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堀田 平*; 石井 進一*; 宮崎 武晃*; 鷲尾 幸久*
PNC TJ6557 91-044, 48 Pages, 1990/08
本研究においては、海水中に溶存するウランを経済的に、かつ大量に回収する技術の可能性を明確にすることを目的として、新たに開発・改良されたウラン吸着剤の吸着性能の把握ならびにこの吸着剤を用いた海水ウラン回収システムの必要とされる基本的な諸元についての検討を行った。まず、ウラン吸着剤としては、動力炉・核燃料開発事業団殿より支給されたアミドキシム樹脂DCE(ジクロエタン未処理3%Nacl型)、同(アルカリ72時間振とう3%Nacl型)マイティピートおよびRNH-5(クロロホルム)について海洋科学技術センターの岸壁において、海水温度の高い夏期間に、最長10日間に亘って海水通水試験を行い、ウラン吸着量の分析を行った。その結果、アミドキシム樹脂DCE(ジクロエタン未処理3%Nacl型)およびRNH-5の吸着剤がこれまでにない高い吸着性能を有することが判った。しかし、他の吸着剤はさほど高性能ではなかった。一方、海水ウラン回収システムとしては、上下に通水網の張られた吸着室方式を考慮し、これに粒状の海水ウラン吸着剤が充填され波浪中の海面下に固定された時の、吸着剤の最適充填量および最適吸着室幅について模型実験によって明らかにされた。実験においては、主に吸着室内の挙動を観察することによって、各種の特性の把握が行われた。その結果、最適充填量としては、吸着室高さの1/3程度であり、また、最適吸着幅は波長の1/5程度であることが明らかになった。
中川 賢一郎*; 堀田 平*; 宮崎 武晃*
PNC TJ4557 88-001, 30 Pages, 1988/08
昭和62年度に低濃度ウラン溶液からウランを回収するシステムの概念設計を行い、これに基づき経済性の検討を実施した。その結果、吸着剤の性能、特に吸着速度が経済性に及ぼす影響が大きく、それが向上すれば、本システムは実現可能であることが判った。そこで、本年度は高性能の新型吸着剤の開発に主眼を置くこととし、その一環として、吸着剤の性能を評価するため低濃度ウラン溶液として海水を使用した大流量の定流量試験装置(カラム試験機)を開発製作した。さらに、これを用いてまず、動燃事業団殿より支給された8種類の試作吸着剤について各々10日間にわたり吸着試験を行って吸着ウラン量の分析を行い、性能を評価した。その間、試験機は正常に作動した。また、試験に供した吸着剤の中からの非常に有望なものが出現した。