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室賀 政崇*; 鈴木 弘和*; 鵜殿 治彦*; 菊間 勲*; Zhuravlev, A. V.; 山口 憲司; 山本 博之; 寺井 隆幸*
Thin Solid Films, 515(22), p.8197 - 8200, 2007/08
被引用回数:6 パーセンタイル:31.31(Materials Science, Multidisciplinary)-FeSiはSiをベースとする光エレクトロニクス用材料として注目を集めている。Si基板上への-FeSi薄膜のヘテロ成長に関する研究は多いが、これを-FeSiの単結晶基板上に成長させた例はほとんど報告がない。われわれは最近Ga溶媒を用いた溶液成長法により大きなファセット面を有する-FeSiの単結晶試料を得ることに成功している。本研究ではこうして得られた単結晶試料を基板に用い、さらにそのうえに-FeSi薄膜をMBE(分子線エピタキシー)法によりエピタキシャル成長させることを試みた。実験では、平滑な面を得るために、-FeSi(110)の単結晶試料をHF(50%)-HNO(60%)-HO溶液中でエッチングを行った。溶液成長直後の粗い表面がエッチングにより平滑になる様子はAFM(原子間力顕微鏡)像で確認できた。また、薄膜成長前後で表面をRHEED(高速反射電子回折)により観測した結果、ストリークの間隔が変化していないことから-FeSi薄膜が-FeSi(110)基板上でエピタキシャル成長していることを明らかにした。
大内 真二*; 室賀 政崇*; 鵜殿 治彦*; 山田 洋一; 山本 博之; 菊間 勲*
no journal, ,
-FeSiのPLの発光起源は未だ不明確であり、その要因の一つにSi基板からの発光スペクトルとの切り分けが困難な点がある。-FeSi単結晶を基板とし、ホモエピタキシャル成長させればこの点が明確となる。このため-FeSi基板表面の清浄化について検討した。-FeSi(101)基板のエッチング直後、及び真空中で950C, 95分間熱処理後のRHEED像から、エッチング直後の試料においても自然酸化膜が形成され、RHEEDの強度は弱い。一方、真空中熱処理によりストリークは明瞭となり菊池線が観測された。さらに大気中に放置し自然酸化膜をつけた基板について950Cでの熱処理時間とRHEED強度変化の関係を検討した。この結果、放置時間が長い程RHEED強度が増加するまでの時間は長くなるが、90時間大気中に放置した基板においても長時間の熱処理によって清浄表面のRHEEDパターンが得られた。これらの結果から成膜前の基板を超高真空中にて950Cで熱処理することによって自然酸化膜を除去できることを明らかにした。
若谷 一平*; 室賀 政崇*; 大内 真二*; 鵜殿 治彦*; 山田 洋一; 山本 博之; 菊間 勲*
no journal, ,
-FeSiホモエピタキシーのためには基板表面の状態を知る必要がある。しかし-FeSiバルク単結晶の表面構造に関する報告は少ない。本研究では、-FeSi単結晶の幾つかの低指数面についてRHEEDによる表面観察を行った。作製した単結晶を成長ファセット面に平行に研磨し、X線回折によって方位を特定することで-FeSi(100),(101),(110),(111),(311)基板を準備した。これを10Torr台の高真空中で950Cの高温処理を行った。その後基板温度を100C以下に下げ、RHEED像を観察した。(110)面に電子線を[001]方向から入射した時のRHEED像を観察した結果、明瞭なストリークパターンが得られ、その格子間隔は約6.14であった。また、複数の入射方位に対して対称性の良いストリークパターンが見られた。360に渡る観察結果から、入射方位と格子間隔の関係はバルク-FeSi(110)面の格子配置と同じ周期性で説明できることがわかった。