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論文

Measurement of H$$^{0}$$ particles generated by residual gas stripping in the Japan Proton Accelerator Research Complex linac

田村 潤; 二ツ川 健太*; 近藤 恭弘; Liu, Y.*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 岡部 晃大; 吉本 政弘

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1049, p.168033_1 - 168033_7, 2023/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:75.85(Instruments & Instrumentation)

J-PARCリニアックは、ビーム損失が重要な課題となる大強度加速器である。J-PARCリニアックでは、H$$^{-}$$ビームが機能分離型ドリフトチューブリニアック(SDTL)で191MeVまで加速され、その後、環結合構造型加速管(ACS)で400MeVまで加速される。H$$^{-}$$リニアックでは陽子リニアックよりもビーム損失の要因事象が多いため、ビーム損失低減のためにはビーム損失の原因を詳しく調べることが必須である。制御不能なH$$^{0}$$粒子を生成する電子ストリッピング現象は、H$$^{-}$$リニアックに特有なビーム損失要因である。J-PARCリニアックにおけるビーム損失の原因を明らかにするため、SDTLとACSの間のビーム輸送部に新しいビーム診断系を設置した。ここでは、H$$^{0}$$粒子をH$$^{-}$$ビームから分離し、H$$^{0}$$粒子が分布する範囲にグラファイト板を挿入してH$$^{0}$$粒子の強度プロファイルを測定することに成功した。ビームライン真空圧力の違いによるH$$^{0}$$粒子の強度変化を調べることで、SDTLセクションのH$$^{0}$$粒子の半分は、J-PARCリニアックの残留ガスストリッピングによって生成されていることを明らかにした。

論文

Measurement of the longitudinal bunch-shape distribution for a high-intensity negative hydrogen ion beam in the low-energy region

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 小栗 英知

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(3), p.032802_1 - 032802_12, 2023/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

バンチシェイプモニター(BSM)はビーム輸送中にある地点での縦方向位相分布を測定して、縦方向ビームチューニングを行う際に有用な装置である。低エネルギー負水素(H$$^{-}$$)イオンビームの縦方向位相分布を測定するために、大強度ビーム負荷による熱負荷を軽減できるよう2次電子を放出する標的に高配向性グラファイト(HOPG)が採用した。このHOPGターゲットにより、50mA程度の高いピーク電流を持つ3MeV H$$^{-}$$イオンビームの中心部で縦方向位相分布の測定が可能となった。テストスタンドでHOPG-BSMを用いて縦方向のバンチ幅を測定したところ、ビームシミュレーションと一致した。HOPG-BSMを用いて、ビーム横方向と縦方向の相関測定を実証した。HOPG-BSMを用いて、縦方向Qスキャン法により縦方向Twissとエミッタンスを測定した。

論文

大強度・低速H$$^{-}$$ビーム用バンチシェイプモニタを用いたビーム計測手法に関する研究

北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.330 - 332, 2023/01

大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは、フロントエンドの大強度・低速H$$^{-}$$ビームを測定するためにビーム熱負荷への耐久性を向上させた改良型バンチシェイプモニタ(BSM)を開発している。ビームと相互作用させるプローブに新素材であるグラファイト製標的を導入することで、これまで不可能であった大強度ビーム中心領域でのプロファイル測定を実現した。改良型BSMではビーム全体のプロファイルが測定可能になったため、BSMの特徴を生かした応用的なビーム診断手法を提案する。本講演では、二次電子計測による横プロファイル測定、横プロファイルからのビーム電流測定等、BSM本来の目的である縦方向測定の枠組みを超えてBSMの多様な運用可能性について議論する。

論文

バンチシェイプモニタによるフロントエンドでの大強度ビームの縦方向測定

北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 宮尾 智章*; 三浦 昭彦; 森下 卓俊

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.212 - 214, 2023/01

大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは出射ビームの横エミッタンス低減等ビーム品質の向上に向けて、フロントエンドでの縦方向分布を精度良くかつ迅速に測定するためのバンチシェイプモニタ(BSM)を開発している。大強度ビームからの熱負荷を克服するため、熱耐久性の高いグラファイト製標的を導入したことに伴い、BSM分解能への影響を評価した。BSMによる縦方向測定結果からエミッタンスを評価するためには、空間電荷効果の影響を考慮できる3D PICコードであるIMPACTを用いた。ビーム試験を通して評価したBSMの不確かさを計算に考慮することで、より厳密にエミッタンスを評価する手法を開発した。本講演では一連の測定結果、開発したビーム評価手法、及びビームシミュレーションとの比較検討結果について報告する。

論文

J-PARC Linacにおけるビーム窓保護ユニットの開発

高橋 博樹; 宮尾 智章*; 畠山 衆一郎; 石山 達也*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.300 - 304, 2023/01

J-PARC Linacでは、複数のビームダンプ(BD)を用いてビームコンディショニングとスタディが行われている。これらBDの上流には、ビームラインに沿ってビーム窓が設置されている。ビーム窓保護システムは、2018年にLinacの0度BDのビーム窓でのトラブルをきっかけとして設置されることとなった。しかしながら既存の保護システムは、今後のビーム増強計画などを考慮した場合、十分な機能を有している訳ではない。そこで、リアルタイムでのビーム計測およびビームパルス途中でのビーム停止という新しい機能を有するビーム窓保護ユニットの開発を開始することとした。本件では、開発したビーム窓保護ユニットの詳細と性能について報告する。

報告書

J-PARC LINAC L3BTにおけるインバーター制御多段式ルーツ型真空ポンプのノイズ対策

高野 一弘; 古徳 博文*; 小林 史憲*; 宮尾 智章*; 守屋 克洋; 神谷 潤一郎

JAEA-Technology 2021-017, 35 Pages, 2021/11

JAEA-Technology-2021-017.pdf:5.32MB

J-PARC LINACにおいて、LINACと3GeVシンクロトロンをつなぐビーム輸送ラインであるL3BTの真空排気系は、粗引き排気用にターボ分子ポンプとルーツポンプ、メイン排気用にイオンポンプが使用されている。また、L3BTには、LINACのビームラインに対して0度、30度、90度、100度の位置にビームダンプが真空仕切り窓を介して接続されており、それぞれのビームダンプの排気系としてルーツポンプが使用されている。これらルーツポンプのコントローラーは放射線による故障を防ぐために、加速器トンネルに設置したポンプ本体から100m程度離れた位置に設置している。これまでインバーターを使用したルーツポンプコントローラーからの電気ノイズがビームモニターへ悪影響を与えることから、インバーターを取り外した特殊仕様のコントローラーを利用していた。しかし特殊仕様のコントローラーでは、ポンプの排気性能の不安定さや性能のばらつき等の不具合が発生していた。今回、ルーツポンプコントローラーのインバーターに対し、各種のフィルター、ケーブル種、アースのとり方等を調査した。その結果、最適なノイズ対策を実施することで、ビームモニターの使用が可能となる状態までノイズが低減されたことを確認できたため、ここに報告する。

論文

Bunch-size measurement of the high-intensity H$$^{-}$$ beam with 3 MeV by the bunch-shape monitor

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011012_1 - 011012_6, 2021/03

J-PARCリニアックフロントエンドの大強度3MeV H$$^{-}$$のバンチ幅を測定するためには、新たなバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。カーボンナノチューブワイヤーとグラフェンスティックは大強度ビームを測定するために十分な強度を持つ素材であるため、BSMの標的ワイヤーの良い候補である。しかしながらBSMではワイヤーに数kV以上の負極性高電圧を印加するために放電抑制が課題であった。ワイヤーからの放電による影響を調査するための高電圧試験の後、グラフェンスティックを用いてピーク電流55mAでビーム中心部における信号検出に初めて成功した。本講演ではバンチ幅測定のプレリミナリーな結果を報告する。

論文

大強度陽子ビーム用縦方向分布モニター応答特性評価

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09

大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。

論文

Upgrade of the 3-MeV linac for testing of accelerator components at J-PARC

近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:52.4

J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV H$$^{-}$$リニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。

論文

Longitudinal measurements and beam tuning in the J-PARC linac MEBT1

大谷 将士*; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*; Liu, Y.*; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 三浦 昭彦; 小栗 英知

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012078_1 - 012078_5, 2019/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:52.4

J-PARCリニアックは2018年から設計ピーク電流である50mAでの運転を行っている。このような大電流においては、とくに低エネルギー領域での縦横両方向のビームの特性を理解することが重要である。3MeV RFQと50MeV DTLの間の長さ3mのMEBTは、RFQ-DTL間のビーム整合やRCS入射ビームの中間構造を作る非常に重要なセクションである。この論文では、MEBTの最近の測定とビーム調整について報告する。

論文

Development of a beam window protection system for the J-PARC Linac

高橋 博樹; 畠山 衆一郎; 澤邊 祐希; 宮尾 智章*; 石山 達也*; 鈴木 隆洋*

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012142_1 - 012142_5, 2019/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.06

J-PARC Linacのビーム調整およびスタディーにおいて使用されるビームダンプ上流には、高真空部との仕切りとなるビーム窓(材質Ni、厚さ0.38mm、鏡板状)が設置されている。ビーム窓が許容できるビームは定格の約1/50以下であり、この許容値を超えないようにする必要がある。しかしながら、2018年のビームスタディーにおいて、人為的なミスにより許容値を超えるビームとなったため、0度ダンプのビーム窓が破損してしまった。これにより、ビーム窓を機械的に保護することの必要性が明らかとなった。そこで、既存の1時間当たりのビーム量を監視するシステムをベースとして、新たに1ショットのビームおよび1秒間のビーム量を監視しするシステムを開発した。そして、短時間(1ショットおよび1秒間)のビームを監視し、ビーム窓を保護するシステムの実装に短期間で成功した。また、実ビームを用いた試験により、開発した保護システムが十分な要求性能を有していることを確認した。

論文

カーボン素材を用いた大強度3MeV H$$^{-}$$ビーム用バンチシェイプモニター

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 守屋 克洋; 根本 康雄*; 小栗 英知

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.51 - 54, 2019/07

J-PARCリニアックにおいてピーク電流60mAを超える大強度H$$^{-}$$ビームを供給する場合、高周波四重極リニアック(RFQ)後のビーム輸送系における縦方向測定と調整はビームロスとエミッタンス増大の削減のために重要である。大強度3MeVのH$$^{-}$$ビームのバンチ幅測定にはエネルギー損失が小さくかつ高温耐性のあるカーボンナノチューブ(CNT)ワイヤーを用いた新しいバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。しかし二次電子を引き出すためCNTワイヤーに高圧印加すると、放電が電圧印加の妨げとなる。それゆえ安定したバンチ幅測定のためには放電を抑制する必要がある。エミッタとしてのCNTの特性を考慮してワイヤー長を短くしたところ、-10kV高圧がワイヤーに印加できた。本講演ではこのBSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。

論文

理研超伝導加速空洞用ビームエネルギー・位置モニターのマッピング測定

渡邉 環*; 外山 毅*; 花村 幸篤*; 今尾 浩司*; 上垣外 修一*; 鴨志田 敦史*; 河内 敏彦*; 小山 亮*; 坂本 成彦*; 福西 暢尚*; et al.

Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1105 - 1108, 2019/07

現在、仁科加速器研究センターにおいて、超伝導加速空洞を建設中である。破壊型ビーム診断装置を用いたビーム測定は脱ガスを発生するため、超伝導加速空洞の性能を示すQ値や表面抵抗値を、長期的に維持することが難しくなる。そのために、非破壊型のビーム診断装置による測定が必須となる。そこで、斜めに四分割した静電型ピックアップを用いたビーム位置モニターシステム(BEPM)の開発を行い、計11台を完成させた。このシステムは、BEPM間の距離を正確に測定した2台のBEPMを用いて、ビームの飛行時間(TOF)を測定し、ビームの位置情報と同時に、ビームエネルギー値も得られるという利点を有する。終段のBEPMは、ビームエネルギーの情報が非常に重要になる、超重元素探索装置GARIS IIIや、医療用RIアスタチンの製造に使用される予定である。2019年度は、BEPM内にワイヤーを張り、上下左右に動かすことにより、そのワイヤーの位置と各電極の出力の相関を測定する校正作業(マッピング)を行うため、BEPMを固定する冶具とワイヤーを囲むダミーダクトの設計と製作を行った。校正装置本体は、J-PARC 50GeVシンクロトロンMRのマッピング用に開発された校正装置を利用させて頂いた。今回の学会では、マッピングによる測定の結果とその考察にについて発表をする。

論文

Development of the bunch shape monitor using the carbon-nano tube wire

北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 守屋 克洋; 小栗 英知; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*; 大谷 将士*; 小坂 知史*; et al.

Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.2543 - 2546, 2019/06

バンチシェイプモニター(BSM)は縦方向位相空間分布を測定するための重要な装置の一つである。例えば、J-PARCリニアックではタングステンワイヤーを用いたBSMが加速空洞間のバンチ形状を測定するためACSセクションに3台導入されている。しかしながら、このBSMではRFQとDTLセクション間のビーム輸送系における3MeVのH$$^{-}$$ビームのバンチ形状を測定することは、ビーム中心部でワイヤーが断線してしまうために困難である。そこで3MeVのH$$^{-}$$ビームのバンチ形状を測定できるよう、カーボンナノチューブワイヤー(CNT)を用いた新たなBSMを開発している。CNTワイヤーに-10kVの高圧を印加するには細心の注意を要する。ワイヤーからの放電を抑制しつつBSMを運転するためにいくつかの対策を実施した。この講演ではCNT-BSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。

論文

Development of a beam window protection system for the J-PARC Linac

高橋 博樹; 畠山 衆一郎; 澤邊 祐希; 宮尾 智章*; 石山 達也*; 鈴木 隆洋*

Proceedings of 10th International Particle Accelerator Conference (IPAC '19) (Internet), p.3886 - 3889, 2019/06

J-PARC Linacのビーム調整およびスタディーにおいて使用されるビームダンプ上流には、高真空部との仕切りとなるビーム窓(材質Ni,厚さ0.38mm,鏡板状)が設置されている。ビーム窓が許容できるビームは定格の約1/50以下であり、この許容値を超えないようにする必要がある。しかしながら、2018年のビームスタディーにおいて、人為的なミスにより許容値を超えるビームとなったため、0度ダンプのビーム窓が破損してしまった。これにより、ビーム窓を機械的に保護することの必要性が明らかとなった。そこで、既存の1時間当たりのビーム量を監視するシステムをベースとして、新たに1ショットのビームおよび1秒間のビーム量を監視しするシステムを開発した。そして、短時間(1ショットおよび1秒間)のビームを監視し、ビーム窓を保護するシステムの実装に短期間で成功した。また、実ビームを用いた試験により、開発した保護システムが十分な要求性能を有していることを確認した。

論文

Analysis of interlocked events based on beam instrumentation data at J-PARC Linac and RCS

林 直樹; 畠山 衆一郎; 三浦 昭彦; 吉本 政弘; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*

Proceedings of 7th International Beam Instrumentation Conference (IBIC 2018) (Internet), p.219 - 223, 2019/01

J-PARCは、多目的なユーザー実験施設であり、加速器の安定性は、重要な課題の一つである。安定的な運転を実現するには、インターロックが起こった事象を集め、解析し、その本質的な要因を調べる必要がある。J-PARCリニアックでは、ビームロスモニタ,電流モニタの波形が記録から事象の分類を行った。リニアックでは、ロスモニタ一台のみの発報事象が非常に多くなっており、その解析を行った。その結果、多くはビーム停止が不要であることが判明し、ロスモニタの新しい運転条件を決めて発報頻度が低減するか、確認を始めたところである。また、J-PARC RCSでは、インターロック時の詳しいビーム位置を記録するための新しい機器を導入し、事象の解析を進めている。本論文では、現在の状況と今後について報告する。

論文

Observation of beam current fluctuation extracted from an RF-driven H$$^-$$ ion source

神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 三浦 昭彦; 宮尾 智章*; 和田 元*

AIP Conference Proceedings 2011, p.080016_1 - 080016_3, 2018/09

 被引用回数:5 パーセンタイル:91.9

In J-PARC, peak H$$^-$$ current of several tens mA is produced from a cesiated hydrogen plasma generated by a solid-state RF amplifier with the frequency of 2 MHz. In case of the high-intensity H$$^-$$ beam extracted from the ion source, the plasma density in the source chamber is so high that the ion sheath around the beam extraction area follows the RF oscillation. Because the ion plasma frequency defined by the ion density is much higher than the driving frequency. The potential fluctuation of the plasma is combined with the driving RF electric field and causes motion of charged particles in the plasma some changes. As a result, the H$$^-$$ beam extracted from the source plasma also fluctuates. The beam current signal from a Faraday cup was measured by a spectrum analyzer. A powerful frequency component at 2 MHz which is as same as that of the RF amplifier was also observed after the acceleration of RFQ linac located at the downstream of the ion source.

論文

Study of a tuner for a high-accuracy bunch shape monitor

守屋 克洋; 川根 祐輔*; 三浦 昭彦; 二ツ川 健太*; 宮尾 智章*

Journal of Physics; Conference Series, 1067, p.072009_1 - 072009_3, 2018/09

BB2017-2165.pdf:0.7MB

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.11

J-PARCリニアックでは、ビーム縦方向分布を観測するバンチシェイプモニタ(BSM)の高精度化を行っている。ビームをワイヤに当てることで、ビームと同じ時間(縦方向)構造を持つ2次電子をワイヤから生成する。この電子を高周波電場を用いて縦方向の情報を横方向に移すことで縦方向分布を観測する。このとき高周波電場の周波数は加速周波数と同期させる必要がある。BSMのRFディフレクタは2本の電極から構成され、目的の周波数が共振周波数となるように電極長を変えることで実現する。しかし電極長の製作精度は$$pm$$0.5mmであるため、従来の調整方法では周波数設定精度は$$pm$$390kHzであった。今回新たにチューナとして円柱ブロックを挿入することで、共振周波数を高精度に調節できることが数値シミュレーション(CST Studio)の結果から判明した。具体的には円柱挿入量$$pm$$0.1mmに対してを$$pm$$25kHzまで調節可能となる。これにより、共振周波数の粗い調節を電極長を変えることで、細かい調節を円柱ブロックを挿入することで共振周波数を極めて高い精度で調節できるようになる。現在、このチューナ付きBSMの製作を行っている。今回の発表では数値計算結果について報告する。

論文

理研超伝導加速空洞用ビームエネルギー・位置モニターの開発

渡邉 環*; 今尾 浩士*; 上垣外 修一*; 坂本 成彦*; 福西 暢尚*; 藤巻 正樹*; 山田 一成*; 渡邉 裕*; 小山 亮*; 外山 毅*; et al.

Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.49 - 54, 2018/08

現在、仁科加速器研究センターにおいて、超伝導加速空洞を建設中である。超伝導加速空洞の性能を示すQ値や表面抵抗値を維持するためには、脱ガスを発生するビーム診断装置は使用できず、非破壊型のビーム診断装置による測定が必須となる。そこで、斜めに四分割した静電型ピックアップを用いたビーム位置モニターシステムの開発を行ってきた。このシステムは、モニター間の距離を正確に測定した2台のモニターを用いて、ビームの飛行時間(TOF)を測定し、ビームの位置情報と同時に、ビームエネルギー値も得ることができるという特色を持つ。平成29年度は、このプロトタイプを完成させ、仁科センターのビーム輸送系に設置した。信号処理系やLabVIEWによるソフトウエアの開発も同時に進め、RIBFにおけるウランビーム加速時に試験を行ってきた。その結果、常時リアルタイムによる測定や測定結果の表示・保存が可能となった。今回の学会では、超伝導加速空洞用に開発を進めているビームエネルギー・位置モニターシステムについて発表をする。

論文

カーボンナノチューブワイヤーを用いたビームプロファイル測定試験,3; リニアック高エネルギー部におけるプロファイル測定

宮尾 智章*; 三浦 昭彦

Proceedings of 15th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1031 - 1034, 2018/08

J-PARCリニアックでは、ビームロスが少なく、安定したビーム運転を実現するため、ビームプロファイルモニタを用い、ビーム進行方向に対して鉛直な断面のプロファイルを測定して、4極電磁石の調整を行っている。ビームプロファイルの測定には、ワイヤスキャナモニタ(WSM)を使用しており、リニアックの高エネルギー部では、センサ部にタングステンワイヤーを使用している。このワイヤーは、加速したビームと直接相互作用するため、ビーム出力向上する際、より高い耐久性のあるワイヤー材料が必要である。そこで、高い引張強度、電気伝導度を有し、熱的に無酸素状態で3000$$^{circ}$$Cまで耐えられるカーボンナノチューブ(CNT)に着目し、ビーム阻止能が高い3MeVの負水素イオンビームでビームプロファイル測定試験を実施した。この結果、ピークビーム電流30mAにおいて、高い耐久性を持ち、従来の炭素繊維と比較して、より広いダイナミックレンジがあることが確認できた。さらに、ビーム阻止能が低い高エネルギー部にCNT製ワイヤーが適用できるか確認するため、191MeV調整部のWSMにCNT製ワイヤーを適用し、ピークビーム電流40mAでプロファイル測定試験を実施した。本発表では、191MeVにおけるプロファイル測定について、3MeVでの測定結果及びタングステンワイヤーでの測定結果と比較して報告する。

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