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高山 裕介; 橘 伸也*; 飯塚 敦*; 河井 克之*; 小林 一三*
Soils and Foundations, 57(1), p.80 - 91, 2017/02
被引用回数:11 パーセンタイル:48.77(Engineering, Geological)ベントナイトは著しい膨潤特性と難透水性を有する材料であり、放射性廃棄物の処分施設において緩衝材としての利用が想定されている。処分施設の長期にわたる力学挙動を評価するには、ベントナイトの力学挙動を表現できる構成モデルの開発が必要である。本研究では、ベントナイトを、「飽和の程度により力学特性が変化していく材料」と捉え、不飽和ベントナイトの弾塑性構成モデルを提案した。本提案モデルでは、膨潤指数および負のダイレイタンシーの表現式を飽和度の関数として表現し、さまざまなベントナイト材料に適用できるようにモンモリロナイト含有率を入力パラメータとして用いている。さらに、提案モデルにより膨潤圧試験と膨潤量試験のシミュレーションを実施した結果、ベントナイトの力学挙動を再現できることが確認された。
戸井田 克*; 須山 泰宏*; 森 孝之*; 稲葉 武史*; 渥美 博行*; 田中 俊行*; 小林 一三*; 中嶌 誠門*; 尾方 伸久
JAEA-Research 2007-071, 159 Pages, 2007/09
東濃地科学センターにおける地層科学研究では、地質環境特性を明らかにするために必要な調査・解析技術並びにその妥当性を評価する手法の開発を進めている。この研究では、岩盤の不均一性推定に伴う不確実性を定量的に把握するための手法を明らかにし、その不確実性を低減するための合理的な地質環境調査手法の確立を一つの大きな目標としている。平成17年度は、新たに掘削されたボーリング孔などのデータを用い、本評価手法をより高度化することを目指して、知識・情報の整理を進めるとともに、概念モデルの体系的整理と地下水流動解析を行い、本手法の実用化に向けた評価・検討を行った。また、地質環境の不確実性の評価結果を効果的に施設設計に反映するための情報抽出を試行した。本研究成果を取りまとめると、以下のようになる。(1)ボーリング調査により取得された割れ目本数と透水量係数との相関を整理し、NW方向の割れ目系が最も透水量係数との相関が高いことを示した。これは広域の応力場の影響を受けているものと考えられる。(2)概念モデルの体系的整理と地下水流動解析を行うことにより、地質環境の不均一性評価方法の検討手順を取りまとめた。(3)施設設計を高度化する情報として、「不確実性に応じた複数の設計オプションを保有すること」と、「地質環境の不均質性に応じた設計を行うこと」が重要であることを示した。
戸井田 克*; 須山 泰宏*; 森 孝之*; 稲葉 武史*; 笹倉 剛*; 渥美 博行*; 升元 一彦*; 小林 一三*; 岩野 圭太*; 古市 光昭*; et al.
JAEA-Research 2007-065, 210 Pages, 2007/09
東濃地科学センターにおける地層科学研究では、地質環境特性を明らかにするために必要な調査・解析技術並びにその妥当性を評価する手法の開発を進めている。この研究では、岩盤の不均一性推定に伴う不確実性を定量的に把握するための手法を明らかにし、その不確実性を低減するための合理的な地質環境調査手法の確立を一つの大きな目標としている。本研究においては、これまでにファジー地球統計を基本とした不確実性解析手法を用い、調査の各段階で想定し得る(あるいは否定できない)モデルやパラメータの全体集合を考えることにより不確実性を定量化でき、調査結果に基づき蓋然性が低いと考えられる選択肢を絞り込むことによってその不確実性を低減できるという新たなアプローチを考案している。平成16年度は、平成17年度に行う研究成果の取りまとめに向け、これまで東濃地域で行われた調査結果に基づき、本手法の実用化に向けた評価・検討を行った。本研究成果を取りまとめると以下のようになる。(1)東濃地域の事例を対象とした統合化データフローを活用し、本手法を適用するための知識・情報を整理した。(2)これまでの課題であったパラメータの設定方法とスクリーニング方法を整備した。(3)適用事例を用いて評価・検討を行い、本手法の実用化の目処を得た。(4)本手法(確率的手法)とこれまでに適用されてきた決定論的手法との統合方法を整備した。
三原 守弘; 小林 一三*
JAEA-Research 2007-020, 45 Pages, 2007/03
本研究では、圧縮成型ベントナイトの乾燥密度を1.8Mg/mとして通液の硝酸ナトリウムの濃度を変化させて測定し、硝酸ナトリウム濃度が透水係数に及ぼす影響について実験的に調査を行った。通液の硝酸ナトリウムの濃度が高くなるに伴い圧縮成型ベントナイトの透水係数が大きくなった。透水係数の増加は、硝酸ナトリウム濃度が02mol/Lまでは著しいが、2mol/Lを超えてもほとんど変化しなかった。高塩濃度においても、処分施設内の地下水の移動を抑制するための透水係数の性能目標値10m/sを下回った。乾燥密度を大きくすると、透水係数の絶対値が小さくなるとともに、通液の塩濃度の影響を受けにくくなる。硝酸ナトリウム水溶液の濃度がベントナイトの透水係数に及ぼす影響のうち、硝酸ナトリウム水溶液の粘性の影響は小さいことが確認された。
瀬尾 昭治*; 戸井田 克*; 小林 一三*; 田中 真弓*; 松井 裕哉; 國丸 貴紀; 操上 広志
日本地下水学会2006年秋季講演会講演要旨, p.310 - 315, 2006/10
日本原子力研究開発機構は、北海道幌延町に分布する新第三紀堆積岩を対象として、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術の研究開発を主たる目標としたプロジェクト(幌延深地層研究計画)を実施している。本プロジェクトで対象としている新第三紀珪質岩は、透水性が極めて小さい難透水性岩石であることがわかっており、その透水係数の定量的評価は、信頼性の高い水理地質構造モデル構築のうえで重要な課題の一つである。難透水性岩石を対象とした室内透水試験法としては、トランジェントパルス法,フローポンプ法などが適用されているが、本報では新第三紀珪質岩に対して、従来型のフローポンプ式透水試験装置を改良した閉鎖型フローポンプ式透水試験装置を適用した結果について報告する。なお、透水試験に用いた岩石試料は、幌延深地層研究計画の中で掘削したHDB-10孔(掘削長約550m)のボーリングコアのうち深度約500mから採取した珪質泥岩(稚内層)試料である。
戸井田 克*; 笹倉 剛*; 横関 康祐*; 小林 一三*; 渡邉 賢三*; 芦澤 良一*
JNC TJ8400 2004-036, 310 Pages, 2005/03
本研究では、TRU廃棄物処分システムのニアフィールド水理場の長期的変遷評価システム構築に資するため、人工バリア材料の水理・力学特性の変遷に関して実験的に検討を行い、変遷挙動のモデル化検討を実施した。ベントナイト系材料に関しては、ベントナイト層間のイオン型、ケイ砂含有率および地下水イオン強度が、その力学的・水理的性能に及ぼす影響を把握することを目的として、同一ロットのベントナイトによる一連の室内試験を実施し、ベントナイトの圧密・膨潤特性、せん断特性、水理特性の変遷に関するデータを体系的に取得した。さらに、今後構築していくベントナイトの力学特性変遷評価モデルの妥当性を検証するために積層ベントナイト膨潤試験を実施した。セメント系材料に関しては、浸漬法によってセメント系材料の変質共試体を作製しその物理的・化学的特性を評価した。水セメント比が40%から105%までのセメントペースト試料をイオン交換水に浸漬し,拡散による物理特性(透水係数,圧縮強度)変化について実験的に検討した。
戸井田 克*; 笹倉 剛*; 渥美 博行*; 升元 一彦*; 田中 俊行*; 須山 泰宏*; 小林 一三*
JNC TJ8400 2004-023, 146 Pages, 2005/02
わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため,室内試験及び原位置試験を通じてこれらの性能に関連するデータの取得,および,これらのデータを活用し評価手法を確立することが必要である。サイクル機構とカナダAECLとの共同研究としてこれまで実施してきた,カナダAECLにおけるトンネルシーリング性能試験が最終段階に至り,シーリング性能に関する基礎データが取得された。本年度は,これまでに実施した試験の総合的なデータ整理・解釈,トレーサー試験結果に対する数値解析的検討・評価を実施した。また,堆積岩を対象としたトンネルシーリング性能の確認を行うための試験計画の概念設計を行った。
戸井田 克*; 笹倉 剛*; 渥美 博行*; 須山 泰宏*; 小林 一三*; 川端 淳一*; 伊藤 圭二郎*
JNC TJ8400 2003-088, 254 Pages, 2004/02
わが国の地質環境条件に適応し得るこれら閉鎖システムの確立に資するため,室内試験及び原位置試験を通じてこれらの性能に関連するデータの取得,および,これらのデータを活用し評価手法を確立することが必要である。サイクル機構とカナダAECLとの共同研究としてこれまで実施してきた,カナダAECLにおけるトンネルシーリング性能試験が最終段階に至り,シーリング性能に関する基礎データが取得された。本年度は,これまでに実施した試験の総合的なデータ整理・解釈,トレーサ試験結果に対する数値解析的検討・評価を実施した。また,シーリングシステム性能評価上重要となるプラグの解体サンプリングに関する具体的計画案について検討を実施した。
戸井田 克*; 須山 泰宏*; 稲葉 武史*; 笹倉 剛*; 渥美 博行*; 田中 俊行*; 小林 一三*; 岩野 圭太*; 古市 光昭*
JNC TJ7400 2004-017, 521 Pages, 2004/02
東濃地科学センター殿における地層科学研究では、地質環境特性を明らかにするために必要な調査・解析技術並びにその妥当性を評価する手法の開発を進めている。この研究では、岩盤の不均一性推定に伴う不確実性を定量的に把握するための手法を明らかにし、その不確実性を低減するための合理的な地質環境調査手法の確立を一つの大きな目標としている。本研究においては、これまでにファジー地球統計を基本とした不確実性解析手法を用い、調査の各段階で想定し得る(あるいは否定できない)モデルやパラメータの全体集合を考えることにより不確実性を定量化でき、調査結果に基づき蓋然性が低いと考えられる選択肢を絞り込むことによってその不確実性を低減できるという新たなアプローチを考案している。平成15年度は、これまで東濃地域で行われた調査結果に基づき、本手法を適用した地質構造モデルの構築と地下水流動解析を通して、不確実性解析手法としての適用性確認を行った。本研究成果を取りまとめると、以下のようになる。1.東濃地域の事例を用い、地質環境の不均一性推定に伴う不確実性を定量化することができた。2.感度解析を行うことにより、不確実性低減を目的とした調査計画への情報提供を行うことができた。3.適用事例を用いて不確実性解析手法としての方法論を構築できた。4.上記の結果により、本手法の適用性を確認すると共に、本手法の体系化としての課題を整理できた。
笹倉 剛*; 畔柳 幹雄*; 岡本 道孝*; 小林 一三*
JNC TJ8400 2003-048, 180 Pages, 2003/02
ベントナイトの変質(Ca型化)および体積変化(膨潤)が、その力学的・水理的性能に及ぼす影響を把握することを目的として、一連の室内試験を実施し、ベントナイトの力学的・水理的性質の変遷に関するデータを体系的に取得した。また、これらの挙動を解析的に考慮するためのモデルを試作した。
佐原 史浩*; 村上 武志*; 小林 一三*; 三原 守弘; 大井 貴夫
no journal, ,
TRU廃棄物処分における人工バリアの長期的な力学及び水理学的な挙動を評価するための評価システムを開発した。評価システムには、セメント系材料の影響により、緩衝材(ベントナイト)の特性が変化することを考慮したモデルを組み込んだ。緩衝材の変形モデルとして、粘弾塑性モデルが組み込まれており、その変質に伴う膨潤挙動の変化も考慮した人工バリアの長期評価を実施した。緩衝材の変質を考慮しても透水係数が緩衝材の性能目標値10m/sとなることが示された。
三原 守弘; 小林 一三*
no journal, ,
ベントナイトを乾燥密度1.8Mg/mに圧縮成型した試料に対して、通液のNaNO濃度をパラメータとして透水係数を取得した。NaNO濃度2mol/dmまでは透水係数の増加が見られたが、2mol/dmを超えてもほとんど変化せず、処分施設の性能目標値の10m/sを下回ることが示された。
白瀬 光泰*; 石井 智子*; 小林 一三*; 城 まゆみ*; 小野 誠*; 中山 雅
no journal, ,
日本における有望な地層処分概念のひとつに、竪置き方式があり、竪置き方式では、処分孔壁と緩衝材の外側との間に一定の隙間(ギャップ)が存在する。緩衝材の処分孔への定置後、緩衝材が地下水と接触して膨潤することによって期待する機能(自己シール等)が発揮されて、この機能によって緩衝材外側と岩盤とのギャップが埋められることとなる。しかしながら、緩衝材が膨潤して機能を発揮する前に、岩盤と緩衝材の外側のギャップを流れる処分孔内湧水の状況によっては、孔内湧水と接触する緩衝材表面からベントナイトが孔外へ流出する可能性があり、人工バリアの機能低下につながる可能性が危惧される。上記の課題に対し、RWMCでは、竪置き・ブロック方式を対象とし、緩衝材の流出が期待する機能に与える影響の程度を把握するとともに、緩衝材の流出抑制に資する工学的対策の研究を進めている。工学的対策の研究の一つとして、RWMCは、緩衝材の定置直後に人工的な給水を行って膨潤させるプレハイドレーションに関する試験を実施した。