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論文

機械学習を用いたJ-PARC RCS用ペイントバンプ電源の波形パターン制御

杉田 萌; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 小野 礼人; 堀野 光喜*; 金正 倫計; 小栗 英知; 山本 風海

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.519 - 522, 2023/11

J-PARC RCSでは、ペイント入射のビーム軌道偏向にペイントバンプ電磁石を用いている。ペイントバンプ電磁石用の電源は、IGBT制御のチョッパ回路で構成され、指令電流と指令電圧のパターンにより、ビーム軌道を時間変化させる出力電流波形(ペイントパターン)を作成することができる。ビーム軌道の制御精度は、指令電流と出力電流の波形の形状差(出力電流偏差)で決まる。現在のペイントパターン調整では、電源制御の応答関数に応じてパターンを調整するソフトを用いたうえで手動調整を行い、要求精度を達成している。しかし、この調整に1時間程度を要しており、更なる調整時間の短縮を行いたい。また、より最適な調整方法によりビームロスの低減を実現するために、従来の要求より10倍精密な出力電流偏差を実現したい。高精度なペイントパターンの作成には、負荷側のインピーダンスの解析モデルが必要になるが、時間変化する非線形のペイントパターンにおいてはインピーダンスが変化するため、解析モデルの構築は非常に困難である。機械学習では、負荷の解析モデルを構築せずとも学習によって非線形な応答を高速かつ高精度で得ることが可能である。機械学習を用いて台形波の出力パターン調整を行ったところ、学習を重ねることで立ち上り直後のリンギングを抑制した出力パターンの作成に成功した。本発表ではシステムの現状と今後の展望について報告する。

論文

Measurement of the longitudinal bunch-shape distribution for a high-intensity negative hydrogen ion beam in the low-energy region

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 小栗 英知

Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(3), p.032802_1 - 032802_12, 2023/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)

バンチシェイプモニター(BSM)はビーム輸送中にある地点での縦方向位相分布を測定して、縦方向ビームチューニングを行う際に有用な装置である。低エネルギー負水素(H$$^{-}$$)イオンビームの縦方向位相分布を測定するために、大強度ビーム負荷による熱負荷を軽減できるよう2次電子を放出する標的に高配向性グラファイト(HOPG)が採用した。このHOPGターゲットにより、50mA程度の高いピーク電流を持つ3MeV H$$^{-}$$イオンビームの中心部で縦方向位相分布の測定が可能となった。テストスタンドでHOPG-BSMを用いて縦方向のバンチ幅を測定したところ、ビームシミュレーションと一致した。HOPG-BSMを用いて、ビーム横方向と縦方向の相関測定を実証した。HOPG-BSMを用いて、縦方向Qスキャン法により縦方向Twissとエミッタンスを測定した。

論文

J-PARCにおける加速器用パルス電源の半導体化

高柳 智弘; 小野 礼人; 不破 康裕; 篠崎 信一; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 山本 風海; 小栗 英知; 金正 倫計; et al.

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.242 - 246, 2023/01

J-PARCでは、放電管のサイラトロンを用いたビーム取り出し用キッカー電磁石電源を代替する半導体短パルススイッチ電源、および既設のクライストロン電源システムを小型化・省電力化する半導体長パルス電源の高度化を進めている。キッカー用半導体スイッチ電源においては、誘導電圧重畳回路(LTD)方式を採用した40kV/2kA/1.2$$mu$$sの実機仕様のユニット電源を製作し、必要な性能を確認した。そこで、本電源のメンテナンス性の向上と更なる安定化を目的とし、絶縁油を使わず、絶縁体構造のみでコロナ放電を抑制する高耐圧絶縁筒碍子の製作を進めている。また、クライストロン用半導体パルス電源においては、MARX方式を採用し、8kV/60A/830$$mu$$sの矩形パルス出力用主回路ユニットと、矩形波電流の一様性を10%から1%に改善する800V/60Aの補正回路ユニットを製作した。さらに、本MARX電源用に2.2kV/2.4kWの高耐圧SiCインバータ充電器を製作し、組み合わせ試験による特性評価を進めている。発表では各試験の評価結果と、パルス電源の半導体化について今後の展望を報告する。

論文

大強度高周波負水素イオン源用J-PARC製内部アンテナのガス放出特性

神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 大越 清紀; 南茂 今朝雄*; 池上 清*; 小栗 英知

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.675 - 679, 2023/01

J-PARCでは、アンテナの製作法や製作したアンテナの性能を理解することを目的として、J-PARC製内部アンテナを試作し試験を進めてきている。内部アンテナによる高周波放電により高密度プラズマを生成した時のガス放出特性を調べた。イオン源下流に設置した四重極質量分析器による残留ガス分析及びイオン源内プラズマの分光計測より、J-PARC製内部アンテナから顕著な不純物が放出されていないことが確認された。この内部アンテナを用いてJ-PARC高周波負水素イオン源より引き出した負水素イオンビームのエミッタンスは、これまでのSNS製内部アンテナの場合と同様の大きさであることが分かった。

論文

J-PARCイオン源長時間運転後のRFアンテナ寿命評価

柴田 崇統*; 石田 正紀*; 南茂 今朝雄*; 池上 清*; 大越 清紀; 神藤 勝啓; 小栗 英知

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.863 - 867, 2023/01

J-PARC利用運転時間(年間約7ヶ月間)の安定なビーム供給を目指して、近年J-PARC高周波イオン源の連続運転期間が、徐々に延伸されてきた。2020年11月から2021年4月までの期間に3651時間(5か月間)のイオン源連続運転を達成した。イオン源の連続運転時間は、主に高周波アンテナの破損によって制限されるので、アンテナ表面状態の詳細な評価は運転時間の更なる延伸の実現性を確証するためには必要である。今回の研究では、高周波アンテナ表面の変色を理解するために、運転後のアンテナの形状測定とSEM/EDS分析を行った。分析の結果、長時間運転後の変色は表面生成過程による負水素イオン生成増大化のために入射するセシウムの堆積とイオン源真空容器で用いているステンレス鋼の成分元素である鉄,クロム,ニッケルなどの堆積によるものであることが分かった。この結果は、高周波アンテナのエナメルコーティングが数ケ月間の長時間運転では摩耗していなかったことを示しており、よってイオン源の更なる連続運転の延伸が可能である。

論文

Impurities reduction conditionings to recover best beam quality of J-PARC cesiated RF-driven H$$^{-}$$ ion source with new parts exposed to plasma

上野 彰; 大越 清紀; 池上 清*; 小栗 英知

Journal of Physics; Conference Series, 2244, p.012029_1 - 012029_5, 2022/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.32

Cs添加型RF駆動J-PARC H$$^{-}$$イオン源は、J-PARC LINACの50mA運転のために、デューティファクタ1.25% (0.5ms$$times$$25Hz)で約58mAビームを安定に供給している。J-PARC運転に使用されているプラズマ容器(PCH)は、全10個の内、#7, #8と#9PCHの3個のみである。理由は不明だが、これらで生成されたビームの横方向エミッタンスが他よりも優れている為である。しかし、VCR真空接手での空気リークを解決するためにプラズマ電極(PE)温度制御板(PETCP)を新品に交換した#7PCHでは、約16%エミッタンスが増大してしまった。プラズマに晒された新品部品からの不純物がこの劣化の原因と考えられた。48時間の新しい2MHz RF電力スキャン不純物削減コンディショニングにより、新品のPETCHを設置した#4PCHで、ほぼ最小エミッタンスのビーム生成に成功した。プラズマ損失を削減するためのPE温度制御空気用ステンレス管を覆う99.7%アルミナセラミックス管の代わりに、不純物削減が期待されるサファイヤ管も使用された。

論文

Soundness evaluation of J-PARC RF ion source after 5-month continuous operation

柴田 崇統*; 大越 清紀; 神藤 勝啓; 南茂 今朝雄*; 池上 清*; 小栗 英知

Journal of Physics; Conference Series, 2244, p.012041_1 - 012041_5, 2022/04

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.32

2020年11月から2021年4月までのJ-PARC利用運転において、J-PARC RF負水素(H$$^-$$)イオン源は3,651時間(5ヶ月間)の連続運転を達成した。イオン源は30kWの高周波出力で、H$$^-$$ビーム電流60mA、デューティファクター2%のビームを出力した。5ヶ月連続運転後に、イオン源テストスタンドにおいて、実際の運転条件と同じ条件でイオン源を運転し、RFQ入口の位置での位相空間分布を測定した。ビームのエミッタンスは、水平方向/鉛直方向はそれぞれ0.262/0.264$$pi$$ mm mradで、過去の運転で用いたイオン源と比較して大きな違いはなかった。アンテナコイルを目視確認したが、コイル表面には大きな損傷はないことを確認した。これらの結果より、次の長期運転として、J-PARCの1キャンペーン(1年間)である7ヶ月連続運転への可能性が見えてきた。

論文

J-PARCリニアックのイオン源RFおよび空洞RFの同期システム

柴田 崇統*; 平野 耕一郎; 平根 達也*; 神藤 勝啓; 林 直樹; 小栗 英知

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.417 - 421, 2021/10

J-PARCリニアックでは、2014年より高周波放電型(RF)負水素イオン源運転を開始した。RFイオン源ではプラズマ点灯のため数10kWの2MHz RFを高周波アンプから入力する。しかしながら、イオン源のRFが加速空洞のRFと同期を取っていなかったために、リニアック各部における電流波形計測では、形成した中間バンチがイオン源の2MHz揺動によって異なる波高が示された。そこで、我々はイオン源RFと空洞RFの同期を取ることで、ショット(25Hz)ごとのビーム輸送を変わりなく行うことに成功した。

論文

High-speed emittance measurements for beams extracted from J-PARC RF ion source

柴田 崇統*; 神藤 勝啓; 和田 元*; 小栗 英知; 池上 清*; 大越 清紀; 南茂 今朝雄*

AIP Conference Proceedings 2373, p.050002_1 - 050002_9, 2021/08

J-PARCの2MHz高周波イオン源から引き出された負水素イオンビームのエミッタンスやTwissパラメータの振動を、RFQ入口の位置に設置した二重スリット型のエミッタンスモニターを用いて測定した。このエミッタンスモニターには、新たに開発した毎秒60メガサンプルのデータ取得系を備えており、数MHzのビーム振動ならば十分な時間分解能で測定することができる。本測定から、ビームの位相空間は(1)ビームコア部分に存在するDC成分、(2)ビームコア部分とハロー部分の両方で存在する2MHz成分、(3)ビームハロー部分でわずかに存在する2倍高調波(4MHz)成分の3つの成分で構成されていることが分かった。主成分は2MHz成分であり、これはビームエミッタンスの振動周波数を決めている。今回の実験で得られたビームエミッタンスは0.34$$pi$$ mm-mradのDC成分に、約0.04$$pi$$ mm-mradの2MHz振動成分の振幅が重畳していることが分かった。この結果は、イオン源から引き出されたビームが、2mほどの磁場集束系を通過しても約10%の高周波振動成分を持っていることを示している。

論文

NIBS 2020 reference sheets

Sarmento, T.*; W$"u$nderlich, D.*; Fantz, U.*; Friedl, R.*; Rauner, D.*; 津守 克嘉*; Shenjin, L.*; Chen, W.*; Bollinger, D.*; 小栗 英知; et al.

AIP Conference Proceedings 2373, p.110001_1 - 110001_18, 2021/08

NIBS 2020に参加した世界中の研究機関の負水素イオン源の状況及びそれらを用いた核融合及び加速器研究施設の情報をまとめた。

論文

110 mA operation of J-PARC cesiated RF-driven H$$^{-}$$ ion source

上野 彰; 大越 清紀; 池上 清*; 高木 昭*; 神藤 勝啓; 小栗 英知

AIP Conference Proceedings 2373, p.040002_1 - 040002_8, 2021/07

2018年、J-PARCセシウム添加型高周波(RF)駆動H$$^{-}$$イオン源(IS)による高周波四重極線形加速器に適したエミッタンスを有する62keV 100mAビームの安定運転結果を報告した。J-PARC ISでは、2MHz RF電力50kWでの3ヶ月以上安定プラズマ生成、高いRF電力効率(2.4mA/kW以上)、及び、引出&加速電圧増強によるビーム引出部での空間電荷限界ビーム電流(エミッタンス増大を招くビーム電流)引き上げが可能なことが実証されている。一方、現状の2MHz RF整合器、及び、高電圧電源の安定運転耐電圧が、RFプラズマ生成時、約66kVと測定されている。現状での最高ビームエネルギー65keV運転で、RFQに適したエミッタンスを有する110mAビームでの安定生成に成功したので報告する。このビームの102.5mAが、RFQ設計に使用されるエミッタンス内と測定されたので、このイオン源による次世代100mA LINACが可能と考えられる。

論文

Reliability of J-PARC accelerator system over the past decade

山本 風海; 長谷川 和男; 金正 倫計; 小栗 英知; 林 直樹; 山崎 良雄; 内藤 富士雄*; 吉井 正人*; 外山 毅*

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011016_1 - 011016_7, 2021/03

J-PARC施設は量子ビームを用いた様々な科学実験を行うために建設された。施設はリニアック, 3GeVシンクロトロン(RCS),主リング(MR)の3つの加速器とRCSおよびMRからビームを受ける実験施設群で構成される。J-PARCは、物質生命科学実験施設(MLF)において中性子を用いたユーザー利用運転を2008年12月より開始し、東日本大震災やハドロン実験施設における放射能の管理区域外へのリーク、中性子ターゲットの破損などによる比較的長期の中断を挟みながらも現在まで10年以上運転を継続してきた。これまでの加速器の運転統計データから、特に大きなトラブルが無ければ、MLFの運転稼働率は90%程度、MRがビームを供給するハドロン実験およびニュートリノ実験は85%程度の稼働率が確保できていることを確認した。また、近年ではイオン源の寿命が延びたことでその保守日数が低減され、その分運転日数に余裕を持つことができるようになった。そのため、トラブル発生時にその予備日を運転に回すことができ、稼働率はさらに改善している。運転中の停止頻度も、2018年夏にリニアックのビームロスモニタの設定を見直すことで劇的に低減することができた。

論文

Status of the J-PARC RF-driven H$$^{-}$$ ion source

小栗 英知; 大越 清紀; 神藤 勝啓; 柴田 崇統*; 南茂 今朝雄*; 池上 清*; 高木 昭*; 上野 彰

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011008_1 - 011008_7, 2021/03

J-PARCリニアックのビーム電流を増強するために、2014年9月よりセシウム添加型高周波駆動負水素イオン源の使用を開始した。本イオン源は主に、ステンレス製のプラズマ生成室、ビーム引出系及び真空差動排気用1500L/sターボ分子ポンプ設置用の大型真空容器で構成される。本イオン源はビーム電流33mAでビーム利用運転を開始し、その後徐々にビーム電流及び連続運転時間を増やしていった。2018年7月に、ビーム電流47mA,パルス幅300$$mu$$s,パルス繰り返し率25Hzの運転条件で約2,200時間の連続運転を達成した。2018年10月からイオン源は、ビーム電流を定格値である約60mAに上げて加速器にビームを供給している。

論文

Bunch-size measurement of the high-intensity H$$^{-}$$ beam with 3 MeV by the bunch-shape monitor

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011012_1 - 011012_6, 2021/03

J-PARCリニアックフロントエンドの大強度3MeV H$$^{-}$$のバンチ幅を測定するためには、新たなバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。カーボンナノチューブワイヤーとグラフェンスティックは大強度ビームを測定するために十分な強度を持つ素材であるため、BSMの標的ワイヤーの良い候補である。しかしながらBSMではワイヤーに数kV以上の負極性高電圧を印加するために放電抑制が課題であった。ワイヤーからの放電による影響を調査するための高電圧試験の後、グラフェンスティックを用いてピーク電流55mAでビーム中心部における信号検出に初めて成功した。本講演ではバンチ幅測定のプレリミナリーな結果を報告する。

論文

Phase space formation of high intensity 60 and 80 mA H$$^-$$ beam with orifice in J-PARC front-end

柴田 崇統*; 池上 清*; 南茂 今朝雄*; Liu, Y.*; 大谷 将士*; 内藤 富士雄*; 神藤 勝啓; 大越 清紀; 岡部 晃大; 近藤 恭弘; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011010_1 - 011010_6, 2021/03

J-PARC初段加速部では、イオン源から引き出されるビーム大強度化とともに、高周波四重極リニアック(RFQ)のビーム透過率向上が重要な課題である。RFQ透過率は、イオン源とRFQ間に位置する低エネルギービーム輸送部(LEBT)内のソレノイド電磁石設定に大きく依存する。本研究では、大強度化を行った際のRFQ透過率が高いビーム条件を明らかにするため、テストスタンドにおいてLEBT内で72mAと88mAの大強度ビーム下において、RFQ入口でのビーム粒子の位相空間分布を測定し、シミュレーションによる解析結果と比較した。その結果、LEBT内で水素ガスの差動排気に用いられる15mm$$phi$$オリフィスにビームが衝突してコリメートされることで、RFQ入口におけるエミッタンスおよびTwissパラメータに影響することが判った。特に、ビーム電流88mAの条件では、この機構を利用することで、低ソレノイド電流値でRFQ透過率が最適となる結果が見られた。ビーム大強度化に伴い、空間電荷効果を抑えるために必要なソレノイド電流が設計上限に至る懸念があったが、本研究からコリメートビームの利用で問題解決の可能性が示された。

論文

High intensity beam studies for the new MEBT1 design

岡部 晃大; Liu, Y.*; 大谷 将士*; 守屋 克洋; 柴田 崇統*; 地村 幹*; 平野 耕一郎; 小栗 英知; 金正 倫計

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011011_1 - 011011_6, 2021/03

J-PARC大強度陽子加速器では設計出力値である1MWビームパワーのビーム調整を行っている。線形加速器におけるMEBT(Medium Energy Beam Transport)1は低エネルギーでの大強度ビーム輸送系であり空間電荷力が支配的な状況でビームを輸送、及び、下流加速器であるDTLに整合したビームに成型する機能を持つため、J-PARC加速器の出力を安定化する上で最も重要な機器である。そこで、ビーム供給安定化向上のため、MEBT1より上流のイオン源やRFQ等の機器パラメータとMEBT1でのビームパラメータとの関連性を調査した。その結果、MEBT1に入射するビームの挙動は上流機器の設定パラメータと関連があり、その関係はイオン源の数値シミュレーション結果をもとにしたビーム力学理論から解釈できることが今回初めて判明した。さらに、本結果をもとにシミュレーションによる解析を行い、現状のMEBT1では下流側DTLとのビーム整合を行う上でビームモニターの数が不足しており、それらの設置個所を含めて再検討が必要なこと、バンチャー空洞の数を増やしてチョッパーシステム及びDTLとのビーム整合を両立可能な状態にすることによりさらなるビーム供給の安定化が見込めること、などの課題がはっきりと分かった。本発表にてそれらビーム実験結果を報告する。

論文

Present status of the R&D of the superconducting linac for the JAEA-ADS

Yee-Rendon, B.; 田村 潤; 近藤 恭弘; 長谷川 和男; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 小栗 英知

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011043_1 - 011043_5, 2021/03

原子力機構(JAEA)では、放射性廃棄物の有害度低減を目的とし加速器駆動未臨界システム(ADS)の研究開発を行っている。JAEAが提案するADSは、30MWのCW陽子リニアックと未臨界炉の結合で構成される。陽子の運動エネルギー1.5GeVの到達のため、常電導高周波キャビティ(NRFC)と超電導高周波キャビティ(SRFC)が用いられ、SRFCは2MeVから1.5GeVまでの加速の主要部分に用いられる。加速器開発の第一段階として、SRFCのモデルとビーム光学系の設計と最適化に重点が置いた。SRFCでは、半波長共振器(HWR),シングルスポーク(SS),楕円空洞(Ellip)をそれぞれ162, 324, 648MHzで動作させて加速する。ビーム光学系は、等分割条件を満たすように最適化されており、エミッタンス増長の抑制により、ビームのハローとロスを低減することができた。

論文

JAEA-ADSのLinac加速器における誤差解析

Yee-Rendon, B.; 田村 潤; 近藤 恭弘; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 小栗 英知

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.33 - 37, 2020/09

日本原子力研究開発機構で検討を進めている加速器駆動システム(ADS)は、運動エネルギー1.5GeVとなる連続的(CW)な陽子ビーム(電流20mA)を加速するLinacを用いる。このLinacでは、高い加速効率をもつ超伝導空洞によりビームが加速され、空洞は半波共振器(Half Wave resonator)、スポーク共振器(Spokes resonator)、および楕円形空洞(Elliptical cavity)などによる5つの群で構成される。30MWとなる大強度ビームを用いるADSでは、ビームロスが重大な機器の放射化を引き起こす可能性があるので、安定したビーム動作と高い信頼性を有する堅牢なビーム光学系が必要となる。ビーム損失率は、Linacの各構成要素における不整合や電磁場の誤差により生じる。このため、本研究では各構成要素の誤差に対するビームロスを検討した。本研究では、またビームロス低減のため、許容誤差を推定しその補正法に関し検討した。

論文

大強度陽子ビーム用縦方向分布モニター応答特性評価

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09

大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。

論文

Upgrade of the 3-MeV linac for testing of accelerator components at J-PARC

近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.

Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:52.4

J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV H$$^{-}$$リニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。

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