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木戸 英治*; 稲倉 恒法*; 木村 真明*; 小林 信之*; 長瀧 重博*; 清水 則孝*; 民井 淳*; 宇都野 穣
Astroparticle Physics, 152, p.102866_1 - 102866_12, 2023/10
被引用回数:1 パーセンタイル:0.01(Astronomy & Astrophysics)宇宙からはeVにもなる超高エネルギー宇宙線が降ってくるが、その天文学的起源は明らかになっていない。何らかの理由で非常に強く加速された原子核が宇宙背景輻射との相互作用を受け、地球に到達するとされているが、加速された原子核と宇宙背景輻射との相互作用(静止系ではMeV単位のガンマ線との相互作用に相当)が完全にはわかっていないために、もともとの粒子の性質を評価しにくいという問題点があった。この論文では、光核反応模型として、TALYSコードに入っている標準的に使われているものと乱雑位相近似計算によるものを使い、その両者から得られる宇宙線のスペクトルを比較した。その結果、両者には無視できない差があり、光核反応断面積を測定あるいは理論計算によって正確に得る必要があることがわかった。
民井 淳*; Pellegri, L.*; Sderstrm, P.-A.*; Allard, D.*; Goriely, S.*; 稲倉 恒法*; Khan, E.*; 木戸 英治*; 木村 真明*; Litvinova, E.*; et al.
European Physical Journal A, 59(9), p.208_1 - 208_21, 2023/09
被引用回数:1 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)光核反応は原子核構造の観点からも応用の観点からも重要であるにも関わらず、その反応断面積は未だに不定性が大きい。近年、超高エネルギー宇宙線の起源を探るために、鉄よりも軽い原子核の光核反応断面積を正確に知る必要が指摘されている。この状況を打破するため、原子核物理の実験、理論、宇宙物理の共同研究となるPANDORAプロジェクトが始まった。本論文はその計画の概要をまとめたものである。原子核実験ではRCNP、iThembaによる仮想光子実験とELI-NPによる実光子実験などが計画されている。原子核理論では、乱雑位相近似計算、相対論的平均場理論、反対称化分子動力学、大規模殻模型計算などが計画されている。これらで得られた信頼性の高い光核反応データベースと宇宙線伝搬コードを組み合わせ、超高エネルギー宇宙線の起源の解明に挑む。
Revel, A.*; Wu, J.*; 岩崎 弘典*; Ash, J.*; Bazin, D.*; Brown, B. A.*; Chen, J.*; Elder, R.*; Farris, P.*; Gade, A.*; et al.
Physics Letters B, 838, p.137704_1 - 137704_7, 2023/03
被引用回数:1 パーセンタイル:68.16(Astronomy & Astrophysics)中性子数20近傍の中性子過剰核は、魔法数20が消滅して原子核が大きく変形していることが知られており、その魔法数が消滅する領域は逆転の島と呼ばれている。Neは中性子数19で逆転の島の境界線上に位置するとされてきたが、その変形度は不明だった。ミシガン州立大学の国立サイクロトロン研究所にてNeのクーロン励起反応実験を行った結果、931keVの励起状態への値が163fmと大きな値となり、大きく変形していることが確かめられた。この実験結果をよく使われているいくつかの殻模型計算と比較したところ、大きな値は概ね再現するものの、励起エネルギーの一致は不十分であり、理論の改善が必要であるとわかった。
田中 純貴*; Yang, Z.*; Typel, S.*; 足立 智*; Bai, S.*; van Beek, P.*; Beaumel, D.*; 藤川 祐輝*; Han, J.*; Heil, S.*; et al.
Science, 371(6526), p.260 - 264, 2021/01
被引用回数:48 パーセンタイル:99.12(Multidisciplinary Sciences)ノックアウト反応を用いることで、中性子過剰な錫同位体の核表面でのクラスター形成を実験的に確かめた。実験で得られた、質量数とともに単調に減少するノックアウト断面積は理論による予言と非常に良く一致し、クラスター形成率と中性子スキン厚との関係を示唆している。
籾山 悟至*; Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 新倉 潤*; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; et al.
Physical Review C, 96(3), p.034328_1 - 034328_8, 2017/09
被引用回数:6 パーセンタイル:47.01(Physics, Nuclear)理化学研究所の不安定核実験施設RIBFにて、中性子過剰核Mgの励起状態をMgおよびAlからのノックアウト反応によって生成し、そこからの脱励起線を観測した。Mgは中性子数20魔法数が消滅するとされる「逆転の島」と呼ばれる領域に含まれると考えられており、また、奇核であることから、一粒子状態と集団的状態が結合した興味深い核構造が出現すると期待されている。この実験によって、206keV, 443keV, 616keV, 670keVの4本の線を観測し、これらを全て基底状態へ脱励起する線であると仮定して励起準位を構成した。この準位構造、ノックアウト反応の断面積、移行運動量分布を殻模型計算および反対称化分子動力学計算と比較した。二つの計算は、基底状態近傍の高い準位密度などいくつかの特徴的な核構造を再現することに成功し、Mgは「逆転の島」に含まれるという描像と無矛盾であることがわかった。
Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 宇都野 穣; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 95(4), p.041301_1 - 041301_5, 2017/04
被引用回数:33 パーセンタイル:91.97(Physics, Nuclear)中性子数20の魔法数はMg近傍の中性子過剰核領域で消失することが知られており、その一群の原子核は核図表における「反転の島」と呼ばれている。陽子数が10よりも小さな原子核が反転の島に含まれるかどうかを示す実験的証拠はこれまでなかった。この研究では、理化学研究所RIビームファクトリー(理研RIBF)にて生成された中性子過剰核Fのインビーム線分光から、Fの第一励起状態を初めて観測することに成功した。その励起エネルギーは1080(80)keVであり、中性子数20魔法数を仮定した計算による励起エネルギーの値である約3MeVよりも著しく小さいことから、この魔法数が消滅していることが明らかとなった。大規模殻模型計算によって励起エネルギーの実験値を再現することに成功するとともに、Fの基底状態および第一励起状態は中性子が2個殻ギャップから励起した状態によって支配されることがわかった。この第一励起状態はOの第一励起状態に軌道を占める陽子を結合させた状態が主であり、そのエネルギーが低いことから、Oは二重閉殻構造をもたないと考えられる。
Liu, H. N.*; Lee, J.*; Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 青井 考*; Li, K. A.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; et al.
Physics Letters B, 767, p.58 - 62, 2017/04
被引用回数:20 パーセンタイル:83.48(Astronomy & Astrophysics)理化学研究所のRIBFにて、中性子過剰核Neビームを生成し、それを用いたC(Ne, Ne+)陽子ノックアウト反応にてNeの励起状態を調べた。また、運動量分布も調べることにより、生成された状態のスピン・パリティを推定した。得られた励起準位の構造は、中性子数20が魔法数であると仮定したものとは大きく異なり、この原子核で侵入者配位(殻ギャップを超えて励起した状態)が基底状態および低励起状態が支配的となっていることがわかった。殻と殻の下半分の軌道を取り入れた大規模殻模型計算はこうした準位構造の性質自体は再現するものの、より定量的な一致を得るには殻を完全に取り入れた計算が必要であることがわかった。
Lee, J.*; Liu, H.*; Doornenbal, P.*; 木村 真明*; 蓑茂 工将*; 緒方 一介*; 宇都野 穣; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2016(8), p.083D01_1 - 083D01_7, 2016/08
被引用回数:6 パーセンタイル:44.73(Physics, Multidisciplinary)高速不安定核ビームのノックアウト反応は、不安定核の一粒子状態を調べるのによく用いられている反応である。しかし、ノックアウト反応から反応理論を通じて得られた分光学的因子は、殻模型などの核構造模型から得られるものに比べて一様に減少しており、その減少因子は核子の分離エネルギーに強く依存するという不思議な性質があることが知られている。そのメカニズムはまだ完全には理解されていない。従来の研究では、核子あたり約120MeV程度のビームを使って減少因子が測定されてきた。本研究では、理化学研究所にて、核子あたり200MeV以上のより高速なビームを用いて、Neからの一中性子および一陽子ノックアウト反応を調べた。そこで得られた減少因子を殻模型や反対性分子動力学による核構造計算を用いて導いたところ、従来研究と同様の減少因子があることがわかった。
小林 信之*; 中村 隆司*; 近藤 洋介*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; Barthelemy, R.*; Famiano, M. A.*; 福田 直樹*; et al.
Physical Review Letters, 112(24), p.242501_1 - 242501_5, 2014/06
被引用回数:89 パーセンタイル:94.33(Physics, Multidisciplinary)軽い中性子過剰核では束縛線限界近くにハローと呼ばれる1あるいは2中性子が空間的に非常に広がった構造を持つことが知られているが、重くなってくると一般に軌道角運動量が大きくなり、変形も発達するためハローが存在するかどうかは不明だった。本論文では、非常に中性子過剰なマグネシウム同位体Mgの核力およびクーロン分解反応実験を理化学研究所RIBFにて行い、マグネシウム同位体でも波と考えられるハローを持つことを初めて明らかにした。本実験では、炭素標的と鉛標的の断面積の差から、ハロー構造に敏感なクーロン力による分解反応の断面積を引き出すとともに、脱励起線の測定によって、Mgの基底状態へ遷移する断面積も引き出した。実験値を大規模殻模型計算の結果と比較したところ、Mgの基底状態はMgの基底状態に波中性子が付いた波動関数が40%程度占め、その波成分がハロー構造を生み出していることがわかった。
Doornenbal, P.*; Scheit, H.*; 武内 聡*; 宇都野 穣; 青井 考*; Li, K.*; 松下 昌史*; Steppenbeck, D.*; Wang, H.*; 馬場 秀忠*; et al.
Progress of Theoretical and Experimental Physics (Internet), 2014(5), p.053D01_1 - 053D01_9, 2014/05
被引用回数:12 パーセンタイル:62.3(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIBFにて、中性子過剰ナトリウム同位体Naのエネルギー準位を測定した。中性子数20領域の中性子過剰核は、中性子数20の魔法数が消滅し、大きく変形することが知られているが、その領域がどの程度の中性子数まで続くのかは明らかになっていない。本実験によって、Naの励起準位を初めて測定し、Naに近いエネルギー準位を持つことを明らかにした。また、殻に軌道および軌道を加えた大きな模型空間を用いて計算した殻模型計算によって、これらの中性子過剰核のエネルギー準位をよく再現することができた。これらの準位の電磁行列要素の計算から、Naも大きく変形していることがわかり、「逆転の島」と呼ばれる中性子数20の魔法数が消滅する領域に含まれることが明らかになった。
中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; Tostevin, J. A.*; 宇都野 穣; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; et al.
Physical Review Letters, 112(14), p.142501_1 - 142501_5, 2014/04
被引用回数:62 パーセンタイル:91.13(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIBFを用いて中性子過剰核Neの1中性子分離反応実験を行い、理論計算との比較から、Neが波ハロー(一部の中性子が核内に局在せず、空間的に極めて広がっていること)を持つことを明らかにした。この実験では、ターゲットとしてクーロン分離反応が優位な鉛と核力分離反応が優位な炭素の両方を用いるとともに、脱励起線も測定することによって、包括的な断面積のみならず、Neの基底状態への直接遷移のクーロン分解断面積を決めることに成功した。その実験結果を殻模型計算と比較した結果、Neの基底状態は、Neの基底状態に波の中性子が付加されている確率が大きく、その中性子はハローになるという特異な構造を持つことがわかった。それは、変形による波と波の配位混合と、Neが極めて弱く束縛されていることの両面によるものであると考えられる。
直井 洋介; 小林 直樹; 濱田 和子; 野呂 尚子; 松澤 礼奈; 若林 修二; 野中 信之; 千崎 雅生; Scharmer, C.*; Duggan, R.*; et al.
Proceedings of INMM 53rd Annual Meeting (CD-ROM), 10 Pages, 2012/07
2010年のワシントンでの核セキュリティサミットにおいて、日本はアジア諸国を中心に人材育成支援や基盤整備支援などのキャパシティ・ビルディング支援を通じて核セキュリティの強化に資するために核不拡散・核セキュリティ総合支援センターを原子力機構に設置するとのコミットメントを行った。その総合支援センターはコミットメントにしたがって、2010年12月に設置され、以後1年半にわたって活動を実施してきた。その活動の概況と新たな核セキュリティトレーニングコースの開発について述べる。
中村 隆司*; 小林 信之*; 近藤 洋介*; 佐藤 義輝*; 青井 考*; 馬場 秀忠*; 出口 茂樹*; 福田 直樹*; Gibelin, J.*; 稲辺 尚人*; et al.
Physical Review Letters, 103(26), p.262501_1 - 262501_4, 2009/12
被引用回数:198 パーセンタイル:97.53(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所のRIBFにて中性子過剰核Neの1中性子分離反応の断面積を測定した。鉛ターゲットと炭素ターゲットの断面積を比較することにより、Neのクーロン分解反応断面積が540(70)mbと導出された。その断面積は通常の原子核の断面積と比べ非常に大きく、中性子が非常に弱く束縛されているハロー構造を示唆している。この原子核のクーロン分解断面積を直接ブレークアップ模型と殻模型で求めた波動関数の重なり(分光学的因子)を組合せることにより定量的に計算した結果、Ne核の最後の1個の中性子は、普通の軌道の順序であるではなく軌道を主に占め、軌道の小さな軌道角運動量により一粒子ハローを形成していることが明らかとなった。
松永 武; 天野 光; 上野 隆; 柳瀬 信之; 小林 義威
Journal of Environmental Radioactivity, 26, p.3 - 17, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:48.86(Environmental Sciences)原子力施設から大気中に放出された放射能の長期的な環境中挙動の研究の1つとして、大気から地表に降下したそれらの放射能が河川を経てどのように流出するのかを明らかにする目的で、茨城県久慈川において河川水中の大気起因Pb及びBeの流出挙動を研究した。その結果、久慈川においては、PbとBeともに、その年間移行量の90%以上を懸濁態が占めることが分かり、核種移行における河川水懸濁物の重要な役割を明らかにすることができた。さらに、東海村で測定したPbとBeの年間降下量と移行量からPbの流域地表における平均滞留時間を求めると約800年となった。他地域での報告値と比較すると、この値には年間降水量や流域地形の差異が反映していると考えられ、河川水懸濁物と核種の移行挙動との密接な関係が、この解析によっても明らかになった。
柳瀬 信之; 上野 隆; 関根 敬一; 小林 義威
第34回環境放射能調査研究成果論文抄録集; 平成3年度, p.96 - 97, 1992/12
Ge検出器を用いる海洋における放射能モニタリングシステムの開発を目的として、水槽実験を行った。Ge検出器及びNaI検出器の海水中での線スペクトルの比較、及びGe検出器の海水中での検出感度並びに検出限界放射能濃度を検討した。これらの値をこれまでに報告されている海水中Cs及びCoの放射能濃度と比較し、本Ge検出器の海水中での性能を評価した。その結果、NaI検出器の分解能では検出できなかった濃度(約0.3mBq/ml)のCs及びCoが、Ge検出器では検出可能であった。水槽の大きさを検討した結果、Ge検出器について得られた海水中K,Cs,Coの検出感度19,19,17cps/(photon/s・ml)は、実際の海洋での測定に十分適用可能と思われる。
Musyoki, S.*; 坂本 慶司; 渡辺 聡彦*; 佐藤 信之*; 横尾 邦義*; 小野 昭一*; 川崎 温*; 小林 孝幸*; 田辺 英二*; 志甫 諒
JAERI-M 92-071, 12 Pages, 1992/05
ミリ波及びマイクロ波領域の大電力電磁波発振・増幅器の一つに、自己共鳴型ペニオトロンがある。これは回転電子ビームを発生させ、その運動エネルギーを電磁波に変換するものであるが、発生する電磁波の位相速度(導波管内)を光速と一致させることにより、電子の回転エネルギーのみならず進行方向の運動エネルギーをも電磁波のエネルギーに変換できるため、極めて高効率の電磁波生成が可能となる。本論文では、原研における大電流インダクションライナックLAX-1(電子ビームパラメーター:1MeV,3kA)を電子ビーム源とした時の10GHz、2GWの出力を目標とした自己共鳴型ペニオトロンの設計結果を報告する。
天野 光; 松永 武; 上野 隆; 柳瀬 信之; 小林 義威
3rd Int. Symp. on Advanced Nuclear Energy Research; Global Environment and Nuclear Energy, 4 Pages, 1991/00
環境中放射性核種移行に関し、将来にわたっても必要な研究として、放射性核種の環境媒体中での物理形・化学形同定及び物理形・化学形の違いによる移行挙動の違い評価また移行の絶対量評価が挙げられる。こうした研究の例として、実環境におけるトリチウムガス(HT)のトリチウム水(HTO)への転換、HTとHTOでの植物による取り込みの違い、また河川によるCs移行に関して行った研究を紹介する。トリチウムの主要な化学形としてHTとHTOがあるが、HTは環境中で主に土壌中バクテリア等の作用でHTOに転換される。カナダでHTガスの野外放出実験が行われ、これに参加し土壌によるHTOへの転換と沈着について評価した。またHTO移行については東海村の原子力施設周辺環境において測定評価した。Csはフォールアウト核種として環境中に蓄積しており、長く地表面に留まるが、河川により流出する。久慈川でその移行の特質及び移行の絶対量評価を行った。
大貫 敏彦; 村上 隆; 関根 敬一; 柳瀬 信之; 磯部 博志; 小林 義威
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol. 176, p.607 - 614, 1990/00
変質した石英-緑泥石中のウラン系列核種移行挙動をオーストラリア、クーンガウにおける核種濃度分布データを用いて研究した。U/UおよびTh/U放射能比の分布から、核種の移行は深さにより異なることが明らかとなった。また、U/UとTh/Uの関係から、UとUの遅延係数は異なりUの遅延係数がUよりも大きかった。その値は深さにより異なり、浅層部では1.1、中層部では1.9であった。X線回折解析より、緑泥石が変質により、カオリナイト-スメクタイトおよびゲータイト、ヘマタイトへ変わっているのが観察された。深さによるウラン系列核種の移行挙動の違いは緑泥石の変質に伴う層構成分質の違いによるものと考えられる。
捧 賢一; 小林 秀和; 菖蒲 康夫; 藤原 孝治; 塩月 正雄; 三浦 信之
no journal, ,
The first melter of TVF produced 130 canisters from 1995 to 2002. The first melter has remotely removed and replaced by the second melter. As we expect that the third melter will be necessary in order to process the whole HAW which has already generated from TRP, we have conducted development of simulation technology, evaluation of melter bottom structure or electrode arrangement, basic test regarding to noble metals behavior and its influence on viscosity and specific resistance of glass.
小林 大輔; 加藤 良幸; 栗田 勉; 飯田 正義*; 寺浦 信之*; 伊藤 邦雄*; 櫻井 幸一*
no journal, ,
RFタグは、放射線環境下で使用する場合、半導体中の電荷状態に変化が生じ、データの書き換え(損傷)が生じる。そのため、半導体素子に遮蔽体を取付けた耐放射線性RFタグを実用させるため、実放射線存在下(実廃棄物と同じ低エネルギー線)における照射試験を実施した。約3年間の照射試験の結果から、耐放射線性RFタグでは集積照射線量が約350Gyを超えても正常に読取ることができた。一方、一般用RFタグでは集積照射線量が約50Gyを超えると正常に読取ることができなくなるRFタグが現れ始め、約240Gyの照射で20個中2個のRFタグしか正常に読取ることができなくなった。これらのことから、耐放射線性RFタグを使用することで、低レベルの放射性廃棄物容器の個体識別管理に適用できる可能性が得られた。