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小林 岩夫*; 金子 俊幸*; 山本 俊弘; 三好 慶典
Proceedings of 6th International Conference on Nuclear Criticality Safety (ICNC '99), 1, p.252 - 261, 1999/00
プルトニウム溶液貯槽では臨界安全の要求から通常、全濃度安全形状を用いるために空間占有率が高くなり、プルトニウム溶液貯槽の経済効果を大きく圧迫している。それを解決するために中性子吸収体を内蔵したプルトニウム溶液貯槽容器を提案する。この貯槽容器では、中性子吸収体が上部から底板まで貫通しており、供用期間中においても吸収体の健全性検査が可能なことが特長である。中性子吸収体としては種々の吸収体の特性を考慮した結果、天然のボロンカーバイドを用いることとした。また、吸収体の形状、吸収体間の間隔等をパラメトリックに検討した結果、十字形の吸収体形状を提案する。この貯槽容器を用いることにより、貯槽の体積をPuが100wt%の場合では1/10に、Pu/Pu/Pu=71/17/12wt%のときには1/4に縮小できる。
仁科 浩二郎*; 小林 岩夫*; 三好 慶典; 須崎 武則; 奥野 浩; 野村 靖; 三竹 晋*; 板垣 正文; 外池 幸太郎; 角谷 浩享*; et al.
日本原子力学会誌, 38(4), p.262 - 271, 1996/00
第5回臨界安全性国際会議ICNC'95が1995年9月に米国アルバカーキにて開催された。参加者は17ヶ国から計約300名、発表は約150件あった。今回の会議では、これまではよく知られていなかった旧ソ連の臨界実験施設、臨界安全研究のほか、臨界事故について初めて報告された。そのほか、燃焼度クレジット、動特性解析などで地道な研究の進歩が見られた。本稿では、このようなICNC'95での発表を通じて臨界安全性研究の現状を解説する。
須崎 武則; 黒澤 正義; 広瀬 秀幸; 山本 俊弘; 中島 健; 金井塚 文雄; 小林 岩夫*; 金子 俊幸*
ICNC 95: 5th Int. Conf. on Nuclear Criticality Safety, Vol. I, 0, p.1B.11 - 1B.18, 1995/00
バーンアップクレジットを用いた使用済燃料の臨界安全管理を可能とするには、臨界安全評価に用いる計算手法の精度を確認するためのベンチマーク実験データが必要である。しかしながら、適切なデータは世界的にも皆無に近い状況である。原研燃料試験施設プールにおいて、PWR使用済燃料集合体2体に対して指数実験を行い、未臨界度に関する実験データを取得した。燃料組成を、照射後試験データ、運転管理データ、ORIGEN2による燃焼計算の三者を組合わせることにより推定し、それを用いて臨界計算を行ったところ、実験値を良い精度で再現した。このことから、既存の計算手法は使用済燃料に対しても妥当な精度を有すると考えられるが、さらなる精度向上を図るためには、核分裂生成物核種の含有量を測定する等の新たな努力が必要である。
中島 健; 須崎 武則; 小林 岩夫*
ICNC 95: 5th Int. Conf. on Nuclear Criticality Safety,Vol. II, 0, p.7.36 - 7.41, 1995/00
軽水減速U-Pu混合炉心の臨界量及び実効遅発中性子割合()の即発中性子寿命(l)に対する比を測定した。この実験では、Pu領域寸法の異なる4種類の炉心を構成した。臨界量データとしては、臨界水位を測定した。/l比は、パルス中性子法により求めた。SRACコードシステムとJENDL-3.2ライブラリを用いた計算は過小評価の傾向を示しているが、両者の値とも実験と良い一致を示した。各領域の出力の2乗を重みとして、U及びPu炉心の/l比から求めた混合炉心の/l比は実験を極めて良く再現した。
三好 慶典; 中島 健; 赤井 昌紀; 小林 岩夫; 青木 繁明*; 原田 正之*; 本藤 千博*; 出口 一郎*
Journal of Nuclear Science and Technology, 31(4), p.335 - 348, 1994/04
被引用回数:1 パーセンタイル:17.88(Nuclear Science & Technology)使用済燃料の高密度貯蔵に関する研究の一環として、板状中性子吸収体であるボロン入りステンレス板(B-SUS)板の反応度効果をTCAを用いて測定した。実験では、使用済燃料貯蔵プールの燃料集合体の配列を模擬した体系を構成し、炉心配列(単一、二領域炉心の形状及び面間距離)、水対燃料体積比、及びB-SUS板の条件を変化させて、臨界水位法によりB-SUS板の系統的な反応度特性を調べた。B-SUS板の主要なパラメータは、ボロン含有率厚さ及び炉心燃料領域との相対位置である。中性子吸収体を含む臨界実験に対するベンチマーク計算を本実験で得られたデータを対象に行い、我国の臨界安全解析コードの精度評価を行った。本報は、上記の実験・解析の主要な結果を発表するものであり、三菱重工業(株)からの受託研究として実施した。
村上 清信*; 小林 岩夫*
PNC TJ1500 93-004, 114 Pages, 1993/09
本報告書は動力炉・核燃料開発事業団から受託した、"照射済プルトニウム燃料のガンマ線スペクトル調査"(昭和59年7月2日昭和60年12月25日)で行ったガンマ線測定データ及び燃焼解析計算結果のデータ集として取りまとめたものである。測定した燃料はプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料であり、照射後約15年間冷却されたものである。使用済MOX燃料の長期冷却後におけるガンマ線スペクトルデータを与える。
村上 清信; 小林 岩夫
JAERI-M 93-179, 107 Pages, 1993/09
本報告書は動力炉核燃料開発事業団から受託した、「照射済プルトニウム燃料のガンマ線スペクトル調査」(昭和59年7月2日~昭和60年12月25日)で行ったガンマ線測定データ及び燃焼解析計算結果のデータ集として取りまとめたものである。測定した燃料はプルトニウム・ウラン混合酸化物燃料であり、照射後約15年間冷却されたものである。使用済MOX燃料の長期冷却後におけるガンマ線スペクトルデータを与える。
三好 慶典; 山本 俊弘; 須崎 武則; 小林 岩夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(12), p.1201 - 1211, 1992/12
臨界安全設計から制限される燃料取扱量を増大する上では、可溶性毒物を利用する事が考えられる。本報告は、主要な中性子吸収体であるボロンとガドリニウムを含む軽水減速体系に関する臨界実験及び解析結果について論じたものである。実験では、体系の安全裕度の評価において重要な温度係数を臨界水位法により測定した。ここでは、主として温度係数の炉心形状依存性及び毒物濃度依存性に注目した。また解析では、SRACシステムのCITATION(拡散コード)及び摂動計算コードCIPERによりベンチマーク計算を行うと共に、温度係数の領域(炉心部、反射体部)別寄与の特性を検討した。
三好 慶典; 中島 健; 小林 岩夫; 青木 繁明*; 出口 一郎*
Transactions of the American Nuclear Society, 66, p.287 - 288, 1992/11
ボロン入りステンレス板は、軽水炉使用済燃料の高密度貯蔵を実現する上で有力な中性子吸収体の一つである。本報告は、TCAにおいて測定したボロン入りステンレス(B-SUS)板の反応度効果及び臨界解析結果について発表するものである。実験では、2.6w/oUO燃料棒配列により単一炉心及び2領域炉心を構成し、単位セルの水対燃料体積比及びB-SUS板条件(厚さ、ボロン含有率炉心との距離)を主要なパラメータとして臨界量及び中性子束・出力分布を測定した。解析では、原研のJACSシステム(KENO-IV及びMGCL-137群ライブラリー)を用いて臨界体系に対するベンチマーク計算を行い、強吸収体のある体系における計算精度(バイアス値)を評価した。
仁科 浩二郎*; 山根 義宏*; 小林 岩夫; 館盛 勝一; 高野 誠; 三好 慶典; 奥野 浩; 中島 健; 三竹 晋*; 角谷 浩享*; et al.
日本原子力学会誌, 34(4), p.311 - 319, 1992/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.49(Nuclear Science & Technology)4年毎に開催される臨界安全性に関する国際会議が1991年9月に英国のオックスフォードにおいて行われた。本会議は臨界安全性の専門家が集まり、今回の発表総数は134件、参加者数は170名であり、広範囲の報告がなされた。主要なセッションとしては、1.各国の研究計画と臨界安全性実験、2.計算手法と核データの開発整備、3.臨界安全ハンドブックとデータベース、4.コードとデータライブラリーの検証、5.核燃料施設の臨界安全評価、6.測定技術と臨界パラメータ、及び7.臨界事故解析および警報システムが揚げられる。本報告は、最近の安全性の動向を、会議の主要な発表を紹介しつつリビューしたものである。
小林 岩夫; 竹下 功; 柳澤 宏司; 辻野 毅
Proc. of the 91 Int. Conf. on Nuclear Criticality Safety,Vol. 1, p.I-9 - I-18, 1991/00
日本原子力研究所では、核燃料サイクルバックエンドに必須な安全性に関する研究を進めるため、「燃料サイクル安全工学研究施設」を建設中である。同施設においては、a.臨界安全性に関する研究、b.高度化再処理プロセスに関する研究、c.TRU廃棄物の安全管理技術に関する研究、を行う予定である。ここでは、軽水炉燃料サイクルの再処理に関する臨界安全性の研究を行うため、二基の臨界実験装置STACYとTRACYを建設している。STACYは定常臨界実験装置と称し、ウラン、プルトニウム及びそれらの混合溶液に関する臨界条件について実験する装置であり、TRACYは過渡臨界実験装置と称し、溶液状ウランによる臨界事故現象を究明する装置である。本論文ではこれらの装置の建設情況と研究計画について記載している。
三好 慶典; 須崎 武則; 石川 利光; 小林 岩夫
JAERI-M 90-112, 45 Pages, 1990/07
原研の軽水臨界実験装置(TCA)を用いて、水平断面が正方形の2つの矩形炉心を配列した相互干渉体系に関する臨界実験を行なった。矩形炉心は濃縮度2.6w/oのUO燃料棒を1717本配列して構成され、燃料棒格子の間隔は1,956cm、単位燃料セルの水対燃料体積比は1.83である。実験ではユニット間距離(水ギャップ厚さ)をパラメータとして臨界水位を測定し、各炉心の臨界水位の差から水位法を用いて、一方のユニットが他方のユニットへ与える反応度寄与、水ギャップの負の反応度効果、及び片側ユニットの未臨界度を評価した。またモンテカルロコードKENO-IVを用いて、臨界体系に関するベンチマーク計算を行うと共に、反応度効果を解析し、実験値との比較検討を行なった。
桜井 聡; 平田 勝; 阿見 則男; 臼田 重和; 阿部 治郎; 若松 幸雄; 館盛 勝一; 福島 奨; 栗原 正義; 小林 岩夫
JAERI-M 90-059, 35 Pages, 1990/03
燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)の原子炉関連設備で使用するプルトニウム硝酸溶液燃料(Pu:60kg)の調製方法を確証するため、「酸化プルトニウム溶解性モックアップ試験」が計画された。この試験は、電解酸化法による100g規模の酸化プルトニウムの溶解、プルトニウム精製のための原子価調製、ならびにこれらの装置を格納し、プルトニウムに含まれるAmおよび溶解時に添加した銀の除去を目的としたプルトニウム精製からなる。本試験を実施するために、溶解、原子価調製および精製装置、ならびにプルトニウム溶液を取扱うためのグローブボックスを大洗研究所燃料研究棟に製作・整備した。本報告では、これらの装置およびグローブボックスの設計条件、使用および性能試験について述べる。
三好 慶典; 竹下 功; 小林 岩夫
日本原子力学会誌, 31(5), p.536 - 538, 1989/05
現在建設を進めている燃料サイクル安全工学研究施設(NUCEF)に設置する2基の溶液燃料臨界実験装置STACY及びTRACYについて、研究目的、装置の概要、及び研究計画を発表する。ここでは、NUCEFで計画している臨界安全性研究の位置付けを示すと共に、各臨界実験装置の主な仕様、及び実験範囲について記す。又、主要な研究テーマと現在計画している実験スレジュールについても概説する。
須崎 武則; 柳澤 宏司; 小林 岩夫
Proc. of the Int. Topical Meeting on Safety Margins in Criticality Safety, p.112 - 119, 1989/00
軽水反射体付き炉心について、炉心寸法を種々変化させてパルス実験及び指数実験により中性子実効増倍係数を測定し、モンテカルロ中性子輸送計算コードの結果と比較したところ、炉心寸法の減少とともに、3者の間の差異が拡大する結果が得られた。3者の中性子バランスを記述する2群拡散方程式を解析的に解くことにより、その原因は炉心内の中性子空間分布の漸近分布の相異にあることがわかった。反射体付き炉心では、炉心内のみの中性子の生成、消滅比として中性子実効増倍係数を定義することは不適当であり、反射体を含む全域で定義する必要があることを指摘した。
村上 清信; 小林 岩夫
JAERI-M 88-128, 18 Pages, 1988/07
原子炉から取り出された使用済燃料集合体は、燃料内に蓄積された核分裂生成物の崩壊熱を測定することは、燃料集合体の燃焼度を決定したり、燃料輸送時に使用する輸送容器の設計、使用済燃料の貯蔵施設の設計等に重要な情報を与える。しかし、この測定は、核分裂生成物から発生する強力な放射線とともに、測定対象が大きいこともあって困難である。本報告書は、使用済燃料の発熱量を測定するために製作した熱量測定装置、および同装置を用いた使用済燃料集合体の発熱量測定実験について報告するものである。
三好 慶典; 柳澤 宏司; 須崎 武則; 小林 岩夫
Proc. ANS Int. Reactor Physics Conf., Vol. 2, p.493 - 503, 1988/00
原研で計画中の燃料サイクル安全工学研究施設NUCEFに設置する2基の溶液燃料型臨界実験装置(STACY,TRACY)に関して、これまで実施してきた核設計作業の内容を報告する。定常臨界実験装置(STACY)に関しては、均質炉心・非均質炉心の核特性・実験範囲の解析結果(臨界特性、反応度係数及び動特性パラメータ等)を報告する。
井原 均; 西村 秀夫; 猪川 浩次; 市橋 芳徳; 山本 徹*; 久松 義徳*; 館盛 勝一; 小林 岩夫
JAERI-M 86-167, 77 Pages, 1986/11
CSEFの詳細設計(II)をもとに、燃料処理工程(前処理、精製、調整、溶液貯蔵)の計量特性を調べる為にMUF解析を実験した。この解析は、TASTEXプロジェクトの中で開発したシュミレ-ション技術による有効性評価手法を用いて行なっいる。NUCEFに対するこの手法の適用方法及び代表的な5つの運転モ-ド(MOX処理から精製・貯蔵まで、溶液受入から精製、貯蔵まで、Pu濃縮、毒物除却、Am除却)について適用し、MUFおよびMUF,各ストラ-タ,測定方法及び誤差要素列の分散を計算し、施設の計量特性を定量的に示した。この結果、Pu溶液貯槽および濃縮缶の在庫測定に問題が有る事、Pu溶液貯槽を除き、濃縮缶が空になった時、実在庫測定を実施する場合にMUFは、最大でも1.5KgPuとなりIAEAのガイドラインを満足する事を定量的に示した。この解析結果及び手法は、NUCEFの核物質管理システムの開発に役立つものである。
須崎 武則; 岡崎 修二; 岡下 宏; 小林 岩夫; 鈴木 敏夫; 河野 信昭; 大貫 守; 篠原 伸夫; 園部 保; 大野 秋男; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 23(1), p.53 - 72, 1986/00
被引用回数:9 パーセンタイル:70.06(Nuclear Science & Technology)JPDR-I使用済燃料集合体72体に対し、非破壊線スペクトロメトリ法を適用した。それらの集合体は東海再処理工場にて溶解された。溶解槽から採取した19バッチの試料について詳細な化学分析を行った。非破壊測定によるCsの放射能強度およびCs/Cs強度比から、それぞれ、燃焼度およびPu/U原子数比を求めた。その際、典型的な1体の集合体の燃料棒を用いた実験において確立された相関関係を利用した。非破壊測定と化学分析の結果の間には良い一致が得られた。一部の結果に見られたわずかな偏差は、集合体内の放射能強度の分布の相違に起因するものとして説明された。非破壊測定法により、Pu以外の超ウラン核種の量を推定する可能性についても議論した。
小林 岩夫; 館盛 勝一; 竹下 功; 須崎 武則; 三好 慶典; 野村 靖
JAERI-M 85-152, 17 Pages, 1985/10
原子炉以外の使用済燃料の再処理施設、プルトニウム燃料加工施設、大型ホットラボ施設などの核燃料施設の安全評価において、臨界安全性は重要な課題となっている。特に大型の使用済燃料再処理工場が設計中であり、近い将来に建設が予定されているため、臨界安全性に関する実験的研究を積極的に行ない、我が国独自の実験データを蓄積するとともに、万一の臨界事故に対しても、同施設が健全であることを実証することが、国民の信頼を得るためにも必要である。原研においては、TCAを用いた棒状燃料-軽水格子系の実験的研究および計算コードシステムの改良と検証を行っているが、これに加えて再処理工場で主に取扱われる溶液状燃料の臨界データ、化学的プロセスの安全性ならびに仮想的な臨界事故時の安全性などに関する研究を行なうため、新らしく臨界実験装置を建設する計画である。