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高橋 節子*; 鈴谷 賢太郎; 小原 真司*; 小浦 延幸*; L.A.Curtiss*; Saboungi, M. L.*
Zeitschrift fr Physikalische Chemie, 209, p.209 - 221, 1999/00
AlCl-1-エチル-3メチル-イミダゾリウムクラロイドは、室温型の溶融塩として大変有望な系であり、多くの研究がなされているが、構造に関しては大変複雑な系であるので研究が少なくよくわかっていない。そこで、本研究では、この系の46~67mol%融液について中性子回折によってその構造を調べた。また、回折結果を理解するために、融液中での存在が認められているAlCl,AlCl,EMIイオンについて非経験的分子軌道計算を行い、各イオンが独立の場合と陽陰イオン間の相互作用を取り入れた場合についてそれぞれのイオンの構造を調べた。その結果、中性子回折の結果は分子軌道計算による短範囲構造(イオンの構造)をよく反映しており、特にイオン間相互作用を取り入れた場合の構造がよく一致することが明らかになった。
高橋 節子*; 棟田 高行*; 小浦 延幸*; 大野 英雄
J.Chem.Soc.,Faraday Trans.,2, 81, p.319 - 326, 1985/00
AlCl-LiCl系あるいはALCL-NaCl系溶融塩はアルミニウム電解精錬用電解液として最近注目されている。これは電力消費量の極めて少ない電解液であるからである。Alの電着状態あるいは両極の電極反応に、溶中のイオン種の寄与の大きいことが明らかにされているが、実際の原子間距離、配位数などにつては明らかにされていなかった。本研究の結果、溶融状態においても安定な〔AlCl〕正四面体鎖イオンが存在し、最近接Al-Cl及びCl-Cl間距離は、それぞれ2.15及び3.50である。〔AlCl〕イオンのまわりには約6.75離れて4個のAlCl〕イオンが存在していることが明らかとなった。