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Liao, W.*; 伊東 功次郎*; 安部 晋一郎; 密山 幸男*; 橋本 昌宜*
IEEE Transactions on Nuclear Science, 68(6), p.1228 - 1234, 2021/06
被引用回数:0 パーセンタイル:32.89(Engineering, Electrical & Electronic)二次宇宙線中性子が引き起こすメモリ情報の反転現象であるシングルイベントアップセット(SEUs: Single Event Upsets)は、地上における電子機器の誤動作現象の原因となる。特に、複数メモリセル反転(MCUs: Multiple Cell Upsets)は、エラーの訂正が困難であるため、深刻な問題となる可能性もある。本研究では、10MeV以下の低エネルギー中性子の影響を明らかにすることを目的とし、産業技術総合研究所にて半導体デバイス設計ルール65nmのBulk SRAMへ異なるエネルギーの単色中性子を照射し、SEU断面積およびMCU断面積を測定した。その結果、6MeV前後でSEU断面積が大きく変化することや、数MeVの中性子でも全体に占めるMCUの割合は大きく変わらないことなどを明らかにした。また、SEU断面積およびMCU断面積と、ニューヨークと東京の二次宇宙線中性子スペクトルを用いてソフトエラー率を解析した結果、地上環境では低エネルギー中性子の影響はそれほどない事なども判った。