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芝田 悟朗; Won, C.*; Kim, J.*; 野中 洋亮*; 池田 啓祐*; Wan, Y.*; 鈴木 雅弘*; 小出 常晴*; 田中 新*; Cheong, S.-W.*; et al.
Photon Factory Activity Report 2022 (インターネット), 2 Pages, 2023/00
Feをインターカレートした遷移金属ダイカルコゲナイド化合物FeTiSおよびFeTaSは、巨大な保磁力および垂直磁気異方性を示す強磁性体になることが知られている。我々は以前、FeTiSについてのX線磁気円二色性(XMCD)実験の結果から、Feの凍結していない軌道磁気モーメントが結晶場の1次摂動によって直接磁気異方性エネルギーを生むことを明らかにした。今回、FeTiSよりもさらに強い磁気異方性を示す遷移金属ダイカルコゲナイドFeTaSについて同様にXMCD実験を行い、磁気異方性の強さが何によって左右されているかを探ることを試みた。
石橋 正祐紀; 濱 克宏; 岩月 輝希; 松井 裕哉; 竹内 竜史; 野原 壯; 尾上 博則; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 弥富 洋介; et al.
JAEA-Review 2017-026, 72 Pages, 2018/01
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。本報告書は、2016年度に実施した超深地層研究所計画のそれぞれの研究分野における調査研究、共同研究、施設建設などの主な研究成果を示したものである。
石橋 正祐紀; 濱 克宏; 岩月 輝希; 松井 裕哉; 竹内 竜史; 池田 幸喜; 見掛 信一郎; 弥富 洋介; 笹尾 英嗣; 小出 馨
JAEA-Review 2017-019, 29 Pages, 2017/10
日本原子力研究開発機構(以下、原子力機構)東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めている。本計画書は、2015年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」および「超深地層研究所計画における調査研究計画-第3期中期計画における調査研究計画-」に基づき、2017年度の超深地層研究所計画の調査研究計画、施設計画、共同研究計画などを示したものである。
濱 克宏; 水野 崇; 笹尾 英嗣; 岩月 輝希; 三枝 博光; 佐藤 稔紀; 藤田 朝雄; 笹本 広; 松岡 稔幸; 横田 秀晴; et al.
JAEA-Research 2015-007, 269 Pages, 2015/08
日本原子力研究開発機構の第2期中期計画期間(平成2226年度)における、超深地層研究所計画および幌延深地層研究計画、地質環境の長期安定性に関する研究の成果を取りまとめた。研究成果については、地層処分事業におけるサイト選定から処分開始に関する意思決定ポイントまでに必要な技術情報を、事業者・規制機関が活用可能な形式で体系化し、所期の目標としていた精密調査(前半)の段階に必要となる技術基盤として整備した。
小出 馨; 大澤 英昭; 伊藤 洋昭; 棚井 憲治; 仙波 毅; 内藤 守正; 杉原 弘造; 宮本 陽一
Annual Waste Management Symposium (WM 2015), Vol.5, p.3631 - 3645, 2015/00
原子力機構は高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発を進めており、その一環として日本の多種多様な地質環境に対応するため、深地層の研究施設計画として超深地層研究所計画(瑞浪)と幌延深地層研究計画を立ち上げた。瑞浪では結晶質岩を対象に深地層の科学的研究を実施している。一方、幌延では堆積岩を対象に深地層の科学的研究と地層処分研究開発を実施している。両プロジェクトとも、計画を「地上からの調査研究段階(第1段階)」「坑道堀削時の調査研究段階(第2段階)」「地下施設での調査研究段階(第3段階)」の3つの段階に分けて進めている。現在、研究坑道の堀削工事は、瑞浪では深度500mまで、また、幌延では深度350mまで終了している。今後、両プロジェクトでは、地質環境の長期変遷に関する研究を含む第3段階の研究を進めるとともに、深地層の研究施設を地層処分分野の研究者・技術者の育成、国民との相互理解促進、国際協力の場として活用していく。
濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一*; 丹野 剛男*; 真田 祐幸; 尾上 博則; et al.
JAEA-Review 2013-050, 114 Pages, 2014/02
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階;地表からの調査予測研究段階」、「第2段階;研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階;研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2012年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2012年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 引間 亮一; 丹野 剛男; 真田 祐幸; et al.
JAEA-Review 2013-018, 169 Pages, 2013/09
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2011年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階及び第3段階の調査研究のうち2011年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。
松本 吉弘; 圓谷 志郎; 小出 明広*; 大伴 真名歩; Avramov, P.; 楢本 洋*; 雨宮 健太*; 藤川 高志*; 境 誠司
Journal of Materials Chemistry C, 1(35), p.5533 - 5537, 2013/09
被引用回数:32 パーセンタイル:76.99(Materials Science, Multidisciplinary)The spin-electronic structures across the interface between single-layer graphene and a Ni(111) thin film are explored by employing the depth-resolved X-ray absorption and magnetic circular dichroism spectroscopy with the atomic layer resolution. The depth-resolved Ni L-edge analysis clarifies that the Ni atomic layers adjacent to the interface show a transition of the spin orientation to the perpendicular one in contrast with the in-plane one in the bulk region. The C K-edge analysis reveals the intensifying of the spin-orbital interactions induced by the -d hybridization at the interface as well as out-of-plane spin polarization at the band region of graphene. The present study indicates the importance of the interface design at the atomic layer level for graphene-based spintronics.
國丸 貴紀; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 鶴田 忠彦; 松岡 稔幸; 石橋 正祐紀; 窪島 光志; 竹内 竜史; 水野 崇; 佐藤 稔紀; et al.
JAEA-Review 2012-028, 31 Pages, 2012/08
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、地層処分技術に関する研究開発のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなる。2012年度は、第2段階及び第3段階の調査研究を進めていく。本計画書は、2010年に改訂した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた2012年度の超深地層研究所計画の調査研究計画,施設建設計画,共同研究計画などを示したものである。
福田 武司; 及川 聡洋; 竹治 智; 諫山 明彦; 河野 康則; 閨谷 譲; 長島 章; 西谷 健夫; 木島 滋; 玉井 広史; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.357 - 367, 2002/09
被引用回数:7 パーセンタイル:44.35(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉で高性能炉心プラズマを定常維持するためには、複数のプラズマ諸量を同時に実時間フィードバック制御する必要がある。本論文ではJT-60におけるプラズマの蓄積エネルギーや密度,温度等の実時間制御を目的とした研究開発の成果をまとめた。電子密度と中性子発生率の制御を用いた負磁気シア放電では、高い閉じ込め性能と規格化値を4.3秒間維持するとともに蓄積エネルギーの変化を動的に制御することによって世界最高の等価エネルギー増倍率を達成した。また、放射冷却ダイバータの生成と高い閉じ込め性能の両立を目指したダイバータの放射損失量と中性子発生率の複合制御実験を行い、応答行列を評価することによって各制御装置の寄与を定量化するとともに単純な組み合わせ制御の問題点を明らかにした。さらに、非制御量の非線形応答に注目して核融合炉心プラズマの制御に必要な先進制御の概念を提案した。
鎌田 裕; 藤田 隆明; 石田 真一; 菊池 満; 井手 俊介; 滝塚 知典; 白井 浩; 小出 芳彦; 福田 武司; 細金 延幸; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.185 - 254, 2002/09
被引用回数:34 パーセンタイル:48.48(Nuclear Science & Technology)JT-60及びJT-60Uは、ITER及び定常トカマク炉実現へ向けた物理基盤を構築することを目的として、炉心級プラズマにおける高総合性能の実証とその維持を目指した運転概念の最適化を行って来た。等価核融合エネルギー増倍率(=1.25)や核融合積(=1.5E21 m-3skeV)の達成に加えて、高い総合性能(高閉じ込め&高ベータ&高自発電流割合&完全非誘導電流駆動)を実証した。これらは、内部及び周辺部に輸送障壁を持つ高ポロイダルベータHモード及び負磁気シアモードで得られた。最適化の鍵は分布及び形状制御である。多様な内部輸送障壁の発見に代表されるように、JT-60/JT-60U研究はプラズマ諸量の空間分布の自由度と制限を強調して来た。各閉じ込めモードの閉じ込め研究に加えて、輸送及び安定性等によって支配されるコア部及び周辺ペデスタル部のパラメータ相関を明らかにした。これらの研究により、高閉じ込めモードのITERへの適合性を実証するとともに残された研究課題を明らかにした。
竹治 智; 徳田 伸二; 藤田 隆明; 鈴木 隆博; 諫山 明彦; 井手 俊介; 石井 康友; 鎌田 裕; 小出 芳彦; 松本 太郎; et al.
Nuclear Fusion, 42(1), p.5 - 13, 2002/01
被引用回数:75 パーセンタイル:89.25(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60の負磁気シアプラズマにおける抵抗性MHD不安定性,理想低nキンクモードの壁安定化効果を調べた。規格化値~1程度で強い内部輸送障壁を有する負磁気シアプラズマにおいて、空間的に局在化したトロイダルモード数n=1の抵抗性交換型MHDモードを初めて観測した。抵抗性交換型MHDモードはバースト状の揺動が間欠的に現れ、高い規格化領域では高次のn3モードが時折観測される。抵抗性交換型MHDモードのみではグローバルな閉じ込め性能に大きく影響してない。抵抗性交換型MHDモードが安全係数が極小値となる位置より外側の有理面のテアリングモードと結合しコラプス現象を引き起こすことが見いだされた。テアリングモードの安定性解析は、外側の有理面のテアリングモードの安定性パラメータが自由境界条件によって影響を受けることを示しており、この結果はプラズマ表面の安全係数が整数となる時にコラプスが発生する実験事実に矛盾しない。理想低nキンクモードがJT-60の真空容器壁の壁安定化効果により安定化されることを明らかにした。壁で安定化されたプラズマのコラプス後に現れる効果抵抗性壁モードによる磁気流体揺動を観測した。
三浦 幸俊; 藤田 隆明; 及川 聡洋; 鈴木 隆博; 井手 俊介; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 波多江 仰紀; 内藤 磨; 諫山 明彦; et al.
IAEA-CN-94/EX/C3-1Ra (CD-ROM), 5 Pages, 2002/00
負磁気シア配位による先進トカマク運転では、凹状の電流分布により安全係数の極小値が磁気軸から外れて存在し、その極小値の内側に内部輸送障壁が形成されて閉じ込めが著しく改善される。この負磁気シア配位の極限状態では、トカマクの閉じ込めにとって必要不可欠であると考えられていたプラズマ電流がプラズマ中心近傍でほぼゼロとなっている(電流ホール)ことを世界で初めて発見した。しかも、半径の40%に至る領域でプラズマ電流がほぼゼロの状態が長時間安定に存在できることを世界で初めて示した。電流ホールは、内部輸送障壁部の圧力勾配による自発電流等の非誘導電流により発生する負の電場の拡散により、中心部の電流がゼロになっているように観測されており、電流ホール形成後は、ECHあるいはN-NBによる(順・逆方向)電流駆動でも電流ホール内部に(順・逆)電流が現れることはない。
藤田 隆明; 三浦 幸俊; 鈴木 隆博; 井手 俊介; 竹永 秀信; 及川 聡洋; Chankin, A. V.; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 波多江 仰紀; et al.
Proceedings of 29th European Physical Society Conference on Plasma Physics and Controlled Fusion, 9 Pages, 2002/00
JT-60Uにおいて、モーショナルシュタルク効果(MSE)計測の測定精度の向上及び平衡コードの改良により、負磁気シアプラズマの中心部に電流がほとんど流れていない領域(「電流ホール」)が数秒間安定に存在することを明らかにした。電流ホールの半径はプラズマ半径の40%に及ぶ。これは従来必要と考えられていた磁気軸上電流がなくても安定にトカマクを運転できる可能性を示すものである。電流ホールは中心を外れた非誘導電流の増大によって形成される。興味深いのは、中心部で電流が負となる例が観測されていないことである。また、電流ホール内において、中性粒子ビームや電子サイクロトロン波による電流駆動を行った場合でも、中心部に電流が発生しない。このような電流ホールの硬直性は、それを維持する何らかの機構が働いていることを示唆している。
藤田 隆明; 及川 聡洋; 鈴木 隆博; 井手 俊介; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 波多江 仰紀; 内藤 磨; 諫山 明彦; 林 伸彦; et al.
Physical Review Letters, 87(24), p.245001_1 - 245001_4, 2001/12
被引用回数:179 パーセンタイル:95.95(Physics, Multidisciplinary)JT-60Uトカマクにおいて、中心付近にトロイダル電流がほとんどゼロとなる領域(「電流ホール」)を有する高閉じ込めの平衡が数秒間安定に持続することが初めて観測された。これは、従来必要と考えられていた中心部のトロイダル電流がなくてもトカマクを安定に運転できる可能性を示すものである。電流ホールの半径はプラズマ半径の40%にまで及んだ。中心を外れた非誘導電流の増大によって電流ホールが形成されることが観測された。
藤田 隆明; 井手 俊介; 鎌田 裕; 鈴木 隆博; 及川 聡洋; 竹治 智; 坂本 宜照; 小出 芳彦; 諫山 明彦; 波多江 仰紀; et al.
Physical Review Letters, 87(8), p.085001_1 - 085001_4, 2001/08
被引用回数:179 パーセンタイル:95.95(Physics, Multidisciplinary)JT-60Uトカマクにおいて、80%に及ぶ高い自発電流割合を有する準定常負磁気シアプラズマが初めて得られた。内部輸送障壁領域にピークを持つ自発電流によって負磁気シア領域の時間的縮小が抑制され、大きな半径の内部輸送障壁が維持された。Hモードによる境界輸送障壁の重畳によりHモードスケーリングの2.2倍に達する高い閉じ込め性能がエネルギー閉じ込め時間の6倍(2.7秒間)維持された。さらに、ビーム駆動電流と自発電流によって完全非誘導電流駆動が得られた。
坂本 宜照; 鎌田 裕; 井手 俊介; 藤田 隆明; 白井 浩; 滝塚 知典; 小出 芳彦; 福田 武司; 及川 聡洋; 鈴木 隆博; et al.
Nuclear Fusion, 41(7), p.865 - 872, 2001/07
被引用回数:106 パーセンタイル:93.35(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60の負磁気シアプラズマの内部輸送障壁構造を調べ、その能動的制御法を開発した。内部輸送障壁の外側への移動は、安全保数が最小とする位置で停留するが、障壁の勾配がゆるい場合にはさらに外側へ移動することを見いだした。輸送障壁中の最小値は、その中心の位置で評価したポロイダルラーマ半径に比例することを明らかにした。中性粒子ビームのパワーと方向を変化させその運動量を制御することで、径方向電場のシア分布を変化させ、その結果、内部輸送障壁の強さを能動的に制御できることを明らかにした。
小出 洋; 笠原 博徳*
bit, 33(4), p.36 - 41, 2001/04
メタコンピューティングは、ワークステーション,高性能計算機,データベースなどをネットワークで接続した分散コンピューティングシステム上で高速化、あるいは、大規模データ処理が必要な科学技術計算を効率的に行おうとする技術である。分散コンピューティングシステムは、通常、多くの利用者により共有されているため、計算機やネットワークの負荷が時間的に変化するという特徴を持つ。このようなシステム上で適切な負荷分散を行うためには、計算機やネットワークの負荷変動を考慮して、分散コンピューティングシステム上の個々のタスクやジョブを適当な計算機に割り付けることが必要となる。本稿では、分散コンピューティングシステムで単一のアプリケーションのプログラムの実行時間の最小化を目的とするメタスケジューリング手法と呼ぶタスクスケジューリング方式の紹介を行う。
茂田 有己光*; 林 拓也*; 小出 洋; 鹿島 亨*; 筒井 宏明*; 笠原 博徳*
情報処理学会第62回(平成13年前期)全国大会講演論文集, p.1_131 - 1_132, 2001/03
科学技術計算プログラムを異機種分散計算機環境上で並列分散実行するためのメタスケジューリング手法の効果的な実現のためには、各計算機のプロセッサ負荷やネットワーク負荷の予測値を用いてタスクの各計算機への割り当てを決める必要がある。動的負荷予測の研究としては、線形時系列モデルを用いて予測を行う研究やNetwork Weather Service(NWS)における複数の予測モジュールのうち最も誤差の少ないモジュールを用いて予測を行おうとする研究がある。本稿では、データマイニングツールdataFORESTを用いて、位相論に基づいたTCBM(Topological Cace-Based Modeling)でモデリングを行い、日本原子力研究所に設置されているCOMPACS上の資源情報サーバによって収集されたプロセッサ負荷情報をもとに、プロセッサ負荷の予測を行う手法を提案し、評価を行う。
小出 洋; 山岸 信寛*; 武宮 博*; 笠原 博徳*
情報処理学会論文誌, 42(3), p.65 - 73, 2001/03
分散コンピューティーング環境における効率的なタスクスケジューリング実現の一環として、われわれは、分散コンピューティング環境上のプロセッサやネットワークの負荷など計算資源に関する情報(資源情報)を収集し、それをもとに将来の値を予測する資源情報サーバ(Resource Information Server; RIS)を開発している。ひとつのプログラムの実行時間の最小化を目的とするスケジューラは、プロセッサやネットワークの負荷予測に基づいて、動的にタスクを割り付けるため、RISは必須である。現在、高速と高精度の2種類の資源情報予測を行うモジュールがRISに実装されている。高速予測モジュールは、予測を行う時点の最近接過去に記録された資源情報だけを使用し、将来の資源情報の値を迅速に予測する。高精度予測モジュールは、予測時点の最近接過去の資源情報の変化と類似した負荷パターンを過去のデータから検索するため、予測時間を要するが、より高い精度で資源情報を予測することができる。要求精度と予測時間に応じて、これらのモジュールを使い分けることにより、将来の資源情報を効率的に予測することができる。本論文では、資源情報の計測と予測方法、RISのシステム構成、予測時間と予測精度に関する評価について述べる。