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大場 洋次郎; 篠原 武尚; 佐藤 博隆*; 小野寺 陽平*; 廣井 孝介; Su, Y.; 杉山 正明*
Journal of the Physical Society of Japan, 87(9), p.094004_1 - 094004_5, 2018/09
被引用回数:1 パーセンタイル:12.07(Physics, Multidisciplinary)中性子小角散乱(SANS)は、ナノ構造の解析に有効な実験手法である。近年、中性子透過率に含まれるSANSの寄与を定量的に解析できる手法が開発され、中性子透過率スペクトルからSANSと同じくナノ構造情報が得られるようになった。これをパルス中性子透過イメージング実験に応用すれば、試料内のナノ構造の分布について高効率な2次元マッピングが可能になる。これを実現するためには、散乱中性子の検出器への入射を防ぐ必要がある。そこで本研究では、試料と検出器の間にソーラーコリメータを設置して散乱中性子を吸収、除去する方法を検討した。粒径の異なるシリカ微粒子を測定した結果、粒径によるSANSの違いを反映した中性子透過率スペクトルの違いを観測することに成功した。
大道 正明*; 麻野 敦資*; 佃 諭志*; 高野 勝昌*; 杉本 雅樹; 佐伯 昭紀*; 酒巻 大輔*; 小野田 晃*; 林 高史*; 関 修平*
Nature Communications (Internet), 5, p.3718_1 - 3718_8, 2014/04
被引用回数:33 パーセンタイル:78.27(Multidisciplinary Sciences)高分子薄膜に入射するイオンの飛跡に沿って直径ナノオーダーの架橋体を形成し溶媒抽出する方法(SPNT)を、人由来血清アルブミン(HSA)やアビジン等のタンパクに適用した結果、タンパクナノワイヤーの形成が確認できた。得られたタンパクナノワイヤーに、リジン・アルギニン残基のペプチド結合を選択的に切断するトリプシンを用いた加水分解反応を適用したところ、反応時間の経過とともにナノワイヤーの断片化が進行し、反応開始20分で完全に消失した。また、HSAとアビジンの混合物から作製したハイブリッドのナノワイヤーでは、ペルオキシダーゼ活性等の生物学的な性質を示すとが確認できた。これらの結果は、SPNTで作製されたタンパクナノワイヤーはタンパク質の基本構造であるペプチド結合を保持していることを示唆している。このSPNTによる作製技術は、任意のタンパク質分子を大きな比表面積のナノワイヤーに成形し、その表面に機能性を付与する基礎技術として幅広い活用が期待できる。
大澤 崇人; 小野 正雄; 江坂 文孝; 岡安 悟; 井口 祐介*; Hao, T.; 間柄 正明; 真下 茂
EPL; A Letters Journal Exploring the Frontiers of Physics, 85(6), p.64001_1 - 64001_5, 2009/03
被引用回数:6 パーセンタイル:41.75(Physics, Multidisciplinary)純スズを110g 220C 100時間, 0.4010g 220-230C 24時間, 0.2510g 220C 24時間の3つの条件で遠心分離を行い、それぞれの試料の同位体組成を二次イオン質量分析計で測定した。1.0210g試料のSn/SnとSn/Sn比は初期値から2.6%もの大きな変動が確認された。Sn/SnとSn/Snの二次元プロットは、強重力場下の固体スズの同位体変動は同位体の質量のみに依存していることを示していた。
江坂 文孝; 渡部 和男; 小野寺 貴史; Lee, C. G.; 間柄 正明; 桜井 聡; 臼田 重和
Applied Surface Science, 255(4), p.1512 - 1515, 2008/12
被引用回数:9 パーセンタイル:40.61(Chemistry, Physical)原子力施設において採取された環境試料中に含まれる微小ウラン粒子の同位体比を二次イオン質量分析(SIMS)法により調べることにより、その施設での原子力活動内容について検認することが可能である。その際、同位体比測定精度は測定結果の妥当性を評価するうえで重要である。しかし、粒子の粒径と同位体比測定精度との関係に関しては未だ明らかではない。本研究では、発表者らが開発した電子顕微鏡(SEM)及びSIMSにより単一粒子の粒径及び同位体比を調べる方法を用いて、その関連について検討を行った。その結果、濃縮度5%のウラン酸化物粒子の場合、粒径が0.5mの粒子においても測定精度5%以内でU/Uの測定が可能であることが示された。
間柄 正明; 臼田 重和; 桜井 聡; 篠原 伸夫; 江坂 文孝; 國分 陽子; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; Lee, C. G.; 伊奈川 潤; et al.
核物質管理学会(INMM)日本支部第29回年次大会論文集(CD-ROM), 6 Pages, 2008/00
原子力機構では、国内及び国際保障措置制度の堅持に貢献するため、文部科学省の委託を受け、保障措置環境試料のための極微量核物質の分析法を開発している。2003年にIAEAからネットワーク分析所として認証され、現在国内試料を分析するとともにIAEAネットワーク分析所(NWAL)の一員として活動している。保障措置のための環境試料分析法には、バルク分析法とパーティクル分析法があるが、後者のほうが核物質の使用履歴等に関する詳細な情報が得られる。しかし、現状ではウランの同位体比のみ測定しており、プルトニウムの測定はできていない。そこで、われわれはプルトニウム粒子の同位体比測定法の開発を開始した。さらに、粒子中のプルトニウム-241とアメリシウム-241の比を測定することによりプルトニウムの精製時期の推定が可能である。このプルトニウム粒子精製時期推定法についても検討を開始したので、NWALの活動とあわせて報告する。
桜井 聡; 間柄 正明; 臼田 重和; 渡部 和男; 江坂 文孝; 平山 文夫; Lee, C. G.; 安田 健一郎; 河野 信昭; 伊奈川 潤; et al.
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/10
IAEAが保障措置の強化策として導入した環境試料分析に対応するため、原研はクリーンルーム施設である高度環境分析研究棟を建設し、極微量核物質の分析技術の開発を進めてきた。2003年までに基本的な技術を開発し、バルク,パーティクル分析双方についてIAEAのネットワーク分析所として認定された。その後、原研は第2期計画として分析技術の高度化開発に取り組んでいる。これまでに、ウラン不純物含有量の少ないスワイプ素材や効果的な粒子回収法などを開発しており、これらは技術的側面からIAEA保障措置制度の強化に貢献している。
間柄 正明; 臼田 重和; 桜井 聡; 渡部 和男; 江坂 文孝; 平山 文夫; Lee, C. G.; 安田 健一郎; 河野 信昭; 伊奈川 潤; et al.
第26回核物質管理学会(INMM)日本支部年次大会論文集, p.157 - 164, 2005/00
原研では、国内及び国際保障措置制度の堅持に貢献するため、環境試料分析のための極微量核物質の分析法を開発している。スワイプ試料の基本技術(バルク及びパーティクル分析)については開発を終了し、2003年にIAEAからネットワーク分析所として認証された。現在、国内試料の分析を行うとともにIAEAネットワーク分析所の一員として活動している。さらに、分析適応範囲を広げるとともに精度の向上を図るため、新たな分析法の開発を進めている。バルク分析については、分子イオンの生成を抑えるための化学分離法及び測定法を検討している。パーティクル分析法については、二次イオン質量分析法を用いたマイナーアクチノイドの分析やフィッショントラック-表面電離型質量分析法(FT-TIMS)を開発している。また、蛍光エックス線を用いたスクリーニング法の開発も開始したので、概要と現状について報告する。
間柄 正明; 臼田 重和; 桜井 聡; 渡部 和男; 江坂 文孝; 平山 文夫; Lee, C. G.; 安田 健一郎; 河野 信昭; 伊奈川 潤; et al.
Proceedings of INMM 46th Annual Meeting (CD-ROM), 8 Pages, 2005/00
原研では、国際保障措置制度の堅持に貢献するため、環境試料分析のための極微量核物質の分析法を開発している。スワイプ試料のバルク及びパーティクル分析の基本技術については開発を終了し、2003年にIAEAからIAEAネットワーク分析所として認証され、現在ネットワーク分析所の一員として活動している。今回、マイナーアクチノイドや核分裂生成物,フィッショントラック法を用いたパーティクル分析法の開発を行い、ICP-TOFMAを使った効率的なパーティクル分析法,蛍光エックス線を用いたスクリーニング法の開発を開始したので、その概要と現状について報告する。
江坂 文孝; 渡部 和男; 福山 裕康; 小野寺 貴史; 江坂 木の実; 間柄 正明; 桜井 聡; 臼田 重和
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(11), p.1027 - 1032, 2004/11
被引用回数:56 パーセンタイル:95.47(Nuclear Science & Technology)保障措置スワイプ試料中に含まれる個々のウラン粒子の同位体比を効率的に分析するために、新たな粒子回収法及び高感度なスクリーニング法を開発した。スワイプ試料中に含まれる粒子を真空吸引-インパクト捕集法により試料台上に回収した。試料台にグリースを塗布した場合、その回収効率は48%であり、従来の超音波を用いた粒子回収方法よりも優れていた。また、二次イオン質量分析法(SIMS)による同位体比分析に先立って、試料中のウラン粒子の存在を確認するスクリーニング手段として全反射蛍光X線分析法(TXRF)を適用した。その結果、試料台にSiを用いることによりウランを高感度(検出限界22pg)で測定することができた。これらの方法とSIMS法を組合せることにより、個々のウラン粒子のU/U同位体比を効率的に分析することが可能となった。
江坂 文孝; 渡部 和男; 福山 裕康; 小野寺 貴史; 江坂 木の実; 伊奈川 潤; 井口 一成; 鈴木 大輔; Lee, C. G.; 間柄 正明; et al.
第25回核物質管理学会日本支部年次大会論文集, p.128 - 135, 2004/00
原研は、保障措置環境試料分析のためのパーティクル及びバルク分析法の開発を行い、2003年1月にIAEAネットワーク分析所の一員として認定された。パーティクル分析法では、原子力施設内で拭き取りにより採取された試料(スワイプ試料)中の個々の粒子中に含まれる核物質の同位体比を測定できるためより詳細な情報を得ることができる。まず、二次イオン質量分析法(SIMS)をパーティクル分析に適用するとともに、試料中の粒子を試料台上にインパクター方式で回収し全反射蛍光X線分析法でスクリーニングを行う方法を開発し、一連の技術として確立した。現在、本法により国内及びIAEA保障措置スワイプ試料の分析を定常的に行っている。さらに、SIMSでは分析が困難な粒子径1マイクロメートル以下の粒子の分析を可能とするために、フィッショントラック法と表面電離質量分析法を組合せたより高感度なパーティクル分析技術の開発も開始している。
江坂 文孝; 渡部 和男; 小野寺 貴史; 田口 拓志; 間柄 正明; 臼田 重和
Spectrochimica Acta, Part B, 58(12), p.2145 - 2155, 2003/12
被引用回数:20 パーセンタイル:62.48(Spectroscopy)全反射蛍光X線分析法によるエアロゾル粒子の元素分析の感度向上のために、粒子の直接捕集及び分析のための直径25mmのシリコンウェハー試料台を作成した。その試料台を用いた際の元素の検出限界は、従来より用いられているガラス状炭素及び石英ガラス試料台よりも、X線散乱によるバックグラウンドを抑えられたことにより優れていた。このシリコンウェハー試料台を用いてエアロゾル試料(粒子径: 2.0m, 0.3-2.0m, 0.05-0.3m)を1月から8月まで茨城で捕集し分析した。その際、セレンを内標準物質としてそれぞれの試料に加えた。結果として、ng/cm-pg/cmの濃度の粒子中の元素を検出することができた。実験結果から、K, V, Zn, Br, Pbの各元素は粒子径の小さい粒子に多く存在し、人為起源であることが推定された。一方、Ca, Ti, Feは、粒子径の大きな粒子に多く存在した。これは、土壌によるものと推定された。発表では、測定期間中の元素組成の変化についても議論する。
川村 真人*; 穴見 昌三*; 福井 佑治*; 久保田 親*; 小野 正明*; 千代 悦司; 弓野 雄一*; 久保 宏*
Proceedings of 28th Linear Accelerator Meeting in Japan, p.369 - 371, 2003/07
J-PARCリニアックでは、高周波源としてモジュレーティング・アノード型パルスクライストロンが採用されている。そのクライストロンに大電力を供給するクライストロン電源システムが開発され、200MeVリニアックに必要な大電力機器の大部分は既にJAERI, KEKに納品されている。また、KEK60MeV施設では現在最上流部の建設が継続されており、それに対応してクライストロン電源システムも試験・運転が行われている。本報告では、当電源システムの概要とKEK60MeV施設における現状について報告する。
大内 伸夫; 水本 元治; 草野 譲一; 千代 悦司; 長谷川 和男; 赤岡 伸雄*; 斎藤 健治*; 野口 修一*; 加古 永治*; 井上 均*; et al.
Proceedings of 20th International Linac Conference (CD-ROM), 1 Pages, 2000/00
原研とKEKとの共同で進めている「大強度陽子加速器計画」では高エネルギーリニアック部で超伝導リニアックの採用を予定している。これまで単セル空胴及び5連セル空胴を製作しその性能試験を実施した結果、空胴性能の目標値16MV/mを達成している。また400MeVから600MeVの領域におけるシステム設計の結果良好なビームが得られる見通しを得た。また、パルス運転の際の空胴内電場についても新たな手法による詳細な解析を進め安定な運転が可能なことを示した。
大内 伸夫; 草野 譲一; 赤岡 伸雄*; B.Fechner*; 長谷川 和男; 竹内 末広; 水本 元治; 斎藤 健治*; 野口 修一*; 小野 正明*; et al.
Proc. of 1st Asian Particle Accelerator Conf. (APAC98), p.77 - 79, 1998/11
原研では、中性子科学研究計画用大強度陽子加速器のための超伝導加速空胴の開発をKEKと共同で進めている。その第一段階として、=0.5単セル空胴を2個試作し、その性能を試験した。空胴の機械加工は、プレス成形、トリム、電子ビーム溶接の工程で行った。機械加工後に、バレル研磨、電解研磨、熱処理、高圧水洗浄からなる表面処理を行い、原研テストスタンドにおいて空胴性能試験を行った。試験では、最大表面電場強度44MV/mを達成し、設計値16MV/mを大幅に上回る良好な結果を得た。また、大気圧荷重及びローレンツ力による共振周波数変化の測定も行い、計算値と一致する結果を得た。
大内 伸夫; 草野 譲一; 赤岡 伸雄*; 竹内 末広; 長谷川 和男; 水本 元治; 井上 均*; 加古 永治*; 野口 修一*; 小野 正明*; et al.
Development of Large Scale Superconducting Radio Frequency (SRF) Technologies, p.50 - 55, 1998/00
原研では、大強度陽子加速器により駆動される強力核破砕中性子源を核とした中性子科学研究計画を提案している。リニアックの加速エネルギー及び最大平均ビーム電流は、それぞれ1.5GeV、5.3mAであり、0.1GeV以上の高エネルギー領域では超伝導加速器の採用を計画している。このため、超伝導陽子リニアックの設計開発をKEKと共同で進めている。ここで、超伝導空胴は陽子の速度に合わせるため8個のセクションに分割される。空胴の設計においては、RF及び構造解析を行った。また、空胴の開発では、テストスタンドを整備するとともに、=0.5単セル空胴を2台試作し、性能試験を行った。結果は良好で、最大表面電界44MV/m及びQ値310を達成した。これらの値は、設計パラメータを十分に満足するものである。
大森 憲一郎; 薄井 勝富; 大島 克己*; 大賀 徳道; 河合 視己人; 渡邊 和弘; 伊藤 孝雄; 栗山 正明; 小野 要一*; 川島 秀一*
Fusion Technology 1998, 1, 4 Pages, 1998/00
JT-60負イオンNBI装置(N-NBI)は、1996年よりビーム出力の増大を図りながらJT-60プラズマへの入射実験を行っている。これまでの運転において、N-NBIの主要構成機器の一つであるイオン源用電源でもいくつかの問題が発生した。これらの多くは、ビーム出力の増大に伴い発生頻度が増したイオン源におけるブレークダウンが原因であると推定された。そこで、これらに対処するため、加速電源制御系のディジタル制御化改造、フィラメント電源電圧検出回路へのフィルタ増設、あるいは、アーク電源の過電流に対する保護レベルの見直しといった改造が行われた。また、その他の電源においても、ビーム入射の最適化を目指し、いくつかの改造・調整等が実施された。本シンポジウムでは、N-NBIの運転時に電源において発生した問題点、それに対する対処(改造)、そしてその結果について報告する。
赤岡 伸雄*; 草野 譲一; 大内 伸夫; 水本 元治; 竹田 修*; 野口 修一*; 斎藤 健治*; 小野 正明*; 加古 永治*; 宍戸 寿郎*
Proceedings of 23rd Linear Accelerator Meeting in Japan, p.289 - 291, 1998/00
中性子科学研究計画における大強度陽子加速器の高エネルギー加速部に用いる超伝導加速空胴の開発を行っている。これまでに空胴の形状、構造強度及びビームダイナミックスの検討が進められてきた。それと平行して単セル空胴の製作、性能評価を行ってきた。そして空胴の性能評価を行う上で必要となるテストスタンドの整備を行っている。このテストスタンドの一部である高圧水洗浄システムは、超伝導空胴の最終洗浄法として必要不可欠のもので、空胴の性能を決定付ける要素の一つになっている。このたび、本装置をKEKのLバンド空胴に適用し性能評価を行った。その結果について報告する。
草野 譲一; 大内 伸夫; 赤岡 伸雄*; 富澤 哲男; 竹内 末広; 水本 元治; 野口 修一*; 斎藤 健治*; 井上 均*; 小野 正明*; et al.
Proceedings of 23rd Linear Accelerator Meeting in Japan, p.124 - 126, 1998/00
中性子科学研究計画の下で開発中のビーム出力8MWの大強度陽子加速器ではリニアック高エネルギー加速部(0.1GeV~5GeV)に600MHzの超伝導加速空胴の使用をしており、そのための開発を3年前からKEKと共同で進めて来た。これまでにKEKトリスタン加速器の経験を基に空胴形状の検討、空胴構造強度の検討、ビームダイナミックスの検討を行うと共に単セル空胴の製作と性能評価を行って来た。本発表では、第1ステップとしての単セル空胴3基の性能試験結果・評価と、第2ステップとして開始した5連セル空胴試験のための機器整備状況の現状を報告する。
大内 伸夫; 草野 譲一; 野口 修一*; 斎藤 健治*; 井上 均*; 小野 正明*; 宍戸 寿郎*; 水本 元治; B.Fechner*; 椋木 健*; et al.
Proc. of 22nd Linear Accelerator Meeting in Japan, p.167 - 169, 1997/00
原研では、中性子科学研究計画の一環として超電導陽子加速器の開発をKEKと共同で行っている。その第一ステップとして、(粒子速度と光速との比)~0.5の超伝導単セル空洞の試作及び試験を原研・KEKの双方で行った。原研では、周波数600MHz、=0.5の空洞を試作した。表面処理としてバレル研磨と電解研磨を行い、原研の高圧水洗浄装置で洗浄を行った後に試験を行った。その結果、温度4.2Kで最大表面電界20MV/m、2.1Kで26.6MV/mを達成した。KEKでは、周波数1.3GHz、=0.45の空洞を試作した。表面処理としてバレル研磨、化学研磨、電解研磨を行い、高圧水洗浄後に試験を行った。その結果、温度1.9Kにおいて最大表面電界52.8MV/mを達成した。いずれも、目標値16MV/mを十分に満足している。
大内 伸夫; 草野 譲一; 赤岡 伸雄*; 竹内 末広; B.Fechner*; 長谷川 和男; 水本 元治; 井上 均*; 加古 永治*; 野口 修一*; et al.
Proc. of 8th Workshop on RF Superconductivity, 1, p.22 - 26, 1997/00
原研では、中性子科学研究計画用大強度陽子加速器のための超伝導加速空胴の設計、開発をKEKと共同で進めている。その一環として、空胴試験のためのテストスタンドの整備を行うとともに、=0.5単セルモデル空胴の試作、表面処理を行い、テストスタンドにおいて試験を行った。テストスタンドは、試験用クライオスタット、空胴組立用クリーンルーム、高圧水洗浄装置、熱処理炉で構成される。モデル空胴の試作は、プレス成形、トリム、電子ビーム溶接の工程で行い、バレル研磨、電解研磨、熱処理の表面処理を行った。テストスタンドにおける試験の結果、最大表面電場強度30MV/mを達成し、設計仕様(16MV/m)を上回る良好な結果を得た。このことから、陽子加速器用超伝導空胴製作における電磁気的技術課題をクリアした。