Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
山口 義仁; 真野 晃宏; Li, Y.
Transactions of the 27th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT 27) (Internet), 10 Pages, 2024/03
加圧水型原子炉の重要機器の構成要素である蒸気発生器(SG)伝熱管では、経年劣化による局部減肉が報告されている。確率論的リスク評価やリスク情報を活用した意思決定に資するため、減肉の存在が確認された場合の伝熱管の破損確率の増加を評価する必要がある。また、SG伝熱管の破損確率を計算するためには、減肉を有する伝熱管の破裂圧力を評価する手法が必要である。本研究では、国内及び米国の破裂試験結果に基づき、減肉を有するSG伝熱管を対象とした既存の破裂圧力評価手法を改良し、精度の向上を図った。また、改良した破裂圧力評価手法を用いて減肉寸法を変えながら、通常運転から過渡条件における破損確率を算出し、減肉寸法と破損確率の関係を定量的に求めた。本論文では、上記破裂圧力評価手法の改良及び改良した破裂圧力評価手法を用いて算出した破損確率について報告する。
池内 宏知; 佐々木 新治; 大西 貴士; 仲吉 彬; 荒井 陽一; 佐藤 拓未; 多木 寛; 関尾 佳弘; 山口 祐加子; 森下 一喜; et al.
JAEA-Data/Code 2023-005, 418 Pages, 2023/12
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所(1F)の廃炉作業を安全かつ着実に実施するためには、炉内で生成した燃料デブリの組成や物理的・化学的特性等の性状を把握し、燃料デブリの取り出しや収納・保管等の実際の廃炉作業を検討するプロジェクトに提供していく必要がある。この目的から、1F2号機の内部調査で取得された付着物や堆積物等の汚染物サンプルを用いて、サンプル中の成分の把握及び燃料由来のウランを含む微粒子(U含有粒子)の詳細観察を行った。本報告書は、サンプルの成分由来やU含有粒子の生成過程等の解析評価に供するため、2021年度に得られた分析結果として、FE-SEM/WDX、FE-SEM/EDX、TEM/STEM-EDXによる詳細観察画像や元素分析結果、放射線測定結果及びICP-MSによる元素分析結果をデータベースとしてまとめたものである。
高崎 浩司; 安宗 貴志; 山口 祐加子; 橋本 周; 前田 宏治; 加藤 正人
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(11), p.1437 - 1446, 2023/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)空気力学的放射能中央径(AMAD)は内部被ばくの評価に必要な情報である。2017年6月6日に日本原子力研究開発機構の大洗サイトのプルトニウム取扱施設において、核燃料物質を収納した貯蔵容器の調査作業中に事故的な汚染が発生し、5名の作業者がプルトニウムを含む放射性物質を吸入した。線量評価のために、いくつかのスミアろ紙と空気サンプリングフィルタをイメージングプレートで測定し、硝酸プルトニウムと二酸化プルトニウムの2つのケースの最小AMADを保守的に推定した。AMADの指定の結果、スミアろ紙の極端に大きな粒子を除いても、塗抹紙からの硝酸プルトニウムの最小AMADは4.3-11.3m、二酸化プルトニウムのそれは5.6-14.1mであった。また、空気サンプリングフィルタからの硝酸プルトニウムの最小AMADは3.0mで、二酸化プルトニウムは3.9mであった。
平田 芳信*; 中川 洋; 山内 宏樹; 金子 耕士; 萩原 雅人; 山口 秀幸*; 大元 智絵*; 勝野 那嘉子*; 今泉 鉄平*; 西津 貴久*
Food Hydrocolloids, 141, p.108728_1 - 108728_7, 2023/08
結晶化度は食品や材料の機械的性質に反映される。結晶化度は澱粉の構造ダイナミクスと関係しているはずである。本研究では、中性子準弾性散乱(QENS)を用いて、炊飯澱粉の老化に伴う分子ダイナミクスの変化を調べた。測定されたQENSの幅は老化に伴い狭くなった。また、弾性非干渉散乱構造因子(EISF)は増加し、老化現象に伴い分子ダイナミクスが空間的に抑制されることが示された。低移動度と高移動度をそれぞれ結晶相と非晶質相に対応させた2値分布の連続拡散モデルを用いてEISFを解析したところ、低移動度成分の割合が老化によって増加することが示された。
Li, W.*; 山田 真也*; 橋本 直; 奥村 拓馬*; 早川 亮大*; 新田 清文*; 関澤 央輝*; 菅 大暉*; 宇留賀 朋哉*; 一戸 悠人*; et al.
Analytica Chimica Acta, 1240, p.340755_1 - 340755_9, 2023/02
被引用回数:2 パーセンタイル:31.9(Chemistry, Analytical)希土類元素は放射性元素であるアクチノイドのアナログ元素としてしばしば利用される。セリウム(Ce)は希土類元素の中でも+3価と+4価の両方をとり得る特別な元素である。環境試料中のCeの+3価と+4価の比を調べる手段としてX線吸収端近傍構造(XANES)が有力であったが、チタン濃度が高いと蛍光X線の干渉のために測定ができないという問題があった。本研究では、L吸収端だけでなくL吸収端を調べ、さらに新しい検出器であるtransition-edge sensor (TES)を利用することでこれまでは測定が難しかった試料も測定可能にした。この結果は様々な環境試料に応用可能である。
山口 康宏; 安井 繁宏*; 保坂 淳
Physical Review D, 106(9), p.094001_1 - 094001_16, 2022/11
被引用回数:1 パーセンタイル:0.01(Astronomy & Astrophysics)We discuss the interaction of an open heavy meson ( and * for charm or and * for bottom) and a nucleon () by considering the , , , and exchange potentials. We construct a potential model by respecting chiral symmetry for light quarks and spin symmetry for heavy quarks. Model parameters are adjusted by referring the phenomenological nuclear (CD-Bonn) potentials reproducing the low-energy scatterings. We show that the resulting interaction may accommodate and bound states with quantum numbers = 0(1/2), and 1(1/2). We find that, in the present potential model, the exchange potential plays an important role for the isosinglet channel, while the exchange potential does for the isotriplet one.
山口 義仁; 真野 晃宏; Li, Y.
Proceedings of ASME 2022 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2022) (Internet), 10 Pages, 2022/07
蒸気発生器(SG)伝熱管は、加圧水型原子炉の重要な機器の一つである。SG伝熱管では、減肉や応力腐食割れなどの検出が報告されている。SG伝熱管の構造健全性を評価するためには、一次冷却系からの内圧と二次冷却系からの外圧の両方を考慮して破裂による破壊を評価する必要がある。そこで、様々な機関においてSG伝熱管を対象とした破裂試験が実施され、それに基づき破壊評価法が提案されている。本研究では、減肉又は亀裂を有するSG伝熱管を対象に、既存の破裂試験データを調査し、それを踏まえて、亀裂又は局所的な減肉を有するSG伝熱管に適した破壊評価法を新たに提案した。また、これらの破壊評価法の適用性を、予測結果と実機SG伝熱管の破裂試験データを比較することにより確認した。
平山 真太郎*; 佐藤 紘一*; 加藤 太治*; 岩切 宏友*; 山口 正剛; 渡辺 淑之*; 野澤 貴史*
Nuclear Materials and Energy (Internet), 31, p.101179_1 - 101179_9, 2022/06
被引用回数:3 パーセンタイル:68.71(Nuclear Science & Technology)一軸引張歪下での鉄の空孔あるいは空孔-炭素複合体への水素結合エネルギーを密度汎関数法を用いて計算した。歪による結合エネルギー変化と水素原子トラップ数の変化について考察した。
真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.
Journal of Pressure Vessel Technology, 144(1), p.011506_1 - 011506_9, 2022/02
被引用回数:1 パーセンタイル:20.34(Engineering, Mechanical)これまで、沸騰水型原子炉(BWR)配管系のニッケル合金異材溶接継手において応力腐食割れ(SCC)による亀裂の存在が報告されており、そのような溶接継手に対する構造健全性評価が重要となっている。現在、影響因子の固有の不確実さを確率分布として考慮することで亀裂を有する機器の破損確率を定量的に評価できる確率論的破壊力学(PFM)評価手法が、より合理的な構造健全性評価手法として注目されており、原子力機構では、溶接継手を含む原子炉配管系を対象としたPFM解析コードPASCAL-SPの開発を進めている。本研究では、PASCAL-SPにBWRのニッケル合金異材溶接継手を対象とした解析機能を新たに導入した。また、改良したPASCAL-SPを用いて、異材溶接継手を対象に、漏えいの検知及び供用期間中検査が破損確率に及ぼす影響に関する感度解析を実施した。解析結果より、改良したPASCAL-SPは、異材溶接継手の破損確率を求め、供用期間中検査等の効果を定量的に評価できることから、構造健全性評価に有用であると結論付けた。
Zhang, T.; Lu, K.; 真野 晃宏; 山口 義仁; 勝山 仁哉; Li, Y.
Fatigue & Fracture of Engineering Materials & Structures, 44(12), p.3399 - 3415, 2021/12
被引用回数:14 パーセンタイル:81.94(Engineering, Mechanical)GTNモデルは、延性金属の微細組織の力学挙動を考慮するモデルであるとともに、式が明確な物理的意味を表すことから、延性金属の破壊予測のためのアプローチとして期待されている。一方、強い相関のある8つのモデルパラメータの決定が困難なため、工学的な応用はほとんど進んでいない。本研究では、GTNモデルの物理的背景に基づいて、GTNモデルのパラメータを決定するための一連の手法を提案した。具体的には、連続体損傷力学の考え方を活用し、一軸引張試験における有効ヤング率の変化からボイドの体積分率の増加を実験的に求めることで、ボイドの生成に関する3つのパラメータの値を決定した。その他のGTNモデルのパラメータに関しては、化学組成分析、ボイドが含まれる単位セルモデルを用いた解析及び有限要素逆解析により一意に決定した。また、これらのパラメータ決定手法の妥当性を、炭素鋼STPT410の亀裂付き試験片と亀裂のない試験片の両方の破壊試験の結果と決定したパラメータを用いた数値解析結果との比較を通じて確認した。
中村 聡*; 保坂 淳; 山口 康宏
Physical Review D, 104(9), p.L091503_1 - L091503_8, 2021/11
被引用回数:15 パーセンタイル:82.88(Astronomy & Astrophysics)The recent LHCb data on / revealed a new pentaquark-like (4337) structure, while finding no evidence for (4312) discovered earlier in /. Though puzzling, the data actually offer an important hint to understand the nature of the pentaquark candidates. We develop a model to analyze the / data. We find that a over bar over bar one-loop mechanism causes a threshold cusp that fits well the (4337) peak. Also, the over bar over bar and * threshold cusps interfere with each other to reproduce an oscillating behavior in the proton helicity angle distribution. These results combined with our earlier analysis on / indicate that (4312) and (4337) are created by different interference patterns between the and * (anomalous) threshold cusps. The proposed scenario consistently explains why the (4312) and (4337) peaks appear in / and / over bar over bar, respectively, but not vice versa or both.
山口 康宏; Garca-Tecocoatzi, H.*; Giachino, A.*; 保坂 淳; Santopinto, E.*; 竹内 幸子*; 瀧澤 誠*
Few-Body Systems, 62(3), p.33_1 - 33_7, 2021/09
被引用回数:1 パーセンタイル:0(Physics, Multidisciplinary)本研究ではハドロン分子にコンパクトなコアが結合したハイブリット状態としてのペンタクォーク状態の理論解析が行われた。相互作用としてヘビークォーク対称性とカイラル対称性を尊重したものが用いられ、結果、と, の質量と崩壊幅の実験データを説明することができた。その時、スピン-パリティは, , と求まった。この解析で、エネルギー順位の構造にはコンパクト状態との結合より導かれたハドロン間相互作用が支配的な働きをしていることが得られ、一方、崩壊幅の決定にはパイオン交換力のテンソル項が重要な働きをしていることが得られた。
山口 康宏
原子核研究, 65(2), p.19 - 30, 2021/03
近年、成分を含むと思われるハドロン状態の発見報告が実験研究より相次いで行われている。それら状態は通常のハドロン描像(3クォーク状態のバリオンとクォーク-反クォークのメソン)では説明できず、多クォークからなるエキゾチックハドロンであると考えられている。本稿ではLHCb実験にて報告されたペンタクォーク・状態に着目し、チャームメソン(, )とチャームバリオン(, , )からなるハドロン分子状態とした理論解析を行う。そこではハドロン間相互作用として、長距離力である交換力、そしてコンパクトな5クォーク状態とハドロン分子が結合することから導かれた近距離力・ポテンシャルを導入し、ハドロン分子共鳴の質量と崩壊幅の予言が行われた。その結果、LHCbのの性質と一致するものが得られ、加えて新たな共鳴状態の予言も行われた。また、得られた共鳴状態に対し、導入した相互作用の役割が議論され、状態のエネルギー準位構造にポテンシャルが支配的に働き、一方で崩壊幅の生成に交換力のテンソル項が重要な役割を担っていることが明らかとなった。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:43 パーセンタイル:96.93(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
山口 義仁; 真野 晃宏; 勝山 仁哉; 眞崎 浩一*; 宮本 裕平*; Li, Y.
JAEA-Data/Code 2020-021, 176 Pages, 2021/02
日本原子力研究開発機構では、軽水炉機器の構造健全性評価及び耐震安全性評価に関する研究の一環として、原子炉配管を対象とした確率論的破壊力学(PFM: Probabilistic Fracture Mechanics)解析コードPASCAL-SP(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR - Stress Corrosion Cracking at Welded Joints of Piping)の開発を進めてきた。初版は2010年に公開され、その後もより実用性の高いPFM解析の実現を目的として、最新知見を踏まえて解析対象の拡充や解析手法の高度化等を実施してきた。今般、その成果を反映し、バージョン2.0として公開することとした。最新版では、解析対象の経年劣化事象として、ニッケル合金の加圧水型原子炉一次系水質環境中の応力腐食割れ、ニッケル合金の沸騰水型原子炉環境中の応力腐食割れ、二相ステンレス鋼における熱時効等を新たに加えたほか、最新の応力拡大係数解の導入や溶接残留応力の不確実さ等の評価機能の高度化を行い、より適用範囲が広く信頼性が高い配管の破損確率評価を可能とした。また、経年配管の耐震安全性評価の高度化に資することを目的に、巨大地震を想定した大きな地震応答応力に対応した亀裂進展量評価手法等を導入し、地震フラジリティ評価を可能とした。さらに、確率論的評価に係る影響因子の不確実さを認識論的不確実さと偶然的不確実さに分類し、これらの不確実さを考慮して配管の破損確率の信頼度を評価する機能及びモジュールを新たに整備した。本報告書は、バージョン2.0としてPASCAL-SP2の使用方法及び解析手法をまとめたものである。
山口 康宏; 山中 長閑*
Physical Review D, 103(1), p.013001_1 - 013001_20, 2021/01
被引用回数:34 パーセンタイル:95.26(Astronomy & Astrophysics)標準模型の範囲内での荷電レプトンの電気双極子モーメントの理論計算を行った。まず初めに、クォークレベルの寄与がGIM機構により抑制されることを示した。次にハドロンの寄与として、ベクターメソンループを考慮した計算を行った。そこではfactorizationを用いた=1を伴う弱い相互作用による結合や隠れた局所対称性を用いた強い相互作用による結合が導出された。これら結合を用いた計算の結果、これまで理論的に知られていた電気双極子モーメントの値に比べて非常に大きな寄与が得られた。
山口 康宏; 山中 長閑*
Physical Review Letters, 125(24), p.241802_1 - 241802_7, 2020/12
被引用回数:30 パーセンタイル:88.26(Physics, Multidisciplinary)本論文では、標準模型の範囲で、ハドロン有効模型を用いた荷電レプトンの電気双極子モーメント(EDM)の再評価が行われた。そこで、ハドロンによるlong-distance effectによって大きなEDMの生成が見られ、電子()とミューオン(),タウレプトン()に対し、それぞれ, , and cmというEDMが得られた。これらハドロンからの寄与は、これまで知られていた4ループレベルの素粒子の寄与に比べて非常に大きなものである。
長尾 郁弥; 新里 忠史; 佐々木 祥人; 伊藤 聡美; 渡辺 貴善; 土肥 輝美; 中西 貴宏; 佐久間 一幸; 萩原 大樹; 舟木 泰智; et al.
JAEA-Research 2020-007, 249 Pages, 2020/10
2011年3月11日に発生した太平洋三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波により、東京電力(現東京電力ホールディングス)福島第一原子力発電所の事故が発生し、その結果、環境中へ大量の放射性物質が放出された。この事故により放出された放射性核種は、その大部分が森林に沈着している。これに対し、面積が広大であり大量の除去土壌などが生じる、多面的な森林の機能が損なわれる可能性があるなどの問題があり、生活圏近傍を除き、汚染された森林の具体的な除染計画はない。そのため、未除染の森林から放射性セシウムが流出し、既に除染された生活圏に流入することで空間線量率が上がってしまうのではないか(外部被ばくに関する懸念)、森林から河川に流出した放射性セシウムが農林水産物に取り込まれることで被ばくするのではないか、規制基準値を超えて出荷できないのではないか(内部被ばくに関する懸念)などの懸念があり、避難住民の帰還や産業再開の妨げとなる可能性があった。日本原子力研究開発機構では、環境中に放出された放射性物質、特に放射性セシウムの移動挙動に関する「長期環境動態研究」を2012年11月より実施している。この目的は、自治体の施策立案を科学的側面から補助する、住民の環境安全に関する不安を低減し、帰還や産業再開を促進するといった点にある。本報告書は、原子力機構が福島県で実施した環境動態研究におけるこれまでの研究成果について取りまとめたものである。
Skoupil, D.*; 山口 康宏
Physical Review D, 102(7), p.074009_1 - 074009_19, 2020/10
被引用回数:1 パーセンタイル:8.09(Astronomy & Astrophysics)本論文では中間子光生成に関する研究が行われた。光生成実験は今後チャームハドロンの性質解明のため、重要なツールとなることが期待されている。一方でこれらチャームハドロンに関する光生成において多くのパラメータがいまだ決定されていない。そこでは我々は比較的パラメータ数の少ないRegge-plus-resonance模型を用いた生成断面積の計算を行った。バックグラウンドではチャンネルに軌跡を、チャンネルに軌跡を導入した。これらはエネルギーに対して滑らかな形の断面積を生成することが得られた。また、チャンネルに最近報告されたペンタクォーク状態の寄与を導入したところ、断面積に鋭いピーク構造を作ることが予言された。
鈴井 伸郎*; 柴田 卓弥; 尹 永根*; 船木 善仁*; 栗田 圭輔; 保科 宏行*; 山口 充孝*; 藤巻 秀*; 瀬古 典明*; 渡部 浩司*; et al.
Scientific Reports (Internet), 10, p.16155_1 - 16155_9, 2020/10
被引用回数:2 パーセンタイル:24.28(Multidisciplinary Sciences)Visualizing the dynamics of cesium (Cs) is desirable to understand the impact of radiocesium when accidentally ingested or inhaled by humans. The positron-emitting nuclide Cs was produced using the I (, 4n) Cs reaction, which was induced by irradiation of sodium iodide with a He beam from a cyclotron. We excluded sodium ions by using a material that specifically adsorbs Cs as a purification column and successfully eluted Cs by flowing a solution of ammonium sulfate into the column. We injected the purified Cs tracer solution into living rats and the dynamics of Cs were visualized using positron emission tomography; the distributional images showed the same tendency as the results of previous studies using disruptive methods. Thus, this method is useful for the non-invasive investigation of radiocesium in a living animal.