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天藤 雅之; 高城 久承; 小鷹 幸三; 北端 琢也
PNC TN9410 97-023, 186 Pages, 1997/02
新型転換炉「ふげん」亜鉛注入時の材料健全性確認新型転換炉「ふげん」では、被ばく低減を目的に原子炉冷却水中に亜鉛を注入することが計画されている。冷却系に使用されている各種材料の亜鉛注入時における健全性を確認するため、原子炉冷却水模擬環境下で亜鉛注入(約10ppb)および無注入の材料腐食試験を各2,000h実施した。本試験により得られた主な結果は以下のとおりである。・圧力管材料であるZr-2.5%Nb 合金は、亜鉛注入により若干重量増加が大きくなる傾向を示したが、酸化による母材の肉厚減少量は1.3 m(100,000h外挿値で10m程度)であり、圧力管の健全性に影響をおよぼすレベルではない。腐食試験中の水素吸収は認められなかった。・ステンレス鋼では、亜鉛無注入時に腐食により重量が減少する傾向が認められ、耐蝕性の低い鋼種ほどその重量減少が明確であったが、亜鉛注入時はいずれも僅かな重量増加に転じ、亜鉛注入は腐食を抑制する方向であることが確認された。・腐食試験後の表面皮膜分析より、亜鉛注入により表面皮膜中に亜鉛が高濃度に濃縮され、その形態も変化することが明らかとなった。亜鉛注入の有無で認められた腐食量の差は、表面腐食生成物の組成および形態の差に起因すると考えられる。
天藤 雅之; 小鷹 幸三
PNC TN9410 97-013, 111 Pages, 1997/01
高燃焼度54本クラスタ燃料集合体の「ふげん」への少数体装荷が計画されており、その設置変更許可中請には炉内滞在中における上記燃料の健全性を確証しなければならない。燃料要素の健全性評価では、燃料被覆管表面のスペーサとの接触部に生じるフレッティング摩耗深さが設計許容値を越えないことを確認することが重要である。フレッティング摩耗の進展特性では、燃料要素の振動(流力振動)特性が重要な因子となることから、上記燃料についても炉心流動条件下での振動特性、特に摩耗進展速度に直接影響する振幅値を正確に把握しておく必要がある。本報告書では、振動計測用燃料要素を組込んだ54本クラスタ燃料集合体をコンポーネント・テストループに装荷し、各種流動条件下で行った振動測定結果を示す。流力振動での周波数特性では、105Hz及び160Hz近傍に卓越した周波数が観察され、フレッティング摩耗解析コード(流力振動計算部)で求めた振動モードおよびその固有振動数と概ね一致した。流力振動振幅は、総流量および蒸気重量率の増加で増大し、その傾向は従来の上記解析コードによる計算結果と一致するが、低流量領域での振幅測定値が計算値に比べ大きく現れた。この差については、解析コード内の振動振幅計算式を改良、すなわちPaidousisの式を主に全流量に依存する成分と主に蒸気重量率に依存する成分に分離し、各々について最適な定数を決めることにより、安全側に縮小できることが確認された。本燃料の流力振動振幅値は、「ふげん」用28本クラスタ燃料、ATR実証炉用36本クラスタ燃料のいずれに対しても増加するが、今回の試験での流動条件範囲では、最大でも2m(実効値)程度の振幅値であった。流動条件と振幅値との関係から、「ふげん」装荷が予定されているチャンネルでの流動条件においては振幅値は1.9mと予想され、コンポーネント・テストループで実施した本燃料集合体の耐久試験条件での振幅値(1.7m)との差も僅かであり、「ふげん」装荷時の振幅値変化が、耐久試験で実測しているフレッティング摩耗進展特性に及ぼす影響は小さいと考えられる。
小鷹 幸三; 天藤 雅之; 菅原 正幸; 小池 通崇; 松田 昌悟; 遠藤 和雄; 揖場 敏
PNC TN9410 96-235, 258 Pages, 1996/03
原子炉の定検作業時における被曝低減対策の一環として,炉心一次冷却系統機器に付着したクラッドを除去するための化学除染法が開発され,ふげん発電所で既に実施されている。一方,これまでの化学除染は,燃料体が炉心に無装荷の状態で実施されているため,設備利用率の向上を図る観点から,燃料体が装荷された状態で除染を行う計画が策定された。本計画を実施に移すに当たっては,除染剤が燃料集合体を構成する部材に悪影響を及ぼさないことを,試験を行って確認しておく必要がある。本報告は,除染剤が燃料集合体構成部材の健全性に与える影響を調べるために実施した材料特性試験並びに燃料要素被覆管のフレッティング摩擦特性に関する実規模炉外耐久試験の結果について,まとめたものである。本試験で得られた結果の概要を以下に記す。(1)除染処理及び残留除染材による,燃料集合体構成部の応力腐食割れに対する感受性は十分低い。(2)除染処理及び残留除染剤は,燃料要素被覆管のフレッティング摩擦の進展を促進させる傾向はほとんど認められず,スペース・リング素子の燃料要素保持機能並びに燃料要素被覆管のフレッティング摩擦特性に対する健全性に悪影響を及ぼすことはない。
菅原 正幸; 小鷹 幸三; 小池 通崇; 菊池 晧; 永島 順次*
動燃技報, (79), p.58 - 63, 1991/09
新型転換炉(ATR)実証炉燃料集合体につき燃料要素被覆管表面に生ずるフレッティングきずに対する健全性を確認するための耐久試験を行った。試験は模擬燃料集合体を用い、実証炉炉心を模擬した流動条件、水質条件のもので12,000時間行った。そしてあらかじめ設定した時間ごとにフレッティング腐食深さ及びスペーサリング素子保持力を測定した。その結果、実証炉燃料集合体はフレッティング腐食特性からみて健全性を確保できる見通しが得られた。
植松 真一; 栗田 一郎; 小貫 徳彦; 小鷹 幸三; 照沼 幸司
ANS Topical Meeting on LWR Fuel Perfomance, ,
動燃事業団は将来の熱中性子炉用MOX燃料に資するために、最高燃焼度55GWd/tの54本型高燃焼度MOX燃料の開発を行っている。燃料設計評価手法としては、合理的な統計的手法を導入した。その中心となる燃料棒挙動解析コードとしてFEMAX-ATRを開発した。本コードは原研が開発したUO2燃料棒挙動解析コードFEMAXI-IIIをベースにMOX燃料に関する物性値及び挙動モデルを組込んだものである。各種の照射試験データにより検証を行ない、十分な予測精度を有することを確認した。一方、大洗工学センターにおいて、54本型燃料の炉外試験として限界熱流来(CHF)試験、及び耐久試験を行ない、従来のCHF相関式が適用できることを確認し、55GWd/tまでの耐久性が保たれる見通しを得た。動燃事業団はUO2-Gd燃料棒に替わるDuplex型MOX-Gd燃料棒を開発している。この燃料棒の特長は既存のMOXペレット