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小山 佳一*; 藤井 博信*; 牧原 義一*; 梶谷 剛*; 森井 幸生
Journal of the Magnetics Society of Japan, 23(1-2), p.468 - 470, 1999/00
斜方面体YFeについて粉末X線及び中性子線回折実験を行った。室温以下ではFe(C)-Fe(C)ダンベル対間の距離が変化しないことが判明した。一方、C軸方向には大きな自発磁歪が観測されており、その原因はダンベルでの局所的な相互作用エネルギーを下げるためではなく、3d遍歴電子系全体の磁気相互作用エネルギーを最小にするように歪が生じるためであると考えられる。一方窒化によって自発磁歪は小さくとどめられたので、バンド構造が弱い強磁性から強い強磁性へと変化したものと考えられる。
小山 佳一*; 梶谷 剛*; 森井 幸生; 藤井 博信*; 赤山 稔*
Physical Review B, 55(17), p.11414 - 11421, 1997/05
被引用回数:11 パーセンタイル:58.5(Materials Science, Multidisciplinary)斜方面体晶系を持つYFeとその窒化物YFeNについて10Kで高分解能中性子粉末回折実験を行い、得られたデータからリートベルト法による結晶構造解析を行った。その結果、窒素原子は9eサイトを完全に占有し、18gサイトには4%の占有率を持つことが判明した。また、窒化によって鉄の磁気モーメンシが強く影響され、9eサイトに最も近い18fサイトでは最も小さく約2.0Hを持ち、最も遠い6cサイトでは最も大きく約2.9Hを持つことも判明した。6cサイトでは鉄-鉄間距離が大きいため、鉄3d電子雲の重なりが少なくなって、大きな磁気モーメントを与えているものと考えられる。
藤井 博信*; 小山 佳一*; 多々見 貢郎*; 光藤 誠太郎*; 本河 光博*; 梶谷 剛*; 森井 幸生; P.C.Canfield*
Physica B; Condensed Matter, 237-238, p.534 - 540, 1997/00
被引用回数:6 パーセンタイル:42.7(Physics, Condensed Matter)YFe及びこれを高圧Nガスで窒化したYFeN粉末材料の中性子回折実験を行った。回折データのリートベルト解析により、窒素原子はC面内でY原子を三角形でとり囲む9eサイトに99.5%侵入し、18gサイトには4%侵入することが判明した。また窒素の侵入により、9eサイトのN原子に最近接の18fサイトのFe原子の磁気モーメントは最も小さく(~2.0)て、最も遠い6cサイトのN原子の磁気モーメントが最も大きい(~2.9)ことが10Kにおいて観測された。
秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 小泉 智; 佐川 眞人*; 小山 佳一*; 宮崎 照宣*
no journal, ,
現在最高性能を誇るNd-Fe-B焼結磁石では、NdFeBからなる直径5m程度の主相と、それをとりまくNdリッチ相と呼ばれる界面層によって構成されている。永久磁石の性能の重要な指標である保磁力が、Nd-Fe-B焼結磁石の場合には、このNdリッチ相によって大きく変わり、500C-600Cの間での熱処理がこのNdリッチ相の形成に重要であることが知られていた。われわれは、Nd-Fe-B磁石に少量の銅を添加し、さらにその熱処理中に高磁場を印可することで、保磁力がさらに向上することを見いだした。この発表では、その保磁力向上の機構解明のために行った、熱分析と中性子小角散乱実験の結果について報告する。
秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 小泉 智; 佐川 眞人*; 小山 佳一*
no journal, ,
Nd-Fe-B焼結磁石はハイブリッド自動車(HV)の駆動モータ用磁石材料として最も有望である。一般的に永久磁石の保磁力は温度の上昇とともに低下するが、HVに使う場合には、磁石周囲の温度が450K(180C)以上になることが考えられるため、できるだけ大きな保磁力を持つことが必要である。Nd-Fe-B焼結磁石では、大きな保磁力を持たせるために、Ndの一部をDyで置き換えることでこの問題に対処してきた。しかし、Dyは稀少金属であり、このままでは近い将来に資源が枯渇してしまう危険があり、将来にわたっての安定的な供給が確保されていない。われわれは、Nd-Fe-B焼結磁石で、NdをDyで置換しなくても、磁場中熱処理を行うことで保磁力が向上することを見いだした。そのメカニズムを明らかにするために、JAEAの研究用原子炉JRR-3に設置されている2台の中性子小角散乱装置、SANS-JとPNOを使って内部の磁気構造を非破壊的に調べた。Cuを添加していない試料とCuを添加した試料に対して同じ磁場中熱処理を施し、両者の小角散乱パターンを比較したところ、で明確な差が現れた。これは、磁場中熱処理時に液層となっていると考えられるCuを含む粒界層が保磁力の向上と強い相関を持つことを示唆している。
秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 小泉 智; 佐川 眞人*; 小山 佳一*
no journal, ,
現在、環境に優しいハイブリッド自動車のニーズが高まっているが、その生産のためには室温において30kOe以上の保磁力を持つNd-Fe-B系焼結磁石が一台あたり約1kg必要である。このような室温の高保磁力は、実際に用いる200C程度の高温環境での保磁力維持のために必須であるが、現状ではその実現のため10wt.%ものDyを置換元素として用いている。この方法の問題点は、Dyの年間産出量が少ないことであり、高保磁力を持つNd-Fe-B系焼結磁石の生産量に制限を与えることである。一方、Nd-Fe-B系焼結磁石の保磁力を上昇させるためには、低温熱処理プロセスが有効であることが経験的にわかっている。われわれはこれまでに低温熱処理時における強磁場の効果について研究を行い、Cuを添加したNd-Fe-B系焼結磁石の粒界にはNd-Cu相やAl-Cu相が存在し、それらの共晶温度近傍において磁場効果が観測されることを報告してきた。本講演では、磁場効果のメカニズムを界面構造の観点から明らかにする目的で中性子小角散乱実験を行い、平均的な粒界構造の評価を行った結果について報告する。
武田 全康; 鈴木 淳市; 山口 大輔; 秋屋 貴博*; 加藤 宏朗*; 佐川 眞人*; 小山 佳一*
no journal, ,
Nd-Fe-B焼結磁石は市販されている永久磁石の中で最大のエネルギー積を持つために、現在では幅広い用途に使われている。現在、この磁石には、室温以上での使用環境下において保磁力の低下をおこさないように、希少金属であるDyを添加する必要がある。Dyを添加せずに高温でも保磁力を維持できるNd-Fe-B焼結磁石を実現するための鍵となっているのは、焼結前のグレインの粒径とグレインの境界付近の界面構造の制御であり、そのような界面構造の情報を得ることが必要不可欠である。われわれは、Nd-Fe-B焼結磁石に対し、強磁場を加えた状態で熱処理を行い、その熱処理温度を変えることで保磁力に差のついたNd-Fe-B焼結磁石試料の内部平均構造を中性子小角散乱法によって調べた。その際、偏極中性子による高感度測定を行った結果、外部磁場によって内部の磁気的な不均一性がほんのわずかに誘起されることを見いだした。その起源は、今のところ明らかになってはいないが、考え得る界面付近の構造モデルを幾つか紹介する。