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野口 弘喜; 久保 真治; 岩月 仁; 笠原 清司; 田中 伸幸; 今井 良行; 寺田 敦彦; 竹上 弘彰; 上地 優; 小貫 薫; et al.
Nuclear Engineering and Design, 271, p.201 - 205, 2014/05
被引用回数:7 パーセンタイル:53.55(Nuclear Science & Technology)日本原子力研究開発機構では、高温ガス炉の核熱を用いて水から水素を製造する熱化学法ISプロセスの研究開発を進めており、特に、ISプロセス機器の信頼性確証及びプロセス簡素化に向けた研究開発を行っている。ISプロセス機器の信頼性確証の一環として、硫酸工程の主要機器である硫酸分解器について、熱交換部をSiCセラミックス、マニフォールド部をグラスライニング材で構成されたバイヨネット型硫酸分解器を試作し、その製作性を示した。また、硫酸工程のプロセス簡素化が可能な直接接触熱交換器の設計に必要となる物質移動係数の測定方法を検討し、濡れ壁塔を用いた試験装置を設計・製作した。製作した試験装置を用いて水の物質移動係数を測定し、実験相関式と比較することにより試験装置の妥当性を確認し、硫酸の物質移動係数の測定準備が完了した。
久保 真治; 吉野 公二*; 武本 純平*; 笠原 清司; 今井 良行; 小貫 薫
JAEA-Technology 2012-037, 20 Pages, 2013/01
熱化学水素製造法ISプロセスにかかわる物性データベース整備の一環として、ブンゼン反応溶液である硫酸相溶液及びヨウ化水素相溶液の密度データを取得した。濃度045wt%の硫酸及び同液に(I+HI)を02mole%混入させた模擬硫酸相溶液、また、ポリヨウ化水素酸(I: 017mole%, HI: 115mole%)及び同液にHSOを02mole%混入させた模擬ヨウ化水素相溶液について、振動式密度計を用いて、560Cの温度範囲の密度を測定した。さらに、測定データの解析から、いずれの溶液についても、新たに定義したヨウ素原子分率を用いることにより、ヨウ素及びヨウ化水素の濃度が液密度に与える効果を統一的に表現できることを見いだし、この知見をもとに、組成及び温度から密度を推算する実験式を得た。また、これまで知見のなかったポリヨウ化水素酸の粘性率について、I: 017mole%, HI: 115mole%の組成範囲において、振動式粘度計を用いて、540Cの温度範囲の実測データを取得し、組成及び温度から粘性率を推算する実験式を得た。
野口 弘喜; 久保 真治; 岩月 仁; 笠原 清司; 田中 伸幸; 今井 良行; 寺田 敦彦; 竹上 弘彰; 上地 優; 小貫 薫; et al.
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
日本原子力研究開発機構では、高温ガス炉の核熱を用いて水から水素を製造する熱化学法ISプロセスの研究開発を進めている。本報では、ISプロセスの硫酸工程に関する機器の開発現状について述べる。硫酸工程の主要機器である硫酸分解器の健全性評価を目的とした試験計画を策定し、SiCセラミックス製のバイヨネット型硫酸分解器を製作した。また、並行して硫酸工程のプロセス簡素化が可能な直接接触熱交換器の設計に必要となる物質移動係数の測定方法を検討し、濡れ壁塔を用いた試験装置を設計・製作した。製作した試験装置を用いて水の物質移動係数を測定し、実験相関式と比較することにより試験装置の妥当性を確認した。
久保 真治; 田中 伸幸; 野口 弘喜; 岩月 仁; 笠原 清司; 今井 良行; 小貫 薫
Proceedings of 6th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2012) (USB Flash Drive), 6 Pages, 2012/10
本報では、熱化学水素製造法ISプロセスの研究開発の現状について報告する。ISプロセスの実用化するための重要課題の一つに実用工業材料製化学反応器製作性及び厳しい腐食環境中での信頼性を確証することが挙げられる。現在、原子力機構はこの信頼性確証を目的とした試験装置を製作中である。ブンゼン反応器を含むブンゼン反応系機器は製作完了、硫酸分解反応器が作成完了、HI分解反応器は2012年度に製作予定である。試験装置の規模は、水素製造量150L/h相当、設計圧力0.95MPa[abs]である。ブンゼン反応器の主要材質は、フッ素樹脂被覆鋼やガラス被覆鋼である。ブンゼン反応器は、単純な構造ながら、複数の必須機能(反応物の混合、化学反応によるHIと硫酸の生成、反応熱除去、気液分離)を実現できるよう独自の並流外部循環型システムとした。まず、化学反応の機能動作を確認し、続いて、装置構成材料の耐久性試験を実施する予定である。
Wang, L.*; 今井 良行; 田中 伸幸; 笠原 清司; 久保 真治; 小貫 薫; Chen, S.*; Zhang, P.*; Xu, J.*
International Journal of Hydrogen Energy, 37(17), p.12967 - 12972, 2012/09
被引用回数:12 パーセンタイル:30.1(Chemistry, Physical)熱化学水素製造法ISプロセスの工業化に向けた課題の一つに、ブンゼン反応で生成する2種の溶液(HSO相とHIx相)に含まれる不純物(HSO相中のHI, HIx相中のHSO)を除去する精製操作の最適化がある。その検討に役立てるため、Mixed Solvent Electrolyte Modelに基づく熱力学データベースを備えた化学プロセスシミュレーターESPを用いて、HSO相及びHIx相の精製における圧力効果のシミュレーションを行った。HSO相について、絶対圧0.26barの範囲において、反応平衡及び相平衡を検討した結果、大気圧以下の低圧条件下で、気液分離による不純物の除去、精製操作に伴う副反応の抑制のいずれについても効果的に実施できる可能性があることを見いだした。一方、HIx相では、平衡論的に有利な圧力条件は認められなかった。
岩月 仁; 久保 真治; 笠原 清司; 田中 伸幸; 野口 弘喜; 今井 良行; 小貫 薫
Proceedings of 20th International Conference on Nuclear Engineering and the ASME 2012 Power Conference (ICONE-20 & POWER 2012) (DVD-ROM), 3 Pages, 2012/07
原子力機構では、高温ガス炉を用いた熱化学法ISプロセス水素製造技術の研究開発を進めている。本報では、ISプロセスの化学反応器,分離器等の機器の健全性評価を焦点に、原子力機構における研究開発の現状について述べる。特に、ISプロセスの過酷なプロセス環境における耐食性の観点から行った候補材料のスクリーニング結果をもとに、ISプロセスにおける機器健全性を確認するため、機器製作及び試験を計画し、ISプロセスプラントを構成する3つの化学反応のうち、ブンゼン反応系における主要機器を製作したことを紹介する。
亀山 秀雄*; 桜井 誠*; 増田 明之*; 福井 友亮*; 小貫 薫; 久保 真治; 今井 良行
水素エネルギーシステム, 37(1), p.3 - 10, 2012/03
熱化学サイクルによる水素製造について、ISサイクル技術の現状を紹介した。ISサイクルは、日本,米国,ドイツ,フランス,イタリア,インド,中国,韓国で研究が行われ、日本原子力研究開発機構は水素製造検証実験に成功している。本稿では、要素反応,分離技術,装置材料及びプロセス機器に関する研究開発状況を述べる。また、水と窒素からのアンモニア製造を目指して、水素製造のための熱化学サイクル(ISサイクル)をもとに新たに構築したアンモニア製造のための熱化学サイクル(ISNサイクル)の研究の現状を紹介した。
Wang, L.*; 今井 良行; 田中 伸幸; 笠原 清司; 久保 真治; 小貫 薫
Chemical Engineering Communications, 199(2), p.165 - 177, 2012/02
被引用回数:9 パーセンタイル:32.37(Engineering, Chemical)熱化学水素製造ISプロセスにおいて、ブンゼン反応で生成するHSO相及びHIx相はそれぞれ少量の不純物(前者はHIとI、後者はHSO)を含んでおり、効率的な水素製造のためには、これらを分離,回収する精製工程が不可欠である。最適精製条件検討に資するために、化学プロセスシミュレータESPによる熱力学的検討を行った。精製操作にかかわる化学反応平衡及び相平衡に対する温度と放散ガスの影響を調べ、以下を明らかにした。HSO相については、約110C以上の温度域で、HIをIに変える逆ブンゼン反応及びIの気化が優勢になるため、この現象を利用した精製が可能である。また、不活性ガスを用いた放散により操作温度を低温域に拡大できる。また、酸素を放散ガスに用いてHIをIに酸化することにより、プロセス物質であるHSOを損なうことなく精製ができる可能性がある。HIx相では、硫黄及び硫化水素生成反応のため、精製温度は限定されるものの、不活性ガス放散によりその温度域を拡大できる。
久保 真治; 田中 伸幸; 岩月 仁; 笠原 清司; 今井 良行; 野口 弘喜; 小貫 薫
Energy Procedia, 29, p.308 - 317, 2012/00
被引用回数:11 パーセンタイル:92.73本論文は、原子力機構(JAEA)における熱化学水素製造法ISプロセスの研究開発の概要を述べるものである。JAEAはISプロセスの研究を1980年代終わり頃から続けている。2005-2009年にかけては、機器試作、データの蓄積、プロセス機器の高効率化、組成計測法の提案を行った。それらの成果をもとに、2010-2014年にかけて、過酷条件下での運転を検証するための試験を行っている。現在、グラスライニング,フッ素樹脂ライニングといった耐食材料を用いたブンゼン反応器と付帯設備の建設を完了させており、機器健全性を確証するためのデータ取得を2012年から開始する予定である。
小貫 薫; 久保 真治; 岩月 仁; 笠原 清司; 田中 伸幸; 今井 良行; 野口 弘喜
Proceedings of International Conference on Toward and Over the Fukushima Daiichi Accident (GLOBAL 2011) (CD-ROM), 2 Pages, 2011/12
日本原子力研究開発機構(JAEA)は、高温ガス炉を用いた原子力による水素製造を目指して、熱化学法ISプロセスの研究開発を進めている。これまでに、閉サイクル運転技術を開発するとともに、厳しい腐食環境に耐える装置材料に関する知見を取得しプロセス機器の開発研究を行ってきた。引き続き、これらの研究開発によって蓄積した技術情報をもとに、機器の健全性検証を目的とする新たな試験研究に着手し、現在までに、ブンゼン反応工程の主要機器の製作を完了している。
笠原 清司; Guo, H.*; 田中 伸幸; 今井 良行; 岩月 仁; 久保 真治; 小貫 薫
Proceedings of 19th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-19) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/10
熱化学水素製造法ISプロセスに関して、電解電気透析(EED)と蒸留によってHI-HO-I溶液からヨウ化水素(HI)を分離する工程のフローシート解析を行った。解析のため、新たに、分離膜Nafionを用いたEED実験をもとに、EED操作の熱物質収支推算のための関係式を作成した。同式によるEED解析とシミュレータESPによる蒸留計算を組合せて、HI分離工程の熱物質収支を推算し、所要熱量に及ぼす操作条件(原料供給量,EEDによる濃縮度,蒸留塔の操作圧力)の影響を調べ、最適条件を明らかにした。その結果、EEDに用いる分離膜の特性(膜抵抗,濃縮限界濃度差)がHI分離所要熱量を支配し、その改良が高効率化に重要であることを示した。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Armendariz, R.*; et al.
Physical Review C, 83(6), p.064903_1 - 064903_29, 2011/06
被引用回数:176 パーセンタイル:99.41(Physics, Nuclear)200GeVと62.4GeVでの陽子陽子の中心衝突からのの横運動量分布及び収量をRHICのPHENIX実験によって測定した。それぞれエネルギーでの逆スロープパラメーター、平均横運動量及び単位rapidityあたりの収量を求め、異なるエネルギーでの他の測定結果と比較する。またやスケーリングのようなスケーリングについて示して陽子陽子衝突における粒子生成メカニズムについて議論する。さらに測定したスペクトルを二次の摂動QCDの計算と比較する。
Adare, A.*; Afanasiev, S.*; Aidala, C.*; Ajitanand, N. N.*; 秋葉 康之*; Al-Bataineh, H.*; Alexander, J.*; 青木 和也*; Aphecetche, L.*; Aramaki, Y.*; et al.
Physical Review C, 83(4), p.044912_1 - 044912_16, 2011/04
被引用回数:7 パーセンタイル:49.81(Physics, Nuclear)重いフレーバーのメソンの崩壊からの電子の測定は、このメソンの収量が金金衝突では陽子陽子に比べて抑制されていることを示している。われわれはこの研究をさらに進めて二つの粒子の相関、つまり重いフレーバーメソンの崩壊からの電子と、もう一つの重いフレーバーメソンあるいはジェットの破片からの荷電ハドロン、の相関を調べた。この測定は重いクォークとクォークグルオン物質の相互作用についてのより詳しい情報を与えるものである。われわれは特に金金衝突では陽子陽子に比べて反対側のジェットの形と収量が変化していることを見いだした。
今井 良行; 久保 真治; 後藤 実; 島川 聡司; 橘 幸男; 小貫 薫
Proceedings of 5th International Topical Meeting on High Temperature Reactor Technology (HTR 2010) (CD-ROM), 4 Pages, 2010/10
ヨウ素-硫黄プロセスにおけるSO分解触媒に対する要求性能を数値解析により調べた。ヘリウム加熱シェルアンドチューブ型SO分解器について、Yagi-Kunii式及びZukauskas式をそれぞれプロセスガス側及びヘリウムガス側の伝熱に適用して伝熱面積を算出し、反応器の空間速度として1000hが最適であることを明らかにした。この結果をもとに、工業的なSO分解器で想定される0.5MPa以上の操作圧において平衡分解率を達成するために必要な触媒性能を検討し、量論速度式の速度定数kとして1.5s以上を確保する必要があることを明らかにした。
小貫 薫; 久保 真治; 岩月 仁; 笠原 清司; 田中 伸幸; 今井 良行
水素エネルギーシステム, 35(3), p.53 - 55, 2010/09
高温ガス炉の利用系である熱化学水素製造法ISプロセスについて、ISプロセス信頼性確証試験グループが行ってきた閉サイクル連続水素製造試験,耐食装置材料スクリーニング試験,セラミックス製反応機器の開発研究、及び、高効率化研究の概要を紹介した。
今井 良行; 中島 隼人; 久保 真治; 小貫 薫
化学工学論文集, 36(1), p.70 - 73, 2010/01
被引用回数:5 パーセンタイル:23.23(Engineering, Chemical)熱化学水素製造法ISプロセスの要素反応であるブンゼン反応について、ヨウ素飽和条件において二酸化硫黄分圧及び反応温度が生成するポリヨウ化水素酸相の組成に与える影響を調べた。理想的脱硫を仮定したポリヨウ化水素酸相のヨウ化水素酸濃度(HI/(HI/HO))は、二酸化硫黄分圧及び反応温度に応じて単調増加の傾向を示した。試験結果をもとに二酸化硫黄分圧及び反応温度の関数としてヨウ化水素酸濃度の実験式を得た。
久保 真治; 笠原 清司; 佐藤 博之; 今井 良行; 岩月 仁; 田中 伸幸; 宮下 礼子*; 田子 康弘*; 小貫 薫
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/12
固有の閉サイクル性のため熱化学法ISプロセスにて安定した水素製造を行うためには困難が伴う。これは本プロセスを実用化学プラントとして成立させるための重要な課題である。ヘリウムガス加熱にて駆動されるISプロセスにおいて、水素発生量, 酸素発生量及び原料水供給量の割合を水分解量論比に一致させる運転技術を開発した。本方法は、ブンゼン反応溶液の組成計測に基づき、二つの吸熱工程へ適切な熱量を配分するものである。本方法を組み込み、かつ、全反応工程を結合した閉サイクルプロセスを高温ヘリウムガスで駆動したプロセスシミュレーションを実施した。ヘリウムガス条件の変動に対し、化学量論的な水素及び酸素発生速度,原料水供給速度が得られたことから、本方法の有効性の見通しを得ることができた。
久保 真治; 田中 伸幸; 大橋 弘史; 金川 昭宏*; 今井 良行; 笠原 清司; 小貫 薫
Proceedings of 2008 AIChE Annual Meeting (CD-ROM), 8 Pages, 2008/11
三酸化硫黄分解は、多くの熱化学水素製造法に共通する化学反応である。この反応は触媒下で吸熱的に生じ、VHTRの熱利用系においては、所要熱は高温ヘリウムガスとの熱交換で供給される。三酸化硫黄分解器のサイズと触媒層形状を評価するため、本反応速度式を白金触媒を用いた実験データを解析して定式化するとともに、熱交換により駆動する触媒層の支配方程式である常微分方程式を数値的に積分した。これにより、分解ガスが触媒層出口でほぼ平衡反応率に達するために必要な、触媒層形状を表す代表長さ及び伝熱面積を明らかにした。
小貫 薫; 久保 真治; 寺田 敦彦; 岩月 仁; 竹上 弘彰; 奥田 泰之; 笠原 清司; 田中 伸幸; 今井 良行
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
日本原子力研究開発機構では、熱化学水素製造法ISプロセスの研究開発を進めている。これまでに、1週間に渡る水素発生速度毎時30リッター規模の閉サイクル水素製造実験に成功し、この成果を踏まえて、炭化ケイ素セラミックスを素材とする熱交換器を組み込んだ硫酸工程機器の開発研究を行ってきた。加えて、プロセスフローシートの解析、また、高効率水素製造の実現に向けて、ブンゼン反応器及び電解電気透析器の研究開発、及び、HI-HO-I系の高圧気液平衡の測定を進めている。
久保 真治; 中島 隼人; 今井 良行; 笠原 清司; 田中 伸幸; 奥田 泰之; 宮下 礼子*; 小貫 薫
Proceedings of 17th World Hydrogen Energy Conference (WHEC 2008) (CD-ROM), 4 Pages, 2008/06
ブンゼン反応溶液の組成制御は、ISプロセスの運転を安定化するためのキー技術である。今回、二相分離状態にある4成分系において溶液組成を推算する新しい方法を開発した。これは、両相の2つの密度を計測するだけで、両相のすべてのモル分率を推算できるものである。本方法を実現するため、模擬溶液の密度測定実験を実施、これを多項式近似し、密度と組成の関係式を導出した。また、二相分離状態溶液の各成分のモル分率間の相関式を、文献データを回帰することにより導出した。これら非線形連立方程式の求解プログラムを作成し、両密度を与えることにより組成が計算できるようにした。模擬二相分離溶液を調整し、密度測定及び滴定分析を実施、密度から求めた推算組成と滴定による組成測定値を比較したところ、両者の一致は良好であった。本法はシンプルで簡便に実施できるため、プロセス運転時の組成計測への適用が期待できる。