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森山 潤一郎*; 高桑 脩*; 山口 正剛; 小川 祐平*; 津崎 兼彰*
Computational Materials Science, 232, p.112650_1 - 112650_11, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)本研究ではいくつかの実用Fe-Cr-Ni基オーステナイト合金において、強度-延性バランスを改善する水素の影響に着目している。面心立方構造を持つFe-Cr-Niモデル合金の水素吸収エネルギーを第一原理計算で調べ、合金中の水素溶解度に対するFeからのCrおよびNi置換の寄与を検証した。Cr置換はNi置換に比べて水素吸収エネルギーを大幅に減少させ、Cr/Ni比の増加により高い水素溶解性を発揮することがわかった。計算で得られた傾向は、様々なCr/Ni比を持つ実用合金で以前に得られた実験結果と一致した。
森山 潤一郎*; 高桑 脩*; 小川 祐平*; 山口 正剛; 津崎 兼彰*
no journal, ,
オーステナイト系ステンレス(Fe-Ni-Cr合金)は高い水素固溶度を持つ合金であるが、近年、その強度と延性が固溶水素によって上昇するという興味深い性質が報告された。その電子・原子論的な要因を探るため、CrとNiが水素溶解度に与える影響を第一原理計算によって評価した。
森山 潤一郎*; 高桑 脩*; 山口 正剛; 小川 祐平*; 津崎 兼彰*
no journal, ,
Fe-Cr-Niを基本成分とする一部のオーステナイト系ステンレス鋼)では、固溶水素濃度の上昇に伴って水素が寸法効果では説明することが難しいほどの高い固溶強化能を発揮する。同現象の理解にはFe-Cr-Ni系における平均固溶水素濃度に加えて、局所水素濃度の把握が必要であり、平均固溶水素濃度はCr・Ni量に依存することから、これらの置換型原子と水素原子との相互作用が着目すべき重要因子であると考えられる。本研究では第一原理計算を用いて、Cr・Ni原子と水素原子との相互作用を定量化し、平均的な固溶水素濃度(占有率)とその分布への影響を評価した。
伊東 達矢; 小川 祐平*; Gong, W.; 川崎 卓郎; 岡田 和歩*; 柴田 曉伸*; Harjo, S.
no journal, ,
近年、水素添加によりSUS310Sの強度と延性が共に向上することが報告された。本研究では、「匠」を利用した引張試験中その場中性子回折実験を行い、転位密度や積層欠陥密度など、個々の因子に対する水素の影響を定量的に解明することを試みた。
伊東 達矢; 小川 祐平*; Gong, W.; Mao, W.; 川崎 卓郎; 岡田 和歩*; 柴田 曉伸*; Harjo, S.
no journal, ,
カーボンニュートラルの実現のため、水素は化石燃料を代替するエネルギーキャリアとして注目を集めている。歴史的に水素は鉄鋼材料の脆化を引き起こすとされてきたが、小川らはSUS310Sに水素を添加することで強度と延性が共に向上することを報告した。これらは水素による固溶強化と双晶変形の促進によると定性的に説明されているが、変形中の転位や積層欠陥の発達に対して、水素がどのような影響を与えるかその詳細は明らかとなっていない。本研究は、その場中性子回折により、これらの欠陥に対する水素の影響を明らかにすることを目的とする。
伊東 達矢; 小川 祐平*; Gong, W.; Mao, W.; 川崎 卓郎; 岡田 和歩*; 柴田 曉伸*; Harjo, S.
no journal, ,
近年、高圧ガス環境中で均一に水素を固溶させたオーステナイト系ステンレス鋼SUS310Sにおいて、強度・延性が共に向上することが報告された。これは水素による固溶強化と双晶変形の促進によると説明されているが、転位密度や積層欠陥など、個々の因子に対する水素の影響の詳細は明らかとなっていない。本研究では、J-PARCの工学材料回折装置「匠」での引張試験中その場中性子回折により、変形メカニズムを明らかにすることを試みた。得られた中性子回折パターンから、水素による体積変化や固溶強化の存在を確認した。更に、転位密度、積層欠陥密度、双晶変形開始ひずみ・応力を評価した。これらの解析により、水素が変形メカニズムに与える影響を明らかにした。