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中安 昭夫*; 道家 涼介*; 新里 忠史; 卜部 厚志*; 小野 映介*
情報地質, 25(4), p.189 - 203, 2014/12
地形及び地質調査で得られる種々のデータには、様々な種類と程度の不確実性が含まれる。このような不確実性を含むデータを利用して地質環境をモデル化しシミュレーションを実施した場合には、当然のことながら利用されるデータに含まれる不確実性がそれらモデルやシミュレーション結果に含まれることとなる。特に、地質環境の長期的な変遷を記述したモデルには、モデル構成要素の空間配置とパラメータに加えて、それらの時間的な変化に係る不確実性も含まれることとなる。本研究では、地質環境の時間変化を記述したモデルで利用されるデータのうち、隆起速度の算出結果について、階層分析手法の一つであるEvidential Support Logicを北海道北部の幌延地域における実際の調査事例を対象として適用し、不確実性の発生要因や利用されるデータに依存した不確実性の程度を分析した。
中安 昭夫; 道家 涼介; 卜部 厚志*; 小野 映介*; 新里 忠史
no journal, ,
地形学・地質学では、地形面の測量値,年代の推定値,地質構造データ及びそれらに基づき算出される地殻変動速度等の多種多様なデータが取り扱われる。それらのデータには、調査担当者の経験や手法それ自体に依存する不確実性とともに、調査の実施や調査結果の解釈等、調査の各段階でさまざまな種類の不確実性が含まれるであろう。このため、それら地形・地質学的データを利用し描かれる地形/地質発達史には、使用されるデータに起因した不確実性が必然的に含まれることとなる。したがって、復元した地形/地質発達史の確からしさを示すには、利用される個々のデータの不確実性の評価が重要となる。そこで、本研究では、地形発達史を描く際の主要な入力情報である隆起速度を対象として、その速度を算出するまでの過程で生じる不確実性の要因をEvidential Support Logic(ESL)により分析し、北海道北部の幌延地域における隆起速度の算出例を対象に不確実性の評価を実施した。本研究の成果は、調査の計画段階では不確実性の要因抽出として、調査の実施段階では調査結果の品質管理を行うツールとしての利用を想定している。