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論文

Recent improvements of the Particle and Heavy Ion Transport code System; PHITS version 3.33

佐藤 達彦; 岩元 洋介; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松谷 悠佑; 松田 規宏; 平田 悠歩; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 9 Pages, 2023/00

 被引用回数:5 パーセンタイル:98.08(Nuclear Science & Technology)

放射線挙動解析コードPHITSは、モンテカルロ法に基づいてほぼ全ての放射線の挙動を解析することができる。その最新版であるPHITS version 3.31を開発し公開した。最新版では、高エネルギー核データに対する親和性や飛跡構造解析アルゴリズムなどが改良されている。また、PHIG-3DやRT-PHITSなど、パッケージに組み込まれた外部ソフトウェアも充実している。本論文では、2017年にリリースされたPHITS3.02以降に導入された新しい機能について説明する。

論文

Verification of dose estimation of Auger electrons emitted from Cu-64 using a combination of FNTD measurements and Monte Carlo simulations

楠本 多聞*; 松谷 悠佑; 馬場 健太郎*; 小川原 亮*; Akselrod, M. S.*; Harrison, J.*; Fomenko, V.*; 甲斐 健師; 石川 正純*; 長谷川 純崇*; et al.

Radiation Measurements, 132, p.106256_1 - 106256_4, 2020/03

 被引用回数:6 パーセンタイル:60.71(Nuclear Science & Technology)

Cu-64を使用した放射線内用療法は、放出される低エネルギーオージェ電子によって腫瘍細胞にエネルギー付与を集中させる。先行研究では、Cu-64水溶液を蛍光固体飛跡検出器(FNTD)の表面に付着させることで、FNTD表面におけるオージェ電子のエネルギー付与の検出に成功した。一方、核種より放出される放射線にはベータ線や陽電子も含まれるため、オージェ電子の寄与率については不明瞭ある。本研究では、放射線粒子輸送計算コードPHITSならびにGEANT4を用いてFNTD内の深部線量分布を定量的に解析し、オージェ電子がもたらす空間線量分布について評価した。PHITSとGEANT4により計算された深部線量分布はほぼ等価であり、FNTDを用いた実測値と良い一致を示した。一方で、Cu-64線源から放出されるオージェ電子を無視したPHITSの計算結果では、FNTD表面近くで実測により確認されたエネルギー付与を適切に再現することができなかった。この結果より、オージェ電子がCu-64線源近傍の腫瘍細胞に高い殺傷効果を誘導し、線源から離れた正常細胞へのダメージを最小限に抑えることが証明された。

論文

Effects of the nuclear structure of fission fragments on the high-energy prompt fission $$gamma$$-ray spectrum in $$^{235}$$U($$n_{rm th},f$$)

牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Orlandi, R.; L$'e$guillon, R.; 小川 達彦; Soldner, T.*; K$"o$ster, U.*; Pollitt, A.*; Hambsch, F.-J.*; et al.

Physical Review C, 100(4), p.044610_1 - 044610_7, 2019/10

 被引用回数:11 パーセンタイル:74.44(Physics, Nuclear)

The prompt fission $$gamma$$-ray energy spectrum for cold-neutron induced fission of $$^{235}$$U was measured in the energy range $$E_{rm gamma}$$ = 0.8 - 20,MeV, by gaining a factor of about 10$$^{5}$$ in statistics compared to the measurements performed so far. The spectrum exhibits local bump structures at $$E_{rm gamma}approx$$4,MeV and $$approx$$6,MeV, and also a broad one at $$approx$$15,MeV. In order to understand the origins of these bumps, the $$gamma$$-ray spectra were calculated using a statistical Hauser-Feshbach model, taking into account the de-excitation of all the possible primary fission fragments. It is shown that the bump at $$approx$$4,MeV is created by the transitions between the discrete levels in the fragments around $$^{132}$$Sn, and the bump at $$approx$$6,MeV mostly comes from the complementary light fragments. It is also indicated that a limited number of nuclides, which have high-spin states at low excitation energies, can contribute to the bump structure around $$E_{rm gamma}approx$$15,MeV, induced by the transition feeding into the low-lying high-spin states.

論文

A New detector system for the measurement of high-energy prompt $$gamma$$-rays for low-energy neutron induced fission

牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Orlandi, R.; L$'e$guillon, R.*; 小川 達彦; Soldner, T.*; Hambsch, F.-J.*; A$"i$che, M.*; Astier, A.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 906, p.88 - 96, 2018/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:30.05(Instruments & Instrumentation)

中性子誘起核分裂における即発高エネルギー$$gamma$$線を観測するための新しい測定システムの開発を行った。測定システムは核分裂片を観測するための多芯線比例計数管と$$gamma$$線測定用のLaBr$$_{3}$$(Ce)シンチレータから構成される。開発したシステムを仏国ラウエ・ランジュバン研究所にある高中性子束炉のPF1Bコースに設置して、$$^{235}$$U中性子誘起核分裂における即発$$gamma$$線を行った。測定ではエネルギー最大20MeVまでの$$gamma$$線スペクトルの観測に成功し、$$^{235}$$U中性子誘起核分裂において非常に高いエネルギーの$$gamma$$線が放出されていることを確認した。

論文

Measurement of high-energy prompt $$gamma$$-rays from neutron induced fission of U-235

牧井 宏之; 西尾 勝久; 廣瀬 健太郎; Orlandi, R.; L$'e$guillon, R.; 小川 達彦; Soldner, T.*; Hambsch, F.-J.*; Astier, A.*; Pollitt, A.*; et al.

EPJ Web of Conferences, 146, p.04036_1 - 04036_4, 2017/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:90.81(Nuclear Science & Technology)

核分裂に伴い放出される即発$$gamma$$線スペクトルの測定は高励起状態にある中性子過剰な核分裂片の脱励起過程を理解する上で重要であると同時に、革新的原子炉の設計といった応用分野においても重要である。これまで$$^{252}$$Cfの自発核分裂においては、核分裂片の巨大共鳴振動が励起されていることを示唆する、8MeVから20MeVにおいて膨らみを持つ高エネルギー$$gamma$$線が観測されていることが知られている。巨大共鳴振動励起の起源を理解するためには$$^{252}$$Cfの自発核分裂以外で即発$$gamma$$線スペクトルを測定する必要があるが、中性子誘起核分裂においては最近の測定においても9MeV程度までしか観測されていない。我々は$$^{235}$$U(n,f)においても20MeVまでの即発$$gamma$$線スペクトルの観測を目的とした測定を仏国ラウエ・ランジュバン研究所にある高中性子束炉の大強度冷中性子ビームを用いて行った。発表では測定で得られた結果について報告する。

論文

Process evaluation of use of High Temperature Gas-cooled Reactors to an ironmaking system based on Active Carbon Recycling Energy System

林 健太郎*; 笠原 清司; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 小川 益郎

ISIJ International, 55(2), p.348 - 358, 2015/02

 被引用回数:8 パーセンタイル:39.68(Metallurgy & Metallurgical Engineering)

炭素循環製鉄(iACRES)のフローモデルによるプロセス評価により、iACRESへの高温ガス炉(HTGR)の適用性を評価した。高温電解で高炉ガス中のCO$$_{2}$$をCOに還元して高炉にリサイクルするSOECシステムと、ISプロセスで製造したH$$_{2}$$による逆シフト反応でCO$$_{2}$$をCOに還元して高炉にリサイクルするRWGSシステムを検討し、通常の高炉製鉄と比較した。逆シフト反応で消費されない分のH$$_{2}$$が高炉で鉄源の還元に使われたことが、RWGSシステムの方が原料炭節約とCO$$_{2}$$排出削減への効果が大きくなった原因であった。どの機器の改良がHTGR熱の効率的利用のために有用化を示すために、HTGR, SOEC, RWGSの熱収支解析を行った。SOECについては、ジュール熱の削減のためにCO$$_{2}$$電解温度の最適化が求められ、RWGSについては高いISプロセス水素製造効率が要求された。HTGR単位熱量当たりCO$$_{2}$$排出削減量の比較から、SOECシステムの方がより効率よくHTGR熱を利用できることが示された。

論文

炭素循環型スマート製鉄(iACRES)への高温ガス炉の適用性評価

林 健太郎*; 笠原 清司; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 小川 益郎

炭素循環製鉄研究会成果報告書; 炭素循環製鉄の展開, p.42 - 62, 2015/02

高温ガス炉(HTGR)を適用した炭素循環製鉄(iACRES)のフローモデルによるプロセス評価を行った。高温電解で高炉ガス中のCO$$_{2}$$をCOに還元して高炉にリサイクルするSOECシステムと、ISプロセスで製造したH$$_{2}$$による逆シフト反応でCO$$_{2}$$をCOに還元して高炉にリサイクルするRWGSシステムを検討し、通常の高炉製鉄と比較した。原料炭消費量はSOECシステムで4.3%、RWGSシステムで10.3%削減され、CO$$_{2}$$排出量はSOECシステムで3.4%、RWGSシステムで8.2%削減された。逆シフト反応で消費されずに残存したH$$_{2}$$が高炉で鉄源の還元に使われることが、RWGSシステムにおいて原料炭消費の節約割合とCO$$_{2}$$排出削減率が大きくなった原因であった。SOECシステムではCO$$_{2}$$電解、RWGSシステムではISプロセス水素製造が最も多くの熱量を消費し、HTGR熱の効率的利用のために、CO$$_{2}$$電解温度の最適化や高いISプロセス水素製造効率が求められた。典型的な高炉1基あたり、SOECシステムでは0.5基、RWGSシステムでは2基のHTGRが必要となった。逆シフト反応で未反応のH$$_{2}$$を再利用することで、RWGSシステムのHTGR熱の効率的利用と、CO$$_{2}$$排出量削減が期待される。

論文

J-PARCリニアック用クライストロン電源システムの現状2013

川村 真人*; 千代 悦司; 堀 利彦; 篠崎 信一; 佐藤 文明; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*; 山崎 正義*; 佐川 隆*; 宮嶋 教至*; et al.

Proceedings of 10th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.605 - 607, 2014/06

J-PARCリニアック用クライストロン電源システムについて、過去1年間の運転状況等を報告する。181MeVリニアック運転対応として、2012年9月下旬より2013年5月下旬まで、年末年始の中断や、スケジュール化されたメンテナンス等を除き連続運転を行った。その間、AVR盤内制御線等のノイズ対策不備、アノード変調器内の電極部接触不良等の不具合による運転の中断があり、不具合の考察と対策などを行った。運転と並行して、2012年7月初めまで運転していたアノード変調器のうち、未改修分15台を改修して放電対策を施した。エネルギー増強対応として、震災により中断していた972MHzテストスタンドの再立上げ、HVDCPS#10とACS#16ステーション、HVDCPS#11とACS#17ステーションの立上げを行った。エネルギー増強対応の機器については、972MHzテストスタンドを6月18日に運転再開し、ACS#16, #17の両ステーションも近日運転を再開する予定である。

論文

J-PARCリニアック用クライストロン電源システムの現状2012; 震災復旧、高圧直流電源故障、エネルギー増強

川村 真人*; 千代 悦司; 堀 利彦; 篠崎 信一; 佐藤 文明; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*; 山崎 正義*; 佐川 隆*; 雪竹 光輝*; et al.

Proceedings of 9th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1243 - 1247, 2013/08

過去1年間のJ-PARCリニアック用クライストロン電源システムの運転状況について、東日本大震災による被災からの復旧、長期に渡る加速器運転停止を招いた高圧直流電源の故障を中心に述べる。また、エネルギー増強に向けた作業の状況を報告する。震災後、本電源システムは2011年10月中旬に試運転、11月上旬に181MeV用全機器の終夜連続運転の再開を果たし、2012年5月末までの当電源システムのHVオン時間は4,900時間である。2012年3月下旬、高圧直流電源(HVDCPS)1号機の変圧整流器が故障した。絶縁油タンクを開けて内部を確認した結果、整流用ダイオードスタックの破損が見られたので予備品と交換し、試運転を行ったところ再度故障し、別のダイオードスタックが破損した。結局当該変圧整流器は破棄し、代わりに予備機器を設置して運転を再開した。この影響で当電源システムは11日間停止、リニアックのビーム加速は15日間中断、ユーザーへの供給運転は18日間中断となった。

論文

Spectral measurement of picosecond optical pulses by optogalvanic spectroscopy

松岡 雷士; 小川 健太*; 横山 啓一

Proceedings of 10th Conference on Lasers and Electro-Optics Pacific Rim and 18th OptoElectronics and Communications Conference and Photonics in Switching 2013 (CLEO-PR & OECC/PS 2013) (USB Flash Drive), 2 Pages, 2013/06

We measured power spectrum of the picosecond pulses generated from a homemade Ti:Sapphire narrow-band laser by using optogalvanic spectroscopy of argon, which is a lower-cost method than using optical spectrum analyzers. This method can be used for the pulse whose linewidth is about 1.0-10 cm$$^{-1}$$.

論文

Numerical simulation of thermohydraulic characteristics of dross ejection process in laser steel cutting

杉原 健太; 中村 保之; 小川 剛充; 村松 壽晴

Proceedings of 20th International Conference on Nuclear Engineering and the ASME 2012 Power Conference (ICONE-20 & POWER 2012) (DVD-ROM), 7 Pages, 2012/07

厚板鋼材レーザー切断の適切化及び制御に向けて、多相の熱流体モデルに基づいた数値シミュレーションコードを開発し、アシストガスや加工ヘッド移動速度が切断性能に与える影響を調べた。切断フロント形状や温度分布を解析した結果以下の知見が得られた。アシストガス噴射によって溶融金属排出を促さなかった場合、レーザー光は溶融金属に吸収されてしまい固相表面に直接吸収されず板裏の温度上昇が遅れてしまう。ヘッドの移動速度が速すぎる場合には、加工ヘッド位置に対する熱伝導の遅れによって、切断開始位置の板裏に切り残しが生じるという実験結果を数値シミュレーションによって定性的に裏付けた。以上の結果から、切断溝の形成にはアシストガスによる溶融金属排出が厚板レーザー切断において非常に重要であるといえる。

口頭

原子炉構造材へのレーザ切断技術適用に向けた研究開発,2; レーザ切断時におけるアシストガスの流動特性評価

小川 剛充; 杉原 健太; 中村 保之; 村松 壽晴; 社本 英泰*

no journal, , 

アシストガス噴流ノズルの形状及びその内部表面仕上げにより変化する噴流乱流強度がノズル流出後の流動特性に及ぼす影響を評価する。レーザ切断時に溶融金属をアシストガス噴流によって効率よく除去するためには、アシストガス噴流の運動量拡散を抑制可能な噴流ノズル形状及びノズル内面で発生する乱流強度を抑制可能な表面仕上げの検討が重要である。

口頭

レーザー溶接中の溶融池内流動場の評価

山田 知典; 菖蒲 敬久; 山下 晋; 小川 剛充; 杉原 健太; 西村 昭彦; 村松 壽晴

no journal, , 

原子力施設をはじめ一般産業プラントに展開可能なレーザー溶接技術として、溶接後の残留応力の評価及び制御を目的とした研究を進めている。このためには、溶接中の加熱,溶融,対流,凝固,固相変態といった複雑な現象を定量評価する必要がある。このうちの対流現象は、大型放射光施設(SPring-8)からの高強度X線を利用した実験と、数値シミュレーションを相補的に利用して評価している。アルミニウム合金にレーザーをスポット照射した際には、溶融池内を移動するトレーサー粒子(タングステン)により、流れの可視化に成功した。さらに、実験において観察された溶融池内の流れは、計算でも再現できていることを確認した。実験及び数値シミュレーションを用いた溶融池内流動場の評価は、レーザー溶接複雑現象の定量化に非常に有効であり、今後はさらなる観察技術の向上,計算コードの開発を行う。

口頭

厚板金属のレーザ切断シミュレーション

杉原 健太; 小川 剛充; 中村 保之; 村松 壽晴

no journal, , 

厚板鋼材のレーザ切断制御に向けて、多相の熱流体モデルに基づいた数値シミュレーションコードを開発し、アシストガスや加工ヘッド移動速度が切断性能に与える影響を調べた。固・気・液界面形状と温度場の発達の様子を解析した結果、以下の知見を得た。アシストガスによって溶融金属排出を促さなかった場合、レーザ光は溶融金属に吸収・入熱されてしまい、固体表面への入熱を阻害してしまう。そのため固体金属には溶融金属を介して伝熱することになり、レーザ切断のメリットである高出力密度を十分に活用できてはいない。さらに、切断速度を過大に速めると切断深さが板の裏まで到達する前にレーザ加工ヘッドが進むことになり、凹面に溶融金属が滞留するために切断フロントの形成が遅れてしまう。以上よりレーザ切断による切断フロント形成にはアシストガスによる溶融金属排出が重要であることが数値シミュレーションにより裏付けられ、カーフ形成だけでなく固相表面への局所的な入熱効果を促すことが定性的に明らかになった。

口頭

レーザー溶接補修技術の標準化に向けた研究開発,8; レーザー溶接中の溶融池内流動場の特性評価

山田 知典; 山下 晋; 杉原 健太; 小川 剛充; 菖蒲 敬久; 村松 壽晴

no journal, , 

原子力機構では、原子力施設をはじめ一般産業プラントに展開可能なレーザー溶接技術の標準化を進めており、これまでに大型放射光施設(SPring-8)からの高輝度単色X線と溶融池内対流現象観察装置を利用して、直接観察することが難しいレーザー溶接中の溶融池内部の現象把握を行ってきた。本研究では、溶融池内を移動するトレーサー粒子の挙動を詳細に観察することで、各場所における流れの方向や速度を評価した。溶融池内現象の観察はSPring-8のビームラインBL19B2を使用した(研究課題番号: 2011B1975)。X線のエネルギーは30keVである。試験片はアルミニウム合金であり、試験片上部よりファイバーレーザーを集光照射し、試験片表面に塗布したトレーサー粒子の溶融池内過渡流動挙動を吸収コントラスト法により計測した。溶融池内部では、固液界面近傍では下降流が、中央部では上昇流が形成された。溶融池内部に気泡が発生した場合、上昇流や自身の浮力で浮上したが、レーザー照射時間の経過とともに気泡の数は増大し、凝固時に溶融池内部に取り残され溶接欠陥となった。したがって、溶接部の信頼性向上には気泡の抑制や、凝固速度の制御が非常に重要となることがわかった。

口頭

レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発,1; レーザー切断プロセスの概要と研究全体計画

村松 壽晴; 杉原 健太; 小川 剛充; 中村 保之; 佐野 一哉

no journal, , 

原子力機構では、レーザー光を熱源とした鋼材切断技術の高度化を目指した研究を進めている。本研究では、レーザー切断性能を左右するドロス流動,アシストガス流動などの支配因子の適切化に向け、高精度実験と計算科学を有機的に組合せ、発生する複合物理過程の現象論に立脚した観点からこれを推進する。

口頭

レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発,3; 数値解析によるレーザー切断時溶融金属排出挙動の現象論的評価

杉原 健太; 中村 保之; 小川 剛充; 佐野 一哉; 村松 壽晴

no journal, , 

本報告では、レーザー切断における熱流動現象の現象論的解明及び適切化を目指し、気液固3相の熱流体力学モデルに基づく数値シミュレーションモデル及びコードを開発し、溶融金属排出がレーザー切断に与える影響を現象論的に評価した。気固液の界面形状と温度場の発達の様子を解析した結果、アシストガスによる溶融金属排出には切断フロントの形成だけでなく、固相表面への局所的な入熱を促進する効果があることが明らかになった。切断開始位置の裏側に切り残しがあるような実験結果が得られているが、切断初期の熱伝達不足が切断残りの原因となることが数値シミュレーションによって裏付けられた。切断条件の適切化にはアシストガスによる溶融金属排出だけでなく切断途中の熱伝達挙動の把握も重要であるといえる。

口頭

レーザー溶接標準化に向けた放射光X線による溶融池内流動場のその場観察

山田 知典; 山下 晋; 菖蒲 敬久; 西村 昭彦; 小川 剛充; 杉原 健太; 社本 英泰*

no journal, , 

原子力施設をはじめ一般産業施設に展開可能なレーザー溶接技術開発を進めている。溶接構造物の健全性を担保するには、残留応力などに影響される機械的特性を溶接中の複合物理過程と合わせて評価する必要がある。残留応力が溶接時の温度分布に関連するため、温度と関連する溶融池内の流動現象の高精度把握を行った。大型放射光施設(SPring-8)からの高輝度単色X線を利用して、レーザー照射部で形成した溶融池内部のトレーサー粒子の挙動を吸収コントラストイメージング法によってその場観察した。放射光高輝度単色X線を利用した吸収コントラストイメージング法により、レーザー光照射時の溶融池形状の時間変化と対流挙動のリアルタイム同時観察を世界に先駆けて成功し、溶融池近傍における熱流動特性を定量化するとともに、照射時間と溶け込み深さの関係、内部欠陥を発生させる影響因子なども明らかにした。今後は数値解析結果も援用し、残留応力評価・制御に繋げる。

口頭

レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発,5; 狭隘部内アシストガスの流動特性評価

羽成 敏秀; 杉原 健太; 小川 剛充; 村松 壽晴

no journal, , 

レーザー切断はレーザー光の熱エネルギーで切断対象を溶融し、溶融金属をアシストガスにより排出する工法である。このため、レーザーの照射条件だけでなく、アシストガスの噴射条件も合わせて適切化する必要がある。切断溝深部での溶融金属の排出過程にはアシストガスの運動量、溶融金属の粘性や表面張力といった流体物性が大きく寄与していると考えられている。本研究では溶融金属排出制御による切断能力の向上を目的とし、噴射距離(スタンドオフ)が切断溝内でのアシストガス噴流の中心流速に及ぼす影響を評価する模擬試験を行った。L=14mmはそれ以下のスタンドオフと比較して、狭隘部流入直後から噴流中心流速は小さく、ほぼ線形に減少していく様子が確認できた。これより、スタンドオフを大きくとりすぎると、狭隘部内へのアシストガスの流入量が減少し、溶融金属の排出の効率が低下するものと考えられる。

口頭

レーザー切断技術の標準化に向けた研究開発,4; 厚板レーザー切断時の伝熱挙動の評価

杉原 健太; 小川 剛充; 山田 知典; 村松 壽晴

no journal, , 

厚板鋼材に対するレーザー切断条件の適切化・制御に向け、これまでに原子炉廃止措置に向けたレーザー切断の適用性確認試験やアシストガス噴流ノズルの適切化を目的とした噴流可視化試験などを実施してきた。厚板切断では主に、カーフ(切断溝)深部へのレーザー入熱及びアシストガスの運動エネルギーの輸送が重要であると考えられる。そのため、カーフ内の入熱量や熱流動場の定量化が求められている。本報告ではレーザー切断時の試験体内部の温度データを取得し、厚板切断時の伝熱挙動を評価した。熱電対を用いて取得した温度データから、300度を超えるような高温領域はレーザー照射部の8mm以内に集中し、急峻な温度勾配を示すことを確認した。また、切断溝深部の方が表面よりも高温であった。レーザー切断にかかわる熱量の試算により、溶融除去に最低限必要な熱量はレーザー照射エネルギーのわずか8%程度であり、熱拡散などによるエネルギーロスがほとんどであった。以上の結果から、厚板切断ではカーフ深部に熱や溶融金属が溜まりやすいため、アシストガスを適切に制御して溶融金属を効率よくカーフ深部から除くことが重要となると考えられる。

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