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佐藤 博之; 寺田 敦彦; 林田 均; 上地 優; 小林 順; 山岸 功; 森田 圭介; 加藤 千明
JAEA-Research 2013-042, 25 Pages, 2014/03
福島原子力発電所事故の滞留水処理で使用済みとなったゼオライト吸着塔(KURION吸着塔)は、塩分腐食を防ぐために、内部を淡水で洗浄し長期保管されている。しかし、残留する塩分量によっては腐食への影響も懸念されることから、腐食評価のために海水系小規模試験を通して、その洗浄効果の検証を進めている。洗浄状態は対象となる装置に依存することが考えられることから、KURION吸着塔を用いた洗浄試験を実施している。試験は、KURION吸着塔内を1,650ppmNaCl水(1,000ppmCl相当)で満水にした後に容積流量4.5m/hで純水を注入して洗浄し、吸着塔の排水から洗浄時のサンプル水を取ってCl濃度を計測した。その結果、吸着塔内のCl濃度は、吸着材充填体積の約2倍の通水量で1,000ppmから0.5ppm以下にまで低下し、KURION吸着塔において洗浄効果が高いことを確認した。
松田 誠; 竹内 末広; 小林 千明*
KEK Proceedings 99-22, p.17 - 27, 2000/01
タンデム加速器の高電圧端子に永久磁石で構成される小型のECRイオン源を設置し、それから得られる大電流の正多価イオンを直接加速することでビームのエネルギー、強度を増強することに成功した。これまでにH,N,O,Ne,Ar,Kr,Xeイオンの加速に成功しビーム電流はいずれも従来の加速方式に比べ1桁あまり増強することができた。エネルギーについてはXeビームにおいて270MeVを達成している。ECRイオン源の設置場所は高圧絶縁ガス中の放電にさらされる過酷な環境であるのでイオン源、入射系を簡略化し複雑な制御は行わない方針をとった。特にガス流量が重要であるがこれをバルブの開閉操作のみとした。それによって性能はある程度抑えられているが、それでもなお十分な性能を発揮できている。今後はガス流量の調整やMIVOC法による金属イオンの加速を試みる予定である。
松田 誠; 竹内 末広; 小林 千明*
第12回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.113 - 116, 1999/00
1998年2月の定期整備にあわせ小型のECRイオン源が原研東海の20MV折り返し型タンデム加速器の高電圧端子に設置された。イオン源を設置してから放電による電源類の故障や高圧ガスによる真空トラブルが発生した。一方で実験ユーザーへのビームの供給も始まり、長時間の連続運転を行ったことからいくつかの問題点も判明した。また装着できるガスボンベの数を3つに増やし現在H,N,O,Ar,Xe,Xeが加速可能である。H,Oビームについては加速器の限界である3A、0.5pAをそれぞれ出すことができた。Xeビームにおいては15,16,18荷の有数のイオンをそれぞれ73,48,9.4pA加速することに成功した。これは近い質量数であるIビームの負イオン源からの入射と比較すると、エネルギー、ビーム電源ともに上回る結果となり当初の目的が達せられた。
松田 誠; 小林 千明*; 竹内 末広
Proc. of 14th Int. Workshop on ECR Sources (ECRIS99), p.176 - 179, 1999/00
タンデム加速器では負のイオンを高電圧端子に向けて加速してから炭素薄膜を通過させ電子を剥ぎ取り正の高多価イオンに変換し再び地上電位に向けて加速することで高いエネルギーを得ている。しかしイオンが重いと炭素薄膜の寿命が短くなり、またビーム強度も小さくなる問題を持っている。ECRイオン源はこれよりも高い電荷数のイオンを直接発生できることから静電加速器の高電圧端子に設置することでエネルギー、ビーム強度を増強することが可能である。超小型のイオン源(NANOGAN)が入手できるようになり、これを原研タンデム加速器に設置した。加速テストではH,O,Ar,Xeのイオンの加速に成功し、ECRイオン源のタンデム加速器への利用はこれが世界で初めてである。ECRイオン源の新たな利用法としてこれまでの経過と開発成果を報告する。
松田 誠; 竹内 末広; 小林 千明*
F-113-'98/NIES, p.109 - 111, 1998/00
タンデム加速器から得られるビーム強度の増強と加速イオン種の拡大の目的からターミナルイオン源としてECRイオン源を設置する計画を進めている。イオン源本体は永久磁石を使用した小型の電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源を用いる。このイオン源から得られるビームは高多価・高強度でありフォイルストリップを用いないため荷電状態はターミナル電圧に依らず高強度のビームが安定して加速可能となる。高電圧端子内にECRイオン源を設置するためには、設置スペース、電力、冷却、RF源、排気系、制御系、ビームオプティクス等の検討及びタンデム加速器特有の環境である高電圧、高圧ガス中での放電及び圧力対策が必要である。これまでにタンデム加速器内に設置することを前提として運転パラメーターの最適化、簡略化を行った。この結果イオン源の運転パラメーターは6から3に減らすことができた。テストではAr, Kr, Xeの3種にイオンを加速しほぼ所定の性能が発揮されていることが確認された。またいくつかのビームのエミッタンスの測定も行い約10mm・mrad・MeV(80%)であった。
松田 誠; 小林 千明*; 竹内 末広
Proc. of 8th Int. Conf. on Heavy Ion Accelerator Technology, p.65 - 73, 1998/00
タンデム加速器では負のイオンを一度高電圧端子に向けて加速してから炭素薄膜にぶつけて電子をはぎ取り高い電荷数にしてアース電位に向けて再加速することによって高いエネルギーを得る。しかし、イオンが重いと炭素薄膜が短時間で破れること、ビーム強度が小さくなるなどの問題がある。ECRイオン源はこれよりも高い電荷数の重イオンを直接発生できることから、タンデム加速器の高電圧端子内に設置すればエネルギーとビーム強度を増強することができる。超小型のECRイオン源(NANOGAN)が入手できるようになり、これを原研タンデムに設置した。加速テストでは、H,O,N,Ar,Xeのイオンの加速に成功している。ECRイオン源のタンデム加速器への利用例はこれが世界で初めてである。
松田 誠; 竹内 末広; 小林 千明*
Proc. of 11th Symp. on Accelerator Sci. and Technol., p.165 - 167, 1997/00
原研タンデム加速器から得られるビーム強度の増強と加速イオン種の拡大の目的からターミナルイオン源として永久磁石で構成される小型の電子サイクロトロン共鳴(ECR)イオン源を設置する計画を進めている。ECRイオン源をターミナルイオン源として使用することでフォイルを使用せずに高多価、高強度のビームを得ようとするものである。また、これまでの負イオン源では不可能であった希ガスの加速が容易に行え加速イオン種の拡大が可能である。タンデム加速器内への設置には高電圧、高圧ガス中での放電及び圧力対策が必要となり、信頼性を上げるためにできる限り簡単なシステムとしたい。そのためにイオン源の運転パラメーターの最適化、簡略化も行った。特にRF源、冷却、ビームオプティクスについて新たに検討が必要となった。またECRイオン源から引き出されるビームには目的とするイオン以外に電荷、質量の異なるイオンが多数存在する。これらのイオンを加速管に入射する前にある程度の分離を行うために、限られたスペースの制約から45°電磁石を2つ組み合わせた入射系とし、加速管への負担を押さえる計画である。
小林 千明; 池添 博
日本原子力学会誌, 36(12), p.1111 - 1117, 1994/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)静電圧を利用した重イオン加速器であるタンデム加速器は原子核研究、原子分子研究、固体材料照射損傷の研究など広く利用されている。この加速器の性能をさらに増強するため、1988年から超電導ブースターを建設し1994年7月に当初の性能を達成した。この原研タンデム加速器ブースターを利用する実験計画、特に反跳生成核分離装置を中心とした原子核研究について、わかりやすく解説した。超アクチノイド領域の重元素合成や、原子核変形状態の探索などの話題とそのための実験装置について解説した。
小林 千明
第6回タンデム加速器及びその周辺技術の研究会報告集, p.6 - 9, 1993/00
原研タンデム加速器は設置以来10年以上を経過し、累積運転時間は5万時間以上に達した。加速元素は水素から金に至る広範な種類に及んでいる。最高加速電圧は17.5MVが実用域でそれを越えると放電による悪影響が発生する。運転は安定にできており、ここ数年以上に亘り各種の実験は計画通り進んでいる。平成4年度では老朽化した制御計算機を新たに開発した並行処理計算機に更新した。タンデム加速器ブースターは間もなく完成の予定でビーム加速テストは本年秋に予定している。
小林 千明
UTTAC-J-3, 4 Pages, 1992/00
平成3年度に於ける原研タンデム加速器は、187日間の実験を行い、4314時間の運転を行った。主な故障としてスイッチング電磁石電源の大容量電解コンデンサの破損があり、この修復に19日間を要した。コロナ針先端摩耗によるコロナ電流零領域でもビームが安定に加速できることができた。
峰原 英介; 阿部 信市; 吉田 忠; 佐藤 豊; 神田 将; 小林 千明; 花島 進
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 5, p.217 - 220, 1984/00
被引用回数:4 パーセンタイル:55.11(Instruments & Instrumentation)ヘリウムより重い希ガス元素の負イオンは不安定でこれらの電子親和力は負である。希ガス元素は非常に不活性なので他の物質と反応して正の親和力を持つ化合物を作ることはできないと考えられてきた。我々の仕事以前には希ガス元素とその化合物の負イオンビームを得る試みは行われていない。前回我々は横引き出しペニングイオン源で約1nAのKrFとXeFイオンが生成し、引き出されている事をKrとXeの質量分布を測定する事によって確認した。故に希ガス化合物負イオンを用いてタンデム加速器でKr、Xeを加熱する大きな可能性がある。今回、原研タンデム加速器の入射器に設置されたペニングイオン源と特別設計のガス系を用いてこれらの負イオン電流を大巾に増加させる事ができた。KrFとXeFの典型的な電流強度は各々100nAと50nA、最大強度は各々320nA、150nAであった。原研タンデム加速器によるこれらの元素の加速が現在進行中である。
竹内 末広; 小林 千明; 佐藤 豊; 吉田 忠; 竹腰 英子; 丸山 倫夫
Nuclear Instruments and Methods, 158(2-3), p.333 - 338, 1979/00
従来の方法で作られるカーボン・ストリッパー・フォイルをタンデム加速器などで重イオン用ストリッパー・フォイルとして用いたとき、その寿命は短い。そこで我々は長寿命カーボン・ストリッパー・フォイルの製造を追求してきた結果、3.5MeV(1A/13mm)のArビームに対して5時間~10時間の寿命を持つ長寿命カーボン・ストリッパー・フォイルの調整方法を見い出した。このフォイルは、カーボン蒸発源としてアーク放電を、剥離剤としてNiClを、蒸着基板としてある特定の処理をしたガラス基板を用い、300Cに加熱された蒸着基板の上にNiClとカーボン膜(10g/cm)を真空蒸着することによって作られた。Ar照射による従来のカーボン・フォイルは照射部分が急速に縮み破れる(約十分)のに対し、長寿命フォイルは照射部分の縮みが極めて緩慢であり、かつ照射部分の周辺はその縮みに対し大きな伸びを供給している様子であった。
中井 洋太; 小沢 国夫; 加瀬 昌之*; 柴田 猛順; 小林 千明; 高垣 虎雄; 白井 稔三; 菊池 昭*
核融合研究, 39(4), p.241 - 245, 1978/00
Ne,NeとHe,Neの荷電移動すなわち電子捕獲断面積,および電子損失断面積,の測定を行った。これらの断面積の測定精度は、おおよその推算として20%以内である。これらの断面積のうち電子捕獲断面積,qについて、qによるスケーリングを試みたところ、k=1.4~1.5でなめらかにスケーリングされることがわかった。
峰原 英介; 小林 千明; 菊池 士郎
JAERI-M 7303, 12 Pages, 1977/10
タングステン線及び円板から成るアイオナイザーを通して負重イオンを引き出すスパッタ・イオン源を製作し、試験を行った。このアイオナイザーから構成されるアルカリ金属表面電離ガンを詳しく記述する。又、このガンとこのガンを用いたスパッタ負重イオン源の性能を報告する。3つのアルカリ金属、ナトリウム、カリウム、セシウムがこのガンで試みられ、1-2mAのカリウム・ビーム電流がマグネットの入口で得られている。負重イオノを引き出す為に試みられた、スパッタ物質とガスは炭素、銅、アルミニウム、モリブデン、酸素及び空気である。炭素と空気の場合、次の分析電流値が得られている。Cについて、2-5-A(ファラディ・カップ)、4.6-11A(出口スリット)、2Cについて3-5A(ファラディ・カップ)、6.8-11A(出口スリット)、、Oについて11-15A(ファラディ・カップ)、25-34A(出口スリット)。入口において全ビーム竃流値は200-400Aである。
小林 千明; 神田 将
JAERI-M 5032, 16 Pages, 1972/11
1972年6月核物理第1研究室の2MV VdGによる窒素イオン加速の特性について述べる。1価の窒素イオンは、0.7Mev6A得られ、照射損傷の実験には充分な値であることが確認された。イオン源は、RF型を使用したので、VdG高圧端子部の改造はわずかであり、陽子、重陽子加速に変換する作業性も良い。イオン源の寿命は約100時間である。真空系の改善、分析電磁石の増力により、さらに高エネルギー、高強度の重イオンビームが期待できる。