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片桐 政樹; 小林 義威; 高橋 幸嗣*; 田口 芳人*; 内田 年雄*
KEK-Proceedings 96-4, 0, p.209 - 213, 1996/07
液体窒素を使うことなく簡便に冷却でき持ち運びが可能なスターリング冷凍機を用いた小型電気冷却式Geガンマ線検出器の開発を進めている。3個のスターリング冷凍機を用いた相対検出効率17%のPopTop型スターリング冷却式Ge検出器を開発した。エネルギー分解能が液体窒素冷却方式とほぼ同等であり、スターリング冷凍機を用いて冷却するPopTop型のGe検出器が充分実用になることを確認した。また、ポータビリティ及びGe検出素子の交換可能という利点を生かして今後加速器等を用いた実験などに幅広く使用されることが期待される。
間柄 正明*; 篠原 伸夫; 初川 雄一; 塚田 和明; 飯村 秀紀; 臼田 重和; 市川 進一; 鈴木 敏男*; 永目 諭一郎; 小林 義威; et al.
Radiochimica Acta, 72, p.39 - 43, 1996/00
タンデム加速器でU(C,5n)反応により生成するCfの壊変特性について放射化学的手法を用いて研究した。Cfは1950年に発見された最初のカリホルニウム同位体であるがその後の研究にもかかわらず-、EC壊変様式の詳細は明らかではない。本研究ではCfを迅速イオン交換分離法により核反応によって多量に生成する核分裂生成物から分離、精製を行い、その-、x-、-線の測定を行った。Cfの線とEC娘核種のBkの線の測定より/EC分岐比を実験的に求めた。さらに線の精密測定によりその微細構造を得てこれにより-壊変の娘核種Cmの慣性モーメントを求めそれに基づいてCmの基底及び励起状態のニルソンレベルを決定しCfの壊変様式を得た。
松永 武; 天野 光; 上野 隆; 柳瀬 信之; 小林 義威
Journal of Environmental Radioactivity, 26, p.3 - 17, 1995/00
被引用回数:16 パーセンタイル:48.86(Environmental Sciences)原子力施設から大気中に放出された放射能の長期的な環境中挙動の研究の1つとして、大気から地表に降下したそれらの放射能が河川を経てどのように流出するのかを明らかにする目的で、茨城県久慈川において河川水中の大気起因Pb及びBeの流出挙動を研究した。その結果、久慈川においては、PbとBeともに、その年間移行量の90%以上を懸濁態が占めることが分かり、核種移行における河川水懸濁物の重要な役割を明らかにすることができた。さらに、東海村で測定したPbとBeの年間降下量と移行量からPbの流域地表における平均滞留時間を求めると約800年となった。他地域での報告値と比較すると、この値には年間降水量や流域地形の差異が反映していると考えられ、河川水懸濁物と核種の移行挙動との密接な関係が、この解析によっても明らかになった。
上野 隆; 天野 光; 小林 義威
保健物理, 29(1), p.17 - 22, 1994/03
放射性核種と安定元素の環境中における移行挙動の関連を調べるため、降下物中の安定元素を放射化定量し、降下量の変化等を調査した。その結果次のことが明らかになった。(1)1984年から1990年の春先の降下量は、1989年のCoの高い降下量の観測以外に、きわだった経年変化は認められなかった。(2)Na,Cl,Brのグループ及びAl,Sc,V,Fe等のグループ内では降下量に相関がみられた。(3)Al,Sc,V,Fe等の降下量は、12月から4月に多く6月から10月に少く、Na,Cl,Brは、3月から8月に多く12月から2月に少い傾向を示した。これらの月変化は、東海村の卓越風と関係があると考えられる。(4)水盤によるCsの降下量の測定のうち土壌再浮遊の影響を見積り、この値の降下量に対する割合の変化を調べた。その経年変化は、大気圏内核実験が多かった1970年代には低く、1980年代から徐々に高くなっている。
村岡 進; 妹尾 宗明; 小林 義威
JAERI-M 93-037, 71 Pages, 1993/03
人工バリア研究室、深地処分研究室及び環境放射化学研究室において、平成3年度に実施した高レベル廃棄物処理処分の安全性に関する研究成果をまとめた。その内容は次の通りである。1)廃棄物固化体及び人工バリア材の研究開発では、ガラス固化体、セラミック固化体及び緩衝材の性能評価試験を継続した。2)地層処分の安全評価試験では、地下水中での放射性核種の挙動、原位置条件下における核種の移行試験を実施した。また、天然地下水の流動挙動に関する研究を進めた。3)ナチュラルアナログ研究として、続成変質中のスメクタイトの性質、ウラン鉱床中のウラン鉱物の変質、固定化に関する研究を実施した。
柳瀬 信之; 上野 隆; 関根 敬一; 小林 義威
第34回環境放射能調査研究成果論文抄録集; 平成3年度, p.96 - 97, 1992/12
Ge検出器を用いる海洋における放射能モニタリングシステムの開発を目的として、水槽実験を行った。Ge検出器及びNaI検出器の海水中での線スペクトルの比較、及びGe検出器の海水中での検出感度並びに検出限界放射能濃度を検討した。これらの値をこれまでに報告されている海水中Cs及びCoの放射能濃度と比較し、本Ge検出器の海水中での性能を評価した。その結果、NaI検出器の分解能では検出できなかった濃度(約0.3mBq/ml)のCs及びCoが、Ge検出器では検出可能であった。水槽の大きさを検討した結果、Ge検出器について得られた海水中K,Cs,Coの検出感度19,19,17cps/(photon/s・ml)は、実際の海洋での測定に十分適用可能と思われる。
村岡 進; 妹尾 宗明; 小林 義威
JAERI-M 92-022, 73 Pages, 1992/03
人工バリア研究室、深地処分研究室及び環境放射化学研究室において、平成2年度に実施した高レベル廃棄物処理処分の安全性に関する研究成果をまとめた。その内容は次の通りである。1)固化体及び人工バリア材の研究開発では、ガラス固化体、セラミック固化体及び緩衝材の性能評価試験並びに容器材料の耐食性試験を継続した。2)地層処分の安全評価試験では、核種の水中での化学的挙動、地層中での移行・固定機構の研究を実施した。また、岩石中の元素の化学形分析法の開発を進めた。3)ナチュラルアナログ研究として、ウラン鉱床中のウラン系列核種の移行及び分布に関する研究を実施した。
天野 光; 小林 義威; 檜皮 久義*; 成戸 健治*
環境ラドン, p.42 - 52, 1992/03
地震予知に役立てる目的で、気象庁松代地震観測所の坑道内空気中ラドン濃度の連続測定を開始した。測定手法は、坑道内の6ヶ所で据置型モニタを用いて1ヶ月毎の空気中ラドン濃度積分値を求めている。また坑道内中央の地層の境界付近において空気中ラドン濃度の連続測定を行っている。連続測定は、装置のメインテナンスが比較的容易な自然換気型のシンチレーションセルを用いて、およそ1ヶ月間のデータをパーソナルコンピュータのフロッピーディスクに記録している。また気象要素及び地殼変動との関係については、気圧、温湿度、降水量や伸縮計、傾斜計等の地殼変動関係の地震観測所の定常の観測データを用い、地震活動との関係については気象庁で決定した震源データ等を利用する。本報告ではこれらの地震予知システムの概要を述べると共に、得られているデータの概要について報告する。
古牧 睦英; 石川 二郎; 高橋 昭; 横山 淳; 桜井 勉; 大貫 守; 小林 義威; 安達 武雄
日本原子力学会誌, 33(5), p.489 - 497, 1991/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)燃焼度の異なる10種類の使用済軽水炉二酸化ウラン燃料小片(2~3g、5~8年冷却)を4M硝酸に溶解し、発生する揮発性核種(ヨウ素、クリプトン、キセノンおよび気体状トリチウム)の量および同位体組成と燃焼度との関係を求めた。分析法はキセノンを除き、それぞれの放射能測定によった。キセノンはクリプトンと共にガスクロマトグラフにて定量した。分析の結果、燃焼中に放出するヨウ素、クリプトン、キセノン及び気体状トリチウムの量は、燃料の燃焼度の増大に伴い、ほぼ比例して増大した。ヨウ素の大部分は溶解中に揮発し、若干量が溶液中に残存する。Krの存在比は全燃焼度にわたって、全クリプトン中約5%を占め、キセノンは、重量比で初期ウラン量の約0.4%を占め、気体状トリチウムは生成全トリチウムの約0.5%を占めた。
村岡 進; 妹尾 宗明; 小林 義威
JAERI-M 91-019, 69 Pages, 1991/02
人工バリア研究室、深地処分研究室及び環境放射化学研究室において平成元年度に実施した高レベル廃棄物処理処分の安全性に関する研究成果を報告書にまとめた。その内容は次の通りである。1)固化体及び人工バリア材の研究開発では、ガラス固化体、セラミック固化体の性能評価試験及び容器材料の耐食性試験を継続した。2)地層処分の安全評価試験では、核種の水中での化学的挙動、地層中での核種の移行・遅延挙動の研究を実施した。また、岩石中の元素の化学形分析法の開発を進めた。3)ナチュラルアナログ研究として、ウラン鉱床中のウランの分布及び移行に関する研究を実施した。
天野 光; 松永 武; 上野 隆; 柳瀬 信之; 小林 義威
3rd Int. Symp. on Advanced Nuclear Energy Research; Global Environment and Nuclear Energy, 4 Pages, 1991/00
環境中放射性核種移行に関し、将来にわたっても必要な研究として、放射性核種の環境媒体中での物理形・化学形同定及び物理形・化学形の違いによる移行挙動の違い評価また移行の絶対量評価が挙げられる。こうした研究の例として、実環境におけるトリチウムガス(HT)のトリチウム水(HTO)への転換、HTとHTOでの植物による取り込みの違い、また河川によるCs移行に関して行った研究を紹介する。トリチウムの主要な化学形としてHTとHTOがあるが、HTは環境中で主に土壌中バクテリア等の作用でHTOに転換される。カナダでHTガスの野外放出実験が行われ、これに参加し土壌によるHTOへの転換と沈着について評価した。またHTO移行については東海村の原子力施設周辺環境において測定評価した。Csはフォールアウト核種として環境中に蓄積しており、長く地表面に留まるが、河川により流出する。久慈川でその移行の特質及び移行の絶対量評価を行った。
安達 武雄; 大貫 守; 吉田 伸彦*; 園部 保; 川村 亘*; 武石 秀世; 郡司 勝文; 木村 貴海; 鈴木 敏夫; 中原 嘉則; et al.
Journal of Nuclear Materials, 174, p.60 - 71, 1990/00
被引用回数:40 パーセンタイル:94.49(Materials Science, Multidisciplinary)燃焼度7000から39000MWd/tの使用済PWR燃料の硝酸溶解挙動と不溶解性残渣の化学的性質について調べた。燃料棒を3~5mmの長さで切断して得た燃焼度の異なる試料片は3M硝酸により100Cにおいて2時間以内で溶解した。不溶解性残渣量は7000~30000MWd/tの範囲では燃焼度に比例して増加し、30000MWd/t以上の燃焼度では増加の比率は上昇した。不溶解性残渣の70%以上は核分裂生成物、即ち、Mo、Tc、Ru、Rh、Pdから構成されている。これらの元素の不溶解性残渣中の相対比は、燃料中に生成した元素の相対比とは異なっていること、X線回折により六方晶系のRu合金相が確認されたことから、不溶解性残渣の主成分はRu、Moなどから成る合金と考えられる。
大貫 敏彦; 村上 隆; 関根 敬一; 柳瀬 信之; 磯部 博志; 小林 義威
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol. 176, p.607 - 614, 1990/00
変質した石英-緑泥石中のウラン系列核種移行挙動をオーストラリア、クーンガウにおける核種濃度分布データを用いて研究した。U/UおよびTh/U放射能比の分布から、核種の移行は深さにより異なることが明らかとなった。また、U/UとTh/Uの関係から、UとUの遅延係数は異なりUの遅延係数がUよりも大きかった。その値は深さにより異なり、浅層部では1.1、中層部では1.9であった。X線回折解析より、緑泥石が変質により、カオリナイト-スメクタイトおよびゲータイト、ヘマタイトへ変わっているのが観察された。深さによるウラン系列核種の移行挙動の違いは緑泥石の変質に伴う層構成分質の違いによるものと考えられる。
木村 貴海; 五藤 博; 小林 義威; 吾勝 常勲
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 125(1), p.29 - 40, 1988/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Chemistry, Analytical)アクチニド元素を非破壊で定量するための方法を開発した。この方法はマルチチャンネル時間スペクトル測定を用いた中性子同時計数法により、アクチニド元素の自然核分裂から生じる中性子を選択的に測定する。
木村 貴海; 五藤 博; 小林 義威; 吾勝 常勲
Appl.Radiat.Isot., 38(2), P. 162, 1987/02
先に発表した論文「Neutron Yields from Actinide Oxides」にコメントが寄せられたのでAuthors' Replyを付け加えた。コメントの内容はデータ解析のための数学的モデルの記述を詳細に述べたものであった。これに対し著者らの用いた近似式により実験誤差の範囲で同等の結果を導き得ることを示した。
木村 貴海; 小林 義威; 吾勝 常勲; 五藤 博
Appl.Radiat.Isot., 37(2), p.121 - 125, 1986/00
アクチノイド酸化物(PuOとAmO)から、アクチノイドの自発核分裂により放出される中性子と、アクチノイドからの粒子と酸素との(.n)反応により放出される中性子を区分して測定した。その結果、測定した自発核分裂からの中性子収率は自発核分裂の値と半減期から計算した値と実験誤差の範囲内で一致した。一方、測定した(.n)反応からの中性子収率は、stopping power と酸素の thick target yield から計算した値より約10%大きな値であった。この原因は計算に使用した thick target yield の精度に問題があると考えられる。
大野 新一; 小林 義威; 木村 貴海
日本原子力学会誌, 28(10), p.933 - 937, 1986/00
被引用回数:4 パーセンタイル:48.02(Nuclear Science & Technology)使用済燃料の再処理(Purex法)におけるウラン、プルトニウムなどの原子価調整、廃棄物処理工程における超ウラン元素の分離などを目的とした光化学反応の研究例及び光化学プロセスを採り入れた分離スキームの提案を紹介し、必要な今後の研究についての見通しを述べる。
木村 貴海; 小林 義威; 吾勝 常勲
Radiochimica Acta, 39, p.179 - 183, 1986/00
硫酸バリウムのネプツニウム、プルトニウム、アメリシウムの共沈挙動を、酸の種類と酸濃度、およびバリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムの添加量による収率変化について検討し、これらの元素が硫酸バリウムへ定量的に共沈する最適条件を得た。またこれらの元素の定量的な相互分離に必要な酸化剤、還元剤の検討を行い、酸化剤として過マンガン酸を、還元剤として亜硝酸、ヒドロキシルアミンを順次使用することにより、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウムを連続的に相互分離することができる条件を見出した。
木村 貴海; 小林 義威
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 94(6), p.381 - 390, 1985/00
被引用回数:3 パーセンタイル:47.07(Chemistry, Analytical)イオン交換樹脂、ポリエチレン、ポリスチレンなどの可燃物試料中の放射体の破壊定量法を検討した。これらの試料は酸分解法により分解し、含まれる放射体は硫酸バリウム共沈方で回収し、線計数とスペクトルを測定して定量した。ウランを用いた実験では加えたウランの95%以上が全ての試料から回収された。さらに応用として使用済イオン交換樹脂を酸分解、Fe(III)触媒過酸化水素、燃焼による方法でそれぞれ分解し、放射体を定量した結果、測定値はそれぞれ実験誤差の範囲内で一致し、主要な放射体はプルトニウムであることがわかった。
木村 貴海; 小林 義威
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 91(1), p.59 - 65, 1985/00
被引用回数:15 パーセンタイル:84.25(Chemistry, Analytical)ウランとトリウムの硫酸バリウムへの共沈挙動を、ウラン・トリウムの濃度、酸および酸濃度、硫酸ナトリウム・硫酸カリウムの添加量を変化させて、ウラン・トリウムの収率から検討した。収率は線計数とスペクトルを測定し求めた。その結果、ウラン・トリウムの共沈にはとくにカリウムイオンの存在が必要なこと、最適条件のもとでトレーサー量から1.5mgまでのウランまたはトリウムが硫酸バリウム(10mg)に定量的に共沈することを見出した。さらに、正確な共沈機構は明らかではないが、共沈したウランの硫酸バリウム沈澱中の化学形について検討を加えた結果、ウランはカリウムと1:2のモル比で共沈していることが明らかになった。