウム分析では、その前処理として、水試料に含まれる有機物やイオンといった不純物の除去が必要である。一般的に用いられている前処理法は、試料の蒸留である。しかしながら、蒸留は時間を要するという欠点がある。本研究は、イオン交換樹脂を用いた迅速な前処理法の検討を目的とする。このために、陸水試料を用いて不純物除去のバッチ実験およびカラム実験を実施したところ、イオン交換樹脂の使用により、試料に含まれる不純物の除去が短時間(5分以内)で達成されることが確認された。

論文

Effectiveness of decontamination by litter removal in Japanese forest ecosystems affected by the Fukushima nuclear accident

小嵐 淳; 安藤 麻里子; 西村 周作; 武藤 琴美*

Scientific Reports (Internet), 10(1), p.6614_1 - 6614_11, 2020/04

 被引用回数:7 パーセンタイル:35.66(Multidisciplinary Sciences)

リターの除去は、森林除染において効果的な方法であると考えられているが、福島原発の影響を受けた日本の森林生態系における有効性は不明である。本研究では、福島の広葉樹林の一部に非除染区を設定し、事故後約3.3年後に非除染区を除く森林全域に対してリター除去による除染を行った。除染後3年間にわたり、除染区と非除染区における森林生態系内の$$^{137}$$Csレベルの推移を調査した。その結果、森林生態系内における$$^{137}$$Csの保持及び循環に対する除染効果は極めて限定的であった。日本の森林では、ヨーロッパの森林とは異なり、リター層の$$^{137}$$Cs保持能が低いことがその主要因であることが示され、日本の森林生態系に対してはより速いタイミングでのリター除去の実施が必要であったことが示唆された。

論文

Characterizing vertical migration of $$^{137}$$Cs in organic layer and mineral soil in Japanese forests; Four-year observation and model analysis

武藤 琴美; 安藤 麻里子; 松永 武*; 小嵐 淳

Journal of Environmental Radioactivity, 208-209, p.106040_1 - 106040_10, 2019/11

 被引用回数:12 パーセンタイル:50.03(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所事故により森林に沈着した放射性Csによる長期的な放射線のリスクを評価するためには、森林の表層土壌における放射性Csの挙動を明らかにすることが重要である。本研究では、事故後4.4年間で5回、福島県内の植生の異なる森林5地点において放射性Csの鉛直分布の調査を行い、モデル計算の結果との比較を行った。また、欧州の森林における文献値と比較を行い、日本の森林における有機物層と表層土壌における放射性Csの移行特性を考察した。調査の結果、有機物層から鉱物土壌への$$^{137}$$Cs移行は欧州よりも早く、日本の森林では$$^{137}$$Csの移動度や生物利用性が急速に抑制されることが示唆された。鉱物土壌中の$$^{137}$$Cs拡散係数は0.042-0.55cm$$^2$$y$$^{-1}$$と推定され、日本と欧州で同程度であった。これらのパラメータを用いた予測計算では事故から10年後では$$^{137}$$Csは主に表層鉱物土壌に分布していることが示され、森林に沈着した放射性Csは表層土壌に長期的に保持されることが示唆された。

論文

Effect of dry-wet cycles on carbon dioxide release from two different volcanic ash soils in a Japanese temperate forest

永野 博彦; 安藤 麻里子; 小嵐 淳

Soil Science and Plant Nutrition, 65(5), p.525 - 533, 2019/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:18.06(Plant Sciences)

温暖化によって増大すると予測されている土壌水分の変動が火山灰土壌の二酸化炭素(CO$$_{2}$$)放出に及ぼす影響を評価することを目的に本研究を行った。茨城県内の温帯林で採取した理化学性の異なる2種類の火山灰土壌(土壌AおよびB)を乾燥-湿潤サイクル条件および一定水分条件それぞれで培養し、CO$$_{2}$$放出速度を比較した。乾燥-湿潤サイクルにおけるCO$$_{2}$$放出速度は水分一定条件での放出速度よりも最大49%大きかった。また乾燥-湿潤サイクルによるCO$$_{2}$$放出の増大は、典型的な火山灰土壌である黒ボク土により近い土壌Bでより大きかった。放出されたCO$$_{2}$$の炭素安定同位体比を測定したところ、乾燥-湿潤サイクルによって年代の古いもしくは微生物代謝の進んだ土壌有機物の分解が促進されたことが示唆された。以上より、国内に広く分布する火山灰土壌の中でも土壌有機物安定化の能力が特に高いとされてきた黒ボク土であっても、他の土壌と同様に乾燥-湿潤サイクルに対しては脆弱であることが示唆された。また、将来起こりうる土壌水分の変動増大は、土壌のCO$$_{2}$$放出を促進する重大なポテンシャルを有することも示された。

論文

Development of field estimation technique and improvement of environmental tritium behavior model

横山 須美*; 高橋 知之*; 太田 雅和; 柿内 秀樹*; 杉原 真司*; 平尾 茂一*; 百島 則幸*; 玉利 俊哉*; 島 長義*; 安藤 麻里子; et al.

Plasma and Fusion Research (Internet), 14(Sp.2), p.3405099_1 - 3405099_4, 2019/06

核融合科学研究所は、2017年に大型ヘリカル装置を用いたD-D実験を開始した。施設の安全確保のためにはD-D反応で生成するトリチウムの環境中移行評価法の確立が重要となる。大気及び土壌中のトリチウム水(HTO)は植生に移行し、光合成を経て有機物トリチウム(OBT)が生成される。OBTは植生中に滞留し、経口摂取による被ばくを引き起こすため、トリチウム放出においてはOBT生成の予測が重要となる。本研究は、簡易なコンパートメントモデルと実用性の高いパラメータを使用して上述した環境中トリチウム移行を推定することを目的とする。これまでに、大気・土壌・植生系から成る簡易なコンパートメントモデルを提案し、精緻なモデルであるSOLVEGとの比較によりモデルの検証を図った。本研究では、簡易モデルへの湿性沈着過程の導入及び土壌の通気性や大気・土壌・植生中トリチウム濃度の測定によるパラメータの取得、更にはOBT分析時の簡便な前処理手法の確立を計画している。

論文

A New perspective on the $$^{137}$$Cs retention mechanism in surface soils during the early stage after the Fukushima nuclear accident

小嵐 淳; 西村 周作; 安藤 麻里子; 武藤 琴美; 松永 武*

Scientific Reports (Internet), 9, p.7034_1 - 7034_10, 2019/05

 被引用回数:31 パーセンタイル:80.3(Multidisciplinary Sciences)

本研究では、福島原子力発電所(福島原発)事故によって陸域生態系にもたらされた$$^{137}$$Csの表層土壌における保持メカニズムを解明することを目的として、異なる陸域生態系における表層土壌中の$$^{137}$$Csの保持状態を、土壌鉱物及び土壌有機物との相互作用に着目して調べた。その結果、森林や果樹園の土壌では、事故から3.5カ月の時点で多くの$$^{137}$$Csが土壌鉱物を主体とする土壌フラクションではなく粒子状有機物を主体とする土壌フラクションに存在していること、4年後においてもその存在割合は維持されていることが明らかになった。

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