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報告書

炭酸塩スラリーの作製諸条件や保管期間が化学的特性およびレオロジー特性に与える影響

加藤 友彰; 山岸 功

JAEA-Technology 2023-018, 53 Pages, 2023/11

JAEA-Technology-2023-018.pdf:2.6MB

東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉作業において多核種除去設備(ALPS)前処理設備で発生する放射性の炭酸塩スラリー廃棄物(炭酸塩スラリー)は、高性能容器(HIC)に一時保管されている。2015年に炭酸塩スラリーへの気泡の保持が原因と推定されるHIC外部への溢水事象が確認され、HICに格納された炭酸塩スラリー(HICスラリー)保管に対する安全評価の必要性が高まっている。この安全評価をする上で、炭酸塩スラリー内での気泡保持放出特性等に寄与する懸濁物質粒子の化学的特性およびレオロジー特性の評価が重要である。特に、HIC外部への溢水が確認されたHICスラリーは保管上のリスクが高いと推定される。そこで本報では、当該HICスラリーのALPS入口水中Mg/Ca質量比を模擬して作製した模擬炭酸塩スラリー(模擬スラリー)を用いて、前処理設備における反応槽滞留時間やその後の濃縮過程がスラリーの化学的特性に与える影響を検討した。さらに処理液等の混入による懸濁物質濃度(SS濃度)の低下および充填後の静置時間等外的因子がレオロジー特性、特に沈降性、流動特性に与える影響を検討した。スラリー作製時の反応槽滞留時間およびスラリー濃縮過程が化学的特性に与える影響を検討した結果、クロスフローフィルタ(CFF)による濃縮過程を経ることで反応槽滞留時間の粒度への影響が微小となること、実機の通常運転時の実績と同じSS濃度150g/Lで作製した模擬スラリーは0.4$$mu$$m以下の不定形の粒子によって構成されていることが明らかとなった。また、処理液等の混入による充填時のSS濃度の低下および静置時間がレオロジー特性に与える影響を検討した結果、SS濃度の低下は初期の沈降速度増加に寄与すること、SS濃度150g/Lのスラリーと比較し沈降層部の密度が低くなることを明らかにした。加えて沈降に伴う密度の増加とスラリーの降伏応力間に正の指数関数的な相関が確認され、静置初期のスラリーでは非ビンガム流動的特性であるのに対し、静置期間が長期になることでビンガム流動的特性へと変化することが示唆された。これら一連の成果は、実際の福島県で保管されている炭酸塩スラリーのHIC内での現在の状態を推察する知見を与え、HIC表面線量評価やスラリー移し替え時等の安全評価への貢献が期待される。他方で、放射線によるスラリーへの化学特性への影響および気泡の保持・放出特性は検討課題としてあげられる。

論文

Geopolymer and ordinary Portland cement interface analyzed by micro-Raman and SEM

Cantarel, V.; 山岸 功

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(7), p.888 - 897, 2022/07

 被引用回数:2 パーセンタイル:53.91(Nuclear Science & Technology)

Geopolymers are a class of material that could potentially be used for sealing and repair of damaged concrete structures. This application is important for both decommissioning activities and standard industrial applications. The purpose of this article is to investigate the interface between ordinary Portland cement and geopolymer. The surface microstructure of the cement is investigated by SEM, EDX, and micro-Raman after embedding in geopolymer or immersion in the activation solution of a geopolymer for various durations. It is found that immersion in the solution induces a dendritic carbonation profile into the cement structure following the CSH gel. On the contrary, embedding in the geopolymer creates a dense, impermeable interface with a thickness of a few micrometers. This interface is found to be dense and brittle and it decreases the permeability of the surface, preventing the penetration of silicates into the cement structure. However, this brittle interface is sensitive to dehydration and can rupture under intense drying. This phenomenon can be utilized to separate the geopolymer and cement but is concerning if the integrity of the material must be guaranteed under extreme conditions.

論文

ゼオライト粒子と接触したステンレス鋼の$$gamma$$線による腐食影響

加藤 千明; 山岸 功; 佐藤 智徳; 山本 正弘*

材料と環境, 70(12), p.441 - 447, 2021/12

ゼオライト粒子は福島第一原子力発電所(1F)の汚染水の浄化のためのセシウム吸着塔内で用いられている。使用後のセシウム吸着塔は敷地内で保管されているが、ステンレス鋼製胴部の局部腐食が懸念された。この腐食リスクに対し、$$gamma$$線による影響データを照射下電気化学試験装置で取得した。また、内溶液の変化状態を実規模サイズのモックアップ試験装置で検討した。それらの結果から、過酸化水素による電位の上昇がゼオライト粒子の存在で防ぐことができ、塩化物イオンの濃化もそれほど生じないことを明らかにし、局部腐食が相当に小さく抑えられることを示した。

論文

Measurement and evaluation of hydrogen production from mixtures of seawater and zeolite in decontamination of radioactive water

熊谷 友多; 永石 隆二; 木村 敦*; 田口 光正*; 西原 健司; 山岸 功; 小川 徹

Insights Concerning the Fukushima Daiichi Nuclear Accident, Vol.4; Endeavors by Scientists, p.37 - 45, 2021/10

福島第一原子力発電所の放射性汚染水の処理では、汚染水から放射性のセシウムやストロンチウムを除去するためゼオライトが吸着剤として用いられる。吸着処理中や処理後の吸着剤保管時には、水の放射線分解で水素が発生する。安全な処理のためには発生する水素量の評価が重要である。そこで、ゼオライト系吸着剤と海水との混合物からガンマ線照射により発生する水素を測定し、処理時の水素発生量を評価した。海水のみ、吸着剤1wt%添加、約50wt%添加の試料について測定した結果、吸着剤量が1wt%では、海水のみの場合と同等の水素発生量であったが、約50wt%では減少した。しかし、約50wt%添加試料で測定された水素発生量は、混合物中の海水の放射線分解からのみ水素が発生するとして見積もった水素量よりも大きく、吸着剤に付与された放射線エネルギーが水素発生に寄与することが示唆された。汚染水中の核種分析の結果を元に、本研究の実験結果から水素発生量を評価した結果、処理前の汚染水1tからは標準状態で3.6mL/h、処理後の吸着剤では高放射線場となるため、吸着剤1tから1.5L/hの水素が発生すると見積もられた。

報告書

溢水した高性能容器内炭酸塩スラリーの組成を模擬した炭酸塩スラリーの作製と特性評価

堀田 拓摩; 山岸 功; 永石 隆二; 柏谷 龍之介*

JAEA-Technology 2021-012, 34 Pages, 2021/07

JAEA-Technology-2021-012.pdf:2.1MB
JAEA-Technology-2021-012(errata).pdf:0.18MB

東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所における多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System; 以下「ALPS」という。)および増設多核種除去設備(Improved ALPS)の前処理設備から発生する炭酸塩沈殿物を主とする廃棄物(以下「炭酸塩スラリー」という。)は高性能容器(High Integrity Container; 以下「HIC」という。)に格納されている。このHIC内において、水の放射線分解により発生した水素ガスの炭酸塩スラリー内での保持および、それに伴う容積増加が原因と推定される上澄み水のHIC外部への漏えい事象(溢水)が発生した。この溢水の発生が確認された当時に保管されていた大部分のHICにおいて、外部への溢水は観察されていない。このことはHIC内炭酸塩スラリー自体の性状や気泡の保持特性の理解が溢水発生条件を明らかにする上で重要であることを示唆している。そこで本研究では、溢水したHIC内炭酸塩スラリーの組成を模擬した炭酸塩スラリーを作製し、その炭酸塩スラリーの非放射性条件下での性状および気泡の保持特性を明らかにすることを目的とした。まず、溢水が発生した炭酸塩スラリーの組成を模擬するために、溢水した炭酸塩スラリーが調製された当時のALPS運転条件を調査し、炭酸塩スラリーの主要元素であるマグネシウムとカルシウムの比率を変えた5つの原水を調製した。これら原水から炭酸塩等を沈殿させ、実機ALPSと同じクロスフローフィルタ方式を用いて模擬炭酸塩スラリーを作製した。次に、作製した炭酸塩スラリーの化学分析を実施した。また、沈降試験を実施して沈降層の密度(以下「沈降密度」という。)、降伏応力を測定した。最後に、沈降層への気泡注入試験を実施し、炭酸塩スラリー内部での気泡保持/放出特性について検討した。模擬炭酸塩スラリーは原水組成のカルシウム含有率が高いほど沈降密度が高くなることが分かった。そして、沈降密度が高い模擬炭酸塩スラリーでは沈降層の降伏応力が高く、注入した気泡を保持しやすい傾向が観察された。これらのことから、溢水したHIC内炭酸塩スラリーを模擬するためには原水組成に関する情報が重要であり、また、スラリー内での気泡の保持状況には炭酸塩スラリーの密度が影響を及ぼすことを明らかにした。

論文

Online measurement of the atmosphere around geopolymers under gamma irradiation

Cantarel, V.; Lambertin, D.*; Labed, V.*; 山岸 功

Journal of Nuclear Science and Technology, 58(1), p.62 - 71, 2021/01

 被引用回数:4 パーセンタイル:35.51(Nuclear Science & Technology)

セメントに類似したジオポリマーを原子力分野で用いる場合に、多孔質なジオポリマーに含まれる水が放射線により分解されて発生する水素に留意する必要がある。原子力機構では、放射線による水素の発生と再結合、ジオポリマー中の水素の拡散を考慮したPRDモデルを開発してきた。本研究では、ジオポリマー試料を特殊な容器に封入し、Co-60ガンマ線で照射中の容器内ガスの水素および酸素濃度をオンライン分析した。ジオポリマーの孔を満たす水のアルカリ性が強いほど水素収量が少ない傾向が観察され、水素が再結合して水に戻る反応が顕著になることを確認した。照射中の酸素消費率は一定であり、この結果をPRDモデルから考察した。

論文

On the hydrogen production of geopolymer wasteforms under irradiation

Cantarel, V.; 有阪 真; 山岸 功

Journal of the American Ceramic Society, 102(12), p.7553 - 7563, 2019/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:29.81(Materials Science, Ceramics)

放射性廃棄物固化において、固化体からの水素発生は安全上の主要な懸念事項である。ジオポリマー材で固化する場合、材の多孔質構造中に多量の水が存在するため、水の放射線分解による水素発生が重要な因子となる。本研究では、ジオポリマー材単独またはゼオライト(模擬廃棄物)を含むジオポリマー固化体を、水飽和度と試料サイズを変えて$$^{60}$$Co $$gamma$$線で照射し、水素放出量を測定した。試料が塊状でサイズが大きく(円筒形40cm長)かつ水で飽和している場合(円筒形40cm長)の水素ガス放出量は1.9$$times$$10$$^{-10}$$ mol/Jであり、粉末試料の放出量2.2$$times$$10$$^{-8}$$ mol/Jよりも2桁小さかった。測定結果をジオポリマー中での水素の発生、再結合および拡散挙動を考慮したモデルにより解釈した。ジオポリマー中の拡散係数が既知であれば、モデルは水素放出量を水飽和度の関数として再現でき、試料サイズ40cmまでの放出量を予測できることがわかった。

論文

Hydrogen production of Zeolite A containing geopolymers

Cantarel, V.; 有阪 真; 山岸 功

Proceedings of 3rd International Symposium on Cement-based Materials for Nuclear Wastes (NUWCEM 2018) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2018/10

ジオポリマーは、種々の含水量およびゼオライト充填量(0-40重量%)で合成した。ゼオライトA,ジオポリマーおよびそれらの複合体を$$^{60}$$Co線源(1.5-2.5kGy/h)で10kGyまで照射した。照射後に水素量をGCで測定し、放射線分解による水素収量を求めた。収量の値から、照射中の水素再結合反応が示唆された。観測された挙動を理解するために実験系をモデル化し、より大きな試料の照射で発生する水素量を試算した。

報告書

Geopolymers and their potential applications in the nuclear waste management field; A Bibliographical study

Cantarel, V.; 本岡 隆文; 山岸 功

JAEA-Review 2017-014, 36 Pages, 2017/06

JAEA-Review-2017-014.pdf:3.37MB

十分な崩壊時間の後、水の除染に使用されたゼオライトは、最終的に長期保管のために処理される。ジオポリマーは、放射性セシウムおよびストロンチウム含有廃棄物の管理にあたり有望な固定基材と考えられている。このような用途のためには、バインダー構造、その巨視的性質、廃棄物との相互作用、および廃棄物形態で生じる物理化学的現象の正確な理解が、材料の健全性および安定性を判断する上で必要である。ジオポリマーは歴史の浅いバインダーであるが、この50年間に多くの研究が行われており、その特性とその用途の理解は急速に進んでいる。本レビューでは、ジオポリマーに関する研究から、ジオポリマー複合材料、核廃棄物固化材料、照射下のジオポリマーについて、実用的な情報を収集している。取集した情報は、今後の研究と実験のためのガイダンスとして活用する。

報告書

5,8-ジエチル-7-ヒドロキシ-6-ドデカノンオキシムによるPd抽出分離プロセスの開発

森田 泰治; 山岸 功

JAEA-Research 2017-006, 27 Pages, 2017/06

JAEA-Research-2017-006.pdf:1.83MB

オキシム系抽出剤5,8-ジエチル-7-ヒドロキシ-6-ドデカノンオキシム(5,8-diethyl-7-hydroxy-6-dodecanone oxime: DEHDO)によるPd分離について、バッチ抽出及び連続抽出試験によりプロセス構築の可能性について検討した。DEHDOのドデカン溶液を用いたバッチ抽出試験では、Pd, Zr, Mo以外の元素は抽出されず、DEHDOの選択性が高いこと、しかし、抽出速度はやや遅いこと、また、白色沈殿の生成があるが、加温により防止できることを明らかにした。また、PdのDEHDO溶媒からの逆抽出法として、亜硝酸を用いる方法を見出した。連続抽出試験では、98%のPd抽出率を得るとともに、1M硝酸に亜硝酸ナトリウム溶液を逐次添加する方法で95%程度のPdを逆抽出できることを示した。Zr, Moの同時分離を想定した連続抽出試験も実施し、MoがPdとともに分離できる可能性を示した。しかし、抽出部の水相には白色沈殿が生成しており、本手法を分離プロセスに適用するにはこれを防止する方法の開発が必要である。

報告書

Proceedings of the Research Conference on Post-accident Waste Management Safety (RCWM2016) and the Technical Seminar on Safety Research for Radioactive Waste Storage; November 7th and 8th 2016, LATOV, Iwaki, Fukushima, Japan

本岡 隆文; 山岸 功

JAEA-Review 2017-004, 157 Pages, 2017/03

JAEA-Review-2017-004.pdf:48.18MB

廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、福島第一原子力発電所の廃止措置の加速化や人材育成に資するため、国内外の研究協力を進めている。CLADSでは、「事故廃棄物の安全管理に関する研究カンファレンス(RCWM2016)」を2016年11月7日に、「放射性廃棄物保管の安全性研究に関する技術セミナー」11月8日に開催した。本報告書は上記研究カンファレンスと技術セミナーの講演要旨と発表資料を収録したものである。

論文

Gas retention behavior of carbonate slurry under $$gamma$$-ray irradiation

本岡 隆文; 永石 隆二; 山岸 功

QST-M-2; QST Takasaki Annual Report 2015, P. 95, 2017/03

福島第一原発での汚染水処理で炭酸塩スラリーが発生し高性能容器(HIC)に保管されている。HIC上のたまり水発生原因を推察するため、高崎量子応用研究所のコバルト照射施設で模擬炭酸塩スラリーに実機HICよりも高吸収線量率で$$gamma$$線を照射した。炭酸塩濃度95g/Lのスラリーに$$gamma$$線を8.5kGy/h照射すると、水位上昇、スラリー内の気泡発生、上澄液の出現、ガス放出を観察した。本試験結果より、水位上昇の原因はスラリー内のガス蓄積による体積増加と推察された。HIC上のたまり水発生に、ガス蓄積によるスラリーの体積増加が示唆された。

論文

Irradiation experiments of simulated wastes of carbonate slurry

永石 隆二; 本岡 隆文; 山岸 功

Proceedings of 2016 EFCOG Nuclear & Facility Safety Workshop (Internet), 6 Pages, 2016/09

BB2016-0884.pdf:1.24MB

多核種除去設備(ALPS)の高性能容器(HIC)中で起きた炭酸塩スラリーの液位上昇に伴うたまり水発生は、スラリー中のSr-90等からのベータ線による放射線分解に起因すると考えられるが、詳細は明らかにされておらず、その原因究明に関する実験的研究を東電、東芝、栗田工業と協力しながら段階的に進めてきた。実験では、水素が主要なガス生成物であり、海水成分のハロゲン化物イオンだけでなく凝集沈殿処理剤の炭酸イオンによってもその発生が促進されることがわかった。また、水素が溶存種から気泡に変わり高粘度のスラリーに保持されることで、スラリーの容積変化(膨張)が起こるとともに、照射下で特異に上澄み水が形成されることがわかった。

論文

Effects of gamma-ray irradiation on spontaneous potential of stainless steel in zeolite-containing diluted artificial seawater

加藤 千明; 佐藤 智徳; 上野 文義; 山岸 功

Proceedings of 17th International Conference on Environmental Degradation of Materials in Nuclear Power Systems - Water Reactors, Vol.2, p.1357 - 1374, 2016/05

福島第一原子力発電所事故の汚染水処理で発生する廃ゼオライト吸着塔の腐食評価の基礎的検討として、$$gamma$$線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。ステンレス鋼の定常自然浸漬電位は$$gamma$$線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従い定常自然浸漬電位が上昇した。この電位上昇は、主に放射線分解で生じるH$$_{2}$$O$$_{2}$$濃度の増加によるものであることを明らにした。一方、ゼオライト共存系では$$gamma$$線照射下の定常自然浸漬電位を低下させた。これは、ゼオライトによるH$$_{2}$$O$$_{2}$$濃度の低下によるものであり、ゼオライトの種類によりH$$_{2}$$O$$_{2}$$分解率が異なることを明らにした。$$gamma$$線照射下におけるステンレス鋼の電位上昇機構は放射線により生じるH$$_{2}$$O$$_{2}$$がステンレス鋼のカソード反応を活性化するためであり、ゼオライトはH$$_{2}$$O$$_{2}$$の生成を抑制するために電位が低下することを明らかにした。ステンレス鋼の局部腐食発生電位は、照射の有無、ゼオライトの種類や接触により大きく変化しないことから、ゼオライト共存は$$gamma$$線照射下において定常自然浸漬電位を低下させ、局部腐食発生リスクを低減できることが期待できることを明らにした。

論文

$$gamma$$線照射下における希釈海水を含むゼオライト中ステンレス鋼の局部腐食挙動

加藤 千明; 佐藤 智徳; 中野 純一; 上野 文義; 山岸 功; 山本 正弘

日本原子力学会和文論文誌, 14(3), p.181 - 188, 2015/09

福島第一原子力発電所事故の汚染水処理に用いた使用済み吸着塔の局部腐食発生条件に関する基礎的検討として、$$gamma$$線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。ステンレス鋼の自然浸漬電位は$$gamma$$線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従いその定常自然浸漬電位が上昇した。一方、ゼオライト共存系では$$gamma$$線照射下の電位上昇が抑制された。この電位上昇は、主に放射線分解で生じるH$$_{2}$$O$$_{2}$$濃度の増加によるものであることを明らにした。ゼオライトは$$gamma$$線照射により生成するH$$_{2}$$O$$_{2}$$を分解し、その電位上昇が抑制されることを明らかにした。ステンレス鋼の局部腐食発生電位は、照射の有無、ゼオライトの種類や接触により大きく変化しないことから、ゼオライト共存は$$gamma$$線照射下において定常自然浸漬電位を低下させ、局部腐食発生リスクを低減できることが期待できることを明らかにした。

論文

Chemical composition of insoluble residue generated at the Rokkasho Reprocessing Plant

山岸 功; 小田倉 誠美; 市毛 良明; 黒羽 光彦; 高野 公秀; 赤堀 光雄; 吉岡 正弘*

Proceedings of 21st International Conference & Exhibition; Nuclear Fuel Cycle for a Low-Carbon Future (GLOBAL 2015) (USB Flash Drive), p.1113 - 1119, 2015/09

六ヶ所再処理工場で発生した不溶解残渣の化学組成を分析した。XRD分析では、Mo-Tc-Ru-Rh-Pdからなる白金族合金、モリブデン酸ジルコニウム等の複合Mo酸化物、ジルコニアの存在を確認した。定量した12元素(Ca, Cr, Fe, Ni, Zr, Mo, Tc, Ru, Rh, Pd, Te, U)重量の90%以上は、白金族合金が占めた。シュウ酸溶液で複合Mo酸化物を選択的に洗浄溶解する手法を開発し、白金族合金と複合Mo酸化物の形態で存在するMoの割合を明らかにした。

論文

ガンマ線照射下希釈人工海水中におけるSUS316L鋼の自然浸漬電位に及ぼすゼオライトの影響

加藤 千明; 佐藤 智徳; 上野 文義; 山岸 功; 山本 正弘

材料と環境2015講演集(CD-ROM), p.83 - 86, 2015/05

福島第一原子力発電所事故の汚染水処理に用いた使用済み吸着塔の局部腐食発生条件に関する基礎的検討として、ガンマ線照射下における人工海水を含んだゼオライト中のステンレス鋼(SUS316L)の電気化学試験を行った。ステンレス鋼の定常自然浸漬電位はガンマ線照射により貴化し、吸収線量率の増加に従いその電位が上昇した。一方、ゼオライト共存系ではガンマ線照射下の電位上昇が抑制された。ガンマ線照射下におけるステンレス鋼の電位上昇機構は放射線により生じるH$$_{2}$$O$$_{2}$$がステンレス鋼のカソード反応を活性化するためであり、ゼオライトはH$$_{2}$$O$$_{2}$$の生成を抑制するために電位が低下することを明らかにした。ステンレス鋼の局部腐食発生電位は、照射の有無、ゼオライトの種類や接触により大きく変化しないことから、ゼオライト共存はガンマ線照射下において定常自然浸漬電位を低下させ、局部腐食発生リスクを低減できることが期待できることを明らかにした。

論文

Radionuclide release to stagnant water in the Fukushima-1 Nuclear Power Plant

西原 健司; 山岸 功; 安田 健一郎; 石森 健一郎; 田中 究; 久野 剛彦; 稲田 聡; 後藤 雄一

Journal of Nuclear Science and Technology, 52(3), p.301 - 307, 2015/03

 被引用回数:17 パーセンタイル:81.12(Nuclear Science & Technology)

2011年3月11日に起こった福島第一原子力発電所事故の後、タービン建屋並びにその周辺において多量の放射性核種を含む滞留水(汚染水)が発生した。本稿では、炉心に含まれている放射性核種のインベントリを計算すると共に、東京電力から公開された滞留水分析結果をまとめ、炉心から滞留水への放射性核種の放出率を評価した。なお、本評価は、2011年6月3日までに得られている情報に基づいている。トリチウム,ヨウ素、そしてセシウムの放出率は数十%であり、一方、ストロンチウムとバリウムはそれよりも一桁から二桁小さかった。これらの放出率はTMI-2事故と同程度であった。

論文

ゼオライトを主体とした高選択性吸着剤による高汚染水の処理

三村 均*; 山岸 功

ゼオライト, 31(4), p.115 - 124, 2014/12

福島第一原子力発電所事故対策を進める上で、50万トン規模の高汚染水が大きな障害となっている。海水が混入した高汚染水の浄化、特にセシウムの選択的除染に対しては、無機イオン交換体充填吸着塔による循環注水冷却システムが稼動しており、冷温停止が達成されているが、運転システムの高度化や二次固体廃棄物の安全管理および処分が課題となっている。ここでは、ゼオライトを主体としたセシウムおよびストロンチウム選択性吸着剤の吸着特性および固化特性を比較評価するとともに、吸着剤の高機能化の試みを紹介する。特に、わが国に豊富に産出する天然産ゼオライトは、セシウムに高い選択性を有すると共に、高温でのガス状セシウムのトラッピング機能および安定固化を実現できる自己焼結機能など優れた特性を有しており、高汚染水の処理および処分において今後重要な役割を果たすものと期待できる。さらに固体廃棄物の安全管理の現状および安定固化技術の開発状況について解説し、将来的な処分に対する課題を整理する。

論文

Estimation of the cesium concentration in spent zeolite vessels

森田 圭介; 山岸 功; 西原 健司; 津幡 靖宏

Proceedings of 2014 Nuclear Plant Chemistry Conference (NPC 2014) (USB Flash Drive), 11 Pages, 2014/10

Zeolite is used for adsorption of cesium in the treatment system for contaminated water generated at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant. Spent zeolite enclosed in stainless steel vessels needs to be stored for a long term; therefore, the hydrogen production by radiolysis of water and corrosion of the vessel under zeolite coexistence needs to be clarified for the safe storage of spent zeolite. The kinetics of cesium adsorption on herschelite, which is used as a zeolite-like adsorbent at the Fukushima site, was investigated to estimate the cesium concentration in spent zeolite vessels. The distribution of cesium in the bed depends on the salt concentration of the feed solution. A simulation code was developed to calculate both the concentration and distribution of $$^{134}$$Cs and $$^{137}$$Cs in spent vessels, and the results of calculations were in good agreement with those of experiments.

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